アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

JAZZ

フォープレイ / エナジー4

ENERGY-1 管理人的にはフォープレイのゴールド・ディスクの中ではイマイチの低評価作『ENERGY』(以下『エナジー』)である。
 『エナジー』は本田雅人の『ACROSS THE GROOVE』直後の1枚。幾分贔屓目に聴いた1枚でもある。

 贔屓目に聴いても数年間は低評価なままだった『エナジー』。何年も『エナジー』の中で好きな曲は【THE WHISTLER】1曲しかなかった。( ただしこの【THE WHISTLER】はフォープレイの全楽曲の中でも相当に大好き! )

 『エナジー』に対する評価は『ACROSS THE GROOVE』に対する評価と一体であった。
 またしても,いつものフォープレイの演奏スタイルに安心する反面,ガッカリもする。大概はそこから入って細かな違いを発見してはニンマリするパターンである。
 フォープレイのアルバムは聴く回数を重ねるごとに良くなっていく。明確に「これだっ」と電流が走ることはないのだが,いつの間にか気がついたらハマっている…。

 『エナジー』の第一印象は「あれっ,ラリー・カールトンが元気ないかな」であった。これって『ACROSS THE GROOVE』で「ラリー・カールトン抜きの4分の3」を聴き込んだせいかと思ったのに…。
← 管理人の悪い予想は良く当たると巷で評判でして…。フォープレイの次作にはラリー・カールトン不在の悪夢。今回の『エナジー批評では詳しくは書きません。

( フォープレイギタリストとしては『エナジー』が最終作になったので,この機会に管理人の考えるラリー・カールトンについて記しておく。ラリー・カールトンの魅力とは,フォープレイの“鉄壁な”アンサンブルが破たんするかどうかのギリギリのラインでギターを弾くところにあった。安定したキーボードベースドラムと不安定なギターがひっついたり離れたりする感じが好きだった。「ちょっとクセになる」と表現するのがピッタリのギター・ワーク。そんなラリー・カールトンの「危険な寸止め」! )。

 『エナジー』の底辺に流れる「ソフト&メロー回帰」。『エナジー』にはフォープレイの新たなチャレンジを発見できずにいたのだが,例えばコード進行1つをとっても『エナジー』を聴けば聴くほど,めちゃめちゃ難しいコードワークを用いていることが分かってくる。当たり前の転調などではない。

 シンプルに聴こえて,その実,この4人でなければ余裕たっぷりに演奏できないことが分かってくる。フォープレイの音楽ってかなりマニアックな理論で出来上がっていることが容易に想像できる。
 渋い。流石は本田雅人のハイパーな譜面をGROOVYに演奏できる訳だ。フォープレイの「物の違い」にKOされて,震えが来て,後は「ハハーッ」とひれ伏すだけ…。

 ズバリ『エナジー』はフォープレイの4人が全員同時に行なった「断捨離」作。
 『エナジー』で,新たなチャレンジングが控え目になった理由こそが,過去リリースされた10枚の新作の録音時に,少しづつながら確実に“フォープレイ・サウンド”のフォーマット上に付着してきた,余分な贅肉の「削ぎ落とし」にある。

 フォープレイドラマーハービー・メイソンと「削ぎ落とし」という言葉で思い出すのが,その昔,カシオペアの『EYES OF THE MIND』をプロデュースしたハービー・メイソンによる神保彰への要求=「余分な音を削ぎ落としてシンプルに」である。
 例の“おあずけ”指示による「シンプルでパワフルなビート」&「タイトでダンサブルなグルーヴ」である。“千手観音”神保彰の“超絶技巧”をスカスカになるまで「削ぎ落とし」たことで世界への道筋を示した功績へと繋がっている。

ENERGY-2 そんなハービー・メイソンの超一流の教えを『エナジー』ではラリー・カールトンが実践したのかも? そして嫌になってしまったのかも? ラリー・カールトンのワイルドでブルージーなギターがどうにも元気がないように聴こえてしまったものでして…。

 大物と呼ばれてるジャズメンの多くは,時が経つにつれて音楽的な自我が肥大化してしまい。何を演奏しても自分の刻印をベタベタと刻みこむようなミュージシャンになってしまう傾向が強い。
 しかし,フォープレイが称賛されて然るべき点は,これだけのメンツが揃いながらもメンバー全員が完璧に「4分1」に徹し,フォープレイのバンド・サウンドを鳴らすために献身的に奉仕している点にある。

 その意味でラリー・カールトンは自己犠牲を払い続けることに疲れてしまったのかなぁ。真意は誰にも分からない。
 ただし『エナジー』でのラリー・カールトンギターには興奮を覚えない。それは恐らくリスナーだけではなく当の本人にしても他の3人のメンバーにしても…。

 ラリー・カールトン様。フォープレイからの卒業おめでとうございます。ラリー・カールトン様。12年間お疲れ様でした。

  01. FORTUNE TELLER
  02. THE WHISTLER
  03. ULTRALIGHT
  04. CAPE TOWN
  05. THE YES CLUB
  06. PRELUDE FOR LOVERS
  07. LOOK BOTH WAYS
  08. ARGENTINA
  09. COMFORT ZONE
  10. SEBASTIAN
  11. BLUES ON THE MOON

(ヘッズ・アップ/HEADS UP 2008年発売/UCCT-1203)
(☆直輸入盤仕様 ライナーノーツ/松下佳男)

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第61回(2018年度)グラミー賞 ジャズ部門-NO.2

 “年に一度の音楽の祭典”第61回(2018年度)のグラミー賞が本日発表された。

 ‟アメリカの星野源”ことチャイルディッシュ・ガンビーノが「年間最優秀レコード」と「年間最優秀楽曲」の主要2部門を含めた4冠受賞。ヒップホップが主要部門を初受賞+「最優秀ミュージック・ビデオ賞」は,東京出身の映画監督=ヒロ・ムライが監督を務めていたことが話題となった。
 バッシングを嫌う「女性のグラミー」としてのメッセージは,昨年の「#MeToo」の反動なのであろう。

 ん? ジャズフュージョン以外はどうでもよかったですね。
 早速「アドリブログ」の本丸『JAZZ』の受賞作の発表で〜す。

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Category 31. Best Improvised Jazz Solo


American Dreamers: Voices Of Hope, Music Of Freedom★ DON'T FENCE ME INJohn Daversa, soloist
Track from: American Dreamers: Voices Of Hope, Music Of Freedom (John Daversa Big Band Featuring DACA Artists)
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Category 32. Best Jazz Vocal Album


セシル・マクロリン・サルヴァント / ザ・ウィンドウ (Cecile McLorin Salvant / The Window) [CD] [輸入盤] [日本語帯・解説付]★ THE WINDOW
Cecile McLorin Salvant


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Category 33. Best Jazz Instrumental Album


エマノン(完全生産限定盤)★ EMANON
The Wayne Shorter Quartet



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Category 34. Best Large Jazz Ensemble Album


American Dreamers: Voices Of Hope, Music Of Freedom★ AMERICAN DREAMERS: VOICES OF HOPE, MUSIC OF FREEDOMJohn Daversa Big Band Featuring DACA Artists

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Category 35. Best Latin Jazz Album


Back to the Sunset★ BACK TO THE SUNSET
Dafnis Prieto Big Band


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 御大85歳のウェイン・ショーターグラミー受賞! うれしい。手放しにうれしい! 過去にグラミーを何度も受賞してきたウェイン・ショーターとしても最新作が「クリエイティブ」だと認められた証しに至福の喜びを味わっていることと思う。

 マジでウェイン・ショーターにはお世話になってきた。ウェイン・ショーターの音楽がなかったとしたら人生の喜びの半分(大袈裟)は失われたかもしれないと思っている。
 そういう意味で「功労賞」の意味合いがあることは承知の上で,管理人も『エマノン』を聴いてみた。元々大仰な雰囲気を持った曲に輪をかけて大仰にしたような,壮大な雰囲気を醸し出している。

 ‟ショーター・ワールド”全開の『エマノン』にグラミー受賞も納得! ネーム・バリューではなく実力でグラミー受賞を勝ち得たウェイン・ショーター恐ろしや〜。

 ただし,管理人はウェイン・ショーターの独走を許した現在のジャズ・シーンの「勢いのなさ」の方が心配です。もはや「第二のウェイン・ショーター」は登場しないのでしょうか?

 個人的な希望を記すと,2019年はベテラン・中堅・新人が切磋琢磨するグラミー受賞を見てみたい。ウェイン・ショーターに負い付け・追い越せ! ウェイン・ショーターよ,まだまだ負けるな,後10年は逃げ切れる!

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フォープレイ / X5

X-1 『』を初めて聴いた時,ファースト・アルバム『FOURPLAY』に揺り戻ったように感じた。
 それは多分にボブ・ジェームスブラスシンセの影響だと思う。だから『』はフォープレイのいつものスムーズ・ジャズではなく,フォープレイ久々のフュージョンである。

 しかし『』はファースト・アルバム『FOURPLAY』とは明らかに異なる。
 そう。『JOURNEY』を経験したからこその「一周回ったフュージョン・アルバム」『』の誕生なのである。

 そんなフォープレイの第三章の幕開けを告げる『』のサウンドを聴いて驚いた。イメージとしてはパット・メセニー・グループと似ているのだ。【EASTERN SKY】をブラインドで聴かされたならパット・メセニー・グループの新作と間違えること必至であろう。

 そう。フォープレイが『』で「遊んでいる」。とりわけハービー・メイソンが「遊んでいる」。
 ハービー・メイソンドラミングが「擬似」リズム・マシーン化していて,生ドラムで打ち込みにどこまで寄せることができるかを意識している。スッキリとタイトなドラミングが続いている。← カシオペアの『LIGHT AND SHADOWS』風?
 この全てはハービー・メイソンなりの「ボブ・ジェームスブラスシンセフィーチャリング」なのだろう。

 このハービー・メイソンの演出,フォープレイとしての演出ゆえに,派手な音質,派手なメロディー,派手な演奏になっていて,オジサン4人のフォープレイが20歳は若返ったような感覚でPOPで煌びやかに響いている。非常にヴィヴィッドでフレッシュな仕上がりだと思う。

 セールス的制約や,音楽的な縛りとも完全に無縁のフュージョン。もう食うに困らないオジサン4人が若いもんに負けじと頑張っている。「一周回って」また作りたくなったフュージョンが超カッコイイ。
 フォープレイ持ち前の,品の良いインテリジェンス溢れるグルーヴが,徐々にワイルドになって「ライブ・バンド」化してきている。

 『』の成功の背景こそが,音楽を楽しむ余裕が生み出す「遊び心」と過去9作で積み上げてきた“フォープレイ・サウンド”への絶対的な自信の証しにあると思う。
 発想も表現もサラリと自由奔放。本当に今やりたい事を形にしている。リスナーは勘違いしてはいけない。『』は“フォープレイ・サウンド”をメンバー4人の懐の中に届けるためのアルバムである。リスナーの好みなどはほとんど考慮されていない。だから「遊べている」。

X-2 そう。真にフォープレイの音楽とはマンネリとは無縁である。彼ら4人は自分たちの“フォープレイ・サウンド”が好きで好きでたまらないのだ。だから多くの曲を作曲しては“フォープレイ・サウンド”のフォーマット上にかけることを喜びとしている。

 今回のフォープレイ批評をシリーズで書いてきたから発見できたことがある。フォープレイは実は毎回,バンド・サウンドを少しづつ変えてきている。でもいろいろと試した結果として,毎回,一番美味しい“フォープレイ・サウンド”に落ち着いている。
 「前作とほとんど変わらないけど,でもこの部分がちょっと違うよねっ」的な…。レビジョンアップを繰り返したフォープレイは『』で「バージョン3.0」になっている!?

 そんなフォープレイが『』で初めて“フォープレイ・サウンド”から離れて見せた。実験風景を初めて見せてくれた。“フォープレイ・サウンド”が完熟する一歩手前で“もぎ取って”見せた。おおっ。

 『』のリリース時点でフォープレイのオジサン4人は60歳。「もう60歳」って感覚か? でもどっこい『』のフォープレイは「まだ60歳」の感覚有り。
 人生はこれからなのだ。フォープレイの第三章もこれからなのだ。

  01. TURNABOUT
  02. CINNAMON SUGAR
  03. EASTERN SKY
  04. KID ZERO
  05. MY LOVE'S LEAVIN'
  06. SCREENPLAY
  07. TWILIGHT TOUCH
  08. BE MY LOVER
  09. SUNDAY MORNING

(ブルーバード/BLUEBIRD 2006年発売/BVCJ-31044)
(ライナーノーツ/工藤由美)

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20190203 渡辺貞夫クインテット LIVE NO.2

 『渡辺貞夫クインテット2019』! 今回のステージは休憩をはさんで,たっぷり2時間の長丁場。「随の随まで」堪能してまいりました。

 御年85歳の渡辺貞夫。正直,ミス・タッチが目立ったように思う。でも全部で19曲のステージですよ。正確にはメドレーが2曲あったから21曲ですよ。
 管楽器の演奏で2時間。途中で椅子に腰かけることなくアルトサックスを吹き上げる。アルトサックスが小休止の時間帯もタンバリンを叩いている。客席への目配せもたっぷり。曲終わりで両手を広げてバンド・メンバーへの拍手を求める。この体力に精神力。こんなにパワフルな85歳など見たことがない。

 事実,LIVEの進行は全て渡辺貞夫がカウントをとってから曲がスタートする。セットリストの大枠は決まっているように見えた。ツアー用のレパートリーの中から何を演奏するかは,その場の雰囲気で渡辺貞夫が決めていく。
 「おー,この曲が来たのかー」的なコモブチキイチロウの本気の驚きの表情が,筋書きのないLIVE,を実証していた。

 そうしてハイライトはやっぱり渡辺貞夫のあのアルトの音色だった。何ともふくよかで温かくて柔らかいアルトの音色だった。トロットロにとろけてしまった。
 感動してしまった。グッときた。【TEMBEA】でMAXになり【花は咲く】でジーン。泣けてしまったのだ。

 やっぱり自由席は最前列か立ち見だよなぁ。そう。管理人と間〇くんの2ndは立ち見。椅子の座席は9列あった。つまり前から10列目で視界を遮るものは何もない。渡辺貞夫アルトサックスの運指までがバッチリ。立ち見最高!
 「浪漫座」で渡辺貞夫を見るのなら,最前席か最後列! 元々ステージのない「浪漫座」で「渡辺貞夫クインテット」の全体を見渡せたのは管理人ら立ち見客5人だけ。その5人の中で渡辺貞夫の真正面を陣取ったのがセラビーです。「浪漫座」の特等席はプライスレス。

 「裸丸見え状態」の渡辺貞夫の運指を目で追いかけ続けていると,LIVEの途中から今までにない感情に襲われた。
 管理人は渡辺貞夫で育ってきたんだなぁ,を実感した。ジャズならウェザー・リポートマイルス・デイビスフュージョンならカシオペアザ・スクェアで育ってきたと思っていたが,そうではなかった。管理人は渡辺貞夫で育ってきたのだ。

 ジャズフュージョンも,いいや,何を演奏していてもナベサダアルトがあればそれで良し。会場の隅っこでもいい。ナベサダLIVEに後10回は立ち会いたい。

 …って最後に本音を書く。
 同じ値段なら立ち見ではなく最前列で見たかったなぁ。死ぬまでにナベサダサックスから垂れる唾を1度くらいは浴びてみたいと思っている。次回「浪漫座」に参戦する機会があれば午前中から並んでみようかなぁ。あぁ,ナベサダの生音がますます愛おしい!

 さて,この記事はLIVEレポートなので,ステージ後半のセットリストについても報告しておきます。

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20190203 渡辺貞夫クインテット LIVE NO.1

 行ってきました! 2/3「佐賀市歴史民俗館 浪漫座」での『渡辺貞夫クインテット2019』!

 渡辺貞夫LIVEが見たい! 絶対に見たい!
 以前はそんな風に思うことなどなかったのに,ソニー・ロリンズウェイン・ショーターについてのニュースを聞いて,近年,強くそう思うようになった。
 “人間国宝”渡辺貞夫も齢にはきっと勝てない。あと何回,ナベサダの“世界一の音色”を生で聞くことができるのだろう…。

 2017年から真剣になった。渡辺貞夫が北九州へ来た。佐世保にも来た。久留米にも来た。熊本にも来た。なのに全て日程NG。こうなったら東京まで追っかけるべきか?
 だから今回,友人〇庭さんと佐賀に行けることになって小躍りした。しかも「浪漫座」=『RE−BOP THE NIGHT』の録音場所。ナベサダお気に入りの箱なのだろう。いや〜,期待してしまうやろ。

 当日は大雨。車で1時間半。実は〇庭さん。管理人と同じアルト・サックス吹き。しかも同じく初心者でYAMAHAの音楽教室へ通っている男。道中はナベサダ話か,アルト・サックス話になるかと思いきや,仕事と家族の話ばかりして「浪漫座」へ到着。

 駐車場を探したので会場入りは開演10分前。自由席ゆえ案内されるままに会場奥のエリア。左から3列目で前から4列目。数字で書けばそうでもないが会場は500人の超満員。全くステージが見えない。PAもない。MC用にマイク一本の生音。
 それでも,会場の隅っこであったとしても「動くナベサダをチラ見」できるだけで感動もの。いえいえ。上記は1stに限ったお話。ナベサダ命の管理人ですよ。自由席なのですよ。マナー違反などしませんよ。

 さて,まずは恒例のメンバー紹介から…

 ★ 渡辺 貞夫 : アルト・サックス,パーカッション
 ☆ 小野塚 晃 : ピアノ
 ☆ コモブチ キイチロウ : ベース
 ☆ 竹村 一哲 : ドラム
 ☆ ンジャセ・ニャン : パーカッション

 「渡辺貞夫クインテット」の初見参のリズム隊。話題のコモブチキイチロウ竹村一哲を初めて見たが素晴らしい。
 渡辺貞夫の「一挙手一投足」にクイ気味で反応するコモブチキイチロウ渡辺貞夫に「一本釣り」されただけのことはある竹村一哲の凄ノリ。

 そんな中,ンジャセ・ニャンを見ていると安心するし,相変わらずの名演奏。ンジャセ・ニャンが「いるといないとでは大違い」の感あり。
 小野塚晃は「渡辺貞夫グループ」に参加して25年にもなるのか…。毎月毎月の女房役。ご苦労様です。DIMENSIONではなく「渡辺貞夫グループ」のピアニストとして“丹精込めて”ピアノを弾く小野塚晃が大好きなのです。

 さて,この記事はLIVEレポートなので,ステージ前半のセットリストを報告しておきます。

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スイングジャーナル主催 ジャズ・ディスク大賞 2007年度(第41回)

 「スイングジャーナル」誌が,レコード会社各社の自薦ノミネート作品を基にして,国内で該当年度中に発売されたCDLPビデオを対象に同誌委託の「ジャズ・ディスク大賞選考委員」によって選出される,日本ジャズ界に最も貢献した作品に贈られる「ジャズ・ディスク大賞」。

 今回は2007年度(第41回)の発表です。

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聖地への旅★【金賞】.聖地への旅
マイケル・ブレッカー


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マイ・フェイバリット・シングス★【銀賞】.マイ・フェイバリット・シングス
エリック・アレキサンダー


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エッジズ〜日野=菊地デュオ★【銀賞】.エッジズ〜日野=菊地デュオ
日野皓正=菊地雅章


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アビス★【日本ジャズ賞(特別賞)】.アビス
山中千尋


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Something for You★【ボーカル賞(海外)】.サムシング・フォー・ビル・エヴァンスイリアーヌ


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クロース・トゥ・バカラック★【ボーカル賞(国内)】.クロース・トゥ・バカラック平賀マリカ


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メモリーズ・オブ・ユー★【編集企画賞】.メモリーズ・オブ・ユーケン・ペプロウスキーイッツ・マジックエディ・ヒギンズ&スコット・ハミルトン&ケン・ペプロウスキー

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シング!〜RCA女性ヴォーカル・セレクション★【編集企画賞】.シング!〜RCA女性ヴォーカル・セレクション


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Jazz'n Out★【製作企画賞】.ジャズ&アウト
マリーン meets 本田雅人B.B.ステーション


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マイ・フェイバリット・シングス★【最優秀録音賞(ニューレコーディング)】.マイ・フェイバリット・シングスエリック・アレキサンダー


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ナウ!!★【最優秀録音賞(リマスタリング)】.TBM復刻シリーズ



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ニュー・シネマ・パラダイス★【ニュー・スター賞(海外部門)】.ニュー・シネマ・パラダイスファブリッツィオ・ボッソ


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セント・ルイス・ブルース★【ニュー・スター賞(国内部門)】.セント・ルイス・ブルース敦賀明子


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 2007年度の「ジャズ・ディスク大賞」の“目玉”は,マイケル・ブレッカーでもエリック・アレキサンダーでも山中千尋でもない。
 ジャズ至上主義のスイングジャーナルゆえに,到底関わりを持つことのないと思われていた,フュージョンサックスのスター=本田雅人の「B.B.STATION」が【製作企画賞受賞

 『ジャズ&アウト』の主役はマリーン本田雅人はサポートとしてサイドで吹いているのだが,これが“存在感有り有り”。
 「本田雅人B.B.STATION」はビッグ・バンドなのだから,本田雅人ソロは少ない。

 ではなぜ管理人が『ジャズ&アウト』に本田雅人を強く意識するかと言えば,このビッグ・バンド・アンサンブルこそが「本田節」の拡大版で響くから!
 そう。本田雅人のいつものフレージングが「本田雅人B.B.STATION」で完璧に表現されている。

 威風堂々と歌い上げる“ジャズ・ヴォーカリストマリーンを前面に出しているようでいて,実は裏で回している「本田節」が“隠し味”として効いている。

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フォープレイ / ジャーニー5

JOURNEY-1 フォープレイには問題作が2枚ある。その1枚がリー・リトナーからラリー・カールトンへの交代直後のクリスマス企画盤『スノーバウンド』であり,もう1枚が4人全員が“あばれはっちゃく”となった『JOURNEY』(以下『ジャーニー』)である。

 ただし,同じ問題作であるが『スノーバウンド』と『ジャーニー』では,管理人の評価は真逆である。
 『スノーバウンド』については,こんな演奏聞きたくなかった,とブチ切れた。多分,2度と『スノーバウンド』を買い直すことはない。一方の『ジャーニー』はと言うと,もっとこんなフォープレイを聴いてみたかった,というのが感想である。

 『ジャーニー』でのチャレンジとはフォープレイ初の「ノーゲスト盤」。フォープレイとはボブ・ジェームスネイサン・イーストハービー・メイソンラリー・カールトンの4人にして,実は大物ゲストとの共演が毎回アルバムの話題になっていたのも事実。
 そうして,確かに外野の批判も一理ある。4人だけの演奏ではマンネリ感が漂うのも事実。ゲストの封印はフォープレイにとってのチャレンジだったのだ。

 まっ,演奏面においてはフォープレイの4人だけでも不安など微塵もない。いつでも,どんなスタイルの演奏をさせてもフォープレイは世界最高峰のアンサンブル・ユニットである。酔っぱらおうとも,逆立ちしようとも,平常時と変わらぬレベルで演奏できることだろう。

 フォープレイは『ハートフェルト』でラリー・カールトンの個性を前面に押し出すことにした。これが実に爽快でカッコ良かった。
 ラリー・カールトンを自由に泳がせることができたのは,ボブ・ジェームスネイサン・イーストハービー・メイソンの3人がラリー・カールトンをしっかりと支えることができたからだ。

 『ジャーニー』でのソロイストは誰か? それはラリー・カールトンであり,ボブ・ジェームスであり,ネイサン・イーストであり,ハービー・メイソンである。
 そう。『ハートフェルト』ではラリー・カールトン1人だったソロイストが『ジャーニー』では一気に4人に増えた。

 アンサンブルがありユニゾンがありコーラスがありソロがある。このように書くといつものフォープレイと変わらないように感じるだろうが『ジャーニー』での実験とは,バックに回っても4人が4人とも“自分を主張する”ことにある。
 ボブ・ジェームスが暴れている。ネイサン・イーストが暴れている。ハービー・メイソンが暴れている。ラリー・カールトンが暴れている。

JOURNEY-2 これまでのフォープレイとは「自分を殺して」ではなく「自分を活かして他人も活かす」スーパー・グループだった。それが『ハートフェルト』ではではどうだろう。「他人の音を利用してまでも自分を活かす」スーパー・グループになった感じがする。

 バンドのDNAが「遺伝子操作」されたかのようで,こんなにもワイルドなフォープレイが聴けるのは『ジャーニー』が「最初で最後のアルバム」となった。
 楽曲も従来のフォープレイのイメージからは外れるであろうバラエティ豊かな楽曲ばかりが揃っている。聴けば聴くほど良くなってくる。例のスルメ盤であり,例のアレである。

 管理人の結論。『ジャーニー批評

 『ジャーニー』は今まで隠し続けてきた,燃えに燃える「本気のフォープレイ」が聴ける唯一のアルバムである。
 こんなにも下品なのに,でもやっぱり気品あふれる演奏に収まってしまうのが,悔しいかな,フォープレイフォープレイ足る所以でもある。
 そう。『ジャーニー』とはフォープレイの過去の20年の『旅』であり,またこれから先20年の『旅』なのである。

PS それにしても本日はまさか「嵐」が…。あの大野くんが…。お疲れ様です。「嵐」の5人にもフォープレイを,特に『ジャーニー』を聴かせてあげたいとタイムリーに思ってしまいました…。

  01. FIELDS OF GOLD
  02. PLAY AROUND IT
  03. FROM DAY ONE
  04. JOURNEY
  05. ROZIL
  06. COOL TRAIN
  07. AVALABOP
  08. THE FIREHOUSE CHILL
  09. DEPARTURE
  10. 147 4TH ST.

(ブルーバード/BLUEBIRD 2004年発売/BVCJ-31038)
(ライナーノーツ/工藤由美)

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板橋 文夫 / ザ・ミックス・ダイナマイト 游3

THE MIX DYNAMITE YU-1 管理人にとって板橋文夫は「近くて遠い」存在である。

 その「近い」の真意とは,板橋文夫渡辺貞夫日野皓正森山威男のレギュラー・ピアニストの歴任者。エルヴィン・ジョーンズとも共演している“世界の板橋文夫”その人である。
 事実,板橋文夫の演奏は,FM東京系「渡辺貞夫マイ・ディア・ライフ」のスタジオ・ライブで良く耳にしていた。学生の頃,身近に感じたジャズ・ピアニストの一人であった。

 その「遠い」の真意とは,板橋文夫CDを何枚か聴いてみたが,どうにも良さが分からない。板橋文夫の場合,そのビッグなネーム・バリューで“聴かされている感じ”がする。
 板橋文夫の演奏なのだから悪いはずがない。そう説得されている感じがする。何回聴いてもどうにも良さが分からない。

 例えば『THE MIX DYNAMITE YU』(以下『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』)なんかは,購入後すぐに聴かなくなって,時折,チャレンジして聴いてみたりしたのだが,やっぱり楽しいと思ったことはない。
 『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』を聴き始めると「あっ,この曲」と思い出すのだが,1カ月もすると「あのアルバムってどんな曲が入ってたっけ?」と思い出すことができない。印象に残る曲が1曲もない。

THE MIX DYNAMITE YU-2 ズバリ『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』は駄盤評価なのだが,渡辺貞夫日野皓正森山威男のお耳にかかった板橋文夫をバッサリと切り捨てる勇気もない。
 でも書いちゃう。『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』は駄盤である。

 またこの記事で,板橋文夫は遠い存在のままだろうなぁ。もっと遠いところへと管理人との距離が広がったかなぁ。板橋文夫の次のCDを購入することもないだろうなぁ。

 全国の板橋文夫ファンの皆さん,こんなにも耳の貧しい管理人に板橋文夫の御指南を!

  01. DAH DAH DAH
  02. KAMINARIMON
  03. GORI GORI '95
  04. YOU!
  05. TASOGARE
  06. TUKI-NO-WA
  07. KANPYOO
  08. 21
  09. GOSPEL '94
  10. HOME AGAIN, ONCE AGAIN

(オーマガトキ/OMAGATOKI 1995年発売/SC-7110)
(ライナーノーツ/村上寛)

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フォープレイ / ハートフェルト5

HEARTFELT-1 『YES,PLEASE!』で頂点に達してしまったフォープレイ
やるべきことは全てやり尽くしてしまった…。

 …にも関わらずレコード会社からは引き続きセールスの圧力がある。事実『YES,PLEASE!』はグラミー・ノミネーション。続編にも『YES,PLEASE!』路線での好セールスの期待がかかる。
 フォープレイ・ファンの一人として解散という言葉が直感的に脳裏に浮かんだ。もしやボブ・ジェームスの脳裏にも解散の文字が?

 (うれしいことに)フォープレイの4人が選択したのはバンドの解散では継続であった。『REBIRTH』である。そのための手段がレコード会社の移籍である。
 “ウルトラ・スーバー・グループ”フォープレイなのだからレコード会社を移籍するとの噂が立てば引く手あまた。しか〜しフォープレイが選択したのは,大手レコード会社ではなくRCAの子会社に当たる「ブルーバード・レーベル」への移籍である。

 この移籍は素人でも理解できた。よく耳にするメジャーのアーティストがインディーズに行く理由と同じである。そう。フォープレイの第二期とは「本当にやりたい音楽をやる」。ただそれだけなのである。
 キーボードボブ・ジェームスが,ベースネイサン・イーストドラムハービー・メイソンギターラリー・カールトンが,セールス抜きでPOPなスムーズ・ジャズを純粋に演奏したかったがゆえのレコード会社の移籍である。ワォ!

 世界中のフォープレイ・ファン,いいや,純粋にいい音楽のファンのために披露した,第二期フォープレイの始まりを告げる『HEARTFELT』(以下『ハートフェルト』)が素晴らしい。

 とにもかくにも「クラッシュ&ビルド」への意欲が伝わってくる。『ハートフェルト』の売りは「余裕」である。「余裕」があるのは,好きなことを気の向くままに演っても,何を演っても上手くいくという「余裕」。
 この「余裕」こそがフォープレイ10年のバンド活動の賜物。フォープレイの“らしさ”をどんなに壊そうとも,絶対にメンバーが助けてくれるという信頼から生まれる「余裕」があるのだ。

 どんなにアクセルを踏んでも車体の揺れない高級車のような音楽。坂道も楽々と走り続ける大排気量のような音楽。こんなにもフォープレイスムーズ・ジャズがスケールアップしているとは予想していなかった。

HEARTFELT-2 特に毛色が変わったのが“職人仕立てな”ラリー・カールトンギターである。ネイサン・イーストハービー・メイソンの色彩豊かでスカスカなグルーヴの上をラリー・カールトン以外弾けないであろうメロディ・ギターが今まで以上に走りまわっている。
 これまではラリー・カールトンフォープレイに寄せていたのが,第二期フォープレイではフォープレイラリー・カールトンに寄せている感じ。

 そう。第二期フォープレイの真実とは,ブルージーでエモーショナルな「ラリー・カールトン WITH フォープレイ」。懐かしくてベーシックな曲に新しいエッセンスが十二分に盛り込まれている。
 リラックスした雰囲気のなか奏でられる円熟した大人のスムーズ・ジャズ。落ち着いてはいるがきちんと刺激もある。そのシルキーでエモーショナルなサウンドからは,筋肉質にして全身の筋肉が弛緩するような心地良さに満ちている。

 出過ぎず引っ込み過ぎず,相互作用を繰り返しながら曲中で集約されていくフォープレイの真髄はそのままに,ワイドでドラマティックな展開の中,4人がピンポイントで印象的なメロディーをインプロしていく。

 そう。いい曲というより,いいメロディー重視。メジャーにいては決して表現できないミニマルな音楽が『ハートフェルト』にはあると思う。

  01. GALAXIA
  02. THAT'S THE TIME
  03. BREAK IT OUT
  04. ROLLIN'
  05. LET'S MAKE LOVE
  06. HEARTFELT
  07. TALLY HO!
  08. CAFE L'AMOUR
  09. JU-JU
  10. GOIN' BACK HOME
  11. KARMA
  12. MAKING UP
  13. SOFT CARESS

(ブルーバード/BLUEBIRD 2002年発売/BVCJ-31029)
(ライナーノーツ/熊谷美広)

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MALTA / スウィート・マジック4

SWEET MAGIC-1 MALTAの2nd『SWEET MAGIC』(以下『スウィート・マジック』)のレコーディング・メンバーが凄すぎる。

 ギター森園勝敏ギター天野清継ギター山岸潤史ギター松木恒秀ピアノ佐藤允彦キーボード野力奏一キーボード松浦義和ベース岡沢章ベースグレッグ・リードラム村上“ポンタ”秀一ドラム渡嘉敷祐一 ETC

 1st『MALTA』に続き,基本ジャズ屋が演奏するJ−フュージョンの「オールスター・セッション」集の趣きであるが,1st『MALTA』と2nd『スウィート・マジック』では随分と印象が異なる。

 1st『MALTA』は豪華ゲストに支えられてMALTAが1人のアルトサックス・プレイヤーとして参加した感じなのに対して,2nd『スウィート・マジック』では完全にMALTAが音楽の主導権を掌握。ゲストをゲストとして使いこなしている感じがする。

 そう。レコード会社の激推しを受けてMALTAの「自信が確信に変わった瞬間」(by 松坂大輔)が『スウィート・マジック』だと思う。

 【SWEET MAGIC】はMALTA初のメジャー・ヒット曲。この曲からMALTAが街のショッピング・モールのBGMとして流れ始めた記憶がある。
 【WALKING IN THE SKY】と【BECAUSE OF LOVE】の爽やかなイントロが流れて来ると条件反射的に「夏!」と反応してしまうのは管理人だけ?

 それにしても名曲だらけの『スウィート・マジック』の中で,唯一の駄曲【XYZ】の何ともヘンテコなメロディー。最初のうちはこの曲が来ると飛ばしていたのに,今となってはアルバムの代表曲!
 空耳アワーよろしく。あれほど嫌っていたはずなのに【XYZ】を聴かないことには『スウィート・マジック』を聴いた気がしません!

SWEET MAGIC-2 管理人の結論。『スウィート・マジック批評

 『スウィート・マジック』は,ジャズの言語のまま演奏された,ライトなフュージョンを身にまとったジャズ・アルバムである。
 爽やかPOPな楽曲群と,こんなにもキュートでJAZZYな音色は『スウィート・マジック』をおいて他にはない。名盤であろう。

 それにしてもMALTAバラードと来ればアルトではなくソプラノサックスがメイン。いい路線だったのにぃ。

  01. SWEET MAGIC
  02. WALKING IN THE SKY
  03. ALWAYS YOU
  04. XYZ
  05. AUTUMN PLACE
  06. BECAUSE OF LOVE
  07. SUNSET IN MY HEART
  08. MANHATTAN IN BLUE
  09. MIDNIGHT TRAIN
  10. STARDUST

(ビクター/JVC 1984年発売/VDJ-1088)

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フォープレイ / イエス・プリーズ4

YES, PLEASE!-1 『YES,PLEASE!』(以下『イエス・プリーズ』)を初めて聴き終えた時,万感の思いに襲われた。ついにフォープレイデビュー以来,ずっと追及してきた理想のサウンドに到達したように思えた。

 『イエス・プリーズ』は,ボブ・ジェームスにとって記念碑的な1枚になるのだろう。ついにボブ・ジェームスの念願叶ったりである。
 キーボードボブ・ジェームスと活動を共にしてきた,ベースネイサン・イーストドラムハービー・メイソンは勿論,リー・リトナーの後を受けたラリー・カールトンにしても「やるべきことをやりきった」満足感に浸ったように思う。
 特に神曲【FREE RANGE】が最高すぎる。4人の会話を盗み聞きしているような気分でアガル〜。

 まっ,これから「褒め殺し」の苦言を書くのだが,つまり『イエス・プリーズ』はフォープレイというバンド・サウンドの「リビジョンアップ版」としか聴き所はない。
 大枠は「調和」という不変のテーマであって,細かな修正に修正を重ねて,もはや手を加える箇所はない感じ? 「どうぞ美味しく召し上がれ」とボブ・ジェームスにケーキを差し出された感じ?

 もう一つ『イエス・プリーズ』に「完成版」のイメージを持ってしまったのは,ジャケット写真から連想するVENUSレコードのあれである。美女がカメラ目線で前かがみのあれが…。
 つまりは「メロウな売れ線&ロマンティック」→『イエス・プリーズ』をイメージしてしまった。あながち当たっていると思っている。

 この路線の選択は間違いではなかった。恐らくフォープレイの出発点は間違ってはいなかった。穏やかで軽めのリズムに大人のエロティシズムを感じるあのノリ…。上手にパート分けされたソロとアンサンブル…。インストとヴォーカルの組み合わせのハイセンス…。4人のバランスが生む極上のアプローチ…。

 ただし『イエス・プリーズ』を聴いているとフォープレイのアンサンブル・フォーマットの限界が見えてくる。フォープレイの4人はもっと自由に演奏できるはずである。
 なのに『イエス・プリーズ』の演奏は譜面通りのような感じで,自分で決めたルールに自らが縛られて?(自分で自分の首を絞めて?)窮屈そうに感じられる。

YES, PLEASE!-2 だから『イエス・プリーズ』を素晴らしいアルバムとして誰かに推薦することはあるとしても,管理人の趣味には合わない。
 ラリー・カールトンを素晴らしいギタリストとして誰かに推薦することはあるとしても,管理人の趣味には合わない。

 勿論,これはフォープレイギタリストとしてのラリー・カールトンのことであって,他のラリー・カールトンのプロジェクトは大抵大好きです。個人的にはリー・リトナーの明るく前向きなトーンがフォープレイに合っていると思うのですが…。

 ラリー・カールトンフォープレイでの黄金期はブルーバード移籍後の第二期から! 『HEARTFELT』以降のラリー・カールトンは「リー・リトナーからは外れ,フォープレイの枠内で」弾きまくっております。はい。

  01. FREE RANGE
  02. DOUBLE TROUBLE
  03. ONCE UPON A LOVE
  04. ROBO BOP
  05. BLUES FORCE
  06. SAVE SOME LOVE FOR ME
  07. FORTRESS
  08. GO WITH YOUR HEART
  09. POCO A POCO
  10. A LITTLE FOURPLAY
  11. LUCKY
  12. MEOWWW

(ワーナー・ブラザーズ/WARNER BROTHERS 2000年発売/WPCR-10767)
(ライナーノーツ/中川ヨウ)

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渡辺 貞夫 / マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜4

MY ROMANCE -SADAO PLAYS BALLADS--1 『MY ROMANCE −SADAO PLAYS BALLADS−』(以下『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』)での渡辺貞夫の演奏はすでに完成されている。いい演奏に違いない。

 しかしその一方で『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』のナベサダを“青い”とも感じる。心のどこかがしっくりこない。管理人の愛する渡辺貞夫が“軽い”のだ。

 そう。『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』の印象はフレッシュで若々しい。『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』がバラード・アルバムなのだから余計にそう感じるのだろう。

 でもそう感じてしまう自分自身がうれしいのだ。『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』を聴いていると,アルバムを聴き終える途中で毎回思考が飛んでしまう。それは現在の渡辺貞夫についてである。現在の渡辺貞夫の“円熟ぶり”について喜びを噛みしめる自分がいる。

 ズバリ『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』の演奏は悪くはないが,どうしても「世界一の音色」を奏でる現在の渡辺貞夫が基準ゆえにバークリーから帰国直後の演奏が劣って聴こえてしまうのだ。

 もはや管理人にとって60年代の渡辺貞夫と80年代以降の渡辺貞夫は別人扱い。それくらい渡辺貞夫の進化が目覚ましいし,「青い&若い」と「スター・オーラ&円熟」がハッキリと識別できる。

MY ROMANCE -SADAO PLAYS BALLADS--2 それにしても「青い」ナベサダがなぜこの時期にバラードなのかというと,当時のタクトナベサダのレコーディング・ラッシュ。
← 『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』が録音された1967年にはアルバム9枚。

 そりゃ毎月毎月レコーディングしていたらバラードの1枚でも録音したくなるもんです。『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』は渡辺貞夫の逆・若気の至りかも?

PS 『マイ・ロマンス 〜サダオ・プレイズ・バラッド〜』のジャケット写真を見た妻の一言。「この人,真木蔵人に似ている」。似ている?

  01. THEY SAY IT'S WONDERFUL
  02. MY ROMANCE
  03. SOMETIMES I FEEL LIKE A MOTHERLESS CHILD
  04. ONCE UPON A SUMMERTIME
  05. A NIGHTINGALE SANG IN BARKLEY SQUARE
  06. IT'S EASY TO REMEMBER
  07. HERE'S THAT RAINY DAY
  08. LITTLE GIRL BLUE
  09. MY FOOLISH HEART
  10. THAT'S ALL
  11. SPRING IS HERE
  12. I THOUGHT ABOUT YOU
  13. OLD FOLKS

(タクト/TAKT 1967年発売/COCB-54252)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/野口久光,青木和富)

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フォープレイ / 45

4-1 キーボードボブ・ジェームスギターリー・リトナーベースネイサン・イーストドラムハービー・メイソンからなる盤石の4ピース・バンド=フォープレイ

 そのフォープレイからリー・リトナーが脱退することになった。ボブ・ジェームスの頭の中には,リー・リトナーの代わりが見つからなければフォープレイの解散も選択肢としてあったことだろう。
 なぜならフォープレイの“売り”とは「超大物4人組」。リー・リトナーの代わりは「そこそこレベルの大物」では務まらない。果たして,リー・リトナー・クラスの「超大物」で,2年に1枚のレコーディングに参加できるギタリストが見つかるのかどうか?

 当のリー・リトナーも心配する中,フォープレイの新ギタリストが発表された。発表された後ならば「この人しかいない!」となるのだが,それにしても「まさかのまさか!」な結果である。
 何と!リー・リトナーの後釜ギタリストとはリー・リトナーの「公式ライバル」であるラリー・カールトン“その人”! 名脚本家でも絶対に思いつかない?「夢」のようで「奇跡」のような人選だと思う。

 ラリー・カールトンよ,よくぞ決心してくれた。『』の最高の出来映えを聴き返すにつれ,ラリー・カールトンへの思いが強くなる。ラリー・カールトンが完璧にリー・リトナーの後釜を務め上げている。

 元々スタジオ・ミュージシャンであったリー・リトナーラリー・カールトンだから実現した「スムーズすぎるメンバー・チェンジ」。ただし,リー・リトナーラリー・カールトンでは大いに個性が異なることをリスナーは認識しておくべきだろう。
 そう。『』の最高の出来映えはラリー・カールトンの最高の仕事に1つとして記憶されるべきだと思う。

 リー・リトナーにしても,フォープレイの中でギターを弾くには「没個性」が求められていたのだが,ラリー・カールトンの場合は,フォープレイの中で自分を捨てる,尚且つ,リー・リトナーが創り上げてきたサウンド・カラーに寄せるため,もう一段階自分を捨て去る「没没個性」が求められている。
 ゆえに『』でのラリー・カールトンギターが大人しい。いいや,完璧に「影武者ミッション」を遂行することが“仕事人”ラリー・カールトンなりの自己主張なのだと思う。

 そんなラリー・カールトンの“男気”に,ボブ・ジェームスネイサン・イーストハービー・メイソンの3人が応えないはずがない。
 一歩下がろうとするラリー・カールトンを「前へ前へ」と意識的にプッシュしている。『』でフォープレイが“世界最高のアンサンブル・バンド”になったと思う。

4-2 そう。フォープレイの真髄とは“世界最高のアンサンブル・バンド”! フォープレイとはボブ・ジェームスにとっての“世界最高のアンサンブル・バンド”であり,ラリー・カールトンにとっての“世界最高のアンサンブル・バンド”であり,ネイサン・イーストにとっての“世界最高のアンサンブル・バンド”であり,ハービー・メイソンにとっての“世界最高のアンサンブル・バンド”!

 “明るく爽やかな”リー・リトナーのもと発展してきたバンド・スタイルから“ブルージーで粘り気のある”ラリー・カールトンのもと「自分を活かして他の人も活かす」バンド・スタイルへと進歩を遂げた『』。
 カールトン期のフォープレイソロ・パートでのアドリブリトナー期のフォープレイより熱くなったと思う。

 それにしても【STILL THE ONE】は名曲中の名曲である。フォープレイ存続の危機を救ってくれたラリー・カールトンに捧げるハービー・メイソンからの「ラブ・ソング」だと悦に入って聴いている。

 【STILL THE ONE】1曲の魅力で“気だるさの”ラリー・カールトンを大歓迎している,リー・リトナー派の自分が確かにここにいる。

 それにしてもリトナー期の最高の1曲が1曲目の【BALI RUN】で,カールトン期の最高の1曲が1曲目の【STILL THE ONE】というのも単なる偶然を超えた「永遠のライバル」のインパクト!

  01. Still The One
  02. Little Foxes
  03. Sexual Healing
  04. Charmed, I'm Sure
  05. Someone To Love
  06. Rio Rush
  07. Piece Of My Heart
  08. Slow Slide
  09. Vest Pocket
  10. Swamp Jazz
  11. Out Of Body

(ワーナー・ブラザーズ/WARNER BROTHERS 1998年発売/WPCR-1942)
(ライナーノーツ/工藤由美)

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TRIFRAME / 青柳誠トライフレーム4

TRIFRAME-1 青柳誠の1stソロTRIFRAME』(以下『青柳誠トライフレーム』)を聴いて二重の意味で観念してしまった。

 1つはアルバムの出来の良さに観念してしまった。“ジャズ・ピアニスト青柳誠が最高に素晴らしい。個人的に青柳誠と来ればピアノというよりテナーサックスであり,ピアノというよりキーボードである。

 どちらにしてもこんなにも“ふくよかで丸く優しい”音を奏でるピアニストというイメージは抱いていない。青柳誠の一番の代名詞は,あのテナーサックスでの「循環呼吸奏法」である。
 ナニワ・エキスプレスライブを珍しく!TVで放映していたのだが,一番の盛り上がりが青柳誠の「循環呼吸奏法」のシーンであり,それ以外でもバンドのフロントマンとして“猛獣使いの王子様”君臨の印象を持っている。

 ナニワ・エキスプレスでのピアノの出番はメロ弾きとバッキングが多かったのだから(ナニワ・エキスプレスにはナニワ・エキスプレスのメイン鍵盤奏者はキーボード中村建治青柳誠ピアニストの印象は薄い。
 ズバリ『青柳誠トライフレーム』をブラインド・テストで出されたら100人が100人とも撃沈することだろう。

 もう1つは「ああ,これで青柳誠ナニワへの復帰はなくなったなぁ」というあきらめの感情である。ファンとしてはナニワ再始動への淡い期待を抱いていたが,このアルバムを聴いて踏ん切りがついた。もう2度とナニワ・エキスプレスの“完全版”は永遠に見ることが出来なくない,という覚悟が決まった。

 『青柳誠トライフレーム』の優しい音世界はそれくらい,ナニワ・エキスプレスの剛球サウンドとは対極に感じた。1999年の時点で青柳誠ナニワ・エキスプレスのサウンドは「水と油」の位置にある。
 思うに,2003年の再結成盤『LIFE OF MUSIC』の時点で,青柳誠ナニワへの思いはすでに燃え尽きていたのだろう。

 岩見和彦が引き金を引いたナニワ・エキスプレスの解散劇。その後の5人の活躍は目覚ましい。その中で一番ナニワから離れてしまったのが青柳誠ではなかろうか? 「マルチ・サウンド・クリエイター」と名乗るにふさわしい五臓六腑の大活躍である。

 そんな「マルチ・サウンド・クリエイター」が青柳誠が自分の中の“ジャズ・ピアニスト”を表に出してきたのが素晴らしい。“ジャズ・ピアニスト青柳誠の発掘が「マルチ・サウンド・クリエイター」青柳誠の最大の功績である。

TRIFRAME-2 管理人の結論。『青柳誠トライフレーム批評

 『青柳誠トライフレーム』のピアニストは,晩年期のビル・エヴァンスのリリシズムや,一部キース・ジャレットにも影響を受けている。全編を通して叙情的なジャズ・ピアノが様々なスタイルをMIXさせて美しく響いている。
 淡いピアノと淡いリズム。そこに打ち込みでヴァーチャル・ストリングスが被ってくる。モノクロの世界が一気にカラーリングされてくる。とろっとろ。

 ただし管理人はこの後におよんでも「青柳誠ナニワ復活」の奇跡を信じている。その根拠こそがソロ・アルバムの制作に「TRIFRAME」というピアノ・トリオ編成を選んだという事実。

 ピアノ青柳誠ベース水野正敏ドラム池長一美による「TRIFRAME」の名コンビネーション。
 きっといつかはベース清水興ドラム東原力哉での「NANIWA TRIFRAME」!?

  01. Blue One
  02. Circle Beeds
  03. Sleepwood
  04. Enokorogusa
  05. Wives and Lovers
  06. Eclogue
  07. Ill Never Fall in Love Again
  08. Third Scene
  09. Only Tune

(ダイキサウンド/SUBCONSCIOUS 1999年発売/SUB-1011)

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フォープレイ / エリクシール4

ELIXIR-1 『FOURPLAY』&『BETWEEN THE SHEETS』が共に愛聴盤のまま発売を迎えた『ELIXIR』(以下『エリクシール』)。

 ズバリ書くと『エリクシール』にはガッカリした苦い思い出がある。手放すのは後の事になるが,どうしても好きになれなかった『SNOWBOUND』と共に中古CD屋で処分した。今手元にある『エリクシール』は2枚目となる。

 このように書き出すと『エリクシール』は駄盤のように思われたかもしれないが『エリクシール』は紛れもなくリトナー期の名盤の1枚である。
 褒め殺しになるかもしれないが,ボブ・ジェームスリー・リトナーネイサン・イーストハービー・メイソンの4人が完璧にフォープレイを演じている。コツを掴んだかのような上質なアンサンブルが実にお見事。

 しかし,余裕たっぷりに聞こえるせいなのか?フォープレイの4人に「うわ〜」って憧れることが出来なかった。要はエモーショナルではなく“うまさ”を無意識のうちに感じ取ってしまったのだと思う。
 キャッチーさが抜けきったアダルト・コンテンポラリーな『エリクシール』の雰囲気に入れ込めず,思い入れ出来ず,感情移入が難しかった。当時まだ20代半ばの管理人には,随分と背伸びした大人の雰囲気に付いていくことができなかった。

 『エリクシール』を最後にリー・リトナーがバンドを離れる。表向きの理由はリー・リトナーソロ活動が多忙を極めて「フォープレイの一員としてスケジュール調整が出来なくなった」ことになっているが,管理人的にはリー・リトナーの“燃え尽き症候群”のようなものだと思っている。
 リー・リトナーにとってのフォープレイは『エリクシール』を持って完結したのだ。誰が何と言おうと管理人はそのように受け取った。

 ではどうして再び『エリクシール』を買い直したのか? それはラジオで久々に聴いた【THE CLOSER I GET TO YOU】に1年に1度の稲妻が走ってしまったから!

 話がフォープレイから逸れてしまうが【THE CLOSER I GET TO YOU】が大好きなのは「SELECT LIVE UNDER THE SKY’90」での,ジョー・サンプルフィリップ・セスバジー・フェイトンスティーヴ・ガッドレニー・カストロフレディ・ワシントンの「SELECT LIVE SPECIAL BANDフィーチャリングアル・ジャロウミキ・ハワード」による【THE CLOSER I GET TO YOU】の影響が大!  

 『エリクシール』でのパティ・オースティンピーボ・ブライソンの【THE CLOSER I GET TO YOU】は歌であって歌ではない。これぞ“インタープレイの極み”である。
 そう。パティ・オースティンピーボ・ブライソンヴォーカルは一般的なデュエットのレベルを超えている。パティ・オースティンピーボ・ブライソンが譜面,アレンジという非常に狭い限られた空間の中で,互いの声の調子を聞き分けながら会話を楽しんでいるように聴こえてしまう。彼らは本当の恋人なのではないかと錯覚してしまう。

 男女のデュエット曲で個人的に一番好きなのは,亡き父ナット・キング・コールとその娘ナタリー・コールナット・キング・コールの過去音源のオーバーダブと共演を果たした【アンフォゲッタブル】なのだが,その雰囲気に良く似ている。大好き。インタープレイの真髄とは“心の交歓”というのが確かめられる名トラックである。

ELIXIR-2 管理人の結論。『エリクシール批評

 『エリクシール』は綺麗すぎるしアダルトすぎる。ただし【THE CLOSER I GET TO YOU】1曲の魅力で,後に続くフォープレイヴォーカル・ナンバーを楽しめる土壌の塗り替えアルバムとして高く評価したい。

 リトナー期のフォープレイの個性を書く。フュージョンの『FOURPLAY』。スムーズ・ジャズの『BETWEEN THE SHEETS』。ヴォーカル・ナンバー大有りの『ELIXER』。

PS 本文には書きませんでしたが【EAST 2 WEST】でのネイサン・イーストスキャットがこれまた最高なので,ヴォーカル・ナンバーをフィーチャリングするフォープレイの評価確定に『エリクシール』が寄与しております。

  01. Elixir
  02. Dream Come True
  03. Play Lady Play
  04. Why Can't It Wait Till Morning
  05. Magic Carpet Ride
  06. Whisper In My Ear
  07. Fannie Mae
  08. The Closer I Get To You
  09. East 2 West
  10. Licorice
  11. In My Corner
  12. Any Time Of Day

(ワーナー・ブラザーズ/WARNER BROTHERS 1995年発売/WPCP-28152)
(ライナーノーツ/中田利樹)

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スイングジャーナル主催 ジャズ・ディスク大賞 2006年度(第40回)

 「スイングジャーナル」誌が,レコード会社各社の自薦ノミネート作品を基にして,国内で該当年度中に発売されたCDLPビデオを対象に同誌委託の「ジャズ・ディスク大賞選考委員」によって選出される,日本ジャズ界に最も貢献した作品に贈られる「ジャズ・ディスク大賞」。

 今回は2006年度(第40回)の発表です。

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スーパー・トリオ★【金賞】.スーパー・トリオ
チック・コリア


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マンハッタンの幻想★【銀賞】.マンハッタンの幻想
リッチー・バイラーク


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ライブ・アット・ベイシー〜ウィズ・ハンク・ジョーンズ★【日本ジャズ賞】.ライブ・アット・ベイシー〜ウィズ・ハンク・ジョーンズケイコ・リー


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渡米50周年記念日本公演★【日本ジャズ賞(特別賞)】.渡米50周年記念日本公演
秋吉敏子&ルー・タバキン・スーパー・カルテット


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アラウンド・ザ・シティ★【ボーカル賞(海外)】.アラウンド・ザ・シティ
イリアーヌ・イリアス


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ニカズ・ドリーム★【ボーカル賞(国内)】.ニカズ・ドリームチャリート・ウィズ・マンハッタン・ジャズ・オーケストラ


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銀巴里セッション[Blu-spec CD]★【編集企画賞】.TBM復刻シリーズ



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魂・KON★【製作企画賞】.魂・KON
安富祖貴子


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ザ・ラスト・トリオ・ライブ'80★【最優秀ジャズ・ビデオ賞】.ザ・ラスト・トリオ・ライブ'80ビル・エヴァンス



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メモリーズ・オブ・ユー★【最優秀録音賞(ニューレコーディング)】.メモリーズ・オブ・ユーケン・ペプロウスキー


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ジャイアント・ステップス★【最優秀録音賞(リマスタリング)】.アトランティック・ジャズ紙ジャケット・コレクション


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ケリー・ブルー★【ニュー・スター賞(海外インスルゥルメンタル)】.ケリー・ブルーダン・ニマー


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ソフィー・ミルマン★【ニュー・スター賞(海外ボーカル)】.ソフィー・ミルマンソフィー・ミルマン


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サラ・スマイル★【ニュー・スター賞(国内インスルゥルメンタル)】.サラ・スマイル市原ひかり


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魂・KON★【ニュー・スター賞(国内ボーカル)】.魂・KON
安富祖貴子


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 チック・コリアの『スーパー・トリオ』が【金賞受賞

 ピアノチック・コリアドラムスティーヴ・ガッドベースクリスチャン・マクブライドからなる『SUPER TRIO』。この超重量級のネーム・バリューを目にしただけで“買い”である。

 【HUMPTY DUMPTY】【THE ONE STEP】【WINDOWS】【MATRIX】【QUARTET #2 PT.1】【SICILY】【SPAIN】。このチック・コリアの代表曲がズラリと並んだ収録曲を目にしただけで“買い”である。

 名曲が最高の演奏で奏でられることが二重の意味で保証された『スーパー・トリオ』だが,なぜだか「日本限定発売」の曰くつき〜。
 『スーパー・トリオ』の真実とは,チック・コリアの“マニアックなコレクター盤”。正直,世界発売をする内容ではなかった。

 管理人が『スーパー・トリオ』に不満を感じるのは演奏面でのことではない。
 ズバリ,ラストに【SPAIN】を入れた編集姿勢に対してである。人気の【SPAIN】を入れたのは「日本向け営業」の最たるものである。【SPAIN】の,特に引っ掛かりのない演奏を,ただアルバムを“売りたいがために”フェードアウトさせてまで入れている。

 ハズレの【SPAIN】だったから,純粋にファン・サービスの“おまけ”として入れたというよりも“客寄せパンダ”として入れたとしか思えない。
 チック・コリアスティーヴ・ガッドクリスチャン・マクブライドによる水準以上の名演が6曲続くも,最後の最後で落とされたようで毎回興醒めしてしまう。何なんだ〜,この営業至上主義のダメダメ編集〜。

 そんな“眉唾物”の『スーパー・トリオ』が「スイングジャーナル」誌主催2006年度のジャズ・ディスク大賞金賞】受賞って何なんだ〜,この営業至上主義のジャズ・ディスク大賞〜。

 日本だったら売れる。ネーム・バリューだけで売れる。収録曲だけで売れる。「スイングジャーナル」誌も売るのを手伝ってくれる…。そんな「日本限定発売」の『スーパー・トリオ』だが,管理人は出せば世界でも売れると思っている。
 だってチック・コリア・マニアなら,このメンバーにしてこの選曲,絶対に聴いてみたくなるんだもん!

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第61回(2018年度)グラミー賞 ジャズ部門-NO.1

 大晦日は,アドリブログでも,ジャズフュージョンの総決算!
 2018年,グラミー賞ノミネート作についてレポートします。

 読者の皆さんには,管理人の一押しよりも,この中からジャズフュージョンに接することを(謙虚になって)お奨めいたします。

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Category 31. Best Improvised Jazz Solo


☆ SOME OF THAT SUNSHINERegina Carter, soloist / Track from: Some Of That Sunshine (Karrin Allyson)
☆ DON'T FENCE ME INJohn Daversa, soloist / Track from: American Dreamers: Voices Of Hope, Music Of Freedom (John Daversa Big Band Featuring DACA Artists)
☆ WE SEEFred Hersch, soloist / Track from: Live in Europe
☆ DE-DAHBrad Mehldau, soloist / Track from: Seymour Reads The Constitution! (Brad Mehldau Trio)
☆ CADENASMiguel Zenon, soloist / Track from: Yo Soy La Tradicion (Miguel Zenon Featuring Spektral Quartet)

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Category 32. Best Jazz Vocal Album


☆ MY MOOD IS YOUFreddy Cole
☆ THE QUESTIONSKurt Elling
☆ THE SUBJECT TONIGHT IS LOVEKate McGarry, Keith Ganz, Gary Versace
☆ IF YOU REALLY WANTRaul Midon With The Metropole Orkest Conducted By Vince Mendoza
☆ THE WINDOWCecile McLorin Salvant

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Category 33. Best Jazz Instrumental Album


☆ DIAMOND CUTTia Fuller
☆ LIVE IN EUROPEFred Hersch Trio
☆ SEYMOUR READS THE CONSTITUTION!Brad Mehldau Trio
☆ STILL DREAMINGJoshua Redman, Ron Miles, Scott Colley & Brian Blade
☆ EMANONThe Wayne Shorter Quartet

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Category 34. Best Large Jazz Ensemble Album


☆ ALL ABOUT THAT BASIEThe Count Basie Orchestra Directed By Scotty Barnhart
☆ AMERICAN DREAMERS: VOICES OF HOPE, MUSIC OF FREEDOMJohn Daversa Big Band Featuring DACA Artists
☆ PRESENCEOrrin Evans And The Captain Black Big Band
☆ ALL CAN WORKJohn Hollenbeck Large Ensemble
☆ BAREFOOT DANCES AND OTHER VISIONSJim McNeely & The Frankfurt Radio Big Band

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Category 35. Best Latin Jazz Album


☆ HEART OF BRAZILEddie Daniels
☆ BACK TO THE SUNSETDafnis Prieto Big Band
☆ WEST SIDE STORY REIMAGINEDBobby Sanabria Multiverse Big Band
☆ CINQUEElio Villafranca
☆ YO SOY LA TRADICIONMiguel Zenon Featuring Spektral Quartet

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 以上がノミネート一覧なんですが,今年も管理人の趣味・趣向とは相容れませんが,少しはこの結果に納得してもいます。ちょっとは進歩したのかなぁ。
 来年こそは「打倒! ジャズ・ジャーナリズム」を達成すべく(無理は承知で)まずは“自分の耳を鍛え上げなければ”!
 これが来年の(当然ながら再来年以降も)プチ抱負です。

PS 2月に受賞作が決定しましたら(そのCDを所有している場合に限り)レビューしようと思っています。どうぞお楽しみに!

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TRIX / TRICK4

TRICK-1 いや〜,本当にいいアルバムだ。これぞ「タネも仕掛けもない」TRIXのイリュージョン・アルバム『TRICK』。

 『TRICK』でついに熊谷徳明TRIXの“手の内”を明かした。
 そう。熊谷徳明が新ギタリスト菰口雄矢と新キーボード・プレイヤー=AYAKIの持てる才能をついに解禁。優秀な若手の蛇口を捻ってみせた最高のアルバムだと思う。

 『TRICK』でのTRIXの“切り札”は菰口雄矢であり“JOKER”はAYAKIである。
 菰口雄矢AYAKIの『TRICK』は,まるでトリックのような演奏面での華麗なるテクニックではない。菰口雄矢作曲の【FUDGE】とAYAKI作曲の【BLUESY FACTORY】!

 そう。【春爛漫】以来,鳴りを潜めていた管理人待望のキラー・チューンの誕生は熊谷徳明の作曲ではなかったという事実! これが最高に気に入った!
 菰口雄矢AYAKITRIXというバンドの個性に寄せてきたがゆえの名曲誕生なのだったと思う。

 これまで菰口くんとAYAKIくんに,冷たく当たってきた管理人は『TRICK』で猛反省。
 TRIX加入前から次世代のエース格として人気者だった菰口雄矢とバークリー首席卒業のAYAKIが,ついにバンド・サウンドの枠内で持てる実力を発揮してきた。ただそれだけのこと。

 菰口雄矢AYAKIをフィーチャーした音楽性の変化を表現するためには,まずは熊谷徳明須藤満に「TRIXの新境地」を受け入れる度量の大きさが求められる。
 とは言えサウンド面での“若返り”は,新ギタリスト,新キーボード・プレイヤーとして彼ら2人を選んだ時点で期待と覚悟は整っている?

 そんな“菰口雄矢AYAKI推し”の『TRICK』だが『STYLE』クラスの名盤と成り得なかったのは,熊谷徳明須藤満の年長組が,菰口雄矢AYAKIの年少組のイメージにまで追いつけてはいないこと。覚悟を決めることはできてもイマージネーション豊かな表現方法までは共有できてはいないこと。

 なんだか第三期TRIXってジャニーズのV6のカミセンとトニセンが合体した感じに思えます。

TRICK-2 時間を重ねて初めてバンド・サウンドが確立されることを考慮すると,まだこれからの部分が大きいのだが,どうしても管理人は違和感がざらついている。

 それは菰口雄矢の立ち位置なのだが,菰口雄矢ってバンドマンというよりはゲストっぽくない? 雇われっぽくない? だから時間をかけたら何とかなるには疑問が残る。
 まっ,そのバンドとしての「カッチリ感」が薄いだけで,完成した『TRICK』が快作なのだから喜ぶだけですかっ!

 管理人の結論。『TRICK批評

 『TRICK』は,おバカPOPフュージョンから洋楽プログレッシブフュージョンへの転換作である。言い換えるなら平井武士シフトから菰口雄矢シフトへの転換作である。
 硬派フュージョンTRIX! イェイ!

  01. FLASH
  02. Jawa Jawa
  03. ビンゴッ!!
  04. Fudge
  05. Sincerely
  06. Trick or Treat
  07. Bluesy Factory
  08. Out Of Cry
  09. ピュッピュッテレパシー
  10. Clover

(キングレコード/KING RECORD 2014年発売/KICJ-675)

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フォープレイ / ビトゥイーン・ザ・シーツ5

BETWEEN THE SHEETS-1 鉄壁のバンド・アンサンブルを誇るフォープレイの理念が,早くも『BETWEEN THE SHEETS』(以下『ビトゥイーン・ザ・シーツ』)具現化されている。

 4人が意気投合したボブ・ジェームスの『グランド・ピアノ・キャニオン』の香り漂う,フュージョン・タッチのデビュー・アルバム『FOURPLAY』が大好きなのだが“ウルトラ・スーパー・グループ”フォープレイの本質としては『ビトゥイーン・ザ・シーツ』の方に聴き所がある。

 3枚目の『エリクシール』も含めて,三つ巴のリー・リトナー期の名盤の中で,現在の“スムーズ・ジャズの雄”フォープレイのスタイルに一番近いのが『ビトゥイーン・ザ・シーツ』である。

 『ビトゥイーン・ザ・シーツ』から押し寄せてくる快感。それは「際立つグルーヴと深いアンサンブルの妙」。
 『ビトゥイーン・ザ・シーツ』こそがフォープレイの枕詞である「拝聴してもよし。BGMとしてもよし」の最右翼だと断言できる。

 キーボードボブ・ジェームスギターリー・リトナーベースネイサン・イーストドラムハービー・メイソンが,我を殺してメンバーの音に合わせているにも関わらず4人の個性はそのまんま!

 ここがフォープレイの凄業! 4人で機織り改め「音を織りなす」という表現がピッタリするような極上の音絵巻! 互いを傷付けることなく同じイメージを描き,音階・音量・リズムを共有して完璧なアンサンブルを鳴らしている。
 バカテクな演奏や派手で判り易い旋律とは全く無縁。淀み迷いの微塵も無い。ある意味“凄み”を感じさせる演奏だと思う。

BETWEEN THE SHEETS-2 スローな曲にはウットリさせられるし,アップ・テンポなジャンプ・チューンには心踊らされる。フォープレイは大人なのだ。フォープレイはアダルト・コンテンポラリーなのだ。
 『ビトゥイーン・ザ・シーツ』のフォープレイフュージョンではなく,スムーズ・ジャズでもなく,この時点ではAORなのだと思う。

 ネイサン・イーストヴォーカルが心地良い。ヴォーカルと4つの楽器の絡み具合がこの上ない。幻想的な浮遊感が音場を支配している。

 『ビトゥイーン・ザ・シーツ』には,美しく流れるように洗練されたグルーヴがある。どれもが味わい深く気品あふれるグルーヴがある。エンタテイメント性を充足させ,アートの域まで達したグルーヴがある。

  01. Chant
  02. Monterey
  03. Between The Sheets
  04. Li'l Darlin'
  05. Flying East
  06. Once In The A.M.
  07. Gulliver
  08. Amoroso
  09. A Summer Child
  10. Anthem
  11. Song For Somalia
  12. Tokyo Rain

(ワーナー・ブラザーズ/WARNER BROTHERS 1993年発売/WPCP-5506)
(ライナーノーツ/熊谷美広)

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TRIX / RE:TRIX3

RE:TRIX-1 盤石を誇っていたTRIXであったが,バタバタとギターキーボードがメンバー・チェンジ。一体TRIXに何が起きたのだろうか?

← TRIXはイマイチ愛されていないのか? カシオペアでのJIMSAKUの脱退とスクェアでの本田雅人の脱退は,あれから20年経った今でも酒の話題に上るっちゅうのに。平井武士の脱退の時はそれなりの波風が立ったが,今回の窪田宏の脱退はどうだろう。それも直近の3作で2作もメンバー・チェンジする異常事態だというのに管理人の周りのTRIXファンの無関心ぶりにちょっぴり気落ちしてしまいました。

 そんなバンドの危機を救うべく熊谷徳明「起死回生」の1枚が『RE:TRIX』。第一期TRIXの名曲を新メンバーで焼き直し〜。
 「新生TRIXはこんなになりました」的なセルフカヴァー・アルバムが『RE:TRIX』。前作『DELUXE』から半年後のリリースゆえに,管理人的には熊谷徳明の危機管理能力の高さを感じた1枚という印象である。

 個人的にセルフカヴァーは鬼門となっている。T−スクェアの『宝曲』〜『夢曲』〜『虹曲』の3連発で,カシオペアの『ASIAN DREAMER』の悪夢から解放されつつある管理人であるが,それでも若干,アルバムを手にすることを躊躇してしまった。アマゾンで発売前から安売りされていたからフラゲした。ただそれだけのこと。

 …でっ『RE:TRIX』。第一声は,安心した&ほっとした,である。つまりアレンジが激変しなかったのが良かった。
 個人的にセルフカヴァーの評価軸が,安心して聴けるかどうか,なのが我ながら淋しいと思うのだが致し方ない。それくらいに『ASIAN DREAMER』がトラウマになったということ。その『ASIAN DREAMER』には尚更!熊谷徳明が参加していたという事実有。

 それで気を許して聴き込み始めた『RE:TRIX』。読者の皆さんが本当に知りたい部分での管理人の本音を書く。
 今度は今度で全くアレンジが変化していない。これではメンバー・チェンジの身も蓋もないというものだ。だから『RE:TRIX』は駄盤である。

 メンバー・チェンジしても同じということは機械が演奏していることと同じだし,それだとカラオケと同じだし…。
 到底,これ以上聴き込む気など起きやしない。タンスの肥やし行きであった。

 熊谷徳明も流石にこれではマズイと考えたのか?ラストの【SMILE.〜GENTLE SUMMER VER.〜】だけは“やっつけ仕事的ながら”ボサノヴァ調にリアレンジされていてお見事! こんなセルフカヴァーなら大歓迎!って,ファン心理も女心と似ているのかも?

RE:TRIX-2 管理人の結論。『RE:TRIX批評

 無理矢理『RE:TRIX』とオリジナル・バージョンとの違いを書くとすると,ソロ・パートでのアドリブが違うこと。でもそれって「LIVEで毎晩同じ演奏はしない」くらいの些細な違い。

 熊ちゃん。セルフカヴァーの『RE:TRIX』を出す意味は,批判を早期に封じ込めるタイミング以外の何かがあったのですか?

  CD
  01. Recollection
  02. FIRE
  03. Double Up
  04. Christmas Flower
  05. サムライ
  06. puma
  07. Malaga
  08. Good Luck!!
  09. Jungle Circuit
  10. Passion
  11. 敦煌
  12. Smile.〜gentle summer ver.〜

  DVD
  01. Tears In The Universe
  02. Synchronizer
  03. 春爛漫

(キングレコード/KING RECORD 2013年発売/KIZC-207/8)
★【初回限定盤】ボーナスDVD付 2枚組

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フォープレイ / FOREPLAY5

FOURPLAY-1 フォープレイが結成されたのは1990年。当時の常識からして“ウルトラ・スーパー・グループ”フォープレイの結成は異例中の異例のことだと記憶している。

 というのも世はバブルの真っ只中で“桜花爛漫”を楽しんでいた時代である。今のようなデフレで尻つぼみのご時世なら幾分理解できるが,例えばBOOWYから氷室京介と布袋寅泰がソロデビューを果たしたように,音楽家足るもの,まずはバンドで売れてからソロで大活躍というのがセオリーであり皆の目標であったと思う。あのマーカス・ミラーマイルス・デイビスのバンドで売れたから今の栄光がある。

 だ・か・ら・すでに全てを手に入れている“売れっ子”の4人。キーボードボブ・ジェームスギターリー・リトナーベースネイサン・イーストドラムハービー・メイソンフォープレイというレギュラー・グループを結成したことに驚愕したのであった。
 絶好調のバブル景気に企業業績も増収増益。なのに合併とか統合する会社がどこにある。起業し独立するチャンスがあるのに敢えて会社に出戻りして過労死する感じ?

 なぜ? どうして? 勿論お金にも困っていないだろうし,名声も十分に獲得しているし,ソロ活動に軸足を置いた方が自分のやりたい音楽がやれるであろうに…。
 バンドを組む理由が見当たらない4人の決意に当惑しつつデビューCDFOURPLAY』を聴いて無言になった。音楽を聴いただけで納得させられてしまった。

 フォープレイはこれなんだ。この4人が集まったフォープレイでなければならないんだ。
 この極上の音楽はボブ・ジェームス1人が,ありったけのお金や時間を費やしても完成させることのできない音楽である。ボブ・ジェームスが全ての私財を投げうってでも手に入れたかった音楽。それが『FOURPLAY』から流れてくる。この上なく素晴らしい。

FOURPLAY-2 ボブ・ジェームスの『グランド・ピアノ・キャニオン』で意気投合してしまった奇跡の4人が,自分を押し殺してグループ・サウンドの一部として機能することだけに徹している。
( 余談ですが,上記の理由で管理人はリー・リトナー時代のフォープレイが一番好きなのです! )

 フォープレイの『FOURPLAY』が大好きだ。書きたいことは山ほどあるが『FOURPLAY批評の誌面上に1つだけ書いておく。それは『FOURPLAY』の時点では,現在のスムーズ・ジャズばかりを演るバンドになるとは思わなかったということ。

 【BALI RUN】の,静寂からの「もうやめて〜」的な猛プッシュの音階上がりに押し倒されてしまったファンたちは皆,管理人と同様の感想を抱いていると思っている…。

  01. BALI RUN
  02. 101 EASTBOUND
  03. FOREPLAY
  04. MOONJOGGER
  05. MAX-O-MAN
  06. AFTER THE DANCE
  07. QUADRILLE
  08. MIDNIGHT STROLL
  09. OCTOBER MORNING
  10. WISH YOU WERE HERE
  11. RAIN FOREST

(ワーナー・ブラザーズ/WARNER BROTHERS 1991年発売/WPCP-4463)
(ライナーノーツ/小川隆夫)

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TRIX / DELUXE4

DELUXE-1 新ギタリスト菰口雄矢が加入した『IMPACT』は「NO・IMPACT」。
 そして本作,新キーボード・プレイヤー=AYAKIが加入した『DELUXE』は「NO・DELUXE」。

 2度のメンバー・チェンジを経て管理人が思ったこと。それはカシオペアがいつの時代も野呂一生のバンドであるように,TRIXとは熊谷徳明のバンドだということである。
 「2期」になってもフロント2人がメンバー・チェンジしてもTRIXTRIX熊谷徳明の独特の世界観は健在であった。

 それにしても窪田宏の脱退は痛い。ある意味「バンドの顔」であった平井武士との別れ以上にバンドの窮地を経験したことと思う。
 「バンドの顔」が変わるのは音楽的にも分かりやすい。ただし,今回は「バンドの屋台骨」のキーボードである。サウンド・カラーを最終的に決定付けていた窪田宏の路線を継続するか? それとも別路線を模索するか? どちらにしてもキーボードの変更はギター以上に比重が大きい!
← 野呂一生向谷実脱退後のカシオペア・サード立ち上げ時に,新キーボード・プレイヤーとして向谷実とは正反対のオルガニスト大高清美を後任に選んだ。 

DELUXE-2 その意味で熊谷徳明は,後任にAYAKIを選ぶことによって,窪田宏路線の継続を決めたように思う。というのも『DELUXE』を聴いても,TRIXに大きな変化は感じない。
 『DELUXE』でのAYAKIには,ソツなく窪田宏の役割をこなすミッションが与えられている?

 その狭められた役割の中でAYAKIの個性が輝くのはブラスシンセを多用した音色使い。AYAKIの指からソプラノサックスやらヴァイブの音色が降って来る〜。
 AYAKIのルーツはロックやPOPSではなくジャズフュージョン! 新生TRIXの命運は菰口雄矢の成長次第であるが,もっと深い部分でバンドの寿命はAYAKIの鍵盤が握っているように思う。

 『DELUXE』は「NO・DELUXE」。暴言を書けば“華”がなくなってしまった(失言)。
 テクニカルな菰口雄矢に,テクニカルなAYAKIが加わり,スーパー・プレイが飛び出すのにワクワク感が消えてしまった。硬派でアグレッシブな演奏スタイルに,想定外の“遊び”が無くなってしまったのは個人的に残念である。

DELUXE-3 辛口な『DELUXE批評となってしまったが,純粋に『DELUXE』には久しぶりにいい曲が集まった印象を持つ。
 そんな中,熊谷徳明の提供曲は過去最少の4曲。しかもいつものパターンからすればアルバムのラストを締める【春爛漫】がなぜ3曲目? 熊ちゃん,ご乱心か?

PS TRIXの「お約束」『DELUXE』での“遊び”は内ジャケットのメンバー写真。CDトレイ下のメンバー写真がAKB48と同じキングレコードであって1枚に1人の写真がランダムで挿入されているとのこと(4人全員コンプリートするには4枚買ったぐらいでは無理だと思われます)。「DELUXE-3」は管理人が当たった「熊谷徳明デラックス」( by マツコ・デラックス風 )。

  01. 三国志
  02. インドメタシン
  03. 春爛漫
  04. The Speed Queen
  05. Motivic
  06. Tears In The Universe
  07. Horizon
  08. North
  09. Synchronizer
  10. Anytime, Anywhere

(キングレコード/KING RECORD 2013年発売/KICJ-655)

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ヨーロピアン・ジャズ・トリオ / サプリーム〜ザ・ベスト・オブ・EJT〜4

SUPREME -THE BEST OF EJT--1 管理人がヨーロピアン・ジャズ・トリオを知るきっかとなったベスト盤『SUPREME −THE BEST OF EJT−』(以下『サプリーム〜ザ・ベスト・オブ・EJT〜』)を聴いてみると,当時のヨーロピアン・ジャズ・トリオの立ち位置が分かる。

 ヨーロピアン・ジャズ・トリオとは,非アメリカーナなジャズ・トリオの“象徴”である。
 ジャズとはリズムをクリエイトした音楽なのだが,ヨーロピアン・ジャズ・トリオは美しいメロディーをクリエイトするバンドであって,リズム隊はビート・キープが出来ればよろしい。
 そんな「狭められた枠内」でのアドリブ1本で勝負するヨーロピアン・ジャズ・トリオのアイディアとは「非アメリカン・ジャズ」にあった。

 ジャズスタンダードではない。隠れた名曲でもない。ヨーロピアン・ジャズ・トリオは,誰もが一度は耳にしたことのあるポピュラー・ソングや映画音楽などを“いかにもジャズっぽく”演奏するバンドである。

 ヨーロピアン・ジャズ・トリオの勝算とは,まずは演奏を聞いてもらうこと。聞いてもらう機会さえがあれば,自分たちの側に引き寄せる自信があるのだろう。
 事実,ヨーロピアン・ジャズ・トリオの良さは徐々に口コミで広まってきた。最初にガツンと来ることはない。お洒落なカフェで聞いたことのあるような雰囲気なのに,じっくりと耳を傾けたが最期,ヨーロピアン調のピアノ・トリオの虜にされる。

SUPREME -THE BEST OF EJT--2 普段聞いているアメリカン・ジャズとは異なるのに,もしやヨーロピアン・ジャズ・トリオこそが王道のジャズだと思う瞬間に襲われる。
 まぁ,そう思う瞬間とは決まってスロー系とミディアム系ばかりなのが,EJTの真骨頂であり生命線である。

 『サプリーム〜ザ・ベスト・オブ・EJT〜』を男女の雰囲気作りのために選ぶ人もいることだろう。でも聴きやすいからと用心していないとEJTからの「不意打ち」に合いますよっ。

  01. MARIA (WEST SIDE STORY)
  02. DJANGO
  03. LIEBESTRAUM NO.3
  04. GOLDEN EARRINGS
  05. EUROPA
  06. CARMEN - HABANERA
  07. ENDLESS LOVE
  08. 24 CAPRICCI
  09. LIBERTANGO
  10. THE WAY YOU LOOK TONIGHT
  11. PHASE DANCE
  12. MAZURKA NO.1
  13. CARAVAN
  14. PATHETIQUE

(M&I/M&I 2002年発売/MYCJ-30135)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/染川理咲)

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スイングジャーナル主催 ジャズ・ディスク大賞 2005年度(第39回)

 「スイングジャーナル」誌が,レコード会社各社の自薦ノミネート作品を基にして,国内で該当年度中に発売されたCDLPビデオを対象に同誌委託の「ジャズ・ディスク大賞選考委員」によって選出される,日本ジャズ界に最も貢献した作品に贈られる「ジャズ・ディスク大賞」。

 今回は2005年度(第39回)の発表です。

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スタンダード・ライヴ★【金賞】.スタンダード・ライヴ
ウイントン・マルサリス


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スイング・ブラザーズ〜スイングジャーナル・リーダーズ・リクエスト★【銀賞】.スイング・ブラザーズ〜スイングジャーナル・リーダーズ・リクエストハリー・アレン=スコット・ハミルトン・ニューヨーク・セクステット

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スパイラル★【日本ジャズ賞】.スパイラル
上原ひろみ


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イージー・トゥ・ラヴ★【ボーカル賞(海外)】.イージー・トゥ・ラブ
ロバータ・ガンバリーニ


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Love Potion No.9★【ボーカル賞(海外)】.ラブ・ポーション No.9
MAYA


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ノンストップ・トゥ・ブラジル〜ミーツ・イバン・リンス★【ボーカル賞(国内)】.ノンストップ・トゥ・ブラジル〜ミーツ・イバン・リンスチャリート


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バラード・ヒギンズ★【編集企画賞】.バラード・ヒギンズ/スタンダード・ヒギンズエディ・ヒギンズ


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VOICES AGAIN - THE BEST OF KEIKO LEE VOL.2★【製作企画賞】.ヴォイセズ・アゲイン
ケイコ・リー


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アムステルダムの午後★【最優秀ジャズ・ビデオ賞】.アムステルダムの午後
ヨーロピアン・ジャズ・トリオ



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アート・オブ・インプロヴィゼーション〜キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー★【最優秀ジャズ・ビデオ賞】.アート・オブ・インプロヴィゼーション〜キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー
キース・ジャレット


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The sound of a rainbow★【最優秀録音賞(CD作品部門)】.サウンド・オブ・ア・レインボーウォルター・ラング


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スピーク・ロウ★【最優秀録音賞(高音質メディア作品部門)】.スピーク・ロウザ・グレイト・ジャズ・トリオ


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ニューヨーク・ララバイ★【ニュー・スター賞(海外)】.ニューヨーク・ララバイ
フランチェスコ・カフィーソ・ニューヨーク・カルテット


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アウトサイド・バイ・ザ・スウイング★【ニュー・スター賞(国内)】.アウトサイド・バイ・ザ・スウィング山中千尋


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 キース・ジャレットの『アート・オブ・インプロヴィゼーション〜キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』が【最優秀ジャズ・ビデオ賞受賞

 過去において『アート・オブ・インプロヴィゼーション〜キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』と同様のフィルム企画が多数持ち込まれていたそうだが,その全てをキース・ジャレットは断わってきた。彼の信念がそれを許さなかった。キース・ジャレットは「その仕事を真にやるべき価値があり,その仕事の完成を共に喜びあえる仲間とでなければ」決して仕事をしないのである。

 それゆえ,とにもかくにも,一本のドキュメンタリー作品が完成し,手元に存在しているこの事実に心から感謝している。あの気難しいキース・ジャレットからの信頼を勝ち得,出演交渉で“くどき落とす”ことなど,女優に濡れ場を演じさせること以上に困難極まりなかったに違いない。スタッフが費やした多くの時間と労力に感謝するばかりである。

 さて,そんな誠実なスタッフたちの努力の結晶である『アート・オブ・インプロヴィゼーション〜キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』は,日独英共同制作。3カ国所有の“お宝映像”が多面的に編集されている。貴重な映像資料群ゆえ(本論の流れを無視し)詰め込み過ぎた印象が残る。まぁ,散漫になるのは致し方のないことなのだろう。

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20181125 DIMENSION LIVE NO.2

 「LIVE DIMENSIONAL−2018 〜平成最後の秋の旅〜」! LIVEレポート2日目の今夜はステージング編です。

 増崎孝司の「盛り上がっていくばい」の第一声から始まった「増崎孝司 WITH DIMENSION」福岡公演。
 DIMENSIONのセンターは“不動のセンター”勝田一樹アルトサックスで決まりなのだが,九州でのセンターはギター勝田一樹は司会業に徹している。

注) DIMENSIONの実際の司会業は,古くから,そして昨年から小野塚晃が復権して務めておられます。小野塚さんの仕切りはめちゃめちゃスマートなのです。

 そんな小野塚晃がリードするMCコーナー。今年の小野塚晃の口グセは「燃えてる感が見える」&「今日は何かが違う」&「何かが出ている」。その視線の先には増崎孝司
 増崎孝司SAY。「毎回毎回本当に博多すいません。楽しくて仕方がないです。いろんな場所でやりますけど,ここだけが,ここだけが楽しいと言っても過言ではないです」。「ここはやっぱり海の匂いがするというか,空港に降り立った時点でもう僕の気持ちが違います」。

 いつも通りにマスヤンが爆発するとカツオも瞬時に爆発する。2人のMC中に,やっぱり調子が悪い高級機材のメンテナンスをしていた小野塚さんを2人がイジル。
 急に【JAZZ CIGARETTE】のJAZZの所で凄い映像が出てきた(by 増崎孝司)。
 「良からぬ画像が急にUPされて,譜面見てるかと思ったらこんな画像見ていた」(by 勝田一樹)。

 そんなカツオを「勝田さん。お口にチャック」と小野塚晃がたしなめて「これくらいにしておきます」とカツオに言わせた直後に「良からぬ画像が。1999年の口之津ライブの画像とかが出て来る」に大爆笑〜!
 こんなトークがメインで演奏はおまけのコンビネーションが最高である。これぞDIMENSIONLIVE“最大の楽しみ”であ〜る。

 「フレーズが次から次へと淀みなく出て来る。2−5のフレーズよりどんどん出て来ます。どうにか楽器で反映したい」と天才的なMCに演奏の方が追いついていかない?DIMENSIONの「愛情たっぷりのサイン」がこちらです。ライブ終了後に行なわれたサイン会で握手もしていただきました。

DIMENSION サイン-9

 とにもかくにも管理人は世界中の音楽ファンへ向けて声を大にしてこう叫びたい! 「DIMENSIONは世界最高峰のライブ・バンドである」!

 ところで,DIMENSIONは来年「悪どい商売として,物凄く細かくツアーをやってみたい」宣言有!
 当然・長崎→当然・口之津。1999年のノストラダムスの大予言「滅亡しなかったぜパーティー」以来となる口之津ライブ
 20年前の再現としてマスヤンカツオが金髪。カツオが上半身裸で10kg増の“よっ,横綱”スタイルであれば,交通費込の「博多・長崎セット販売」でも駆けつけま〜す。

 口之津は無理でも福岡・長崎・横須賀の「港町ツアー」だけは実現させてくださいねっ。あと小野塚さんの地元・埼玉「山の川沿いツアー」もお願いっ。みんなで長崎ちゃんぽんば食べに行きましょう。

 さて,この記事はLIVEレポートなので,ステージ後半のセットリストを報告しておきます。

PS 盛り上がったとはいえ,今年のDIMENSIONLIVEは何だか哀愁が漂う「秋色DIMENSION」の印象であった。漲る元気が失われたのかなぁ。だ〜ってDIMENSIONマニア歴26年にして初めて新作を聞けなかった年だったから。ライブで『31』収録予定の新曲のお披露目もなし。MCでどんな説明が聞けるのか興味がありましたが小野塚さんが一言だけ言及。「今年はあの〜,ちょっと。ニュー・アルバム出せなかったんで…」。これをどう読み解けば…。

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20181125 DIMENSION LIVE NO.1

 行ってきました! 11/25「Gate’s7」の「LIVE DIMENSIONAL−2018 〜平成最後の秋の旅〜」!

 11/25の福岡博多はソフトバンク・ホークスの日本一の優勝パレード。37万人の人出だったそうで中洲も昼間から大いに騒がしかったのだが。なんのなんの。
 ホークスの優勝パレードは,夜の部に行なわれる「増崎孝司 WITH DIMENSION」のための前座にすぎなかった。

 3連休の最終日。全国から集まったDIMENSIONファンで埋め尽くされたアリーナ会場。薄暗くともステージ上から観客の口角が上がっているのがマスヤンには見えるそうなのだが,流石に客席後方の何万人という観客は目には見えない。心が綺麗な人には見えたのです。
 とにもかくにも「密度がギュッとしていていい。一体感が感じられる」“中洲アリーナ”な「ゲイツ7」〜。

 管理人の整理番号は9番。左から中央寄りの2番目で前から2卓目の前列。つまりは左に小野塚さん,右に則竹さんを見据える“要”の最高の観察場所。
 【TAKE IT UP】の途中で小野塚さんのコンピューターが故障してしまったようで,曲終わりに小野塚さんが則竹さんに平謝り。

 「コンピューターなんて要らないんじゃないか」宣言まで飛び出した小野塚さんだけはなくマスヤンカツオ則竹さんへ頭を下げるべきでした。終演後,5人の中で則竹さん一人だけが汗びっしょり。
 こんなにもハードな“超絶技巧系”をお見舞いされたら聴いてるこちらもぐったりですが,則竹さんはヘロヘロでしょう。MCでも言及があった「山ちゃん」でたっぷりとお礼されましたか?

 小野塚晃SAY。「人間って凄い!」。そのうちコンピューターなしのDIMENSIONが聞けるかもしれませんね? 年末には年に一度だけ飲酒付きの“ヘタクソ”DIMENSIONが聞けるみたいですが,コンピューターを駆使しているので「そこそこ演る」らしいですよっ。
 今話題のフレディ・マーキュリーも来るそうです。

 さて,まずは恒例のメンバー紹介から…

 ★ 増崎 孝司 : Guitar
 ★ 小野塚 晃 : Keyboard
 ★ 勝田 一樹 : Alto Saxophone
 ☆ 浜崎 賢太 : Bass
 ☆ 則竹 裕之 : Drums

 DIMENSIONライブこそが真のツンデレ。演奏のカッコ良さとMCの漫談とのギャップが大きすぎる〜。MCについては明日のLIVEレポートで書くとして,やはりDIMENSIONは“超絶技巧集団”を再認識。

 “超絶技巧”が成立するのは“豪華”なゲスト・リズム隊が欠かせない。今回の「LIVE DIMENSIONAL−2018 〜平成最後の秋の旅〜」では福岡と名古屋については「お帰り9年振り! 浜崎賢太!」。

 9年振りに帰ってきた! いいや,帰ってきてくれた?が正解でしょう。だ〜って浜崎賢太とは今やユーミンのツアー・ベーシスト(余談ですがユーミンが指名したベーシストは一流どころばっかり。あのスクェアだってユーミン・ツアーのバック・バンド出身なのでした)。

 そんな浜崎賢太DIMENSIONがムチャブリ〜。
 恐らくは【JAZZ CIGARETTE】でのベースソロは,予定時間以上の長尺で「もっともっと。まだ終わらない」で,浜崎賢太がプチ・パニック〜。

 今でこそ川崎哲平との“哲平賢太”で鳴らす浜崎賢太であるが,その昔,DIMENSIONのサポートを始めた当初は,川崎哲平が「ココイチでバイトしてました」なら浜崎賢太は「落ちてるもん食べています」。

 浜崎くん。デカイツアーやりまくっていてもユーミンでは鍛えられていない。アリーナでは鍛えられていない。若手ベーシストは皆,DIMENSIONのステージで鍛えられる〜。

 DIMENSIONの仕事をした若手は必らず出世する。
 増崎孝司SAY。「悔しかったら俺らを呼んでみろ!」→「2,3年経ったらバンバン呼んでください(お願い調)。

 さて,この記事はLIVEレポートなので,ステージ前半のセットリストを報告しておきます。

30-1
30
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T-SQUARE & THE SQUARE REUNION / IT'S A WONDERFUL LIFE!5

IT'S A WONDERFUL LIFE!-1 2018年はスクェア・ファンにとって5年に1度のお楽しみ。スクェアの○○周年記念行事のメモリアル・イヤー。

 2018年のT−スクェアは,オリジナル・アルバム『CITY COASTER』の発売から「T−SQUARE コンサートツアー2018 『CITY COASTER』」での“かよボン祭り”が個人的にはハイライト!
 だ〜って,待ちに待っていた「T−SQUARE SUPERBAND」でのCDリリースもなければ,大阪フェスティバルホールでの記念シューティング・ライブもない。

 あっ,すみません。訂正いたします。これは管理人の身の上に限ったことでしたねっ。実際には40周年記念ライブT−SQUARE 40TH ANNIVERSARY CELEBRATION CONCERT」がパシフィコ横浜国立大ホールで開催されたし「THE SQUARE & T−SQUARE REUNION」名義でオリジナル・アルバム『IT’S A WONDERFUL LIFE!』も発売されました。

 あ〜あっ,今年の秋は発表待ちにして大阪空けていたのになぁ。9月10月はブルーノート東京での(これは内緒だったのでアドリブログにも書けませんでしたがもう時効ですよね? 目白の皆さん?)「BOKANTEライブだけだったしなぁ。
 それにしても安藤さんと青木さん,ちゃんと帳尻を合わせてくる〜。

 でっ,本日のお題『IT’S A WONDERFUL LIFE!』ですよ〜。安藤さんと青木さん,帳尻合わせてくるだけじゃなかったんですよ〜。
 T−スクェアの35周年記念が「T−SQUARE SUPERBAND」名義での『WONDERFUL DAYS』。そして40周年が「THE SQUARE & T−SQUARE REUNION」名義でオリジナル・アルバム『IT’S A WONDERFUL LIFE!』。『DAYS』→『LIFE!』へと『WONDERFUL』括りでグレードアップしてきたんですよ〜。

 ただし,ここで安藤さんと青木さんの狙いを紐解くには『IT’S A WONDERFUL LIFE!』は「T−SQUARE SUPERBAND」ではなく「THE SQUARE & T−SQUARE REUNION」名義に変更されているということ。
 管理人にはこのバンド名の刷新が「名は体を表わす」的で『IT’S A WONDERFUL LIFE!』の秘密を紐解く重要ファクターだと思っている。

 そう。「THE SQUARE & T−SQUARE REUNION」の真実とは,5年に1度の即席バンドではなく,T−スクェアの準レギュラー・バンドだということ。
 近年は年末だけではなく年に数度は一堂に集まって演奏している旧知の間柄。そこに美メロの新曲がブチ込まれての名演集。『IT’S A WONDERFUL LIFE!』も過去2作と比較しても遜色のない名盤でした。

 なまじっか「THE SQUARE」を名乗るだけあってやっぱり曲がいい。安藤正容が1曲。河野啓三が1曲。坂東慧が3曲。和泉宏隆が2曲。須藤満が1曲。久米大作が1曲。
 安藤さんが1曲なのは残念。坂東くんが3曲なのは流石。ただそんなことよりも『IT’S A WONDERFUL LIFE!』のために書き下ろされた全9曲の9曲が,作者の強烈な個性を放っているということ。管理人にはこの点が一番うれしいかった。

 作曲者のクレジットを見ないまま『IT’S A WONDERFUL LIFE!』をCDトレイにセットした。いよいよ『IT’S A WONDERFUL LIFE!』とスクェア・ファン歴35年の管理人との「作曲者当て」の真剣勝負の始まりである。

 結果は楽勝である。安藤さんらしい【SUGAR TRAIN】。河野くんらしい【IT’S A WONDERFUL LIFE!】(これは事前にネタバレしていた)。坂東くんらしい【GOLDEN SPLASH】【TIME SPIRAL】【紺碧の向こうに】。和泉さんらしい【HEIDI】【HELLO LIKE BEFORE】。ストさんらしい【慕情〜LONGING〜】。久米さんらしい【OLD SCHOOL BABIES】。

 うんうん。“らしい”曲ばかりだぞ! 今作で作曲はしなかったが伊東たけし田中晋吾仙波清彦田中豊雪長谷部徹則竹裕之宮崎隆睦も“らしい”演奏だぞ! 最高だぞ!

IT'S A WONDERFUL LIFE!-2 加えて「T−SQUARE SUPERBAND」→「THE SQUARE & T−SQUARE REUNION」へ引き継がれた「組み合わせのお楽しみ」も聴き所たっぷり。
 伊東たけし宮崎隆睦によるツインアルトEWIテナーでの共演や,則竹裕之坂東慧によるツインドラムの演奏は聴いて楽しくなるばかり! おいしい日本酒が進んじゃう!

 『IT’S A WONDERFUL LIFE!』の神曲は【GOLDEN SPLASH】【TIME SPIRAL】【紺碧の向こうに】【IT’S A WONDERFUL LIFE!】の4トラック。
 あれれっ? 現T−スクェアのまんまじゃん。だったら来年のツアーでも是非演奏してください。お願い,安藤さ〜ん。

 拝啓 河野啓三殿。
 ネットで以下の動画を見た時から胸キュンでした。正式なスクェア・ナンバーとしてお披露目できたこと。そしてアルバム・タイトルにも採用されたこと。心よりお祝い申し上げます。


PS1 特典DVDのシークレット・トラックとして,上記「TOKYU REI おもてなしダンスムービー」も収録してくれたら最高だったのにぃ。本当はメイキング・ビデオの方に関心があります。ラッキー池田の素晴らしい振り付けに拍手〜。
PS2 それにしても。毎回書かせてもらっているが。本田雅人ロス!! 本田雅人を参加させるとパワー・バランスが崩れてしまうからだと自分に言い聞かせております(泣)

  DISC 1
  01. Golden Splash
  02. Heidi
  03. Sugar Train
  04. 慕情〜Longing〜
  05. Time Spiral
  06. Old School Babies
  07. 紺碧の向こうに
  08. HELLO LIKE BEFORE
  09. It's a Wonderful Life!

  DISC 2 DVD
  01. Document:The Recording Days of "It's a Wonderful Life!"
  02. Document:"T-SQUARE 40th Anniversary Celebration Concert
     @PACIFICO YOKOHAMA"


(オレンジレディ/ORANGE LADY 2018年発売/OLCH 10013〜4)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
★【初回生産限定盤】ボーナスDVD付 2枚組
★【初回生産限定盤】三方背BOX仕様
★音匠仕様レーベルコート

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ヨーロピアン・ジャズ・トリオ / 哀愁のリベルタンゴ4

LIBERTANGO-1 哀愁漂うリリカルなサウンドとヨーロピアンの気品を感じさせる洗練されたアレンジを信条とするヨーロピアン・ジャズ・トリオ
 しかし『LIBERTANGO』(以下『哀愁のリベルタンゴ』)のヨーロピアン・ジャズ・トリオは“やり過ぎ”である。

 『哀愁のリベルタンゴ』でのヨーロピアン・ジャズ・トリオヨーロピアン“スムーズ”ジャズ・トリオのようである。
 おおっと,スムーズ・ジャズという表現は管理人も“やり過ぎ”だけれども,もはやヨーロピアン・ジャズ・トリオジャズというジャンルで推し量るには無理がある。

 まずは選曲である。【エンドレス・ラヴ】【マイ・オール】【哀愁のリベルタンゴ】【マホガニーのテーマ】【ディア・ハンターのテーマ】【タイタニック愛のテーマ】【涙のパヴァーヌ】【バラ色の人生】【ボディーガードのテーマ】【シンプル・ソング】【エンジェル・アイズ】の全11曲。

 これって絶対にヨーロピアン・ジャズ・トリオのメンバーの選曲ではないことだろう。有名曲がずらり。ほぼ映画のサントラ集にしてそのカヴァー・アルバム的な作りである。

 EJT批評については,毎度“落としては持ち上げる”文章になってしまって申し訳ないのだが,演奏内容はいいのだ。完全にEJTのオリジナルになっている。
 アメリカ・ハリウッドの映画音楽がヨーロピアンして聴こえてくる。『哀愁のリベルタンゴ』を聴いているとおフランスの映像が見えてくるような気分になる。

 往年のEJTファンは『哀愁のリベルタンゴ』をどんな気持ちで耳にしたのだろう…。
 ここまで美しく酔わせてくれるピアノ・トリオもそうないことは認めるが,どうしても管理人的にはジャズ・ピアノを弾くのを止めて,スムーズ・ジャズを弾くピアノ・トリオに身を売ったように思えてならない…。
 悪魔に魂を売ってしまったのかなぁ…。だから『哀愁のリベルタンゴ』以降,EJTCDを買ってはいないのです。

LIBERTANGO-2 ところで,管理人の『哀愁のリベルタンゴ』購入動機の1つは,アルトサックス界の重鎮=チャーリー・マリアーノとの共演にあった。
 で,結論。ヨーロピアン・ジャズ・トリオは「ヨーロピアン・ジャズ・カルテット」として機能した瞬間が最高である。

 アート・ファーマーとの『風のささやき』とは一味違った,でもやっぱりピアノ・トリオが主導する音楽の佇まい。
 マーク・ヴァン・ローンというピアニストは管楽器が入ると豹変する男である。

  01. ENDRESS LOVE
  02. MY ALL
  03. LIBERTANGO
  04. DO YOU KNOW WHERE YOU'RE GOING TO 〜THEME FROM
     MAHOGANY〜

  05. THE DEER HUNTER
  06. MY HEART WILL GO ON 〜TITANIC LOVE THEME〜
  07. PAVANE LACHRYME 〜DER FLUYTEN LUST-HOF〜
  08. LA VIE EN ROSE
  09. I WILL ALWAYS LOVE YOU
  10. SIMPLE SONG
  11. ANGEL EYES

(M&I/M&I 1999年発売/MYCJ-30029)
(ライナーノーツ/小西啓一)

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TRIX / POWER5

POWER-1 日本語に訳すと同じ「力」の意味となる「POWER」と「FORCE」。しかし,原語が伝える意味は随分と異なる。

 電気のエネルギー源で例えるなら「POWER」とは電池であり「FORCE」とは発電所。自分の体内に蓄えた力に頼るのか,コンセントでつながって外部電源に頼るのかの違い。
 スター・ウォーズの名言と言えば「FORCE」。いつかは力を失くしてしまう「POWER」とは異なり「FORCE」の力無尽蔵。「FORCE」こそが,人にエネルギーを与える最強の「力」なのである。

 さて「POWER」と「FORCE」という言葉を聞くと,管理人的にはTRIXを連想してしまう。というのもTRIXの2枚のアルバム『POWER』と『FORCE』が,先に記した原語の意味とイコールに思えてしまうからだ。

 TRIXの4th『FORCE』は平井武士TRIXの9th『POWER』は菰口雄矢
 平井武士とはTRIXのメンバー3人のお膳立てのもと,お立ち台で踊り狂うギタリスト。だから『FORCE』。
 菰口雄矢とはTRIXの3人を引っ張る,若さと超絶とPOWERで引っ張る新ギタリスト。だから『POWER』。

 単純にTRIXの新旧ギタリストの個性の対比は,平井武士が『FORCE』で菰口雄矢が『POWER』で良いと思っている。

 ズバリ,菰口雄矢は『POWER』でTRIXのエース・ギタリストとしての地位を確立した。
 『POWER』の圧倒的なギター・サウンドからするとTRIXが「菰口雄矢 WITH TRIX」へと変身したかのようである。← お笑い系が無くなったのは菰口くんの真面目さのおかげで〜す。

POWER-2 菰口雄矢がついに本気を出してきた! 菰口雄矢ギターが“野太い”! 菰口雄矢の加入により,よりスピード感,キレが増したハイテンションなTRIXサウンド。
 熊谷徳明須藤満窪田宏の超絶ギターに触発されてか,スーパー・プレイの応酬である。
 元来,TRIXとは「FORCE」ではなく「POWER」である。それまで体内に溜まっていたエネルギーが菰口雄矢の加入によって解き放たれただけである。

 完全調和の平井武士が抜けて,菰口雄矢という異物が加わり,真の「第2期トリックス」(by 『FEVER』)が始動した。TRIX内での新陳代謝が始まった。
 TRIXよ,持てる「POWER」全てを解き放て! そして「FORCE」と共にあらんことを! ← この掛け言葉,二重の意味が分かるかなぁ。

  01. POWER
  02. 夢風
  03. Espana
  04. Hysteric Drama
  05. Champion
  06. Welcome Home
  07. Vitality
  08. 久保田
  09. うつろひ

(キングレコード/KING RECORD 2012年発売/KICJ-640)

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ヨーロピアン・ジャズ・トリオ・フィーチュアリング・アート・ファーマー / 風のささやき4

THE WINDMILLS OF YOUR MIND-1 『THE WINDMILLS OF YOUR MIND』(以下『風のささやき』)は“アート・ファーマー目当て”で購入した。期待通りの名演であった。
 しかし管理人が気に入ったのはアート・ファーマー以上にヨーロピアン・ジャズ・トリオの方である。

 アート・ファーマーは相変わらずいい。未だ健在のバリバリであり,バリバリの「叙情派」である。しかしそれだけではないのだ。この音世界はヨーロピアン・ジャズ・トリオの「叙情派」なのだ。

 『風のささやき』におけるヨーロピアン・ジャズ・トリオの立ち位置とはアート・ファーマーのバックを固めた「伴奏型」ピアノ・トリオのそれではない。では自らが前面に出ているかと言えばそういう訳でもない。

 『風のささやき』とは,アート・ファーマーを聴くとか,ヨーロピアン・ジャズ・トリオを聴くとか,どちらかに偏って聴くアルバムではない。
 『風のささやき』の真実とは,ヨーロピアン・ジャズ・トリオではなくヨーロピアン・ジャズ・カルテットジャズ・ピアノなのである。

 トランペットアート・ファーマーピアノマーク・ヴァン・ローンベースフランス・ホーヴァンドラムロイ・ダッカスによる「4人で1つのヨーロピアン・ジャズ・カルテット」だから,バリバリの「叙情派」を演奏できるのだ。

 『風のささやき』を聴くまでは,初代ピアニストであるカレル・ボエリーこそがヨーロピアン・ジャズ・トリオのイメージであった。
 アクセントをつけながら,走ったり止まったり流れたり…。それでいてヨーロッパの素養をバックボーンに弾きこなす…。

 カレル・ボエリーというピアニストには,生粋のアメリカ人には逆立ちしても到底表現出来ない芸当のジャズ・ピアニストのイメージを抱いている。

THE WINDMILLS OF YOUR MIND-2 一方のマーク・ヴァン・ローンピアノであるが,溢れ出る「ノーブルさ」と言うか,大陸の歴史を感じさせる「悠久さ」と言うか,そのような雰囲気である。
 だから,もはやアメリカ人ではなくヨーロッパ人として生きている?アート・ファーマーとの相乗効果を発揮している。

 アート・ファーマーの特長とヨーロピアン・ジャズ・トリオの特徴の両面を楽しめる。毒素の抜けた演奏である。初代ピアニストカレル・ボエリーではここまで上手くはいかなかったかもしれない。

 ヨーロピアン・ジャズ・カルテットの二代目ピアニストマーク・ヴァン・ローンジャズ・ピアノが“粋”だよねぇ。

  01. THE WINDMILLS OF YOUR MIND
  02. SURREY WITH THE FRINGE ON TOP
  03. BOY ON A DOLPHIN
  04. LULLABY OF THE LEAVES
  05. NOCTURNE #2
  06. THE NIGHT HAS A THOUSAND EYES
  07. SNOW ANGELS
  08. IN THE STILL OF THE NIGHT
  09. WHEN I FALL IN LOVE
  10. A MINOR VAMP
  11. GREEN LEAVES OF SUMMER

(ベイブリッジ/BAYBRIDGE RECORDS 1997年発売/TECW-25629)
(ライナーノーツ/吉村浩二)

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TRIX / IMPACT4

IMPACT-1 管理人の結論。『IMPACT批評

 『IMPACT』の真実とは「NO・IMPACT」。メンバー・チェンジがあったとはいえ,全体的な印象としてはTRIXも所謂「中期」という感じで,安定したギター・フュージョンを聴かせてくれている。

 NEWフェイスである菰口雄矢は,噂通りの超絶ギタリスト。テクニシャンにありがちな“硬派”なフレージングが果たして“お笑い系”のTRIXに合うのだろうか? そもそもTRIXの顔である平井武士の陽性と真逆の人選ではないだろうか?

 こんな疑問は愚問なのでしょう。ファンとしては全てを熟慮した上でTRIXの続行を決断した熊谷徳明の「頭の中」を信じるしかない。
 以下は管理人が想像する熊谷徳明の「頭の中」で〜す。

 『IMPACT』を聴いて耳に付くのは,やっぱり菰口雄矢ギターである。歌い方が平井武士に「寄っていない」のが菰口雄矢の自信ゆえであろう。
 そんな菰口雄矢をマイナスワンしてみると,そこには須藤満の超絶ベースの世界が開けていた…。

 『IMPACT』での須藤満の張り切ったベースを聴き込むにつれ,管理人の頭の中の海馬が,ニューロンがつながってきた。この感覚って以前もあったような…。
 そう。『IMPACT』での須藤満は『NEW−S』での須藤満なのであった。

 『NEW−S』とは“ハイパー・サックス・プレイヤー”本田雅人が初参加したT−スクェア名盤である。
 そんな『NEW−S』でテクニカル・フュージョン・バンドへと方向転換したT−スクェアと同じインパクトを,フロントがメンバー・チェンジしたTRIXの『IMPACT』で感じてしまった。須藤満が超絶ベースを弾きまくり〜。

IMPACT-2 そう。『IMPACT』でインパクトを受けたのはリスナーではない。『IMPACT』で一番のインパクトを受けたのはTRIXのメンバーである。
 ドラム熊谷徳明が,ベース須藤満が,キーボード窪田宏が“ハイパーフュージョン・プレイヤー”しているではないか!

 イメージとして平井武士野呂一生であるならば,菰口雄矢和田アキラのようである。
 ズバリ,TRIXの顔を差し替えた熊谷徳明の「頭の中」の狙いがここにある〜。だから『IMPACT』がマイナー調で,全体的に物寂しげな雰囲気の理由に説明がつく〜。
 底抜けに明るいTRIXサウンドに陰影が混じった赤茶かなぁ。そこが熊谷徳明の「頭の中」だと想像いたしました。

  01. IMPACT
  02. Rush
  03. COSTA RICA
  04. 肩コリッ!!
  05. Dolphin Beach
  06. OVERCOME
  07. Reconstruction
  08. Turnaround
  09. The Dharma
  10. Times
  11. 茉莉花

(キングレコード/KING RECORD 2011年発売/KICJ-614)

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ヨーロピアン・ジャズ・トリオ / 夜行列車4

NIGHT TRAIN-1 思うに『NIGHT TRAIN』(以下『夜行列車』)こそが「THE EJT」の極みであろう。

 正直,いい演奏である。ヨーロピアン調の静かな雰囲気がチャーミングである。
 だけど決して脱線しそうなほどギリギリまでは攻めていかない。予定調和っぽいアドリブが模範演技っぽくて,教科書通りでジャズ・マニアとしては面白くはない。だけど全般にレベルは高いので一般の音楽ファンからは評価が非常に高い。ゆえに益々,熱烈なジャズ・マニアからの反感を買う。

 そんなヨーロピアン・ジャズ・トリオの賛否両論が『夜行列車』を聴く度に管理人の胸に去来する。いい演奏だと思う瞬間も多いが,これはちょっとと思う瞬間も多い。
 『夜行列車』は“アルバム単位で”ヨーロピアン・ジャズ・トリオにハマルかどうかの試金石としてちょうどよいと思うのだ。

 ヨーロピアン・ジャズ・トリオに関しては,この“アルバム単位で”というのがミソである。その実“曲単位で”ヨーロピアン・ジャズ・トリオは評価されることが多いと感じているからだ。
 ヨーロピアン・ジャズ・トリオのレパートリーは果てしない。しかもどんな曲でも見事に“ジャズ化”できてしまう。だから自分の好きな曲がEJTで演奏されていると思わず聴き入ってしまう。

 しかし,逆に自分の知らない曲をEJTが演奏している場合。EJTを純粋なピアノ・トリオとして接するなら「雨後の筍」の一つとして片付けることになる。

 その意味でヨーロピアン・ジャズ・トリオは幸運であった。まず名前が何と言っても“ヨーロピアン・ジャズ”トリオである。「ヨーロッパを代表するピアノ・トリオ」のネーミングには大物感があって,しょぼくないイメージ。
 ← 最近はアート・ファーマーチャーリー・マリアーノとの共演を通して,名前に実力が追いつきました。

 次に早くからスマッシュ・ヒットを飛ばしたことでヨーロピアン・ジャズ”トリオ=“売れっ子”ピアノ・トリオのイメージも付いた。恐らく生涯の一発屋「アレンジ芸人(仮称)」として喰いっぱぐれることはないことだろう…。

NIGHT TRAIN-2 そんな安定から来る冒険と,売り上げを意識した選曲の絶妙なバランス感覚が『夜行列車』から聴こえてくる。『夜行列車』は是非“曲単位”ではなく“アルバム単位”で聴いてほしい。悪くはないから…。
 その上で管理人の意見を読み返してみてほしい。当たっている(はずだ)から…。

  01. Night Train
  02. Autumn In Rome
  03. The Moon Of Wild Castle
  04. As Time Goes By
  05. You
  06. Michelle
  07. Night In Kyoto
  08. Never To Early
  09. Bassman San
  10. Don't Say Good-Bye
  11. El Gaucho

(ポニーキャニオン/AFTER BEAT 1992年発売/PCCY-30116)
(ライナーノーツ/今井正弘)

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スイングジャーナル主催 ジャズ・ディスク大賞 2004年度(第38回)

 「スイングジャーナル」誌が,レコード会社各社の自薦ノミネート作品を基にして,国内で該当年度中に発売されたCDLPビデオを対象に同誌委託の「ジャズ・ディスク大賞選考委員」によって選出される,日本ジャズ界に最も貢献した作品に贈られる「ジャズ・ディスク大賞」。

 今回は2004年度(第38回)の発表です。

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エターナル★【金賞】.エターナル
ブランフォード・マルサリス


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ジェントル・バラッズ★【銀賞】.ジェントル・バラッズ
エリック・アレキサンダー


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ジャズ・ワルツ★【日本ジャズ賞】.ジャズ・ワルツ
寺井尚子


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テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴ★【ボーカル賞(海外)】.テイキング・ア・チャンス・オン・ラヴジェーン・モンハイト


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夢そよぐ風★【ボーカル賞(海外)】.夢そよぐ風
イリアーヌ


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ノンストップ・トゥ・ブラジル〜ミーツ・イバン・リンス★【ボーカル賞(国内)】.ノンストップ・トゥ・ブラジル〜ミーツ・イバン・リンスチャリート


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ゲッツ/アルメイダ★【編集企画賞】.ヴァーヴ誕生60周年記念企画 スープリーム・サウンド・エディション/エッセンシャル&レア・コレクション

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A列車で行こう★【製作企画賞】.A列車で行こうマンハッタン・ジャズ・クインテット バードランドマンハッタン・ジャズ・オーケストラ

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ジェントル・バラッズ★【製作企画賞】.ジェントル・バラッズ
エリック・アレキサンダー


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JAZZ SEEN カメラが聴いたジャズ★【最優秀ジャズ・ビデオ賞】.ウイリアム・クラクストン ジャズ・シーン〜カメラが聴いたジャズ



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ベサメ・ムーチョ (紙ジャケット仕様)★【最優秀録音賞(インストルメント)】.ベサメ・ムーチョドミニク・ファリナッチ


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シングズ・ワルツ・フォー・デビー★【最優秀録音賞(ボーカル)】.シングズ“ワルツ・フォー・デビー”シェリル・ベンティーン


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オン・ザ・ムーン★【ニュー・スター賞(海外)】.オン・ザ・ムーン
ピーター・シンコッティ


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ブレイン★【ニュー・スター賞(国内)】.ブレイン
上原ひろみ


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 先日,都内某所にてアドリブログの読者の男性とお会いしてきた。メインはカシオペア関連だったのだが「ジャズ・ディスク大賞」シリーズも楽しみにしておられるとのことだった。

 そんなこんなで管理人も過去ログを読み返してみたのが10月中旬。そうして迎えた11月のランキングに変化を感じた。大御所がいないではないか&ニュー・スターへの転換年!?
 エリック・アレキサンダードミニク・ファリナッチ寺井尚子上原ひろみ。おおっと,2018年のランキングでも何らおかしくない〜。

 エリック・アレキサンダーが『ジェントル・バラッズ』で,寺井尚子が『ジャズ・ワルツ』で,上原ひろみが『ブレイン』なのは懐かしい。
 当時はこの3人がここまでの大物になるとは予想していなかった。2004年という年はJ−ジャズの転換点として記憶されるべき年だったように思う。

 そんな中,安心のブランフォード・マルサリス。まだまだ若手の印象があったブランフォード・マルサリスが,すっかり“お兄さん”しています。どうしたウイントン・マルサリス

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ヨーロピアン・ジャズ・トリオ / バルセロナの炎4

BARCELONA'S FLAME-1 ヨーロピアン・ジャズ・トリオに特別な思い入れはない。
 ちまたで絶賛,あるいは批判されているようだが,個人的にはそのどちらでもない。アルバムも5枚しか所有していないし,無関心ですみません。そんな感じである。

 管理人は考える。個人的にヨーロピアン・ジャズ・トリオの入り方を間違えてしまったのかなぁ。
 管理人は『SUPREME −THE BEST OF EJT−』から入ったから,EJTに対しては,世評通りに「叙情派」ピアノ・トリオの印象が擦り込まれている。
 ベスト盤って,選曲者の嗜好が強く出るから,世のファンの少数意見は反映され難いのが難点である?

 それゆえ,ヨーロピアン・ジャズ・トリオの印象とはMJQっぽい。だから聴いていてワクワクしないし,面白い音楽だとは思わない。クセがない&味が薄いのだから1回聴き通すと2回目は中々巡っては来ない。
 もしもヨーロピアン・ジャズ・トリオの1枚目が,この『BARCELONA’S FLAME』(以下『バルセロナの炎』)だったならヨーロピアン・ジャズ・トリオの印象も今より随分良かったのかもしれない。

 そう。『バルセロナの炎』でのヨーロピアン・ジャズ・トリオの演奏が熱い。テンションが高い。
 ピアノが遠くで鳴っているのではなく,ピアノが目の前で,耳元で鳴っている。グイグイと迫り来るような圧のかかった演奏に襲われる。これが本当にあのEJTなのか?

 一般に,ヨーロピアン・ジャズ・トリオと来れば,いい意味で癖がなく,とにかく綺麗な音を聴かせてくれる「叙情派」ピアノ・トリオの代名詞であろう。個人的にもこの見解に同意している。
 しかし「叙情派」ピアノ・トリオの標榜はよそに,その実,伝統的なジャズ・スタンダードは少な目で,クラシック,ポップス,映画音楽など有名どころを美味しく“ジャズ化”する雑食系でもある。

 そんなEJTの「表と裏のギャップ」に面して,硬派なジャズ・ファンが反EJTの旗を振って怒り狂う気持ちも理解できる。EJTが商業主義だとののしられる理由も理解できる。 

BARCELONA'S FLAME-2 しか〜し,管理人は反EJT派に1つのことを伝えたい。「もし文句があるのなら『バルセロナの炎』を聴いてからにしなさい」!

 『バルセロナの炎』での初期ヨーロピアン・ジャズ・トリオの演奏は優しい演奏ばかりではない。優等生な演奏ばかりではない。
 『バルセロナの炎』には,メロディーを分かりやすく伝える「叙情派」ピアノ・トリオに転身する前の“情熱と耽美の”ヨーロピアン・ジャズ・トリオがここにいる。

 ヨーロピアン・ジャズ・トリオは,お洒落で聴きやすいだけのピアノ・トリオではなかった。
 反EJT派の読者の皆さん。ヨーロピアン・ジャズ・トリオは“アドリブを熱く歌わせる”静かな中に情熱を秘めた,優秀なピアノ・トリオの選択肢の1つなのです!

  01. Day Dreams
  02. Strawberry Fields Forever
  03. Concerto d'Aranjues
  04. If You Leave Me Now
  05. My Parents
  06. Little Princess
  07. Poco Paco
  08. Gipsy In My Soul
  09. Comecar De Novo
  10. Stella By Starlight
  11. All Or Nothing At All
  12. Rock Beach (Barcelona's Flame)

(M&I/M&I 1990年発売/MYCJ-30314)
(ライナーノーツ/瀧口譲司)

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TRIX / FEVER5

FEVER-1 「スーパー・ポップ・ドル箱フュージョン・バンド」TRIXが7thアルバムで777の『FEVER』&『FEVER』〜!

 「第2期トリックス」=「超絶フュージョン・エンタテインメント・バンド」の『FANTASTIC』は【BOS(T)ON!】でヨレてしまったTRIXであったが『FEVER』は【BAND NAVIGATION】の音声案内で注意されてか,ヨレてしまった「超絶フュージョン」路線に無事軌道修正できたようで,正直,ほっとした〜! 『FEVER』でTRIXにまたドップリ〜!

 これってTRIXの戦略なのか? ステージではどんなにふざけても演奏だけはカッコヨク…。
 これってSMAP商法では? 「スマスマ」でSMAPがコントで大暴れしていてもラストは歌の贈り物。歌手としてのSMAPには一切笑いなし。歌のコーナーだけはジャニーズに戻ると決めていた。中居くんだけは歌でも真面目にふざけてはいましたけど…。

 『FANTASTIC』〜『FEVER』での“揺り戻し”SMAP商法にまんまとハマッテしまった管理人。
 【DELIGHT】〜【THE COIL】〜【GEMMA】〜【流離】〜【SUDDEN】の神曲5曲の投入に縦ノリの横ノリで歓喜の舞! 「超絶フュージョン」ファンが泣いて喜ぶキメキメの嵐! TRIXは笑いなしでもやれるでないか!

 とは言え『FEVER』のキラー・チューンは,アルバム・ラストの“スーパー・キャッチー&メロウ・マイナー”【CHRISTMAS FLOWER ☆】である。
 【CHRISTMAS FLOWER ☆】は何回聴いたことだろう。でも何回聴いても聴き飽きたりしない。逆に心の奥底の隅々にまで浸み渡って広がっていく。大名曲である。

 転調しまくりなのにおもいっきり歌える【CHRISTMAS FLOWER ☆】に惚れてしまった。ついに熊谷徳明が【CHRISTMAS FLOWER ☆】で,J−フュージョン界の「作曲王」,野呂一生安藤まさひろ高中正義の“御三家”と肩を並べたと思う。

FEVER-2 そしてこれは『FEVER』発売後8年経過した体験談だが『FEVER』にはもう1曲“隠れ名曲”が収録されている。
 『FEVER』をCD棚から取り出して今も聴いているのは【CHRISTMAS FLOWER ☆】と【ジョイちゃん】の2曲。

 熊谷徳明が亡くなった愛犬【ジョイちゃん】に捧げたバラード。【ジョイちゃん】は所謂,大バラードの類ではない。恋愛とか失恋とか愛する家族への思いを綴ったバラードではない。
 愛犬への思いが詰まった“ラブ・ソング”にとにかく・癒される。

  01. STAR
  02. Delight
  03. Band Navigation
  04. THE COIL
  05. ジョイちゃん
  06. Smile.
  07. Gemma
  08. 流離
  09. Sudden
  10. Christmas Flower ☆

(キングレコード/KING RECORD 2010年発売/KICJ-586)

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ブラッフォード・レヴィン・アッパー・エクストリミティーズ / B.L.U.E. NIGHTS4

B.L.U.E. NIGHTS-1 ジャズフュージョンに目覚めるまで。管理人はその昔ヘビィ・メタル少年であった。ゆえにプログレも愛好していたしキング・クリムゾンも聴いていた。
 “隠れ”ではあるが,ビル・ブラッフォードトニー・レヴィンを現在でもリスペクトしている。

 ただし,だからといってビル・ブラッフォードトニー・レヴィンが結成した「ブラッフォード・レヴィン・アッパー・エクストリミティーズ」のCDを購入することはない。
 管理人の目に入ったのは“トランペット界の貴公子”クリス・ボッティの存在である。「美男子」クリス・ボッティが「野獣」ビル・ブラッフォードトニー・レヴィンジャズ・ロックを演る。ただそれだけで『B.L.U.E.NIGHT』を衝動買いしてしまった。読者の皆さん,これって常識では有り得っこない共演なのですぞ〜!

 『B.L.U.E.NIGHT』は「ブラッフォード・レヴィン・アッパー・エクストリミティーズ」初のライヴ盤である。
 「ブラッフォード・レヴィン・アッパー・エクストリミティーズ」の音楽とは,プログレのフィールド内におけるジャズ・ロックである。自由度の高い演奏,しかもライヴ

 これはクリス・ボッティの独壇場かと思いきや,ビル・ブラッフォードトニー・レヴィンは余裕でついていっている。いいや,起伏に富んだリズムがバンドの中心であって,クリス・ボッティトランペットデイヴィット・トーンギターは「色付担当役」である。

 「ブラッフォード・レヴィン・アッパー・エクストリミティーズ」の音楽がカッコイイ。老練のビル・ブラッフォードトニー・レヴィン主導ゆえ,最先端のプログレとはお世辞にも言えないが,ドライでモノクロっぽいスタイリッシュさが香っている。
 これにはライヴではあっても,手癖にまみれたアドリブではなく,あくまでも「楽曲を演奏する」ことに意識を集中しているからであろう。

 そう。ビル・ブラッフォードトニー・レヴィンにとって,クリス・ボッティデイヴィット・トーンこそがジャンルを越えた最高の共演者。
 楽曲を彩り,インスピレーションを受けることのできる,最高のトランペッターであり,最高のギタリストである。

B.L.U.E. NIGHTS-2 管理人の結論。『B.L.U.E.NIGHT批評

 『B.L.U.E.NIGHT』は,4人が4人とも相当にテクニカルな演奏であって,複雑で音を乗せるのが難しいビートの嵐なのに,フロントのストレートなメロディーがアバンギャルドでありながらも実に聴きやすい。
 早弾きなのに弾きすぎず,音の空間を上手に埋めながら高みに昇っていく演奏は「ジャズ・ロックするクリムゾン」としての代表作であろう。

 ただし管理人的にビル・ブラッフォードと来れば,どうしても渡辺香津美とのギター・トリオなのです。
 クリス・ボッティがプログレ方面で大暴れした『B.L.U.E.NIGHT』をもってしても『THE SPICE OF LIFE』を越えることは難しかった!

  CD 1
  01. PIERCING GLANCES
  02. ETUDE REVISITED
  03. A PALACE OF PEARLS (on a Blade of Grass)
  04. ORIGINAL SIN
  05. DENTURES OF THE GODS
  06. DEEPER BLUE
  07. COBALT CANYONS

  CD 2
  01. FIN DE SIECLE
  02. PICNIC ON VESUVIUS
  03. CERULEAN SEA
  04. BENT TAQSIM/TORN DRUMBASS
  05. CRACKING THE MIDNIGHT GLASS
  06. PRESIDENTS DAY
  07. 3 MINUTES OF PURE ENTERTAINMENT

(ディシプリン・グローバル・モービル/PAPA BEAR 1999年発売/PCCY-01435)
(CD2枚組)
(ライナーノーツ/松崎正秀,トニー・レヴィン)

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TRIX / FANTASTIC4

FANTASTIC-1 TRIXの6th『FANTASTIC』のCD帯にこう書かれていた。
 『メンバー・チェンジ!?レーベル移籍!?一切無し!!! 第2期トリックスが描く,ポップ・フュージョンファンタスティックな未来!シツコイくらいに超キャッチーな6thアルバム!!』。

 『FANTASTIC』を聴き終えた。確かに「第2期トリックス」始動であった。
 TRIXは『FANTASTIC』で,一介のフュージョン・バンドとして超えてはならない一線をついに超えてしまったように思う。

 そう。「第1期トリックス」は「スーパー・ポップ・ハイパー・テクニカル“フュージョン”バンド」であったが「第2期トリックス」では「フュージョン“コミック”バンド」へと変貌を遂げてしまっている。

 『FANTASTIC』にはいい曲がいっぱいある。【SKIP AWAY】〜【SUPER LATINO】〜【VOLARE VIA】の3連投こそが,管理人が愛する「スーパー・ポップ・ハイパー・テクニカル・フュージョン・バンド」のTRIXである。

 でも『FANTASTIC』の“目玉”はどう譲歩しても【BOS(T)ON!】であろう。だから『FANTASTIC』の評価は舵盤方面へと転げ落ちてしまう。
 管理人のリアルTRIXは『FANTASTIC』だったのだが,その『FANTASTIC』はほとんど聴かずに(幸か不幸か)まだ聴き込みが足りなかった旧作で盛り上がっていた当時の記憶が今でも『FANTASTIC』に正当な評価を下す行為を邪魔してしまう。

 管理人はTRIXLIVEには未参戦ゆえ,はちゃめちゃな内容は噂でしか知らない。もしその噂が本当であるなら【BOS(T)ON!】は大盛り上がりのキラー・チューンになるのだろう。

 しかし『FANTASTIC』はLIVEではなくCDである。管理人はカッチョイイTRIXCDを買ったのであって,某スネークマンショーのCDを買ったのではない。

 熊ちゃん。おふざけはステージだけでやるのがフュージョン・バンドの礼儀なのではありませんか?

FANTASTIC-2 お〜っと,辛口すぎるのが管理人のいい面であり悪い面。最後にフォロー&フォロー。

 演芸におけるコミック・バンドは演奏が下手ではできないと思う。「第2期トリックス」は演奏がしっかりしているから成立する笑いである。
 「第2期トリックス」=「超絶フュージョン・エンタテインメント・バンド」の笑いはモノマネやパロディなどではなく,キメるところはキメまくる,あくまでも「フュージョン“バラエティ”バンド」なのである。

  01. 4.2.5.1.
  02. Skip Away
  03. Super Latino
  04. volare via
  05. S
  06. White Fairy
  07. Circulars
  08. Bos(t)on!
  09. Adoration

(キングレコード/KING RECORD 2009年発売/KICJ-563)

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エロール・ガーナー / コンサート・バイ・ザ・シー5

CONCERT BY THE SEA-1 同じ大衆芸能方面の“ジャズ・ピアニスト”であるが,オスカー・ピーターソンが「エンタメ系」であるならば,エロール・ガーナーは「演芸系」である。

 というのも,いつでもどこでもエンターテイナーしてしまうオスカー・ピーターソンに対して,エロール・ガーナーは劇場に立ってからが凄い! 最初の一音から最後の一音まで,観客を楽しませるためならどんなに過剰なサービスだってどんとこいの大盛り上がり大会! ノッタ時のエロール・ガーナーには手が付けられない!

 そんなエロール・ガーナーの,そしてジャズ・ピアノの歴史に残る決定的な名盤が『CONCERT BY THE SEA』(以下『コンサート・バイ・ザ・シー』)である。

 とにもかくにも『コンサート・バイ・ザ・シー』を聴いていると,その日の嫌なことは一遍に消えてしまう。いつの間にか「A HAPPY DAY!」(by UES)気分に浸ってしまう。「憂鬱を吹き飛ばす万能薬」な1枚だと思う。

 『コンサート・バイ・ザ・シー』の隙の無さは,エロール・ガーナーの名手ぶりを物語っている。エロール・ガーナーは“ピアノを歌わせる”名手である。
 退屈することなど一瞬もない。耳が釘付けとはこのことだ。本当にいい演奏を聴いた,という満足感が幸福感につながっていく…。

 音源が古いし,陰りもない。ピアノ以外に聴こえるのは聴衆の反応だけであって,ほぼベースドラムは聴こえない。エロール・ガーナーの代表曲【MISTY】も入っていない。
 これらが解決されていれば超名盤の仲間入りも出来たであろうに…。

CONCERT BY THE SEA-2 でもそんなの関係ない。『コンサート・バイ・ザ・シー』を聴いている間,脳裏に浮かぶはエロール・ガーナーの楽し気な顔と観客の満足げな顔だけである。
 マイナス要因など1つもない。『コンサート・バイ・ザ・シー』には,ジャズを聴く楽しみの全てが詰まっていると思う。

 観客全員をあっと言う間に「ワン・アンド・オンリー」の世界へと引きずり込む“芸達者”エロール・ガーナーの真骨頂! もはや「お手上げ」状態である。
 『コンサート・バイ・ザ・シー』の東映映画のロゴが似合いそうな荒波と岩場のアルバム・ジャケット。浮かれた女性が両手を広げて「お手上げ」ポージングは音楽の内容を表現しているのです!

  01. I'LL REMEMBER APRIL
  02. TEACH ME TONIGHT
  03. MAMBO CARMEL
  04. AUTUMN LEAVES
  05. IT'S ALL RIGHT WITH ME
  06. RED TOP
  07. APRIL IN PARIS
  08. THEY CAN'T TAKE THAT AWAY FROM ME
  09. HOW COULD YOU DO A THING LIKE THAT TO ME
  10. WHERE OR WHEN
  11. ERROLL'S THEME

(CBSソニー/CBS/SONY 1955年発売/32DP 660)
(ライナーノーツ/粟村政昭)

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TRIX / BESTRIX〜THE BEST OF TRIX5

BESTRIX〜THE BEST OF TRIX-1 長らく管理人のフュージョン人生はカシオペアスクェアの両雄,続いてDIMENSIONの3強体制。そこへ割り込んできたのがTRIXであった。( ← これは近年のお話。その昔はDIMENSIONTRIXの位置にはNANIWA松岡直也MALTAかW渡辺が3番手争いだった! )

 ただし初期TRIXは,元カシオペア熊谷徳明と元スクェア須藤満のバンドだけあって,DIMENSIONのようにカシオペアともスクェアとも違う,のではなくて,カシオペアスクェアのリニューアル兄弟バンド,と呼べるフュージョン・バンドだったと思う。

 だから興味が湧かなかったのかもしれないし,だからすんなり割り込んできたのかもしれないし,だから万年二番手でハマルのも遅くなったのかしれない。
 もたもたしていたせいで,管理人のTRIXデビューTRIXベスト盤『BESTRIX〜THE BEST OF TRIX』になってしまった。

 でもね。これって何という幸運! TRIXをたっぷりとまとめ聴きできる幸運! 遅れを取り戻そうと『BESTRIX〜THE BEST OF TRIX』を聴き狂った!
 ベスト盤なので,そりゃ全曲飛ばしているさ。一気に14曲聴けるのさ(【赤鼻のトナカイ】を除く)。

 でっ,1週回って?ラストの【BON VOYAGE】のキャッチーさだけが耳に残って頭から離れなくなった。美メロの13曲を【BON VOYAGE】1曲で覆い尽くす〜。
 カシオペアが【ASAYAKE】。スクェアが【TRUTH】。DIMENSIONが【JUNGLE DANCER】であるならば,TRIXなら【BON VOYAGE】なのかな?(いまだ未確認ですが)

BESTRIX〜THE BEST OF TRIX-2 最後に,TRIXのバンド編成はギターキーボードベースドラムの4ピースゆえ,同じ編成のカシオペアと比較される宿命にあると思うが,管理人が『BESTRIX〜THE BEST OF TRIX』を聴いていた時のカシオペアは活動休止中。個人的なマイブームとしてカシオペアよりもTRIXが「優勢」になっていたことを思い出す。

 もしかして野呂さん,カシオペア再始動のキーとしてキーボードオルガンに変えたのは,エレクトーン窪田宏の存在があったりして?
 個人的に野呂さんが語るTRIXについて聞いてみたいと思います。

  01. CORE
  02. Double Up
  03. Ramdash [BARSOOMM! ver.]
  04. An Index
  05. Malaga
  06. MA-TSU-TA-KE
  07. shadow puppet
  08. 毛根ファンク
  09. Passion
  10. FIRE
  11. Jungle Circuit
  12. puma
  13. サムライ
  14. Bon Voyage
  15. 赤鼻のトナカイ

(キングレコード/KING RECORD 2008年発売/KICJ-548)

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エロール・ガーナー / ミスティ5

ERROLL GARNER PLAYS MISTY-1 【MISTY】と来れば山本剛のことであって,エロール・ガーナーではない。

 これって単に山本剛が「ご贔屓」だからではない。感情的な思い入れではない。この思いはエロール・ガーナーのアルバム『ERROLL GARNER PLAYS MISTY』(以下『ミスティ』)の全10曲を聴いて,一層強くなった。
 【MISTY】の本家はエロール・ガーナーであるが,エロール・ガーナーは【MISTY】1曲だけの人ではないからだ。

 『ミスティ』を聴き終えた時の感想は,何度聴いても「あっ,もう終わった」である。それくらいに気持ち良くて,ずっと聴き続けていたくなる。いいや,漢字が違います。聞き続けていたくなる,が正解。
 ニュアンスとしてはジャズというよりも大衆音楽っぽい。事実【MISTY】は永遠のジャズスタンダードとして,ジャズヴォーカル・ナンバーとしてもヒットしている。ポピュラー音楽としても知られている。

 ここにエロール・ガーナーの本質があると思う。
 一般にエロール・ガーナーと来れば「ビハインド・ザ・ビート」が代名詞。「ビハインド・ザ・ビート」とは,左手のバッキングのタイミングを微妙に遅らせることで生まれるバック・ビートの独特なノリと右手を広げてオクターブで旋律を弾くことによってメロディ・ラインを強調した奏法のことである。
 もたもたした演奏という印象を持つ人もいるが「ビハインド・ザ・ビート」はエロール・ガーナーならではのスイング感とも受け取れる。

 実に“ジャズ・ピアニストエロール・ガーナーは興味深い。テクニシャンのピアニストでありエンターテイナーのピアニストである。
 しかし,だからと言って「ビハインド・ザ・ビート」でエロール・ガーナーを語るのは何か違うと思う。的外れだと思う。

MISTY】のこの世のものとも思えない美しさは格別である。ロマンスを音で表現すると【MISTY】が最適の選択と成り得る。しかし【MISTY】だけでエロール・ガーナーが語られるのも何か違うと思う。的外れだと思う。

ERROLL GARNER PLAYS MISTY-2 ズバリ,エロール・ガーナーについて絶対に語らなければならないのは,エロール・ガーナーピアノから溢れ出す“歌心”である。

 バラードでもスイングでもスタンダードでも,何を弾かせてもエロール・ガーナーピアノは一級品である。
 つまりは曲想を掴むのが得意であって,それを適度な塩梅で表現してくる。ツボを突いてくる。聞いていて気持ち良くなる。流れているだけで気分が良くなる。

 感動モノの【MISTY】を聴きたいのなら山本剛を聴けばよい。エロール・ガーナーの『ミスティ』は【MISTY】1曲だけではなく全曲平等に聴いてほしい。
 エロール・ガーナーは曲単位ではなくアルバム単位で評価されるべき“ジャズ・ピアニスト”なのである。

  01. MISTY
  02. EXACTLY LIKE YOU
  03. YOU ARE MY SUNSHINE
  04. WHAT IS THIS THING CALLED LOVE
  05. FRANTENALITY
  06. AGAIN
  07. WHERE OR WHEN
  08. LOVE IN BLOOM
  09. THROUGH A LONG SLEEPLESS NIGHT
  10. THAT OLD FEELING

(マーキュリー/MERCURRY 1954年発売/UCCU-5039)
(ライナーノーツ/成田正,藤本史昭)

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スイングジャーナル主催 ジャズ・ディスク大賞 2003年度(第37回)

 「スイングジャーナル」誌が,レコード会社各社の自薦ノミネート作品を基にして,国内で該当年度中に発売されたCDLPビデオを対象に同誌委託の「ジャズ・ディスク大賞選考委員」によって選出される,日本ジャズ界に最も貢献した作品に贈られる「ジャズ・ディスク大賞」。

 今回は2002年度(第36回)の発表です。

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アップ・フォー・イット〜ライヴ・イン・フランス★【金賞】.アップ・フォー・イット〜ライヴ・イン・フランスキース・ジャレット・トリオ


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With All My Heart★【銀賞】.ウイズ・オール・マイ・ハート
ハービー・メイソン・トリオズ


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ジャスト・ユー,ジャスト・ミー★【銀賞】.ジャスト・ユー,ジャスト・ミー
ハリー・アレン


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New York Style★【日本ジャズ賞】.ニューヨーク・スタイル
アキコ・グレース


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リトル・ムーンライト(CCCD)★【ボーカル賞(海外)】.リトル・ムーンライト
ダイアン・リーブス


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ムード・スウィングス★【ボーカル賞(国内)】.ムード・スウィングス
akiko


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スイング・ジャーナル誌選定”SJ名盤蒐集クラブ” コンプリート・アット・ザ・プレリュード★【編集企画賞】.コンプリート・アット・ザ・プレリュードレッド・ガーランド


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懐かしのストックホルム〜スイングジャーナル・リーダーズ・リクエスト★【製作企画賞】.懐かしのストックホルム〜スイングジャーナル・リーダーズ・リクエスト/あなたは恋を知らない/マイ・フーリッシュ・ハートエディ・ヒギンズ

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ケン・バーンズJAZZ★【最優秀ジャズ・ビデオ賞】.ケン・バーンズJAZZ
 Jazz Filmed By Ken


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あなたは恋を知らない★【最優秀録音賞(ニューレコーディング)】.あなたは恋を知らないエディ・ヒギンズ


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サックス・ストーム★【最優秀録音賞(リマスタリング)】.アルファ・ジャズ・マスターピース


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SAY IT★【ニュー・スター賞(海外)】.マンハッタン・ドリームス/セイ・イットドミニク・ファリナッチ


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MOKO-MOKO★【ニュー・スター賞(国内)】.TAKASHI/MOKO-MOKO松永貴志


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 キース・ジャレットトリオの『アップ・フォー・イット〜ライヴ・イン・フランス』が【金賞】受賞。。

 キース・ジャレットのファンにとって『アップ・フォー・イット〜ライヴ・イン・フランス』は特別な位置にあるアルバムだと思う。
 それは当然のこととしてキース・ジャレットトリオの演奏内容が別格の絶好調というのが全てなのだが,それだけではなく『アップ・フォー・イット〜ライヴ・イン・フランス』が“神格化”したのは,その後のトリオのリリース順が大いに影響している。

 長らく,キース・ジャレットトリオの最新アルバムは『アップ・フォー・イット〜ライヴ・イン・フランス』であったという事実。
 2002年録音の『アップ・フォー・イット〜ライヴ・イン・フランス』の次に発売されたのは,2001年録音の『ジ・アウト・オブ・タウナーズ』〜2001年録音の『マイ・フーリッシュ・ハート』〜2001年録音の『イエスタデイズ:東京2001』。

 そう。すなわち『アップ・フォー・イット〜ライヴ・イン・フランス』が2003年から2013年の『サムホエア』発売までの10年間の最新公式録音盤だったという事実。

 確かに“天才”キース・ジャレットをしても『アップ・フォー・イット〜ライヴ・イン・フランス』をそう簡単に超えることはできなかった。
 キース・ジャレットが10年間超えることのできなかった名演が『アップ・フォー・イット〜ライヴ・イン・フランス』の名盤を証ししている。

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TRIX / STYLE5

STYLE-1 TRIXの“最高傑作”が『STYLE』である。間違いない。

 その理由とはこれほどまでにバラエティに富んだ楽曲群を1枚のアルバムにまとめつつも,そのどれもがTRIX“らしさ”を感じさせる。大方の場合,アルバムのコンセプトが明確ではない場合,曲単位で評価されるわけで好きな曲しか聴かなくなる。
 しか〜し『STYLE』の場合は「好きな曲ばかりの大集結」ゆえに,何度聴き返しても飽きなど来ない。実際はその逆であり,聴き込めば聴き込むほどに好きになる。

 フュージョンであり,ロックであり,ポップスでもあるTRIXの名曲群。この面影こそが“摩天楼期”のDIMENSIONとイメージが被る。
 そして勿論,完成度の高いカシオペアがありスクェアもある。おまけに『STYLE』ではYMOまでぶっ込んできた。いや〜,新スルメ盤の誕生である。

 TRIXの“最高傑作”であり,TRIX一番の“愛聴盤”なのだから『STYLE』について語りたいことは山ほどある。
 でも全てを承知の上で『STYLE』とは【CECILIA】1曲の魅力に尽きる,と断言しよう。

 1曲目のテクノ・ナンバー【敦煌】がカッコイイ。2曲目の“超絶技巧”「ブッ飛び宇宙まで飛んで行く」系の【COMPLEX】がカッコイイ。3曲目のおバカ系【クワガッタン】がもはやキラー・チューン的にカッコイイ。4曲目の【LOOKING UP】へのオマージュ【PHOENIX】の中盤の展開力がカッコイイ。

 6曲目の【SHADOW PUPPET】のサビがたまらなくカッコイイ。7曲目の【狂騒曲「騎士」】はクラシカル系ではなく洋楽系なのがカッコイイ。8曲目のハード・ロック・ナンバー【PERFECT GAME】の猟奇的で凶暴的なユニゾンがカッコイイ。9曲目のお約束のルンルン系【JEUNESSE】が「いとしさと切なさ」が同居するマイナー調のノリノリでカッコイイ。

STYLE-2 そんな全8曲の名曲の中央に座すのが“涙ちょちょぎれる”大バラードの【CECILIA】である。管理人は【CECILIA】に何度泣かされたことだろう。
 悲しくなどない。むしろ元気ハツラツだと言うのに【CECILIA】が流れ出した瞬間に,情緒不安定のような体験を人生で初めて経験した。

 “JET”のギターが徐々に盛り上がってくるにつれ,管理人のハートも引っ張られていく,完全に曲の世界へとトリップしてしまう。
 【CECILIA】だけは“JET”の気持ちになりきれてしまう自信がある管理人は,仮想「平井武士・エアギター選手権」で【CECILIA】を演奏すれば絶対に優勝できる自信があります!?

PS1 『STYLE』で惜しむべき点が1つある。【JEUNESSE】のアッサリしたあの味気ない終わり方に,後少しの工夫があれば『STYLE』はTRIX史だけでなくJ−フュージョン史の「決定盤」として永遠に語り継がれたであろうに…。
PS2 北海道在住の「mususu」さん,改め「風の少年」さん,改め「クワガッタン」さん。お元気ですか? 地震は大丈夫でしたか? 写真とお仕事頑張っておられますか?

  01. 敦煌
  02. Complex
  03. クワガッタン
  04. Phoenix
  05. Cecilia
  06. shadow puppet
  07. 狂騒曲「騎士」
  08. Perfect Game
  09. jeunesse

(キングレコード/KING RECORD 2008年発売/KICJ-538)

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エリック・マリエンサル / オアシス5

OASIS-1 エリック・マリエンサルはなぜ熱狂的な人気がないのだろう。
 エリック・マリエンサルとは,なんてったってチック・コリアの「エレクトリック・バンド」のフロントマンであり,ラス・フリーマンの「リッピントンズ」のフロントマンなのである。
 どうにもこの2大フュージョン・バンドのフロントマンという輝かしい経歴からすると今の人気がどうにも物足りないのだ。

 『OASIS』(以下『オアシス』)を聴いて,そんな悶々とした思いが一層強くなった。
 『オアシス』が実に最高である。エリック・マリエンサルが実に最高なのである。もっともっと売れてほしい。もっともっと売れるべきだ。売れて当然の最高のアルトサックスだと思った。
 そう。エリック・マリエンサルこそが,フュージョン・サックス界のスターである。管理人は大声でそう叫びたい。

 『オアシス』が大名盤へと昇華した理由は,やっぱり豪華なゲスト陣による鉄壁のサウンドの上を走る“超絶”フュージョン・サックスの高速ブロウにある。
 ラッセル・フェランテジミー・ハスリップジョン・ロビンソンロベン・フォードによる「イエロージャケッツ」があれば,ジョン・パティトゥッチとの「エレクトリック・バンド」もある。
 ジェフ・ローバーアレックス・アクーニャの超大物がバックを固めてもいる。

 この完璧なるフュージョンのバック・サウンドを得てエリック・マリエンサルが爆走する。キメキメもあれば大甘もある。
 全てはエリック・マリエンサルアルトサックスの“鳴り”一つで曲の印象が変わっていく。こんな豪華なゲスト陣も全部まとめてエリック・マリエンサルの指一本,胸一つでどうにでも変わる雰囲気がある。

OASIS-2 管理人が『オアシス』を絶賛していたことを覚えていた友人から後日教えてもらったことだったが,何と!『オアシス』が「ビルボード」誌のジャズ・チャートで5位となり,それから「JAZZIZ MAGAZINE」誌の人気投票で「アルトサックス」部門の第1位になったとのこと。

 ただし1位は同数で3人が同率1位。残る2名はデヴィッド・サンボーンフィル・ウッズ。ついにエリック・マリエンサルフュージョン・サックスの第一人者とジャズ・サックスの第一人者と肩を並べた!

 なあんだ,みんなエリック・マリエンサルのことが好きなんだ。みんなエリック・マリエンサルのことを評価していたんだ。そりゃそうだよね〜。そうじゃなきゃおかしいよね〜。
 しか〜し,最近さっぱりエリック・マリエンサルの名前を聞かないよなぁ。こりゃあ,また『オアシス』を絶賛しまくるか〜。

  01. HUSTLIN'
  02. SEAFOOD TO GO
  03. OASIS
  04. UNDERSTANDING
  05. TRYIN' TO TELL YA
  06. BARCELONA
  07. BIG COUNTRY
  08. JUST TO SEE YOU AGAIN
  09. TURN OUT THE LIGHT
  10. ANOTHER SHORE

(GRP/GRP 1991年発売/MVCR-36)
(ライナーノーツ/内藤遊人)

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中洲ジャズ2018 / 日野皓正,日野賢二,石井彰,小沼ようすけ,武田真治,ROLLY,福岡城

 行ってきました! 中洲ジャズ2018! 9/15の『日野皓正,JINO(日野賢二),石井彰,小沼ようすけ,武田真治,ROLLY,福岡城』の4ステージ!

 いやいや,本当に今年は行けただけで十分だと思っていた。2014年の8月9月も相当に忙しかった記憶があるが2018年の酷暑から残暑も乗り越えることが出来ない,途中で潰れてしまいそうな綱渡りの毎日。実は当日も土曜日なのに朝から仕事。9月の休みはまだ一日だけである…。
 事実,今年は行けない宣言をして仕事に出掛けたのだが,最後の余力を使って中洲にはパンフレットだけでも買おうと妻と出掛けた。

 中洲に到着したのも19:30。パンフを買おうと通りに出たら「福岡城」のアルコベースの音に誘われて…。
 何だか一気に元気が出てきた〜。我ながら“生粋のジャズ・ファン”の血が騒ぐ〜。

 …ってわけで,通りをもう少し歩く力を得て,奥へ進むと「何と!小沼ようすけトリオ」へとバッタリ。実は管理人。忙しすぎて中洲ジャズ2018はノーチェック。小沼ようすけ最高〜!

 …ってわけで,更にもう1ステージを見る力を得た管理人&妻は,地獄の入場規制中の「日野皓正クインテット」の様子を探りに「KBC GREENステージ」へと突入〜。
 あれよあれよとステージ側まで近づけて「武田真治 guest ROLLY」終わりの入れ替えで,奇跡的に良席GET! いろいろあって管理人のお隣りまでが「座れ」コールで揉めていたが,おばちゃんパワーで管理人の列から立ち見が黙認。
 満員電車のような息苦しさから解放されたうえに視界良好。真横が座っているとこんなにも楽なものなんか〜。ヒノテルに集中できて超カッコイイ〜!

 日野皓正が世界一美しい音を出している。マイルス・デイビス・バンドの「和製フォーリー加藤一平が来ている。「日野皓正クインテット」を肉眼で見ることができたのはこの2人だけ。
 ステージの櫓に隠れて動きは見れなかったが,石井彰キーボードに悶絶したし,新ベーシスト杉本智和ベースソロヴィクター・ベイリーを感じたし,飛び入りのJINOよりも何よりも石若駿ドラミング! 連想したのは石若駿からの桑原あいなのでした〜。

 こんな感じです。本当は感想をちゃんとまとめてから書きたかったのですが,今晩は記事に費やせる時間が30分しかありません。今日も朝から昼から仕事のようなプライベートで帰宅してからも持ち帰りの内職仕事でしたので(泣)…。

 管理人の結論。中洲ジャズ2018批評

 中洲ジャズ2018は過去最高に超お得なジャズフェスティバル。もうこんな偶然に遭遇出来ないだろうなぁ。美味しかった!

 来年はちゃんとLIVEを見てLIVEレポートを書きますので。ごめんなさい。カモーン,中洲ジャズ2019

TRIX / FORCE4

FORCE-1 カシオペアスクェアのイメージから徐々に離れ出したTRIXDIMENSION“その2”を感じ始めたきっかけが『FORCE』である。

 なぜだろう。理由はきっと演奏に漲る“超絶技巧”である。遅まきながらTRIXに開眼した管理人にとって,長らくTRIXを聴くという行為は,熊谷徳明のPOPなインストを聴くという行為であり“JET”のギター・フュージョンを聴くという行為であったが『FORCE』以降は,TRIX=演奏力を聴くという行為に変わってきたように思う。

 ハードで複雑な変拍子なのにキメッキメッの演奏力は,熊谷徳明須藤満の“超絶技巧”あればこそ! 『FORCE』のリズム隊とはDIMENSIONのリズム隊なのか!? 凄い&凄い!

 TRIXDIMENSIONの“超絶技巧”を重ね合わせた別の理由は【PASSION】【PUMA】【DOUBLE UP】【JUSTICE】の神曲4トラック全てが高速テクニカル・ナンバーであること。
 高速テクニカル・ナンバーにあるまじき「余裕の雰囲気」が,練り上げられたアイディアと即席のサービス精神につながっている〜。

 ただし「ズンチャッチャー」の【LABYRINTH】と「パー,チ●コー」の【パチンカーZ】と「ドンドコドンドコからのヨッ!」がクセになる【MA−TSU−TA−KE】のお笑い系が「いつになくカッコ良い」と感じたのも事実でインパクト有り。

 【MA−TSU−TA−KE】って,これまで二枚目路線だった“貴公子”窪田宏の作曲なんだよなぁ。ああー,おおー。
 「窪田さん,お前もか〜!」でTRIXの「ハイパーテクニカルコミックフュージョンサービス団体」を強く意識した。

 演奏だけは“COOL”なDIMENSIONとは違って,TRIXは“COOL”な演奏から敢えて視線を逸らさせる「お笑い系」を前面に掲げている。“超絶”な演奏力を隠そうとしている。
 (ファンとしては余り語られる機会がないのが残念でたまらないのだが)TRIXの演奏力は,あのDIMENSIONが演奏しても四苦八苦の難曲多し。TRIXの演奏力とは,水面下では足バタバタの白鳥なのである。

FORCE-2 さて,TRIXファンからは人気の高い『FORCE』であるが,正直,個人的に『FORCE』を愛聴してはいない。

 決め手は泣きのバラードの不在と【ADIOS】の不発にあるのだが,それ以上に『MODE』『ART』のようなアルバムとしての「キャラ立ち」を感じないのが大きい。
 『FORCE』で感じた「バラバラの楽曲寄せ集め」のイメージが,自然と演奏力に目が向いてしまう仕掛けだったのかも? 管理人はアルバム・ジャケットのアートワーク同様に気付いてしまったんだもん!

 『FORCE』は“遊びすぎ”ですぞ,熊ちゃん&ストさん!

  01. Passion
  02. puma
  03. パチンカーZ
  04. Labyrinth
  05. Double Up
  06. Justice
  07. 夕暮れ
  08. MA-TSU-TA-KE
  09. adios

(キングレコード/KING RECORD 2007年発売/KICJ-519)

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エリック・クラズノ / レミニス4

REMINISCE-1 管理人の3ピース“アイドル”ファンク・バンドがソウライブソウライブは「完璧なトライアングル」バンドである。
 ドラムでリーダーのアラン・エヴァンスオルガンニール・エヴァンスエヴァンス兄弟2人だけではソウライブは成り立たない。

 エリック・クラズノーギターが“ガンガン鳴っての”ソウライブである。
 (エリック・クラズノーの1stソロREMINISCE』(以下『レミニス』)では突然の「エリック・クラズノ」表記ですが,管理人は馴染のエリック・クラズノー表記で行きます)。

 ギタリストエリック・クラズノーが弾くオルガン・トリオは,グラント・グリーンに代表されるソウルやファンク一辺倒とは異なる「メロディアス型」である。
 そう。ソウライブの3分の1をエリック・クラズノーが彩るゆえのジャム・バンドなのである。

 ソウライブのメンバーと共に制作された『レミニス』は,そんなエリック・クラズノーの幅広い音楽性がストレートに表現されたアルバムである。思うにアラン・エヴァンスニール・エヴァンスが「自分たちの勝手知ったる」エリック・クラズノーを世に紹介したかったのだろう。
 GROOVEよりもアンサンブルに軸足を置いたギターがメロディーをしっかりと歌い上げている。

 そんな“変芸自在の”ギター・ワークを聴いていると,エリック・クラズノーがあのバークリー音大出身だったことを想起させるに十分なテクニック。
 POPS有,ソウル有,ブルースの弾けるジャズ・ファンカーだからこそ作れた【GET BACK】は「SATURDAY MORNING EYE」のBGM!

REMINISCE-2 ただし,間口の広いエリック・クラズノーには,オールラウンダーなギター・ワークを突き進むのではなく,アラン・エヴァンスアラン・エヴァンストリオオルガン・ジャズを演ったように,エリック・クラズノーにもグラント・グリーンの流れをくむようなインストでオルガン系のジャズ・ファンクをやって欲しい!
 お願い! 大好きだから! エリック・クラズノー

  01. ROLL OUT
  02. 76
  03. GET BACK
  04. BE ALRIGHT
  05. ENHORABUENA
  06. TILT
  07. MANIC DEPRESSION
  08. SONG FOR DILLA
  09. UP AND OUT
  10. END OF THE MOVIE
  11. DOMINO

(ロイヤル・ファミリー/ROYAL FAMILY 2009年発売/PCD-93287)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/松永誠一郎)

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スイングジャーナル主催 ジャズ・ディスク大賞 2002年度(第36回)

 「スイングジャーナル」誌が,レコード会社各社の自薦ノミネート作品を基にして,国内で該当年度中に発売されたCDLPビデオを対象に同誌委託の「ジャズ・ディスク大賞選考委員」によって選出される,日本ジャズ界に最も貢献した作品に贈られる「ジャズ・ディスク大賞」。

 今回は2002年度(第36回)の発表です。

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ディレクションズ・イン・ミュージック〜マイルス&コルトレーン・トリビュート★【金賞】.ディレクションズ・イン・ミュージック〜マイルス&コルトレーン・トリビュートハービー・ハンコック=マイケル・ブレッカー=ロイ・ハーグローブ

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SMOKE GETS IN YOUR EYES-1★【銀賞】.煙が目に染みる
エディ・ヒギンズ&スコット・ハミルトン


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KEIKO LEE SINGS SUPER STANDARDS★【日本ジャズ賞】.ケイコ・リー・シングス・スーパー・スタンダーズケイコ・リー


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アスク・ア・ウーマン・フー・ノウズ★【ボーカル賞(海外)】.アスク・ア・ウーマン・フー・ノウズナタリー・コール


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ソフトリー★【ボーカル賞(国内)】.ソフトリー
小林桂


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THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD 1961-1★【編集企画賞】.コンプリート・ライブ・アット・ザ・ビレッジ・バンガードビル・エヴァンス


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マドンナの宝石★【製作企画賞】.悲しみのアンジー,マドンナの宝石
ヨーロピアン・ジャズ・トリオ


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ライヴ・イン・パリ【一部日本語字幕付: BD】 [Blu-ray]★【最優秀ジャズ・ビデオ賞】.ライブ・イン・パリ
 ダイアナ・クラール


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アフロ・ブルー★【最優秀録音賞(ニューレコーディング)】.アフロ・ブルー笹路正徳&LAオールスターズ


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ジャズ・ギター+1 (紙ジャケット仕様)★【最優秀録音賞(リマスタリング)】.東芝EMI SUPER BIT JAZZ CLASICCS SERIES


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ヴォラーレ★【ニュー・スター賞(海外)】.ヴォラーレ
ステファノ・ボラーニ


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フロム・ニューヨーク★【ニュー・スター賞(国内)】.フロム・ニューヨーク
アキコ・グレース


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 2002年のジャズ・シーンは“ビル・エヴァンス一色”である。
 ビル・エヴァンスと言ってもマイルス・デイビスのバンドでプレイしていたサックスビル・エヴァンスの方ではない。
 死後,22年経過して,ますます存在感を増してきたピアニストビル・エヴァンスの方である。

 本来ならハービー・ハンコックマイケル・ブレッカーロイ・ハーグローブ,あるいはエディ・ヒギンズスコット・ハミルトン,またはステファノ・ボラーニとか笹路正徳とかにコメントすると思う。そうすべきだとも思う。

 しかし,管理人はその誰よりもビクターの制作チームに最大限の賞賛を送りたい! 日本独自規格の『THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD 1961』は,全世界のビル・エヴァンス・ファンにとっての「夢の贈り物」になったからだ。

 『THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD 1961』の音楽的な意義としては,初登場のテイク【グロリアス・ステップ】が1曲。これは突然の停電のため,録音が途中で途切れてしまいオクラ入りになっていた不完全テイクだが,ファンがその発表を熱望していた伝説的な演奏がついに日の目をみた意義は図りなく大きい。

 しかしそれ以上に『THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD 1961』発売の意義とは,当夜のしゃべりやアナウンス,メンバーとのやりとりまでを含め,そのままの状態で完全に再現した点にあると言ってよい。
 そう。生身のビル・エヴァンスに肉薄できるドキュメント性のこそ価値がある。

サンディ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード』と『ワルツ・フォー・デビイ』の2枚を所有していれば音楽的には十分であろう。
 しかし管理人は思う。『THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD 1961』は『サンディ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード』と『ワルツ・フォー・デビイ』の2枚を所有してるマニアにこそ聴いてほしい。

 『サンディ・アット・ザ・ビレッジ・バンガード』と『ワルツ・フォー・デビイ』への思い入れが強ければ強いほど『THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD 1961』の感動が迫ってくる!

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TRIX / ART5

ART-1 『MODE』では(『BESTRIX〜THE BEST OF TRIX』を聴いた時にも)TRIXが元カシオペア熊谷徳明と元T−スクェア須藤満が組んだバンドだということを意識することはなかった。

 しかし『ART』を聴いて,初めてTRIXの中のある“カシオペアらしさ”や“スクェアっぽさ”に触れてしまった。
 …と同時にTRIXの中の“TRIXらしさ”や“TRIXっぽさ”も意識できた。『ART』はそんなアルバムだと思う。

 『ART』の名演によって,熊谷徳明から元カシオペアの冠が取れ,須藤満から元T−スクェアの冠が取れた。
 胸を張ってTRIX熊谷徳明,自信を持ってTRIX須藤満と紹介できるようになったと思う。← 後追いのお前が言うな?

 その理由が平井武士ギター・サウンド! “JET”の美メロこそがTRIXの個性!
 平井武士ギターが,時にカシオペアっぽくもあり,時にスクェアっぽくもあり,いいや,平井武士こそがCCEBの「日本のフランク・ギャンバレ」でもあり,管理人の大好きな“ロック・ギター鈴木賢司のようにも聞こえてしまう。
 平井武士のメラメラでキラキラな個性に萌え萌え〜。

 管理人は『ART』の時点で「TRIXとは平井武士ギターを聴くこと」になったと思う。
 だ・か・ら・TRIX平井武士ギター & 名コンポンザーの熊谷徳明 WITH 「ハイパーテクニカルコミックフュージョンサービス団体」の須藤満」というバンドである。 ← キーボード窪田宏の存在感を感じるのは『MODE』『ART』以降のことですが,窪田宏がいてのTRIXなのも間違いありません。

 『ART』のハイライトは“JET”が大活躍する【TRIP WONDERLAND】〜【WAITING FOR YOU】〜【LUNA PARK】の中盤3連弾!

 何回聴いても自然とCCEBをイメージしてしまう,異国情緒漂う【TRIP WONDERLAND】。キラキラとしたエレピに涙誘われる【WAITING FOR YOU】。軽めのキメが連発する【LUNA PARK】は文句なしにカッコイイ。この3連弾に恍惚〜。

ART-2 ただし『ART』のクライマックスは【SEE YOU】に違いない。TRIXのパターンとして,他のバンドだったら恐らくアルバムの顔である1曲目にもってくるに違いない「耳に残るスーパー・キャッチー&メロウ・ナンバー」がアルバムのラストを飾るパターン。
 『ART』の【SEE YOU】も相当耳に残り相当頭に残る。なんだかTRIXのアルバムってラスト・ナンバー1曲に総括される感じ? 

 【BON VOYAGE】がいいから『MODE』がいい! 【SEE YOU】がいいから『ART』がいい!

  01. Jungle Circuit
  02. Turkey
  03. 毛根ファンク
  04. Trip Wonderland
  05. Waiting for you
  06. luna park
  07. Redress
  08. Jumping Flash
  09. See you
  10. 「くりくり祭り!!」のテーマ

(キングレコード/KING RECORD 2006年発売/KICJ-506)

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エリック・ゲイル / フォアキャスト5

FORECAST-1 「スタッフ」の2枚看板であるエリック・ゲイルコーネル・デュプリーのツイン・ギター。 
 そんなエリック・ゲイルコーネル・デュプリーが「スタッフ」結成前の同時期にソロ・アルバムを発表していた。
 管理人が最初に聴いたのはコーネル・デュプリーの方だった。

 コーネル・デュプリーの『TEASIN’』を聴いてアレレ? 詳しくは『TEASIN’批評を読んでいただくとして「まっ,コーネル・デュプリーは,所詮サイド・ギターだから」という理由で納得したものだから,続くエリック・ゲイルの『FORECAST』(以下『フォアキャスト』)へのハードルが上がったように思う。

 そんな期待値の高まった『フォアキャスト』であったが,手放しで素直に素晴らしい。とにかく優しい音で聴きやすい。それでいてエリック・ゲイルの個性は薄まっていない。要は“見せ方の問題”なのであろう。

 『フォアキャスト』のプロデューサーは“CTIの総裁”クリード・テイラー。そしてディレクター&アレンジャーはボブ・ジェームス
 この2人が降り掛けたブラス・アンサンブルの“音のマジック”が実にチャーミング! 超一流の豪華ゲスト陣が実にチャーミング!

 『フォアキャスト』は,演奏云々と言うよりも曲の良さに素直に引き込まれてしまうが,そこはエリック・ゲイルである。ファンキーでメロウ,ブルージーで“むせび泣く”ように音が伸びる「泣きのギター」が冴えまくっている。

 そう。『フォアキャスト』は,エリック・ゲイルの「泣きのギター」とクリード・テイラーボブ・ジェームスの「ポップでソフト&メロウな“R&B”フュージョン」の両方が楽しめる!

FORECAST-2 『フォアキャスト』を聴いて「スタッフ」って,自分たちが楽しめる音楽を演奏するバンドだったことが理解できた。
 サイドメンとして無数のセッション・ワークを彩ってきたエリック・ゲイルのストレス発散が「スタッフ」のメンバーとの演奏にあった。

 「スタッフ」結成前のエリック・ゲイルでは『フォアキャスト』が一番楽しんでいる!

  01. Killing Me Softly With His Song
  02. Cleopatra
  03. Dindi
  04. White Moth
  05. Tonsue Corte
  06. Forecast

(CTI/KUDU 1973年発売/KICJ-2216)
(ライナーノーツ/ロバート・レヴィン,青木和富)

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TRIX / MODE5

MODE-1 TRIXって? 映画のMATRIX? 仲間由紀恵のTRICK? TRIXって知らないなぁ。
 元カシオペア熊谷徳明と元T−スクェア須藤満が組んだバンドがTRIXなのかぁ。ベースドラムがメインを張るJIMSAKUみたいな感じなのかなぁ。

 と言うことで気になってはいたのだがTRIXの1st『INDEX』は様子見でスルー。と言うか管理人のTRIX・デビューは『BESTRIX〜THE BEST OF TRIX』なので約4年間も様子見〜。

 でもその分,遡って聴いた『MODE』『ART』『FORCE』『STYLE』は一気に繰り返して聴いた。TRIXに大ハマリ。それこそ狂ったように毎日聴いた。→ 逆に,もう最初から本音を書くと新作がリリースされる度に薄くなってしまったオレって?

 そんな上記「後追い4部作」の中でも『MODE』が一番好き! なんてったって名曲の宝庫! TRIXって曲がいい。すなわち熊谷徳明ってJ−フュージョンを代表する指折りの名コンポンザーなのである。

 スクェア・ナンバーっぽい(中盤がもろ【TRUTH】っぽい)展開のロック・チューン【FIRE】。涙ちょちょぎれるバラードの【小樽】。スーパー・キャッチー・ナンバーの【BON VOYAGE】のスーパー神曲が3曲。

 でも管理人が本当に『MODE』を愛している理由は,カッコイイ・キメキメ・ミディアム【ROSSO LIQUIDO】〜CCEB調のハイパー・フュージョンMALAGA】〜ギンギンのヘビィ・メタル調の【ROAD STAR】と続く,終盤戦の「これでもか!っ」というくらいのギター・フュージョン祭り!

 名コンポンザー=熊谷徳明がテクニカルなドラミングで引っ張るのがTRIXだが,TRIXの聴き所はギター・フュージョン祭り!
 熊谷徳明須藤満のリズム隊は強力だが,TRIXには,ギターの“JET平井武士キーボードの“貴公子”窪田宏がいる!

MODE-2 そう。フュージョンの王道を走ってきた熊谷徳明須藤満が生み出すGROOVEと,フュージョンの王道から外れてきた平井武士窪田宏が生み出すメロウが融合して,TRIXの「歌うギター・フュージョン」が誕生したのだった。

 多くのTRIXファンはTRIXのコミカルなお笑いナンバーが好きなようだが,そういうファンはジャズは聴かないフュージョンの専業ファンなのだろう。管理人は【くりくり】はダメッ。
 ただし【ゴクロウサン】のようなボコーダー仕様の歌ものは「歌うギター・フュージョン」の範疇として支持できる。【ゴクロウサン】の美メロはインストとしても十分に名曲である。

 TRIXを聴いていると,いい意味で日本人らしい歌心が聴こえてくる。いつ聴いてもワビサビを押さえたギター・フュージョンに熱狂してしまう。

  01. くりくり
  02. ゴクロウサン
  03. FIRE
  04. Grass Island
  05. 小樽
  06. Punch Line
  07. rosso liquido
  08. Malaga
  09. Road Star
  10. Bon Voyage

(キングレコード/KING RECORD 2005年発売/KICJ-486)

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