アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

DVD

パット・メセニー / ユニティ・セッションズ4

THE UNITY SESSIONS-1 パット・メセニーの「UNITY BAND」 → 「UNITY GROUP」プロジェクトの集大成となるDVDTHE UNITY SESSIONS』(以下『ユニティ・セッションズ』)。

 『ユニティ・セッションズ』の映像から「何もそこまでしなくても」的なパット・メセニーの「濃厚すぎる今!」が伝わってくる。
 ついに「パット・メセニー・グループ」の『THE WAY UP』を超えてきたか?

 当然と言えば当然なのだが,実に素晴らしい演奏である。パット・メセニーが,クリス・ポッターサックスに,アントニオ・サンチェスドラムに,ベン・ウィリアムスベースに“ゾッコン”惚れ込んでいることが画面から(表情から)伝わってくる。

 …で,管理人の結論。『ユニティ・セッションズ批評

 管理人にとってパット・メセニーのイメージと来れば,いつまで経ってもECM時代のパット・メセニーのまんまである。
 『BRIGHT SIZE LIFE』『PAT METHENY GROUP』『AMERICAN GARAGE』『OFFRAMP』『TRAVELS』の時のような,ボーダーシャツにジーンズで髪ぼさぼさなのに音楽だけは絶対に手を抜かない爽やかな好青年だった。

 あれから30年。『ユニティ・セッションズ』は凄いんだけど,聴いていて楽しくはない。音数を詰め込みすぎでアレンジも凝りまくっている。手に汗握る展開が多くリラックスして楽しめない。

 一体,いつ頃からパット・メセニーは「アーティスト気質」のジャズ職人になってしまったのだろうか? フュージョン界でアイドルしていた頃の面影が全く残されていない。
 「ゲフィンは下品」で好きではないのだけど,今のパット・メセニーを聴くんだったらゲフィン時代のパット・メセニーを聴きたいと思う。

 『ユニティ・セッションズ』の内容は最高なんだけど,パット・メセニーの“本物志向”が管理人の求めるパット・メセニーからどんどんどんどんレベルアップしてしまって,こちらが追いつけないというか…。
 もうちょっとだけメセニー・ファンの期待も考慮してほしいと言うか,エンターテイメント性も考慮してほしいと言うか…。
 クリエイティブな中身とは別の分野で不満が募ってしまいます。

THE UNITY SESSIONS-2 実はこの『ユニティ・セッションズ』。パット・メセニーの「ステージ上は最高の客席というだけでなく,共演するミュージシャンの演奏を最も良く聴ける場所」との持論に基づく“鶴の一声”で「視聴者がバンドの視点で演奏を聴く」という録画方法へ変更・制作されたシロモノなのである。
 一度は決まっていた10/10東京公演での撮影シューティングを白紙に戻してまで…。

 『ユニティ・セッションズ』を見て,完璧な演奏に打ちのめされた管理人は,興奮して,しかしこうも思うのだった。
 「これっ,本当は東京で撮影シューティングされる予定だったんだよなぁ。そして管理人と妻も写り込む予定だったんだよなぁ」。

 そう。管理人にとって『ユニティ・セッションズ』とは「新婚旅行のメイン・コンテンツ」。挙式後すぐに旅行にはいかず“敢えて”パット・メセニーのシューティング・ライブの日程に新婚旅行を被せるという裏技。

 でもでも『ユニティ・セッションズ』の,恐ろしい完成度&完璧な仕上りを見せつけられたら,もう愚痴なんてこぼせっこない。好き嫌いを越えた部分で感動が1曲毎に押し寄せる。

  01. GENEALOGY
  02. ON DAY ONE
  03. THIS BELONGS TO YOU
  04. ROOFDOGS
  05. COME AND SEE
  06. KIN
  07. BORN
  08. RISE UP
  09. ADAGIA
  10. SIGN OF THE SEASON
  11. GO GET IT
  12. CHEROKEE
  13. POLICE PEOPLE
  14. TWO FOLK SONGS (#1)
  15. MEDLEY; PHASE DANCE / MINUANO / PRAISE / AS IT IS /
     OMAHA CELEBRATION / ANTONIA / THIS IS NOT AMERICA /
     LAST TRAIN HOME

  16. BONUS INTERVIEW

    PAT METHENY : Electric Guitar, Acoustic Guitar, Guitar Synth,
             Electronics, Orchestrionics

    CHRIS POTTER : Tenor Sax, Soprano Sax, Bass Clarinet, Flute,
             Guitar

    ANTONIO SANCHEZ : Drums, Cajon
    BEN WILLIAMS : Acoustic Bass, Electric Bass
    GIULIO CARMASSI : Piano, Flugelhorn, Whistling, Synth,
               Vocals


(ヤマハミュージックメディア/EAGLE VISION 2015年発売/YMBS-10596)
(ライナーノーツ/パット・メセニー,杉田宏樹)

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パット・メセニー / オーケストリオン・プロジェクト4

THE ORCHESTRION PROJECT-1 「世界一の音楽バカ」であるパット・メセニーが,その「音楽バカ人生」のありったけの経験と情熱を注入して作り上げた“一世一代の音楽プロジェクト”『ORCHESTRION』(以下『オーケストリオン』)についての情報が徐々に入ってきた。

 管理人なりに要約すると『オーケストリオン』とは,19世紀末から20世紀初頭にかけて興ったアイディアを,現代のテクノロジーを使って機能させ,作曲,即興演奏,パフォーマンスのための自由な新しいプラットフォームを生み出そうとする“機械仕掛けの”新プロジェクト

 具体的には『オーケストリオン』の完成に必要と思える楽器群を,まず職人にオーダーし「発明」された楽器の個性を理解し,役割を与えて長所を引き出す楽曲を制作しプログラミングを組んで自動演奏させる。その「オーケストリオニクス」のアンサンブルの上に“即興で”パット・メセニージャズ・ギターを重ねていく…。

 そんな『オーケストリオン』を期待を抱いて聴いてみた。大変気に入った。そうしたら“猛烈に”『オーケストリオン』の映像を見てみたいと思うようになった。
 そ・ん・な・管理人の願いを叶えてくれたのがDVDTHE ORCHESTRION PROJECT』(以下『オーケストリオン・プロジェクト』)!

 『オーケストリオン・プロジェクト』の元ネタとは,CDオーケストリオン』の延べ120回以上のフォロー・ツアーの“最終公演”としてのスタジオ・ライブ
 果たして,その感想とは画面に映る大掛かりな機材のセットの中に,1人,パット・メセニーがぽつり。ええっ,そうだったの,って感じのパット・メセニーの“独演会”!
 何しろパット・メセニーの共演者は「オーケストリオン楽器軍団」だけなのだから,カメラがどこから抜いても無表情。見ているうちに白けてしまう。こんなことなら見なければ良かった。もっと凄いものが出て来ると期待していたので個人的には残念な結果であった。

 これぞ悪い意味での「百聞は一見に如かず」。現代はアイドルや女優のピンナップも加工修正ばかりだそうだが,生の「オーケストリオン軍団」に少々幻滅。動く「オーケストリオン軍団」に正直ガッカリ。夢はブラウン管の中だけで見るものなのだ〜!

 神保彰の「ワンマン・オーケストラ」はCDよりDVDの方が断然いいが,パット・メセニーの「ワンマン・オーケストラ」はDVDよりCDの方が断然いい。
 つまり,これって,パット・メセニーの「ワンマン・オーケストラ」は「未だ未完成」と言う事実。末恐ろしや〜っ。

THE ORCHESTRION PROJECT-2 そんな中,DVDオーケストリオン・プロジェクト』の「優位性」を書くとすれば“マルチ・プレイヤー”パット・メセニーの最高のパフォーマンスについてであろう。

 ギター・テクニックを見ているだけでも「お口あんぐり」状態なのだが,フット・ペダルで「オーケストリオン」を自在に操る“マルチ・プレイヤー”パット・メセニーの優雅な姿が神々しい。ますます“我らが”パット・メセニーが,ファンの手の届かない場所へと離れていったようで,うれしいやら悲しいやら…。

 冷静沈着に「疑似」インプロビゼーションを披露するパット・メセニーのモチベーションとは如何ばかり。「ワンマン・オーケストラ」の楽しさの絶頂はレコーディング時だったのか!?
 楽器がズラリと並べられた『オーケストリオン』のジャケット写真を“オカズ”として,あれこれ想像しているリスナーの楽しみの絶頂はCDを聴いている時間にある!?

 真に楽しそうに演奏しているかどうかの判断材料は「映像」にではなく「音」にある。管理人が『オーケストリオン・プロジェクト』から学んだ教訓である。

  DISC ONE
  01. UNITY VILLAGE
    THE ORCHESTRION SUITE
  02. - ORCHESTRION
  03. - ENTRY POINT
  04. - EXPANSION
  05. - SOUL SEARCH
  06. - SPIRIT OF THE AIR
  07. SUENO CON MEXICO
  08. IMPROVISATION #2
  09. STRANGER IN TOWN

  BONUS SONGS
  01. IMPROVISATION #1
  02. 80/81 - BROADWAY BLUES
  03. TELL HER YOU SAW ME
  04. ANTONIA

  DISC TWO / SPECIAL FEATURES
  01. MAKING OF THE ORCHESTRION PROJECT
  02. INTERVIEW WITH PAT METHENY
  03. ORIGINAL EPK
  04. STUDIO SESSIONS:ORCHESTRION
  05. STUDIO SESSIONS:EXPANSION

    PAT METHENY : Guitar, Robotic Angeli Guitar, Orchestronics
             ( Piano, Marimba, Vibraphone,
             Orchestra Bells, Basses, Guitarbots,
             Percussion, Cymbals, Drums, Blown Bottles,
             And Other Custom-Fabrivated Acoustic
             Mechanical Instruments )


(ワーナーミュージック・ジャパン/EAGLE VISION 2012年発売/WPBR-90721/2)
(ライナーノーツ/パット・メセニー,石沢弘治)
(DVD2枚組)

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T−スクェア / T-SQUARE CONCERT TOUR “TREASURE HUNTER”5

T-SQUARE CONCERT TOUR “TREASURE HUNTER”-1 映像系のDVDをコレクションする趣味はない管理人。
 ゆえにT−スクェアLIVEDVDT−SQUARE CONCERT TOUR “TREASURE HUNTER”』もスルーする予定だったのだが,つい買ってしまった。

 やはり欲しい。どうしても欲しい。その最大の理由は11/20の「T−SQUARE ライブツアー2016 『TREASURE HUNTER』」大分公演でのサイン会目当て。
 某信頼できる情報筋から終演後のサイン会があると聞きつけ,即行で予約購入。別にDVDでなくとも,他の手持ちのアルバムにサインをもらえれば,それだけで“大喜び”するのでしょうが今回は特別。

 だ〜って「T−SQUARE ライブツアー2016 『TREASURE HUNTER』」のツアー中に「T−SQUARE ライブツアー2016 『TREASURE HUNTER』」の収録済DVDにサインをもらう。こんなことって業界の常識ではまず有り得ない。こんな機会は生涯2度とないことだろう。

( 振替公演だから成立したネタバレのライブ。極端に言えば『T−SQUARE CONCERT TOUR “TREASURE HUNTER”』を「T−SQUARE ライブツアー2016 『TREASURE HUNTER』」でどこまで再現できるかって感じのライブの意味でも )

 まっ,管理人の場合,福岡への終電時刻との戦いになるのでサイン会を待たずして帰路へ向かうかもしれないのだが,それはそれで折込済。今の自分にできる最善を尽くしてサイン会へと向かう。いやいや,LIVEを聴くため「大分BRICK BLOCK」へと向かうのだ〜!

 それにしても福岡公演で体験済の『T−SQUARE CONCERT TOUR “TREASURE HUNTER”』が良い。非常に良い。
 何だかDVDを見ていると,先に見たLIVEが,まるで幻だったかのように思えてきた。自分はあの日,一体何を見ていたのだろうか? 福岡と名古屋では演奏内容が違うのだろうか?
 悔しい。管理人は「T−SQUARE ライブツアー2016 『TREASURE HUNTER』」の全貌の半分も見ていなかったのだ。

 個人的な大発見が2つあった。1つは【SCISSORS PAPER ROCK】本編前のドラムソロのキメ! あれって坂東慧による神保彰並みの電子ドラムによるキメだとばかり思っていたが,バンド全員でチャチャを入れていたんですねぇ。

 もう1つはテクニカル・ナンバー=【FUTURE MAZE】で感じる違和感。あの高速ポリリズムに引っ張られずに,よくあんなタイミングでメロを乗せられるなぁ,と唖然。
 同じく【SCISSORS PAPER ROCK】〜【CROWN AND ROSES】ときて,ノリノリだったはずの観客が波を打ったように呆然とする様子が印象的。この「戸惑いの空気感」はCDでは伝わらない,これぞDVD効果なるものを実感してしまった。

 でもきっとDVDと生ライブに「フィクションとノンフィクション」を感じてしまった原因はテオ・マセロばりの編集作業の“マジック”にある。
 そう。「めまぐるしいカット割り」である。クレジットを見ると当日は10台のカメラで撮影されている模様。最高の素材が多いとはいえ,もう少し落ち着いた編集に仕上げてくれたいいのにぃ。
 アップテンポの曲調そのまんまの手元スィッチングの連続に,ずっ〜とスイッチが入れられっぱなしで,ちょっと疲れてしまうし,もっとT−スクェアの「顔」である伊東たけしだけを画面一杯に見ていたい,と思ってしまう。

 映像作品『T−SQUARE CONCERT TOUR “TREASURE HUNTER”』で「主演」を務めているのが坂東慧である。
 坂東慧のダイナミックなドラミングを前後左右+頭上から見事に捉えている。“超絶技巧”の大技&小技に「いよっ,日本一!」のコールがかかり「DISC 2」の31分42秒と49分56秒でのドアップのカメラ目線のピース・サインに「いよっ,みんなのアイドル!」のコールがかかる。

T-SQUARE CONCERT TOUR “TREASURE HUNTER”-2 そして「準主演」が安藤正容。『T−SQUARE CONCERT TOUR “TREASURE HUNTER”』の「DISC 1」のハイライトは【ANABELLE】と【NIGHT LIGHT】で聴かせる“ブルージーな”ギターであろう。
 「DISC 2」での安藤正容は,いい感じに「脇役」を務めながら,美味しいところを持っていく。29分15秒の「舌ペロリ」よりも29分28秒の「お詫びの敬礼」よりも,ベースソロの途中で顔を出す,4分59秒の絵が最高に大好きです!

 管理人の結論。『T−SQUARE CONCERT TOUR “TREASURE HUNTER”批評

 『T−SQUARE CONCERT TOUR “TREASURE HUNTER”』の新旧19曲を見て聴いて『TREASURE HUNTER』に「寄り添ったような,何となく冒険している,広がり感のある隠れた名曲」が見事に「発掘」&現代の技術で「復元」されていることを実感した。

 そう。『T−SQUARE CONCERT TOUR “TREASURE HUNTER”』の真実とは,現「河野坂東時代」のスクェアによる“歴代のスクェア・アーカイブ”を巡る「宝探し」!
 特にこれまで何十回と聴いてきた【宝島】の中では今回の演奏がベストだと断言しよう! 伊東たけしEWIが“歌いまくる”【宝島】での「宝探し」は財宝ザックザク!

 T−スクェアが探し求めている「秘められた宝」とは,南の孤島にでもなく,コンクリート・ジャングルにでもなく,どこかの惑星にでもなく,実は一番身近な場所に隠されている!
 安藤正容よ,伊東たけしよ,T−スクェアの外にではなく,過去の遺産に目を向けよ!

PS 『T−SQUARE CONCERT TOUR “TREASURE HUNTER”』のDVDを一緒に見ていた妻が言い放った一言。「伊東たけしの“笛”がいいね」。妻はEWIのことを“笛”と呼んでおります。

  DISC 1
  01. Treasure Hunter
  02. Chops!!
  03. Metro 7
  04. Kiss
  05. Anabelle
  06. 7-6-5
  07. The Flight of the Phoenix
  08. Night Light
  09. Double Rainbow
  10. Pearl of the Adriatic

  DISC 2
  11. Scissors Paper Rock
  12. Crown and Roses
  13. Future Maze
  14. The Bird of Wonder
  15. Rondo

  16. Last Scene
  17. Takarajima
  18. Omens of Love
  19. Truth

    T-SQUARE
    MASAHIRO ANDOH : Guitar
    TAKESHI ITOH : Sax, EWI
    KEIZOU KAWANO : Piano, Keyboards
    SATOSHI BANDOH : Drums

    SHINGO TANAKA : Bass

(オレンジレディ/ORANGE LADY 2016年発売/OLBL-70003〜4)
(DVD2枚組)

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T-SQUARE SUPER BAND SPECIAL / T-SQUARE 35TH ANNIVERSARY “FESTIVAL”5

T-SQUARE 35TH ANNIVERSARY “FESTIVAL”-1 自分が「観て・聴いて・参加した」ライブがアルバムになるのは感慨深いものである。
 管理人にとって「T−SQUARE SUPER BAND」の“SPECIAL”LIVEDVDT−SQUARE 35TH ANNIVERSARY“FESTIVAL”』はDIMENSIONの『13TH DIMENSION “LIVE MILLENNIUM”』以来となる生涯2枚目の「立ち合い盤」である。

 ちなみにその日のLIVEレポートが
 20131015 T-SQUARE SUPER BAND LIVE NO.1 と 20131015 T-SQUARE SUPER BAND LIVE NO.2

 『T−SQUARE 35TH ANNIVERSARY“FESTIVAL”』を観るまでは,あの日の感動の再現とか,あの日の感動のドキュメント的な位置付けでしたが,どうしてどうして…。
 座席番号7列18番の良席ゆえに“しかと見届けていた”気分だったのは大間違い! 記憶の再現ではなく新発見の連続! プロのカメラ・ワークが絶大であって,あの日の感動が倍増の3時間! 映像系のDVDをコレクションする趣味はないのだが,このDVDは高額でも買って良かった!

 『T−SQUARE 35TH ANNIVERSARY“FESTIVAL”』を観て痛感したのは,管理人は【SUNNYSIDE CRUISE】が好きなのだということ! ただし理由は宮崎隆睦が見事に本田雅人化していたからではない! 宮崎隆睦の【SUNNYSIDE CRUISE】が完成しているのが素晴らしい!
 伊東たけしでもなく本田雅人でもない,宮崎隆睦の【SUNNYSIDE CRUISE】ばかりをリピートしてしまうここ数日の趣味タイムなのです。 ← ついでながら【RONDO】における坂東慧則竹裕之ドラムソロも2番目に多く見ています。

T-SQUARE 35TH ANNIVERSARY “FESTIVAL”-2 宮崎隆睦と来れば,惜しまれるは【勇者(YUH−JA)】における「DRUMS & PERCUSSION BATTLE」で4人が拍手喝采を浴びているシーンへ“申し訳なさそうに”割って入るシーンが小・さ・す・ぎ・る〜。
 宮崎さんの肝心の表情が拝めないのだけは“編集の過ち”だと思う。

 『T−SQUARE 35TH ANNIVERSARY“FESTIVAL”』の制作においてカットされていたのは,マリーン青木さんへのMCぐらいなもので,安藤さんの宮崎さん紹介時のミスも,安藤さんへのあの長い長い拍手→“はにかみ”までもが収録されているのですから,あの宮崎さんの“ためらい”シーンも公式映像として残してほしかったと思う。

 映像系の醍醐味を一番感じたのは【JAPANESE SOUL BROTHERS】の総勢17名でのソロ廻し! これはライブ会場に居合わせているだけでは絶対に味わえない高揚感! ウォ,ウホホ〜!

 本編DVD2枚についての『T−SQUARE 35TH ANNIVERSARY“FESTIVAL”批評についてはここまでにして,軽く3枚目の『35TH ANNIVERSARY YEAR SPECIAL“TALKING ABOUT T−SQUARE”』についての感想を…。

T-SQUARE 35TH ANNIVERSARY “FESTIVAL”-3 過去のアルバム(特に『STARS AND THE MOON』)やゲスト・ミュージシャン(特に山本恭司マリーン)や3人のベーシスト野音や『HISTORY』やチキンジョージ(特に富士山コスプレ)やカウントダウンやら,スクェア・ファンなら必見“てんこ盛り”のインタビュー収録。

 そんな中,管理人にとっての大ヒットは『SMILE』収録の坂東慧の2曲。“スクェア魂”の【OPEN THE 35TH GATE】と「フィーチャリング則竹裕之」の【PARADIGM】!
 管理人の予想通りのことを語っていたのが超うれしかった! 詳しくはこちらの 『スマイル』批評 もどうぞ。自己満足で申し訳ありません。最後にダメ押し。重ね重ね申し訳ありません。

T-SQUARE 35TH ANNIVERSARY “FESTIVAL”-4T-SQUARE 35TH ANNIVERSARY “FESTIVAL”-5

PS 「T-SQUARE 35TH ANNIVERSARY “FESTIVAL”-3」は【初回限定特典】35周年ステッカーです。

  DISC 1
  01. Open The 35th Gate
  02. 35th Anniversary Medley
     いとしのうなじIslet Beauty風の少年THE
     SEVEN WONDERS
明日への扉DANS SA
     CHAMBRE
HELLO GOODBYE
  03. THE NUMBER
  04. FUTURE FLY
  05. SABANA HOTEL
  06. Temps, 10 p.m.
  07. BOYS BE AMBITIOUS
  08. GUITAR CUBIC
  09. COME FLY WITH ME
  10. IT'S MAGIC

  DISC 2
  11. SUNNYSIDE CRUISE
  12. 勇者 (YUH-JA)
  13. EL MIRAGE
  14. RONDO
  15. JAPANESE SOUL BROTHERS
  16. TRUTH
  17. FORGOTTON SAGA
  18. TEXAS KID
  19. LITTLE MERMAID

  DISC 3
     35th Anniversary Year Special "Talking About
     T-SQUARE"


    T-SQUARE SUPER BAND SPECIAL
    MASAHIRO ANDOH : Guitar
    TAKESHI ITOH : Sax, EWI, Flute
    KIYOHIKO SENBA : Percussion
    JYUNKO MIYAGI : Piano
    HIROTAKA IZUMI : Piano
    TOYOYUKI TANAKA : Bass
    TOHRU HASEBE : Drums
    HIROYUKI NORITAKE : Drums
    MITSURU SUTOH : Bass
    TAKAHIRO MIYAZAKI : Sax, EWI, Flute
    KEIZOU KAWANO : Keyboard
    SATOSHI BANDOH : Drums
    SHINGO TANAKA : Bass

    Guest Musicians
    MARLENE : Vocal
    ISSEI NORO : Guitar
    HIROKUNI KOREKATA : Guitar

    Support Musicians
    MITSURU TANAKA : Trumpet
    YOICHI MURATA : Trombone

(ヴィレッジ/VILLAGE 2014年発売/VRBL-7032〜4)
(DVD3枚組)
★【初回限定特典】35周年ステッカー封入

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ウェイン・ショーター/ミシェル・ペトルチアーニ/スタンリー・クラーク/レニー・ホワイト / マンハッタン・プロジェクト5

THE MANHATTAN PROJECT-1 ドラムレニー・ホワイトを中心に集まったのはテナーソプラノサックスウェイン・ショーターピアノミシェル・ペトルチアーニベーススタンリー・クラーク
 どうですか? この超豪華メンバー! これぞ『THE MANHATTAN PROJECT』(以下『マンハッタン・プロジェクト』)なるスペシャル・プロジェクト

 ジャズは“一期一会”な音楽なので,このマンハッタン・プロジェクトのように,さっと集まってささっと演奏して飲んで帰る,が通例なのだが,マンハッタン・プロジェクトには,ここにスタジオ・ライブでのCDDVD収録という「音と映像の一発撮り」という難条件が加わっていた。
 でもでも,やっぱり通例通りに,さっと集まってささっと演奏して音とビデオを一発で撮って飲んで帰る〜。出来はセッションらしからぬコンボ・サウンド〜。
 おおっと忘れるところでした。上記難条件にもう1つ,ブルーノートの新人ジャズ・ボーカリストラシェル・フェレルのプロモーション付き〜。ラシェル・フェレルには全く興味はありませんが,読者の皆さんも一度見てみてください。ほえ〜で奇妙なスキャットの大迫力に「恐いものみたさ」を感じますよっ。

 4人のジャズ・ジャイアントによるスーパー・ウルトラ・カルテット。見所満載で悠長にDVD批評などしている余裕などなくしてしまう圧倒的な演奏力。どこを見ても誰を見ても素晴らしい。仮にマンハッタン・プロジェクトがレギュラー・カルテット化していたならば「90年代のV.S.O.P.?」として間違いなくジャズの歴史の爪痕を残すビッグ・コンボになったことだろう。

 テナー・サックスソプラノ・サックスウェイン・ショーターが素晴らしい。
 この夜のセット・リストを眺めると,マイルス・バンド時代の代表曲【ネフェルティティ】に新曲【ヴァーゴ・ライジング】(後に『ハイ・ライフ』収録)。そしてウェザー・リポートウェイン・ショーターとの係わりが深いジャコ・パストリアスの【ダニア】と3トラックもウェイン・ショーター絡み。これにはリーダー=レニー・ホワイトの「ショーターで行こう」な意向が見え隠れしている?

 しか〜し,管理人がウェイン・ショーターを絶賛するのは,勝手知ったるレパートリー以外で炸裂するウェイン・ショーターアドリブにある。
 この夜のウェイン・ショーター,前半はノッテいない。まっ,ウェイン・ショーターはいつでもマイペースなのだが【ダニア】ではソプラノの調子が悪かったのか,しきりに楽器を気にしている。
 そんなウェイン・ショーターの“ジャズメン魂”に火を付けたのがラシェル・フェレルフィーチャリングした【枯葉】。ブルーノート・レーベルの【枯葉】らしく『マンハッタン・プロジェクト』の【枯葉】はキャノンボール・アダレイの『サムシン・エルス』のアレンジを踏襲している。そのお膳立ての上でラシェル・フェレルを泳がせている。

 しかし【枯葉】の聴き所はブルーノートの新社長=ブルース・ランドヴァルにとっては残念だろうが,ラシェル・フェレルの歌終わりから始まるウェイン・ショーターアドリブである。
 テクニックと勢いだけの“新人”ラシェル・フェレルアドリブジャズの酸いも甘いも知り尽くした“ベテラン”ウェイン・ショーターアドリブ。2人の段違いの表現レベルに「ショーター,あっぱれ」。フュージョン・タッチな【ネフェルティティ】のリズム抑え目&フロント全開なテナー・サックスにも「ショーター,あっぱれ」。

 ピアノミシェル・ペトルチアーニが素晴らしい。
 ミシェル・ペトルチアーニの映像に引き込まれる。ハンディキャップがあるにも関わらず五体満足なピアニストでもとても弾きこなせやしない。短い命を宿命づけられたピアノに“感謝感激”の念が湧き上がる。

THE MANHATTAN PROJECT-2 さてさてDVDマンハッタン・プロジェクト』の主役は,リーダーでプロデューサーでもあるレニー・ホワイトドラムである。画面に四六時中,レニー・ホワイトドラムがフィルインする。
 しか〜し『マンハッタン・プロジェクト』の“陰の”主役はベーススタンリー・クラークスタンリー・クラークの大暴れがあればこそCDDVDが売れたのだと思う。

 前半はジャコパスを意識してのことなのか【ダニア】でもウッド・ベースを弾いていたが,後半のエレクトリック・ベースに持ち替えてからが真骨頂。
 【ネフェルティティ】【グッドバイ・ポーク・パイ・ハット】におけるウェイン・ショーターとの掛け合い。【サマータイム】におけるレニー・ホワイトとの掛け合いがお見事。どんどんどんどん前へ前へ〜。

 そう。『マンハッタン・プロジェクト』の副題は「スタンリー・クラークの“まさかの突進に”レニー・ホワイトウェイン・ショーターミシェル・ペトルチアーニが引っ張られるの巻き〜」。完。

PS 本文には登場させませんでしたが,サポート参加のギル・ゴールドスタインピート・レヴィンツインキーボードマンハッタン・プロジェクトを“最新の”アコースティックカルテットへと昇華させる働きをしていると思います。

  01. OLD WINE, NEW BOTTLES
  02. DANIA
  03. AUTUMN LEAVES
  04. NEFERTITI
  05. VIRGO RISING
  06. GOODBYE PORK PIE HAT
  07. SUMMERTIME

    WAYNE SHORTER : Tenor Sax, Soprano Sax
    MICHEL PETRUCCIANI : Piano
    STANLEY CLARKE : Bass
    LENNY WHITE : Drums

    GUEST MUSICIAN
    GIL GOLDSTEIN : Keyboards
    PETE LEVIN : Keyboards
    RACHELLE FERRELL : Vocal

(ブルーノート/BLUE NOTE 2005年発売/TOBW-92049)
(ライナーノーツ/小川隆夫)

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ハービー・ハンコック・トリオ / ハリケーン!5

HURRICANE!-1 ハービー・ハンコックロン・カータートニー・ウィリアムスによるハービー・ハンコックトリオが“表”ハービー・ハンコックトリオならば,ハービー・ハンコックロン・カータービリー・コブハムによるハービー・ハンコックトリオが“裏”ハービー・ハンコックトリオ
 ずっとそう思っていた。DVDHURRICANE!』(以下『ハリケーン!』)を見るまでは…。

 『ハリケーン!』を見終わってからの管理人の部屋はビリー・コブハム“まみれ”=ビリー・コブハムの参加CD揃えまくり! ひいては“表”ハービー・ハンコックトリオハービーロンビリートリオだと思ってしまった。まっ,一過性でしたけど…。

 それくらいビリー・コブハムハービー・ハンコックロン・カーターへの適応力が素晴らしい。ずっとビリー・コブハムを「ロックの人」と思い込んでいた自分が情けない。読者の皆さん,ビリー・コブハムは「ジャズの人」ですから〜。

 管理人のビリー・コブハム評価を90度?変えてしまった『ハリケーン!』の“売り”はビリー・コブハムドラムソロだけではなく,ハービー・ハンコックロン・カーターの完璧なソロ・パフォーマンス中心のステージングにある。

 ボーナス・トラックを除く本編の全7トラック中の3トラック=【ウィロウ・ウィープ・フォー・ミー】ではロン・カーターベースソロ。【ドルフィン・ダンス】ではハービー・ハンコックピアノソロ。【イリズ・トレジャー】ではビリー・コブハムドラムソロフィーチャリング」。

HURRICANE!-2 残る4トラックでもソロデュオトリオ・フォーマットが目まぐるしく混在する。ハービー・ハンコックの変幻自在のピアノを支えて“プッシュする”リズム・セクション。3人の実力が露わになる+剥き出しになる最高のピアノ・トリオの一つに違いない。いい。

 『ハリケーン!』のハイライトは【プリンセス】におけるハービー・ハンコックの“秘儀”譜面破り〜。こんなにダイナミックな大技は初めて見ました。詳しくはご自分の目でお確かめください〜。

  01. EYE OF THE HURRICANE
  02. FIRST TRIP
  03. WILLOW WEEP FOR ME
  04. DOLPHINE DANCE
  05. ILI'S TREASURE
  06. PRINCESS
  07. WALKING

    bonus concert performance:
  08. SPEAK LIKE A CHILD
  09. LITTLE WALTZ

    HERBIE HANCOCK : Piano
    RON CARTER : Bass
    BILLY COBHAM : Drums

(コロムビアミュージックエンタテインメント/V.I.E.W. 2003年発売/COBY-91038)
(ライナーノーツ/熊谷美広)

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デヴィッド・サンボーン & フレンズ / ザ・スーパー・セッション3

THE SUPER SESSION-1 『THE SUPER SESSION』(以下『ザ・スーパー・セッション』)でのデヴィッド・サンボーンは,その昔の「スタジオ・ミュージシャン稼業」リターンズ。

 某TV番組のホストであるがゆえに?ゲストに花を持たせている。でもデヴィッド・サンボーンが“脇役”なのはオモロクナイ。サンボーン・フリークとしては不満が残る企画盤。
 『ザ・スーパー・セッション』のリリース名義は「デヴィッド・サンボーン & フレンズ」となっているが,音楽の実質は「マーカス・ミラー & フレンズ」。フロントマンはデヴィッド・サンボーン,バンマスはマーカス・ミラーで間違いない。

 『ザ・スーパー・セッション』のハイライトは【ニューヨークの想い】での「マーカス・ミラーフィーチャリングデヴィッド・サンボーン」。
 マーカス・ミラーがリードする“沸点”におけるデヴィッド・サンボーンアイザック・ヘイズの“掛け合い”が素晴らしい。デヴィッド・サンボーンの“エモーショナル・サックス”ここにあり〜。超一流のスタジオ稼業は伊達じゃない〜。

THE SUPER SESSION-2 ゲスト大勢の残りのトラックは無視してもいいが,オープニングとエンディングでの【メイン・テーマ】は目を見開いて凝視してほしい。
 「デヴィッド・サンボーンマーカス・ミラー」の“黄金コンビ”だから産み出せる独特のグルーヴが最高。何でこんなに短いの〜。
 おかげで『ザ・スーパー・セッション』のDVD批評も短時間。何でこんなに短いの〜。

  01. MAIN THEME
  02. DIRTY BOULEVARD
  03. MARY DON'T TAKE ME ON NO BAD TRIP
  04. LOWDOWN
  05. NEW YORK STATE OF MY MIND
  06. SPOOKY
  07. IT'S ON〜CRAZIEST〜FEEL ME FLOW
  08. PERFECT DAY
  09. ST. JAMES INFIRMARY
  10. PEOPLE MAKE THE WORLD GO ROUND
  11. MAIN THEME

    DAVID SANBORN : Alto Sax
    MARCUS MILLER : Bass
    RICKY PETERSON : Keyboard
    DAVID GILMORE : Guitar
    GENE LAKE : Drums
    DON ALIAS : Percussion

    GUEST MUSICIAN
    LOU REED : Vocal, Guitar
    BOZ SCAGGS : Vocal
    JOAN OSBORNE : Vocal
    NAUGHTY BY NATURE : Rap
    DR. JOHN : Vocal, Piano
    ISAAC HAYES : Vocal

(ビデオアーツ/VIDEOARTS 2002年発売/COBY-91027)
(ライナーノーツ/大伴良則)

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オスカー・ピーターソン / オスカー・ピーターソン WITH ジョー・パス・ライブ4

OSCAR PETERSON THE QUARTET LIVE FEATURING JOE PASS-1 今でこそユーチューブがあるが,その昔,ジャズメンの映像物は貴重だった。
 見たいけど見れない。一体どんな感じで演奏しているのだろう? 若者の想像力は時に現実を凌駕する。それでついに映像物を目にした時,次の2種類の感想に分けられる。そう。「見てよかった」と「見なければよかった」。

 管理人の個人的な傾向からすると「見なければよかった」に属するのは,超絶技巧系のジャズメンたち。物凄い演奏を期待したがために,概ね評価は「普通」か「期待外れ」。当然といえば当然である。真に期待を裏切る“想像を超えた名演”などそうやすやすと巡り会えるものではない。

 さて,オスカー・ピーターソンである。ジャズ史上,指折りの「達人」である。アドリブでもインタープレイでも,指は超動くし美しい音色で鳴らし続けているのなのノリも最高でソロでもコンボでも名盤のオンパレード。
 そう。「オスカー・ピーターソンにハズレなし」。ケチのつけようのない「ジャズ・ピアノの巨人」である。

 セロニアス・モンクの“踊り”やバド・パウエルの“ドヤ顔”やキース・ジャレットの“軟体動物”を見てきたからこそ,オスカー・ピーターソンにも“秀でた一芸”を期待する。
 なんたってオスカー・ピーターソンは「ジャズ・ピアノの巨人」にして“巨体”持ち。実際にジャズ・ファンの間では「初来日時に座っただけでピアノの椅子を折ってしまった」という逸話も出回っている。
 そりゃ〜,巨体を揺さぶりグランド・ピアノを“おもちゃのように弾き倒す”姿を想像するっていうもの!? こんな妄想抱いて何が悪い?

 そうして訪れた管理人と“動く”オスカー・ピーターソンファースト・インプレッション。結果は「いたって普通。どちらかと言えばマイナス寄り」。だってきちんと椅子に座って“お行儀良く”ピアノを弾いてるだけなんだから…。
 そう。セロニアス・モンクバド・パウエルキース・ジャレット(それにミシェル・ペトルチアーニ菊地雅章山下洋輔上原ひろみ)は見たほうがいいが,オスカー・ピーターソンは見ないで聴くだけの方がいい。ネタバレではなく想像力を逞しくしながら聴く方が楽しめると思う。

 そんな管理人の「いたって普通。どちらかと言えばマイナス寄り」なオスカー・ピーターソンDVDとは,1987年,東京五反田簡易保険ホールでのライブOSCAR PETERSON THE QUARTET LIVE FEATURING JOE PASS』(以下『オスカー・ピーターソン WITH ジョー・パス・ライブ』)。

 左腕に腕時計,右腕に金のブレスレットとは恐れ入った。タオルで汗を拭いながらも明らかに運指が速い。しかも猛烈にドライブしている。
 …と同時にベースドラムとのオスカー・ピーターソントリオジャズ・ピアノを弾いている。ギタージョー・パスとも音を重ねていく。【MY ONE AND ONLY LOVE】や【NIGERIAN MARKET PLACE】での素晴らしいハーモニーとインタープレイ
 でもやっぱりDVDで見るオスカー・ピーターソンCDと同じなんだよなぁ〜。

OSCAR PETERSON THE QUARTET LIVE FEATURING JOE PASS-2 唯一『オスカー・ピーターソン WITH ジョー・パス・ライブ』にDVDの良さを実感できるのはカメラ・ワークと編集ワーク。
 合計7台のカメラが入ったようですが,手元や顔アップのみならず背面撮影や客席からの視線で丸裸。“かゆいところに手が届く”編集者はオスカー・ピーターソンの特徴を良く知っているファンの一人だと思われる。

 【BLUES ETUDE】での演出はDVDならでは! もしこれがCDであったなら,単純にギターベースドラムの「白熱の掛け合い」と思って聴き惚れてしまうところ! まさか「白熱の掛け合い」の間にオスカー・ピーターソン1人が客席と花束&握手のやりとりに興じているとは思いもよらなかった。
 うん。『オスカー・ピーターソン WITH ジョー・パス・ライブ』を山中千尋DVDスタッフも見てほしい。それ程,完成度の高いカメラ・ワークと編集ワーク。金かかっているよなぁ。

 『オスカー・ピーターソン WITH ジョー・パス・ライブ』は,管理人“最初で最後の”オスカー・ピーターソンDVDと決めている。
 理由ですか? だってもうこれ1枚でお腹一杯なのです。もう1枚見ようものならゲップが出そうなのです。90分間で満腹中枢が限界です。
 オスカー・ピーターソンさん,どうもご馳走さまでした。今後ともCDのみの“濃い”お付き合いをよろしくお願いいたしま〜す。

  01. CAKEWALK
  02. LOVE BALLADE
  03. SOFT WINDS
  04. YOU LOOK GOOD TO ME
  05. MY ONE AND ONLY LOVE
  06. NIGERIAN MARKET PLACE
  07. COOL WALK
  08. I CAN'T GET STARTED
  09. COME SUNDAY
  10. REUNION BLUES
  11. IF YOU ONLY KNEW
  12. SUSHI BLUES
  13. BLUES ETUDE

    OSCAR PETERSON : Piano
    JOE PASS : Guitar
    DAVID YOUNG : Bass
    MARTIN DREW : Drums

(ビデオアーツ/VIDEOARTS 2002年発売/COBY-91025)
(ライナーノーツ/岩浪洋三)

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ジョージ・ベンソン / ライヴ・アット・モントルー 19865

LIVE AT MONTREUX 1986-1 『BREEZIN’』での【THIS MASQUERADE】の大ヒット以来『WEEKEND IN L.A.』での【GREATEST LOVE OF ALL】や『IN YOUR EYES』での【FEEL LIKE MAKIN’ LOVE】等,AOR系のボーカリストとしての印象が強くなった“ジャズ・ギタリストジョージ・ベンソン

 しかし,DVDLIVE AT MONTREUX 1986』(以下『ライブ・アット・モントルー 1986』)におけるジョージ・ベンソンはアスリート? 筋肉ムキムキなマッチョ体型は短距離走者並みに鍛え上げられているのが印象的。

 (失礼。話を戻して)DVDライブ・アット・モントルー 1986』は『20/20』のフォロー・ツアーゆえ“ボーカリストジョージ・ベンソン全開かと思いきや「モントルー・ジャズ・フェスティバル」の看板が効いたのか“ジャズ・ギタリストジョージ・ベンソンの面影を見つめることができる。

 “ジャズ・ギタリスト”のジョージ・ベンソンが大好きなら期待値以上に楽しめること間違いなし。『ライブ・アット・モントルー 1986』こそ“ボーカリストジャズ・ギタリストな”この時代のジョージ・ベンソンベストライブ。歌ものとインストのバランスが適度だと思う。

 管理人の大・大好きな【OFF BROADWAY】を含めた本編16曲のボーカルギターの「エンターテイメント・ショー」も素晴らしいが『ライブ・アット・モントルー 1986』のハイライトはアンコール2曲。
 【TAKE FIVE】と【ON BROADWAY】の大名演が見られるだけでも『ライブ・アット・モントルー 1986』は“買い”である。

 ウェス・モンゴメリー系のハード・バップな【TAKE FIVE】のギターが強力。アドリブが強烈。“ジャズ・ギタリストジョージ・ベンソンがオクターブ奏法で“弾きまくる”。
 アンコールに合わせて真っ赤なノースリーブに衣装チェンジしたばっかりなのに,もう汗だく〜。アドレナリンでまくり〜。

 そして,どうしても見逃せないのが【TAKE FIVE】1曲のみゲスト参加した渡辺貞夫〜。ジョージ・ベンソンの物凄いソロを引き継いでジャムの流れを作り出す本気のアドリブを披露している。
 ここでのナベサダ,頑張っているなぁ〜。気合入っているなぁ〜。渋いよなぁ〜。完全にナベサダの世界だわぁ〜。

 そんなナベサダの“ジャズメン魂”のハシゴが外され“拍子抜け”な感じで退場した後に開かれる「お祭り大会」=【ON BROADWAY】。
 【ON BROADWAY】では,1曲目からノリノリで,足でタンバリンを廻しながら腰でベースを弾きまくっていたスタンリー・バンクスは勿論のこと,3人のブラス隊までもがステージ上を大暴れ。フリューゲル・ホーンアルト・サックステナー・サックスがぶつからんばかりに走りまくっている。

 そんな祭りに火をつけたのがジョージ・ベンソンボーカルギターによる1人ユニゾン・スキャット。この“伝家の宝刀”が炸裂した瞬間,観客が釘ずけ! こんな名人芸はジョージ・ベンソン以外にはリチャード・ボナぐらいしかできっこない!
 ノリノリの会場がジョージ・ベンソンの1人ユニゾン・スキャット開始で静まり返る。そしてジョージ・ベンソンの1人ユニゾン・スキャット終了と共に大騒ぎ再開。しまいにはウィリアム“ブッバ”ブライアントドラムソロに合わせて振り付けて〜のダンス。
 観客熱狂。管理人も熱狂。熱狂の夜。モントルー・ジャズ・フェスティバルの夜。

LIVE AT MONTREUX 1986-2 最後に『ライブ・アット・モントルー 1986』におけるジョージ・ベンソンの出演メモ。

 1曲目はボーカルのみ。2,3,4曲目はギターのみ。5曲目はボーカルのみ。6曲目はボーカルギター。7曲目はボーカルのみ。8曲目はボーカルギター。9,10曲目はギターのみ。11曲目はボーカルギター。12,13,14,15,16曲目はボーカルのみ。17曲目はギターのみ。18曲目はボーカルギター

 こうやって書き出すとギターよりもボーカルの出番が多すぎる!? でもでもジョージ・ベンソンが気持ち良く歌っているからそれでいい。ギターの時がボーカルの時よりも気持ち入っているのでそれでいい。ジョージ・ベンソンがカッコいい。

  01. Feel Like Making Love
  02. Off Broadway
  03. Weekend In L.A.
  04. Omar's Tune
  05. Lady Love Me (One More Time)
  06. Love Ballad
  07. Moody's Mood
  08. Beyond The Sea
  09. Affirmation
  10. My Latin Brother
  11. Love X Love
  12. In Your Eyes
  13. The Greatest Love Of All
  14. 20/20
  15. Never Give Up On A Good Thing
  16. Turn Your Love Around
  17. Take Five
  18. On Broadway

    GEORGE BENSON : Guitar, Vocal
    BARNABY FINCH : Piano
    DAVID GARFIELD : Keyboards
    STANLEY BANKS : Bass
    MICHAEL O' NEIL : Guitar, Background Vocal
    BUBBA BRYANT : Drums
    VICKI RANDLE : Percussion, Background Vocal
    STEVE TAVAGLIONE : Alto Sax, Flute
    BRANDON FIELDS : Tenor Sax
    RALPH RICKERT : Trumpet, Flugelhorn

(ビデオアーツ/VIDEOARTS 2005年発売/VABG-1201)
(ライナーノーツ/グレアム・ベッツ)

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マイルス・デイビス / PORI JAZZ '874

PORI JAZZ '87-1 私の記憶が確かならば(by 鹿賀丈史風)…。マイルス・デイビスの晩年のインタビューか何かで,マイルス本人が選ぶベスト・バンドとして,1987年のバンドが選ばれていた。

 トランペットマイルス・デイビスアルト・サックスケニー・ギャレットロバート・アービングアダム・ホルツマンのツイン・キーボードダリル・ジョーンズフォーリーのツイン・ベース・ギター。そしてリッキー・ウェルマンドラムミノ・シネルパーカッション

 総勢8人のバンド編成ゆえ「やりたいことがやり放題」の気もするのだが,生真面目なマイルス・デイビスが最高と言うのだから最高なのだろう。俄然,興味が沸いてきて,1987年のマイルス・バンドのブートCDを“買い漁った”時期があった。

 ただし,1987年のマイルス・バンドは管理人には不発であった。“ケバイ”ステージング同様,どこがいいのかさっぱり分からなかった。管理人にとってのマイルス・デイビスベスト・バンドは「電化マイルス後期」。
 混沌としたバンド形態ゆえ,固定されたバンド・メンバーの紹介など意味がない。「何でも有り」なはずなのに変らないアイデンティティ。やはり,誰が吹いても何人で吹いても全員が全員「マイルスそのものの音」。
 管理人のフェイバリットは『IN A SILENT WAY』なのだが『ON THE CORNER』『GET UP WITH IT』『AGHARTA』『PANGAEA』のどれもが最高なのだ。

 ではなぜマイルス・デイビスは自身のベスト・バンドとして,1987年のバンドを選んだのだろう? その答えがライブブートDVDPORI JAZZ ’87』の中にある。1987年のマイルス・バンドの実力を,そして秘密をついに見つけた思いがした。

 やはりマイルス・デイビスは生真面目な男だった。ケニー・ギャレットダリル・ジョーンズが「前と後ろを上と下を」絶妙に引っ張る共存サウンドは,このメンバーならではの味。
 きっとマイルス・デイビスは,1987年バンド以降のサックス奏者は“仮想”ケニー・ギャレットで,ベーシストは“仮想”ダリル・ジョーンズをイメージしたのではなかろうか?

 そんなこんなで?“真性”ケニー・ギャレットダリル・ジョーンズインタープレイするマイルス・デイビスが絶好調。
 思うに,マイルス・デイビスが1987年バンドをベストに選んだ理由は,自身のトランペットが一番カッコ良く聞こえる音が鳴っていたからではなかろうか? 確かにマイルス・デイビスアドリブは生涯のどの時期にもましてキレているように思う。

  マイルス・デイビス生涯の愛奏曲【ヒューマン・ネイチャー】。真夏の真昼間の北欧の野外ステージに流れる【ヒューマン・ネイチャー】。
 “帝王”マイルス・デイビスの両脇で「助さん角さん」役のケニー・ギャレットダリル・ジョーンズが支えている。自由に忠実に彩られた“仮想”マイルス・デイビスの“哀愁の三重奏”が最高に素晴らしい。

PORI JAZZ '87-2 …と,ここまで『PORI JAZZ ’87』を贔屓してみたが,そこはやっぱりブートマイルス初心者にはお奨めできない。

 画質の粗さは及第点として,どうしても演奏に入り込めない欠点=音量の乱高下。音質はいいのだが,ここぞっ,という箇所で音量が下がるはこもってしまうはで興ざめしてしまう。【リンクル】のブツ切れも含めて,これだけの高級素材なのだからもって丁寧に扱ってほしかった。
 マイルスへの敬意が足りない編集スタッフには,中山康樹からの厳しいダメ出しが待ち受けている?

 管理人の結論。『PORI JAZZ ’87』は,短期間のベスト・バンドの活動の記録。オフィシャル盤を“行き巡った”マイルス・デイビス・フリークの“桃源郷の逸品”である。
 未だ1987年バンド低評価のマイルス・デイビス・フリークにこそ『PORI JAZZ ’87』を見てほしい。そして管理人同様,1987年のベスト・バンドの魅力に“開眼”してほしい。

 でもでもやっぱり,1987年バンド最強説は“誇張”でしょう。やっぱりマイルス・バンドは「電化マイルス後期」です。

  01. Blues
  02. Perfect Way
  03. The Senate / Me And You
  04. Human Nature
  05. Wrinkle

    MILES DAVIS : Trumpet, Keyboards
    KENNY GARRETT : Saxophone, Flute
    BOBERT IRVING III : Keyboards
    ADAM HOLZMAN : Keyboards
    JOSEPH "Foley" McCREARY : Guitar
    DARRYL JONES : Bass
    RICKY WELLMAN : Drums
    MINO CINELU : Percussions

(FOOTSTOMP/FOOTSTOMP 2006年発売/FSVD-212)

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マイルス・デイビス / PLAY IT COOL5

PLAYS IT COOL-1 今でこそジャズCDも,トータル・コーディネイトの統一感,が重視されているが,その昔のブルーノートやらコンテンポラリーやらサヴォイやらの名盤の多くは,切り貼りだらけの折衷盤であった。

 「おいおい,なんでこんなに録音日もメンバーも音質もバラバラなものを寄せ集めるか〜」。アルバムの編集履歴を見渡すと,あのアルフレッド・ライオンも商売人であって本当にジャズ好きなのかと疑ってしまいたくなる?

 しかし中には曲数&収録時間の関係で,統一感を犠牲にした奇跡のコンパイル物が産み落とされてきたのも事実。そしてここにマイルス・デイビスの2つの時代の頂点を収めたDVDが産み落とされた。
 『PLAY IT COOL』。やっぱりブート。またしてもブート

 『PLAY IT COOL』は,世間が認めるマイルス・デイビスの最高のクインテット=第2次黄金クインテットとマニアが認めるマイルス・デイビスの最高のクインテットロスト・クインテットのコンパイル盤DVD

 これは贅沢すぎる。出来れば別々に完全盤を至急発売してほしい。「アコースティックなのにエレクトリックで,エレクトリックなのにアコースティックな」過渡期なのに成熟していた2つのマイルス・デイビスクインテット

 『PLAY IT COOL』を視聴して初めて気付く,マイルス・デイビスの「点と線」! いや〜,やっぱりマイルス・デイビスは凄い。ここがこうつながっているとは…。答えは「見てのお楽しみ」である。

PLAYS IT COOL-2 突き抜けるハービー・ハンコック。帝王さえも煽りまくるトニー・ウィリアムスの演奏は,もはやアコースティックの表現ではない。
 とは言えチック・コリアジャック・デジョネットの妖しい演奏を目にするとハービートニー電化マイルスには役不足に思えてしまう。

 この辺りのバンド・メンバーの舵取りに“帝王”マイルス・デイビスの凄さを感じてしまう。
 マイルス・デイビスが最後まで手放さなかったウェイン・ショーター。『PLAY IT COOL』での2つのクインテットを続けて見ると,なぜマイルスショーターを寵愛してきたのかがよ〜く分かる。答えは再び「見てのお楽しみ」である。

    Stockholm Sweden Oct 31 1967
  01. Agitation
  02. Footprints
  03. Round About Midnight
  04. Gingerbread Boy
  05. The Theme

    MILES DAVIS : Trumpet
    WAYNE SHORTER : Tenor Sax
    HERBIE HANCOCK : Piano
    RON CARTER : Bass
    TONY WILLIAMS : Drums

    Rome Italy Oct 27 1969
  06. Miles Runs The Voodoo Down
  07. Sanctuary
  08. Directions

    MILES DAVIS : Trumpet
    WAYNE SHORTER : Soprano Sax, Tenor Sax
    CHICK COREA : Electric Piano
    DAVE HOLLAND : Bass
    JACK DeJOHNETTE : Drums

(FOOTSTOMP/FOOTSTOMP 2005年発売/FSVD-016)

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マイルス・デイビス / JAZZ FEST. BERLIN 1 NOV. 19854

JAZZ FEST. BERLIN 1 NOV. 1985-1 『JAZZ FEST.BERLIN 1 NOV.1985』は,マイルス・バンドのライブを“聴くための”DVDである。
 やっぱりブート。しかしこれ,元々は放送用のプロショット映像。幾ら家庭用VHSで録画したものだとしても鑑賞目的には堪えられない。画質劣悪ブートDVD

 ただし,マイルス・デイビスの帝王のパフォーマンス。マイク・スターンの王者のパフォーマンス。スティーヴ・ソーントンマリリン・マズールという,この時期だけの豪華なツイン・パーカッション・パフォーマンスが見れる。特に管理人がガンミする美女=マリリン・マズールのダンス・パフォーマンスに荻野目慶子が宿っている。
 そうか〜。意外と視聴できるもんだ。『JAZZ FEST.BERLIN 1 NOV.1985』は「長時間」鑑賞目的には堪えられないDVD,ということに訂正しておこう。

 『JAZZ FEST.BERLIN 1 NOV.1985』を“聴いて”感じる,マイルス・デイビス・カムバック・バンドにおけるダブル・シンセサイザーギタリストの蜜月関係。
 ロバート・アービングアダム・ホルツマンのツイン・キーボード。いや,マイルス・デイビスを加えた3キーボードに絡みつくマイク・スターンの“花形”エレキが超カッコイイ。これぞ“ロック魂とジャズ魂の掛け合わせ”ギターである。
 もうこの辺りのシンセギターの絡み具合は威力絶大であって,マイク・スターンジョン・スコフィールドロベン・フォードという“大物”ロック系ブルース・ギタリストの人選が凄すぎる。正に豊穣のギタリストの系譜であろう。

JAZZ FEST. BERLIN 1 NOV. 1985-2 80年代のステージ衣装を身をまといエレクトリック・トランペットを“クール”に吹き鳴らし“ド派手な”パフォーマンスを決めるマイルス・デイビス

 管理人がリアルに愛聴したマイルス・デイビスが『JAZZ FEST.BERLIN 1 NOV.1985』の中にいる。映像の中のマイルスはあの時代のマイルス・デイビスのまんまである。

  01. MAZE PT.1
  02. SOMETHING'S ON YOUR MIND
  03. TIME AFTER TIME
  04. MS. MORRISINE
  05. CODE M.D.
  06. MAZE PT.2

    MILES DAVIS : Trumpet, Synthesizer
    BOB BERG : Tenor Sax, Soprano Sax
    MIKE STERN : Guitar
    BOBERT IRVING III : Synthesizer
    ADAM HOLZMAN : Synthesizer
    ANGUS THOMAS : Bass
    VINCENT WILBURN : Drums
    STEVE THORNTON : Percussions
    MARILYN MAZUR : Percussions

(FOOTSTOMP/FOOTSTOMP 2006年発売/FSVD-149)

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マイルス・デイビス / LIVE IN LONDON 19824

LIVE IN LONDON 1982-1 マイルス・デイビスの復帰と共にスタートしたカムバック・バンド。そのデビュー1年後のロンドンでのライブDVDが『LIVE IN LONDON 1982』)である。

 ハッキリ言って復帰後のマイルス・デイビスは,他人の力を借りまくっている。復帰して1年も経つというのに,電化マイルス引退前のような先頭に立ってビシビシ吹きまくる姿はない。
 何という手抜き OR 老い? いいや,そうする必要がなかったのだ! 『LIVE IN LONDON 1982』を見れば,マイルス・デイビストランペットでスパークする必然性を感じない程の鉄壁なサウンド。

 サックスビル・エヴァンスギターマイク・スターンベースマーカス・ミラードラムアル・フォスターパーカッションミノ・シネル
 どうですか? このメンバー。才能豊かな若手3人と重鎮のドラマーパーカッショニストの2人。この5人にマイルス・デイビスが加わった時の最高のバランス。
 これでマイルス・デイビスが,前に前に出過ぎると,若手3人が“並みの”バック・ミュージシャンに成り下がってしまうかも…。

 このカムバック・バンドの特徴はピアノレス。白いビル・エヴァンスとロックなマイク・スターンが前面に出る超攻撃型のバンド。
 リーダー=マイルス・デイビスのポジションは,ビル・エヴァンスマイク・スターンのツー・トップを自由に泳がせ,最後に仕留める一吹き勝負師。コンディションの関係上で前半は抑え目,後半徐々に本領発揮という裸電球の白熱灯スタイル。最後の一吹きの出来は,演奏が進むにつれて熱くなる。
 でもこれでいいんです。管理人はマイルス・デイビスの一吹きにしびれてしまうのです。もうステージに立っているだけで,そこにいるだけで満足してしまう。マイルス・デイビスの復活に苦言は言うな。苦言は受け付けない。

LIVE IN LONDON 1982-2 残念なのは『LIVE IN LONDON 1982』=画質劣悪ブートDVD
 当時の映像作品は「タマが少ない」との噂で購入した“お宝”DVDの『LIVE IN LONDON 1982』であるが,繰り返しの鑑賞には堪えられない。

 「マイルスを聴け!」が中山康樹なら「マイルスは見るな! マイルスは聴け!」がセラビーである(『LIVE IN LONDON』『JAZZ FEST.BERLIN 1 NOV.1985』のようなブートDVDの場合の話)。

  01. Back Seat Betty
  02. My Man's Gona Now
  03. Aida
  04. Ife
  05. Fat Time (incomplete)

    MILES DAVIS : Trumpet, Synthesizer
    BILL EVANS : Soprano Sax, Tenor Sax, Flute
    MIKE STERN : Guitar
    MARCUS MILLER : Bass
    AL FOSTER : Drums
    MINO CINELU : Percussions

(FOOTSTOMP/FOOTSTOMP 2005年発売/FSVD-004)

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マーカス・ミラー / SO WHAT?5

SO WHAT?-1 “世界最高峰のベーシスト”&マルチ・プレイヤー&プロデューサーの一人であるマーカス・ミラーは“世界最高峰のエンターテイナー”である。

 異論がある? ではマーカス・ミラーライブDVDSO WHAT?』を視聴してほしい。
 討論はその後である。見れば納得!なのだから…。

 最高の演奏である。マーカス・ミラーの全体のサウンドを見渡すバランス感覚が素晴らしい。そして,このハイレベルな演奏を分かりやすく“魅せる”一流のパフォーマンス! マーカス・ミラーライブは,いつでもエンターテイメント・ショーなのだ。

 『SO WHAT?』は,1998年の「JAZZ BALTICA」と2003年の「JAZZ LINE」の2部構成。
 「JAZZ BALTICA」の【TUTU】はフィーチャリングマイルス・デイビス! 仮想マイルス・デイビスマイルス・チルドレン=マイケル‘パチェス’スチュワート! パチェス・スチュワートがミュートからオープンに切り替える瞬間の“ゾクゾク感”!
 後半はプージー・ベルドラミングが冴え渡る中,ハイラム・ブロックギターが全てを切り裂いていく! ステージを支配し観客をも支配する。パチェス・スチュワートを押しのけて全てを持っていく! ハイラム・ブロックは“ギター・ヒーロー”である。
 【TUTU】のアクセントとしてのマーカス・ミラーの“ジャジーな”ベース・ソロは,フェンダー・ジャズベで表現できる“4弦の芸術品”である。

 『SO WHAT?』のハイライトは【PANTHER】! 【PANTHER】を見たい。毎日見たい。いつでも見たい。“世界最高峰のベーシストマーカス・ミラーの大降臨! 2回に渡る最強のベース・ソロでは,世界中の凄テク・ベーシストたちの悲鳴が聞こえてきそうです。もうやめて。いや,やめないで。問答無用のベース・ソロがハイライト!

 【AMAZING GRACE】〜【STRANG FRUIT】〜【MAPUTO】。今度は“マルチ・プレイヤー”マーカス・ミラーの大降臨! 【AMAZING GRACE】【STRANG FRUIT】でのバス・クラリネットに【MAPUTO】でのソプラノ・サックスは,本職であるはずのロジャー・バイアムを完全に“喰ってしまっている”。
 マーカス・ミラーの“プロ顔負け”のソプラノ・サックスを間近で見せつけられたロジャー・バイアムがスパークするも「時すでに遅し」。マーカス・ミラーはその場を立ち去り,さらに遠くへ…。

 【COME TOGETHER】におけるマーカス・ミラーイントロでの妙技は必見! 4人での「アヒルの行進」なのだが,ロジャー・バイアムだけが「ショーマン・シップ」できていないのが残念である。
 やっぱりマーカス・バンドのサックス奏者はケニー・ギャレットこそ最強である。

SO WHAT?-2 “世界最高峰のベーシストマーカス・ミラーは,先進的なスタイルだけでなくジャズの王道をも外さない。【SO WHAT】での実に端正で正統派なベース・プレイ。【ETHOPIA】でのショーマン・シップとクールな職人技の2刀流に驚いてしまう。特に【SO WHAT】は,もろロン・カーターなのに,やっぱりマーカス・ミラーしてみせる。素晴らしい。

 「JAZZ LINE」のステージで多用される,メンバー全員のソロ廻しに,マーカス・ミラージャズ観が漂っているように思える。
 特にギターディーン・ブラウン! エレアコのボトルネックを指にはめたまま演奏するスライド奏法と,あの引きつったようなディーン・ブラウン特有のノリがバッチリハマッテいる。
 ディーン・ブラウンにとっては,マーカス・ミラーのステージこそ最高の快感を味わえる場所なのだと思う。“プロデューサー”マーカス・ミラーの天賦の才能はライブで炸裂する! 管理人はマーカス・ミラーを神と信じる。

    JAZZ BALTICA 1998
  01. TUTU
  02. PANTHER
  03. STRANGE FRUIT
  04. MAPUTO
  05. COME TOGETHER

    MARCUS MILLER : Bass, Soprano Sax
    HIRAM BULLOCK : Guitar
    MICHAEL "PATCHES" STEWART : Trumpet
    ROGER BYAM : Tenor Sax
    LEROY DAVIS : Keyboards
    CHORLES "POOGIE" BELL : Drums

    JAZZ LINE 2003
  06. SO WHAT
  07. ETHOPIA

    MARCUS MILLER : Bass, Soprano Sax
    DEAN BROWN : Guitar
    MICHAEL "PATCHES" STEWART : Trumpet
    ROGER BYAM : Tenor Sax
    BRUCE HOWERS : Keyboards
    CHORLES "POOGIE" BELL : Drums

(FOOTSTOMP/FOOTSTOMP 2005年発売/FSVD-003)

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ウェザー・リポート / LIVE BERLIN4

LIVE BERLIN-1 『LIVE BERLIN』は,初期ウェザー・リポートの“超お宝”ライブDVD
 この時期の映像作品はほとんど皆無。なのに超高画質。しかも抜群のカメラワーク。このテープの存在は衝撃。『LIVE BERLIN』をブートと承知で“最高級の貴重品”と言い切ってしまおう。とにかく「買い」である。

 初期ウェザー・リポートと来れば「集団即興演奏」であり「すべてがソロでありすべてがソロでないグループ」のキャッチ・コピーであろう。
 そう。初期ウェザー・リポートのサウンドは,フュージョンに行く前の超アブストラクト時代のアシッド系のカタルシス! 初期ウェザー・リポートの“混沌”としたサウンドは,電化マイルスに通ずるエグさを残しつつも,電化マイルスの音世界からの脱却を目指したフリー・ジャズの手法が炸裂する! “複雑でミステリアスな緊張感”と黒くはないが“確かなリズムのうねり”を体感できる。

 『LIVE BERLIN』は『I SING THE BODY ELECTRIC』のレパートリーである【DIRECTION】【DR HONORIS CAUSE】を収録している。
 しかしニュアンスとしては,すでに次作『LIVE IN TOKYO』の世界に突入している。つまりは暗く難解な「集団即興演奏」の世界を消化し,少しずつ明るい躍動感が表出してきた時期のスタジオ・ライブの世界である。

 この変化の原因はベーシストミロスラフ・ヴィトウスの成長である。ウェザー・リポート二等辺三角形のNO.3だったミロスラフ・ヴィトウスが双頭NO.1のジョー・ザビヌルウェイン・ショーターアドリブを仕切っている。ヴィトウスの下克上時代である。

 『LIVE BERLIN』の主役はウェイン・ショーターである。
 ウェイン・ショーターソプラノ・サックスが,ジョン・サーマンアラン・スキッドモアエイエ・テリンのツワモノ3人のホーンズを束ねて,ウェザー・リポート全体を昇天へと導いていく! ウェイン・ショーター~! 最高~! アグレッシブ~!

 しかし管理人は『LIVE BERLIN』を繰り返し見続けているうちに,今までは気付かなかったミロスラフ・ヴィトウスベースに釘付けになってしまった。
 ミロスラフ・ヴィトウスベーシスト。『LIVE BERLIN』の画面に登場するシーンも少ない&目立たない。でも音を追い続けていくと確実にベース・ラインに呼応する自分に気付く。
 主役であるウェイン・ショーターソプラノ・サックスに見入っていたようで,全てはミロスラフ・ヴィトウスベース・ラインを楽しんでいたのだった。

 どこからこんなベース・ラインを持ってくるのか? 管理人が聴き続けてきた名ベーシストたちの誰とも異なる不可解なベース・ラインが鳴っている。どこまでも挑発的でイマジニティブなベース・ラインにウェイン・ショーターが乗せられている。
 ミロスラフ・ヴィトウスの持つ硬質なノリ。凶暴で大胆なエフェクトが初期ウェザー・リポートのサウンド・カラーを成している。そう確信させてくれる。やっぱりバンドの要はベーシストである。

LIVE BERLIN-2 このミロスラフ・ヴィトウスの特異なベース・ラインを解釈できたウェイン・ショーターの才能は凄いと思う。
 ジョー・ザビヌルはというと“チープな”エレピのせいなのか? ミロスラフ・ヴィトウスウェイン・ショーターの融合についていけていない。この時点でのウェザー・リポートは「3分の3ではなく3分の2」。
( 注:次作『LIVE IN TOKYO』でウェザー・リポートは3分の3となりバンド・サウンドが固まりました )

 それでこれだけは言っておく! 『LIVE BERLIN』時点でのミロスラフ・ヴィトウス体制を脅威に感じたジョー・ザビヌルミロスラフ・ヴィトウスを“潰した”のが,中期~後期の“ザビヌル王朝”ウェザー・リポートの歴史と見る!

 ジョー・ザビヌルの“鉄拳制裁”によって”大器のライバル”ミロスラフ・ヴィトウスは葬られた。しかしこの追放劇は,中期~後期のウェザー・リポートにとっては幸福な別れとなった。
 仮にあのまま順調に成長するミロスラフ・ヴィトウスが『LIVE BERLIN』のように皇帝として君臨するようなことがあれば,ウェザー・リポートアルフォンソ・ジョンソンジャコ・パストリアスビクター・ベイリーといったミロスラフ・ヴィトウスを超える凄腕ベーシストたちが加入することもなかったのだから…。

  01. DIRECTIONS
  02. DR HONORIS CAUSE

    WEATHER REPORT
    JOE ZAWINUL : Keyboards
    WAYNE SHORTER : Tenor Sax, Soprano Sax
    MIROSLAV VITOUS : Bass
    ALPHONSE MOUZON : Drums
    DOM UM ROMAO : Percussions, Flute
    JOHN SURMAN : Bass Clarinet, Baritone Saxophone
    ALAN SKIDMORE : Tenor Sax, Flute
    EJE THELIN : Trombone

(FOOTSTOMP/FOOTSTOMP 2006年発売/FSVD-150)

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パット・メセニー・グループ / イマジナリー・デイ・ライブ4

IMAGINARY DAY LIVE-1 『IMAGINARY DAY』(以下『イマジナリー・デイ』)とは「架空の日」。
 元来,パット・メセニー・グループの音楽の魅力こそ「IMAGINARY」に尽きる。パット・メセニー・グループのアルバムを聴いていると,いつでも映像作品を見ている気分になる。幾つもの情景が浮かんでくる。時空を超えたSFX。

 そんな「IMAGINARY」なパット・メセニー・グループが,自分たちのアイデンティティと正面から取り組んだ『イマジナリー・デイ』。
 パット・メセニー・グループが激写した「架空の日」にメセニー・ファンは,何を「IMAGINARY」したのだろう?

 管理人の場合は,それこそパット・メセニー・グループ史上最高に“はるか彼方へ”と連れ去れた思いがした。想像し得る限りの遠い場所。宇宙の果てへ。ブラックホールを突き抜けてビッグバンの先へと向かう…。
 そう。『イマジナリー・デイ』は,管理人の“想像力の限界”を超えてきたのだ。
 非クリエイティブで想像力の乏しい管理人ゆえ“想像力の限界”は読者の皆さんよりスケールの小さな例えで恐縮であるが,ついにパット・メセニー・グループが『イマジナリー・デイ』で「IMAGINARY」の“頂点”に達してしまったのだ。

 振り返れば『イマジナリー・デイ』は,パット・メセニー・グループのワーナー・ブラザーズ移籍第一弾。ワーナー時代のパット・メセニー・グループの特徴は,芸術作品路線。「ゲフィンはゲヒン(下品)」時代の分かりやすさが薄れている。
 今思うと『イマジナリー・デイ』はパット・メセニーの“挑戦作”だったということが分かる。でも当時は「パット・メセニーって,ジャズ・ギタリストというより音楽家なんだな」と生意気にも思っていた自分が恥ずかしい。
 そう。管理人の中にワーナー=芸術路線が強くスリ込まれた要因は『イマジナリー・デイ』。“難解で今でも理解不能な”『イマジナリー・デイ』の印象が強烈すぎたのだ。繰り返し聴いたけど,やっぱりどうにも難しい。「IMAGINARY」の頂点を成す芸術作品。それが『イマジナリー・デイ』の真実なのだ。

 では,緻密に計算されたSFXの大作をライブにかけるとどうなのか? その答えがライブDVDIMAGINARY DAY LIVE』(以下『イマジナリー・デイ・ライブ』)にある。
 そもそも自由に「IMAGINARY」するための音楽を,固定イメージが焼きついてしまう目で見る行為は矛盾と思うが,それでもライブDVDを見て聴いた方が分かりやすい。不思議とDVDを見た後にCDを聴き直した方がイマジネーションが広がるのだ。

 パット・メセニーがプロデュース,そしてスティーブ・ロドビーがビデオ演出と編集にあたった『イマジナリー・デイ・ライブ』。他人の手に渡さなかったことで,パット・メセニー・グループが伝えたかった音楽がリアルに迫ってくる。

IMAGINARY DAY LIVE-2 特に【IMAGINARY DAY】【HEAT OF THE DAY】【ACROSS THE SKY】【THE ROOTS OF COINCIDENCE】までの一連の展開が圧倒的。まるで荘厳な組曲を聴いているようである。
 大音量で奏でられる繊細な主題の表現力! もうグイグイとパット・メセニージャズ・ギターに惹き込まれていく!

 【THE ROOTS OF COINCIDENCE】が超カッコイイ! パット・メセニーライル・メイズツイン・ギターのキメ・ポーズ。スティーブ・ロドビーの頭フリフリはヘッド・バンキング?
 パット・メセニー・グループを“イケテル”と思ったのは【THE ROOTS OF COINCIDENCE】が初めてである。【THE ROOTS OF COINCIDENCE】の“ルーツ”は『ZERO TOLERANCE FOR SILENCE』だ〜!

PS 若き日のライル・メイズは「嵐のマツジュン」に似ている?

  01. Opening Credits & Setup
  02. into the dream
  03. follow me
  04. a story within the story
  05. imaginary day
  06. heat of the day
  07. across the sky
  08. the roots of coincidence
  09. message to a friend
  10. september fifteenth
  11. band introductions
  12. minuano (six eight)

    PAT METHENY GROUP
    PAT METHENY : Acoustic, Electric & Synth Guitars
    LYLE MAYS : Acoustic Piano, Keyboards, Guitar
    STEVE RODBY : Acoustic & Electric Bass
    PAUL WERTICO : Drums
    MARK LEDFORD : Vocals, Trumpet, Percussions,
                 Guitar

    PHILIP HAMILTON : Vocals, Trumpet, Percussions,
                  Guitar

    JEFF HAYNES : Percussions

(パイオニアLDC/PIONEER LDC 2001年発売/PIBJ-1003)
(ライナーノーツ/熊谷美広)
★特典映像:パット・メセニー・インタビュー

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パット・メセニー・グループ / スピーキング・オブ・ナウ・ライヴ・イン・ジャパン5

SPEAKING OF NOW LIVE-1 管理人の愛するパット・メセニー・グループの(『コードネームはファルコン』を除いた)12作目『SPEAKING OF NOW』(以下『スピーキング・オブ・ナウ』)は,5年ぶりのアルバムにして大幅なメンバー・チェンジの“新生”パット・メセニー・グループ名盤である。

 アルバム・タイトルの『スピーキング・オブ・ナウ』とは「現在のパット・メセニー・グループ・サウンド」の意。
 不動のレギュラー・メンバー3人(ギターパット・メセニーピアノライル・メイズベーススティーヴ・ロドービー)と新加入の3人(ドラムアントニオ・サンチェスボーカルパーカッションリチャード・ボナトランペットクン・ヴー)の融合が織り成す新たなユニヴァースは,メンバーが変わっても,いい意味で“伝統の”パット・メセニー・グループ・サウンドに変化なし。

 く~っ。繰り返し聴き込むうちに押し寄せる“強くて深いメロディ・ライン”が感動的である。そう。パット・メセニー自身が語っているように“新生”パット・メセニー・グループは“シンフォニックでファンタジック”であった。

 ではライブはどうなのか? その答えが『SPEAKING OF NOW LIVE』(以下『スピーキング・オブ・ナウ・ライヴ・イン・ジャパン』)にある。
 『スピーキング・オブ・ナウ・ライヴ・イン・ジャパン』は“新生”パット・メセニー・グループの『スピーキング・オブ・ナウ』の“恒例”プロモーション・ワールド・ツアーライブDVD

 『スピーキング・オブ・ナウ』に限らず,パット・メセニー・グループは新作のプロモーション・ワールド・ツアーで,ニュー・アルバムの音を固め楽曲を磨き上げていく。そうした日々のチャレンジを共有することでパット・メセニー・グループ自体も成長していく。
 管理人の結論。『スピーキング・オブ・ナウ・ライヴ・イン・ジャパン』程,濃密な音に仕上がったライブはない。CDを再現したアレンジのはずなのに,楽曲成長の余地,伸び代を感じさせたライブはない。

 元々『スピーキング・オブ・ナウ』の第一印象は“さらっと聴けて飽きがこない”であった。以前のパット・メセニー・グループの特長である“突き抜けた曲”はない。全体のトーンは渋い音色。
 それがどうだろう。『スピーキング・オブ・ナウ・ライヴ・イン・ジャパン』で聴いた“馴染みの”【PROOF】【ANOTHER LIFE】【A PLACE IN THE WORLD】は,ライル・メイズの雄大なスケール感。【GO GET IT】【THE GATHERING SKY】は,アントニオ・サンチェスの1人ポリリズム。【YOU】【ON HER WAY】は,リチャード・ボナのマルチな才能のコンビネーション。

 全てに“成熟した音使い”が素晴らしい。パット・メセニーの提供したソロの素材を自分色で塗り替えることで,楽曲のイメージを“より強烈&鮮明”に感じることができた。

 『スピーキング・オブ・ナウ』成長の要因=新メンバーの成長=新生”パット・メセニー・グループの成長であろう。

 パット・メセニー・グループ初のホーン奏者となったクン・ヴー。【SCRAP METAL】を聴けば,なぜパット・メセニークン・ヴーをスカウトしたかがよく分かる。
 クン・ヴーパット・メセニーの“アイドル”オーネット・コールマンである。クン・ヴーとの共演でパット・メセニーギターが歓喜の声を上げている。

 【SONG FOR BILBAO】で“本職”のベーシストへと戻ったリチャード・ボナが“パット・メセニー・グループの一員として”ボーカリストへと徹している。
 リチャード・ボナパット・メセニーの“アイドル”ジョージ・ベンソンである。超高速でのベースボーカルのユニゾンは,ジョージ・ベンソンの高速スキャット以上である。ボナを見つめるメセニーの“恍惚の表情”に大注目。

SPEAKING OF NOW LIVE-2 …と『スピーキング・オブ・ナウ・ライヴ・イン・ジャパン』での“豊穣の音”についてレビューしてきたが『スピーキング・オブ・ナウ・ライヴ・イン・ジャパン』のハイライトは“無音&沈黙”の瞬間にある。

 そう。【IN HER FAMILY】終わりのパット・メセニーライル・メイズのあんなに“満足げな表情”を見せられたら…。いつしか会場全体が2人の“静かな感動”を共有する様に涙&涙します。
( 注: ライブDVDIMAGINARY DAY LIVE』での【SEPTEMBER FIFTEENTH】と同じ展開ではありますが,パット・メセニーライル・メイズの“感動の質”が桁違いです )

 最後にDVDの“お約束”パット・メセニーギター祭り批評
 相変わらずトラック毎にギターを“とっかえひっかえ”原曲のデフォルメ・アレンジで弾きまくっています。見所を2つだけ挙げると『ONE QUIET NIGHT』で“初見参”の【LAST TRAIN HOME】のバリトン・ギターと【ARE YOU GOING WITH ME】でのピカソ・ギター。“ジャズ・ギタリストパット・メセニーのハイ・テクニックの秘密が超アップで楽しめます。

PS 『スピーキング・オブ・ナウ・ライヴ・イン・ジャパン』を見終えて苦言を一言。白熱のステージをおとなしく見守る観客の山。日本人はなんてお行儀が良いのだろう。そんなことだから『THE WAY UP - LIVE』は韓国に取られてしまうんだよなぁ。あっ,パット・メセニーギター・プレイを“お口あんぐり”で見入ってしまった管理人の姿が? だって“お口あんぐり”しちゃうもん?

  01. Last Train Home
  02. Go Get It
  03. As It Is
  04. Proof
  05. Insensatez (How Insensitive)
  06. The Gathering Sky
  07. You
  08. A Place In The World
  09. Scrap Metal
  10. Another Life
  11. On Her Way
  12. Are You Going With Me?
  13. The Roots Of Coincidence
  14. A Map Of The World ~ In Her Family
  15. Song For Bilbao

    PAT METHENY GROUP
    PAT METHENY : Acoustic, Electric & Synth Guitars
    LYLE MAYS : Acoustic Piano, Keyboards, Guitar
    STEVE RODBY : Acoustic & Electric Bass
    RICHARD BONA : Vocals, Percussions, Guitar,
                 Electric Bass

    CUONG VU : Trumpet, Vocals, Percussions, Guitar
    ANTONIO SANCHEZ : Drums

(ビデオアーツ/VIDEOARTS 2003年発売/VABJ-1112)
(ライナーノーツ/熊谷美広)

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ナニワ・エキスプレス / FIRST FINAL 1986 ~伝説の86年バナナホール解散LIVE!~5

FIRST FINAL 1986 - 伝説の86年バナナホール解散LIVE!-1 “伝説ライブ・バンド”ナニワ・エキスプレスの“伝説中の伝説ライブ”が1986年6月28日,大阪はバナナホールでのNANIWA解散ライブ”。

 解散ライブ当日は高校生していた管理人。バナナホールへ行けるはずもない。翌月のジャズ雑誌に載せられたLIVEレポートを読んで唇を噛んだものだ。そして後日,なんと20年間もの長い間,地団駄を踏むことになる。
 ナニワ・エキスプレスライブはFMで何回も聴いていた。素晴らしい。凄い。死んだ。そんな評判なら想像できる。しかし「あれを見逃したとは残念だったね」。そう言われた身になってごらんなさい。NANIWAの大ファンとしては,一生の傷となり引きずってしまうのだから…。

 そんな管理人の心の傷が20年ぶりに癒された。20年間の地団駄に決別できた。DVDFIRST FINAL 1986 ~伝説の86年バナナホール解散LIVE!』の発売である。

 いつの時代も噂話には尾ひれがついて広まるものだが『FIRST FINAL 1986 ~伝説の86年バナナホール解散LIVE!』を自分の目で見て「あの噂は本当だった」を実感した。素晴らしい。凄い。管理人もしばらく死んだ。KOされてしまったのだ。

 とにかくド派手! バカテク・フュージョン・バンド=ナニワ・エキスプレスは,破れかぶれのハチャメチャなのに美しい。
 自己主張する個性的なメンバーのライブ・パフォーマンスはアドリブも含めたエンターテイメント! 隙あらば前へ前へ! 最強にして究極にイカシタ(イカレタ)浪花の“伝説ライブ・バンド”の大登場!

 もうこの大迫力は,画面からNANIWAの5人が飛び出してきそう。いや,逆に画面の内にダイブしたくなる程の興奮のるつぼ。大事な解散ライブであることをNANIWAの5人も観客も忘れて,この一瞬に大熱狂している。
 清水興がステージ狭しと走りまくれば,東原力哉ドラムを叩きまくる。とにかくダイナミックなアクションは八方破れ! なんと!矢沢永吉が混じっている。あっ,清水興だったか。

 ナニワ・エキスプレスは,とにかく爆音! 特に“看板”であるベース清水興ドラム東原力哉の重低音は音楽バランスを無視したものである。
 そんな爆音リズムにノリまくりキレまくる“ギター・ヒーロー”岩見和彦の音色が美しい! ホール全体を包み込むあのギターが鳴り響いている間,観客も安心して踊り続けられるというものである。

FIRST FINAL 1986 - 伝説の86年バナナホール解散LIVE!-2 “NANIWA EXPRESS IS…”のテロップで始まり,番組のエンドロールも終わってアンコールコールの中“NANIWA EXPRESS WAS…”のテロップで終わっていく。

 J-フュージョンのピーク時に解散した伝説。バンドの人気上昇時に解散した伝説。あのままNANIWAを続けていたら,ますます人気が出たことと思うが,こんな破天荒なライブは続けられなかったことだろう。NANIWAの5人は青春を完全燃焼することを選んだのだ。
 NANIWAのようなフュージョン・バンドは唯一無二。J-フュージョンの最盛期と共にナニワ・エキスプレスが駆け抜けた。

  01. BETWEEN THE SKY AND THE GROUND
  02. BELIEVIN'
  03. NIGHT FLOWER
  04. JASMIN
  05. BOYS BE GO GO
  06. ORIENTAL MAKIN' LOVE
  07. LOVING YOU,SOMETIMES LEAVING YOU
  08. CHARCOAL BREAK
  09. 大宇宙無限力神
  10. METEOR

    特典映像:4分割秘蔵映像
  01. OLINO <本編未収録曲>
  02. JASMIN

    NANIWA EXPRESS
    KOH SHIMIZU : Bass
    KAZUHIKO IWAMI : Guitar
    KENJI NAKAMURA : Keyboard
    MAKOTO AOYAGI : Keyboard, Tenor saxophone
    RIKIYA HIGASHIHARA : Drums

(ソニー/SONY 2007年発売/MHBL-46)

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ジョー・ザビヌル & ザビヌル・シンジケート / GERMAN TV 19974

GERMANY TV 1997-1 「ジョー・ザビヌル & ザビヌル・シンジケート」(以下,ザビヌル・シンジケート)は「ジョー・ザヴィヌル & ウェザー・アップデイト」の新装開店バンド。
 音楽性も新装開店のリニューアルに合わせて,ジャズ・ファンク路線から一歩進んだ“無国籍民族音楽”路線へと突き進むのだが,そのアフリカやインドの第三世界的なサウンドビジョンは市場に受け入れられず,しばし低迷していた。

 しかし,ついに時代がザビヌル・シンジケートに追いついた! ワールド・ミュージックへの機運が熟したタイミングで「ジャコパスの再来」と称される“天才ベーシストリチャード・ボナが加入し,一気に大ブレイク!
 『GERMANY TV 1997』は,ついにブレイクを果たしたザビヌル・シンジケート,1997年のドイツ「JAZZ OPEN」出演時のライブDVDである。

 ザビヌル・シンジケートの1997年のライブCDともなった「ワールド・ツアー」は,ジョー・ザビヌルが20年ぶりに“首を縦にふった”ライブ・レコーディング。
 ジョー・ザビヌルをして「ウェザー・リポートの『8:30』を越えた」と豪語させるにふさわしい充実のライブであった。

 確かにリチャード・ボナは凄い。映像で見るとリチャード・ボナの凄さが伝わってくる。何が凄いって? それは特に何もしていないようでいとも簡単にグルーヴを起こしている。音と映像のギャップが凄いのだ。「ええ~,何このビートは?」という感じにやられてしまう。

 一方,音と映像がマッチしていて凄いのがマノロ・バドレーナパーカッションマノロ・バドレーナは,ウェザー・リポート黄金期のメンバー。『へビー・ウェザー』収録の【ルンバ・ママ】で,アレックス・アクーニャとの“壮絶デュオ”を果たした名パーカッショニストである。

 ザビヌル・シンジケートの“無国籍民族音楽”の要はマノロ・バドレーナである。
 パーカッショニストとしてサウンド面での貢献も大であるが,何と言ってもあの“ヴォイス”そして底なしの明るさが肝! マノロ・バドレーナの“野生児の雄叫び”がザビヌル・シンジケート“無国籍民族音楽”のトーンを決定付けていると思っている。

GERMANY TV 1997-2 管理人はザビヌル・シンジケートの低迷の要因はジョー・ザビヌルのエゴイストぶりにあったと思う。ソロは決まってキーボードばっかだし,それ以上にジョー・ザビヌルボコーダーが鼻につく。
 何であれ程の音を持っているのにボコーダーがメインなんだよ~。そんなに歌が必要なのであればウェイン・ショーターに頭を下げろっちゅうの。

 その点でマノロ・バドレーナの“ヴォイス”は最高である。やはり生の音,音が生きている,しかもハイセンスの唯一無二。
 管理人は,ザビヌル・シンジケートが久々に“浮上”できたのはリチャード・ボナ以上のマノロ・バドレーナに拠る所が大きいと思っている。

 『GERMANY TV 1997』は,独裁者=ジョー・ザビヌルの20年ぶりの“笑顔”が輝いている。この時期のザビヌル・シンジケートは,ウェザー・リポート黄金期の再来であった。
 猛獣4人を完全に手なづけ,己の意のままに操るジョー・ザビヌルの“満足げな表情”が微笑ましい。この後,独裁者の笑顔は長続きしなかったのだが,最後の最期まで,我がバンド然,としたジョー・ザビヌルは強かった。
 『GERMANY TV 1997』に,偉大なるエゴイスト=ジョー・ザビヌルのピークのひとコマがある。

  01. Intro
  02. Hamahamada
  03. Erdapfelblues
  04. Bimoya
  05. Eyala
  06. Indiscreation
  07. My People
  08. Carnavalito

    JOE ZAWINUL & ZAWINUL SYNDICATE
    JOE ZAWINUL : Keyboards
    GAY POULSON : Guitar
    RICHARD BONA : Bass, Vocals
    MANOLO BADRENA : Percussions, Vocals
    DAVID HAYNES : Drums

(MUSICAL BOX/MUSICAL BOX 2007年発売/MB-022)

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ウェザー・リポート / WEATHER REPORT IN JAPAN - DOMINO THEORY LIVE IN TOKYO 19845

WEATHER REPORT IN JAPAN - DOMINO THEORY LIVE IN TOKYO 1984-1 『WEATHER REPORT IN JAPAN - DOMINO THEORY LIVE IN TOKYO 1984』は,1984年の『ドミノ・セオリー』ツアーの東京公演ライブ。過去にLDとしてオフィシャル発売されていた,ウェザー・リポート唯一の“公認映像”のDVD盤。

 『ドミノ・セオリー』が“リアル”ウェザー・リポート初体験だっただけに『WEATHER REPORT IN JAPAN - DOMINO THEORY LIVE IN TOKYO 1984』は,管理人にとって非常に感慨深いものがある。

 『ドミノ・セオリー』発売当時のウェザー・リポートは,ジャコ・パストリアスピーター・アースキンが揃って脱退し,ビクター・ベイリーオマー・ハキムが『プロセッション』から,そしてこの『ドミノ・セオリー』ツアーからホセ・ロッシーに代わってミノ・シネルの,フレッシュ若手リズム隊へとメンバー・チェンジした。
 一方,ジョー・ザビヌルウェイン・ショーターの両雄は,ウェザー・リポートの活性化のため「フロント VS リズム隊」の新しい構図を思い描いていた。

 そう。『ドミノ・セオリー』発売当時のウェザー・リポートは,言わばバンド内“新陳代謝”の真最中であって,この『WEATHER REPORT IN JAPAN - DOMINO THEORY LIVE IN TOKYO 1984』は,ツアーを通してバンドの“地固め”を図っていた頃のライブ映像に当たる。

 『WEATHER REPORT IN JAPAN - DOMINO THEORY LIVE IN TOKYO 1984』には,ジャコ・パストリアス脱退後,ウェイン・ショーターとの“黄金の三角関係”のバランスが崩れ“ザビヌル王朝”が確立された様子が記録されている。
 ジョー・ザビヌルキーボードを中心に,オマー・ハキムドラミングが冴え渡るフュージョン・ファンにはたまらないグルーヴ
 そう。『WEATHER REPORT IN JAPAN - DOMINO THEORY LIVE IN TOKYO 1984』の主役は,ジョー・ザビヌルオマー・ハキムである。

 【WHERE THE MOON GOES】を見てほしい。 オマー・ハキムドラミングハービー・メイソン並のバネに,さらに「しなやかさ」と「なめらかさ」がプラスされた抜群のグルーヴと,スティーブ・ガッド系のテクニックを兼ね備えた圧倒的なドラミングで,今にも椅子から落ちそうな大迫力は見ている者を“釘付け”にすることだろう。
 複雑なリズムを,ボーカルを取りながらも楽勝でこなし,しかも無茶苦茶グルーヴさせるかと思えば,超ハイテンションで暴れまくるインタープレイを披露する。正に冷静と熱狂,緻密と奔放が両立している。
 このオマー・ハキムドラミングザビヌルさえもが“釘付け”になっている。若く才能溢れるドラミングに,まるで可愛い孫でも見ているかのようにニコニコと表情を崩しながら…。

WEATHER REPORT IN JAPAN - DOMINO THEORY LIVE IN TOKYO 1984-2 “新生ウェザー・リポート”における,ジョー・ザビヌルオマー・ハキムの“蜜月関係”を見逃すな! これが『WEATHER REPORT IN JAPAN - DOMINO THEORY LIVE IN TOKYO 1984』の合言葉である。

 そこさえ押さえておけばライブの定番=【DUET(IMPROVISATION FEAT.ZAWINUL & SHORTER】【MEDLEY - BLACK MARKET/ELEGANT PEOPLE/SWAMP CABBAGE/BADIA/A REMARK YOU MADE/BIRDLAND】でのウェイン・ショーターアドリブが心置きなく楽しめる。

 なお『WEATHER REPORT IN JAPAN - DOMINO THEORY LIVE IN TOKYO 1984』にはLD盤未収録の【THE EVOLUTIONARY SPIRAL】のレアなビジュアル・イメージ映像を収録。ただし特段見る価値は…。

PS ジャコパスの亡霊を振り払おうともがいているのは“新生ウェザー・リポート”のメンバーだけではありません。こんなに圧倒的な名演を見せつけられても,ジャコパスのいないウェザー・リポートに“物足りなさ”を感じてしまった管理人は贅沢でしょうか?

    LIVE IN TOKYO 1984
  01. D' WALTZ
  02. DUET (IMPROVISATION FEAT. ZAWINUL &
     SHORTER)

  03. SOUNDCHECK
  04. WHERE THE MOON GOES
  05. - MEDLEY - BLACK MARKET / ELEGANT
     PEOPLE / SWAMP CABBAGE / BADIA / A
     REMARK YOU MADE / BIRDLAND

 
    VISUAL SOUNDTRACKS
  06. THE EVOLUTIONARY SPIRAL

    WEATHER REPORT
    JOE ZAWINUL : Keyboards
    WAYNE SHORTER : Saxophone
    VICTOR BAILEY : Bass
    MINO CINELU : Percussions
    OMAR HAKIM : Drums

(FOOTSTOMP/FOOTSTOMP 発売日不明/FSVD-030)

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ウェザー・リポート / LIVE IN MONTREUX4

LIVE IN MONTREUX-1 ウェザー・リポートライブDVD=『LIVE IN MONTREUX』は“最高なのに最悪”なDVDである。

 何が最高かって? 『LIVE IN MONTREUX』のウェザー・リポートはバンドの“成長期”に当たっている。ライブ・バンドであったウェザー・リポートは,1回1回のライブによって成熟へと向かい,続く『へビー・ウェザー』『8:30』『ナイト・パッセージ』で“絶頂期”に至る。そんなイケイケで上り調子で恐いもの知らずな“スリリングで完璧な演奏”が最高である。

 ウェザー・リポートにとって,1976年のモントルー・ジャズ・フェスティバルと来れば,まずは『へビー・ウェザー』公式収録=【ルンバ・ママ】であろう。
 アレックス・アクーニャマノロ・バドレーナによる,ツイン・パーカッションの壮絶プレイがノーカットで収録されている。あの2人の名手の渾然一体となった音の洪水の区別がつく快感を何と伝えたらよいのだろう。【ルンバ・ママ】の映像は,ウェザー・リポート・ファンにとっての“お宝”である。

 ウェザー・リポートにとって,1976年のモントルー・ジャズ・フェスティバルと来れば,次に“ベースの革命児”ジャコ・パストリアス』の全面参加である。ジャコ・パストリアスウェザー・リポートへの加入は『ブラック・マーケット』からであるが,この時期のジャコ・パストリアスは,すでにウェザー・リポートの主要メンバー然としている。

 尤も,これは音声のお話。映像への出番は余りない。まぁ,それもしょうがないでしょう。
 『へビー・ウェザー』発売前のウェザー・リポートなんてこの位の扱いが普通。ましてジャコパスの凄さを世間が(カメラマンが)知る由もないのだ。ん~,ジャコパスの扱いの“小ささ”に駆け出しだった『LIVE IN MONTREUX』を感じてしまう。

 それにしても,本当にこの時期,このメンバーでの演奏は素晴らしい。メンバー全員の超絶技巧をもはや神の域。作り込まれたスタジオ盤とは違った,圧倒的なグルーヴ感とハプニングをもものにするアドリブが随所にキメキメのキラキラである。
 大地のリズムに身を任せ,妖艶なメロディーに異国へと誘われる楽曲は『ブラック・マーケット』と当時はまだ未発表だった『へビー・ウェザー』からと名曲揃い。
 特にラストの【ジブラルタル】を知らないウェザー・リポート・ファンは“モグリ”と呼ばれてもしかたがないと思う。壮絶で絶品なウェザー・リポート

LIVE IN MONTREUX-2 “最高なのに最悪”な『LIVE IN MONTREUX』。では何が最悪かって? それは音と映像の粗悪ぶりである。
 ほとんど音が悪いか,映像が悪いか,はたまたどっちも悪いかのどれか。ああ~,最高の素材だったのに~。

 そもそも『LIVE IN MONTREUX』は,地元スイスのテレビ局が番組用に収録したものなのだが,カメラ毎の映像があるわけではなく現場でぶっつけでスイッチングしたのだろう。とにかく間が悪い。
 カメラワークもやたらと近接で,これは顕微鏡で覗いた世界かっちゅうの。特にウェイン・ショーターも棒立ち時のアップは何? 撮影前に少しはウェザー・リポートを予習しろっちゅうの。

 ところで『LIVE IN MONTREUX』には,特典映像として「MIDNIGHT SPECIAL」と題するTVショーの秘蔵映像も収録。【バードランド】【ルンバ・ママ】【ティーン・タウン】で,リズムに合わせて腰を振って踊り狂うマノロ・バドレーナとマイケルジャクソンもびっくりの軽やかなステップを踏むジャコパス。この映像は「コレクターズ・アイテム」ですよっ。

    Montreux Jazz Festival 1976
  01. Elegant People
  02. Scarlet Woman
  03. Barbary Coast
  04. Portrait Of Tracy (Jaco Pastrius Solo)
  05. Cannon Ball
  06. Black Market
  07. Rumba Mama (Per / Drum Duo)
  08. Piano / Sax Duo
  09. Badia
  10. Gibraltar
  11. Band Introduction

    Midnight Special 1977
  12. Birdland
  13. Rumba Mama (Per / Drum Duo)
  14. Teen Town

    WEATHER REPORT
    JOE ZAWINUL : Keyboards
    WAYNE SHORTER : Tenor Sax, Soprano Sax
    JACO PASTRIUS : Bass
    MANOLO BADRENA : Percussions
    ALEX ACUNA : Drums

(FOOTSTOMP/FOOTSTOMP 2005年発売/FSVD-005)

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小曽根 真 ザ・トリオ / ALIVE!!〜LIVE AT BLUE NOTE TOKYO5

ALIVE!!〜LIVE AT BLUE NOTE TOKYO-1 “小曽根真の七不思議”の一つが,なぜかライブ盤が出ないことであった。
 「ジャズライブ」に限る。そのことを他の誰よりも小曽根自身が知っているはずなのに…。

 そんな小曽根真ライブ盤がついに出た! 「ザ・トリオ」10周年アニバーサリー企画第2弾『ALIVE!!〜LIVE AT BLUE NOTE TOKYO』。
 そう。小曽根真初のライブ盤にして,初のDVD盤である。( ←注:塩谷哲との共演盤『デュエット』は異色盤ですのでカウントなし!? )

 『ALIVE!!〜LIVE AT BLUE NOTE TOKYO』を見て,冒頭の“小曽根真の七不思議”の秘密を垣間見た気がする。『ALIVE!!〜LIVE AT BLUE NOTE TOKYO』の“クオリティの高さ”はハンパではない。

 「ザ・トリオ」の演奏が完璧なのは当然として,なんと今回も名エンジニア=ジョー・ファーラが参戦している。録音が良ければ照明も良い。映像の方もカメラも多いし,カット割も見たいポイントにちゃんと映像が切り替わる“ファン目線”での編集にも配慮が行き届いている。
 この“クオリティへのこだわり”が小曽根真ライブ盤の発売を躊躇させてきた理由であろう。小曽根真はNY在住の日本人ジャズメンであった。

 『ALIVE!!〜LIVE AT BLUE NOTE TOKYO』は,「ザ・トリオ」10周年記念盤『ファースト・ディケイド』ジャパン・ツアーのライブ。そう。「ザ・トリオ」貫禄のベストライブである。

 『ALIVE!!〜LIVE AT BLUE NOTE TOKYO』の見所は「ザ・トリオ」3人の見事なコンビネーション! 超一流の3人が,互いをリスペクトし,心を合わせ,息を合わせている。小曽根真のアイ・コンタクトで「ザ・トリオ」が“しなやかに”スイングしている。
 特にトリオとしての音の強弱の付け方が絶品である。小曽根真の日本人離れしたリズム感が実に素晴らしい。

ALIVE!!〜LIVE AT BLUE NOTE TOKYO-2 それにしても,あの小曽根真の満点笑顔! 超高速タッチでピアノをドライブしている間も,演奏するのが楽しくて楽しくてしょうがない様子。小曽根真の満点笑顔がジェームス・ジーナスクラレンス・ペンにも伝染し,やがては「ザ・トリオ」の音楽全体に楽しさが充満していく。

 『ALIVE!!〜LIVE AT BLUE NOTE TOKYO』ではアルバムでの演奏以上に,ジェームス・ジーナスベース・ソロ,クラレンス・ペンドラム・ソロに多くの時間が割かれているのがいい。「ジャズライブ」の本領発揮である。

 さて『ALIVE!!〜LIVE AT BLUE NOTE TOKYO』の初回生産限定盤は,収録日の演奏全曲をコンプリート収録したスペシャル・パッケージ仕様のライブCD付属。読者の皆さんも買うなら迷わず初回生産限定盤をセレクトしてください!

 いや〜,このライブCDが侮れない。これはおまけではない。クオリティにこだわる小曽根真“自慢の逸品”である。
 管理人はこのCD盤の演奏が好きで好きで,DVDを買ったのかCDを買ったのか分からなくなるヘヴィー・ローテーション。『ALIVE!!〜LIVE AT BLUE NOTE TOKYO』の唯一の汚点はDVDに収録するか,CDに収録するかの選曲ミス? 【ビエンヴェニードス・アル・ムンド】だけは映像付で見たかった〜。

    DVD
  01. THREE WISHES
  02. BRAZILIAN SKETCH
  03. HOME
  04. CENTRAL BOOKING
  05. LULLABY FOR RABBIT
  06. THE BEGINNING
  07. ASIAN DREAM
  08. NO SIESTA
  09. MY FOOLISH HEART

    CD
  01. STINGER
  02. BIENVENIDOS AL MUNDO
  03. THREE THE HARD WAY
  04. DANCE ON THE BEACH
  05. PANDORA
  06. THE OUTBACK

    THE TRIO
    MAKOTO OZONE : Piano, Fender Rhodes
    JAMES GENUS : Acoustic Bass, Electric Bass
    CLARENCE PENN : Drums, Percussion

(ヴァーヴ/VERVE 2007年発売/UCBJ-9001)
★【初回生産限定盤】 DVD+CD 2枚組

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マイルス・デイビス / ミュンヘン・ライヴ 19884

LIVE IN GERMANY 1988-1 「レコードはメニューみたいなものだ。本物が味わえるのはライブだ」。
 こう語った“帝王”マイルス・デイビスの「本物中の本物が味わえる」のが,ライブDVDMILES DAVIS LIVE IN GERMANY 1988』(以下『ミュンヘン・ライヴ 1988』)である。

 中山康樹が命名した『YOU’RE UNDER ARREST』以降の「ポップ&シンセマイルス」の評価は総じて低い。
 それはマイルス・デイビスの才能が枯渇したからでは断じてない。カムバック後のマイルスを認めようとしない,アコースティック・マイルス信者(あるいは一部の電化マイルス信者)が口に(耳に)しないから。要は“食わず嫌い”にすぎない。

 DVDミュンヘン・ライヴ 1988』を見てほしい。
 「ポップ&シンセ」路線に走ったとしても,マイルス・デイビスジャズの“帝王”であった。そして“本物の”マイルス・デイビスが味わえるのは,メニューとしての『’ROUND ABOUT MIDNIGHT』『KIND OF BLUE』『NEFERTITI』『IN A SILENT WAY』『GET UP WITH IT』のスタジオ録音+テオ・マセロのマジック編集の名盤ではなく“ライブ”なのである。

 マイルス・デイビス=絶対帝王はライブで明白。マイルス・デイビストランペッターでありながら,トランペットをあまり吹かない。そこにいるのは“監督総指揮”マイルス・デイビスマイルス・デイビスライブシンセサイザーを多用し,バンド・リーダーに専念している。
 そう。マイルス・デイビスはバンド・メンバーの力量を己の懐に取り込む天才なのである。

LIVE IN GERMANY 1988-2 『ミュンヘン・ライヴ 1988』でのマイルス・バンドのメンバーも全員超優秀であるが,管理人のお奨めは,アルト・サックスケニー・ギャレットパーカッションマリリン・マズール

 【HUMAN NATURE】【TOMAAS】でのケニー・ギャレットの大爆発! マイルス・デイビスが「ジョン・コルトレーンウェイン・ショーターを足して2で割ったようなやつ」と評したケニー・ギャレットジョン・コルトレーンの大ブローとウェイン・ショーターのハイセンスを持ち合わせるケニー・ギャレットこそ,歴代マイルス・バンドの「NO.1サックス奏者」で間違いない。

 マイルス・デイビスは【POLTIA】中盤のトランペット・ソロを最後にステージを去る。最後の仕上げはケニー・ギャレットに丸投げである。【SPLATCH】ではバリトン・サックスまで吹いている。やっぱりケニー・ギャレットは凄かった~。

 【TUTU】におけるマリリン・マズールの“妖艶な”ダンス・パフォーマンスがたまらない。【HEAVY METAL PRELUDE】【CARNIVAL TIME】の「スーパー・プレイ」はDVDならでは!?

 「レコードはメニューみたいなものだ。本物が味わえるのはライブだ」。この言葉は「ポップ&シンセ」路線の『ミュンヘン・ライヴ 1988』においても真実であった。

  01. Perfect Way
  02. Human Nature
  03. Tutu
  04. Splatch
  05. Heavy Metal Prelude
  06. Heavy Metal
  07. Don't Stop Me Now
  08. Carnival Time
  09. Tomaas
  10. New Blues
  11. Portia

    MILES DAVIS : Trumpet, Keyboards
    KENNY GARRETT : Saxophone, Flute
    BOBERT IRVING III : Keyboards
    ADAM HOLZMAN : Keyboards
    BENJAMIN RIETVELD : Bass
    MARILYN MAZUR : Percussions
    JOSEPH "Foley" McCREARY : Guitar
    RICKY WELLMAN : Drums

(コロンビア/COLUMBIA 2005年発売/COBY-91338)

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カシオペア / CASIOPEA VS THE SQUARE THE LIVE!!5

CASIOPEA VS THE SQUARE THE LIVE!!-1 J−フュージョンの2大巨頭,カシオペアザ・スクェアT−スクェア)。
 永遠のライバル関係にありながら“互いを認め心から尊敬し合ってきた”音楽同士たちである。もはやバンドの違いを越えたところで仲間意識を有している。
 これは同じ釜の飯を喰ってきた当人たちでないと理解できない。なにせ,この2大巨頭がJ−フュージョンを支えてきた,と言っても過言ではないのだから…。

 そんなカシオペアザ・スクェア初のジョイント・ライブが2003年に実現した。過去に某ジャズ・フェスティバル等で同じステージに立ってきた2大巨頭のオフィシャルな初共演である。

 レビューは後述するとして,まずは一言! なんで福岡は来なかったんだよぉ〜。『CASIOPEA VS THE SQUARE』のCD盤&DVD盤両方の記念写真(裏ジャケット)を見るたびに「東京厚生年金会館のバカ野郎〜」と叫びたくなる衝動を感じます。それぐらいに素晴らしい。良い悪いでは計測不能な,これぞ感動のドキュメンタリー作であろう。

 『CASIOPEA VS THE SQUARE』にも,当然?2種類ある。DVD盤『CASIOPEA VS THE SQUARE THE LIVE!!』とCD盤『CASIOPEA VS THE SQUARE LIVE』である。

 管理人はまずはCD盤『CASIOPEA VS THE SQUARE LIVE』を購入した。DVD盤『CASIOPEA VS THE SQUARE THE LIVE!!』を“スルー”した事実が期待値の表われ。内容はさておきルーティンで買ったにすぎない。

CASIOPEA VS THE SQUARE THE LIVE!!-2 しかしこれが良かった? 懐古趣味ではない圧巻のバトルは,新フュージョン・バンド「ザ・カシェア」の大誕生!
 大編成のカシオペアと言えば『20TH』の悪夢が脳裏をよぎる。きっちりと隙間なくアレンジされたカシオペアの曲を7人で演奏しただけで“とっ散らかり+ごちゃごちゃとしすぎ”のNGワード。しかし「ザ・カシェア」は違った。メンバーの誰かが持ち味を発揮できないような後味の悪さは一切ない。

 カシオペアザ・スクェアの2大巨頭が元来一つのバンドのようにグルーヴしている。とっても分厚くとっても繊細な音の洪水は,総勢10人の重量級ジャズメンの個性が“共鳴する”新しいバンド・サウンドを生み出している。
 正確かつフィーリングのある演奏に仕上がった秘訣は,安藤まさひろのリーダーシップ無きリーダーシップと野呂一生のリーダーシップが上手にブレンドされた結果であろう。

 さて,DVD盤『CASIOPEA VS THE SQUARE THE LIVE!!』は,東京公演2日目をフル収録。
 CD盤『CASIOPEA VS THE SQUARE LIVE』への優位性は多々あるのだが,まずはカシオペアのみ,ザ・スクェアのみのライブが楽しめる。
 カシオペアがノリを押し出す感じならザ・スクェアはメロディを押し出す感じの演奏。そしてこの選曲が実にお見事。互いのツボを突く新旧の代表曲が網羅されているのが良い。

 中盤の第3部から本編のジョイント・ライブ開始。これは「VS」とネーミングされてはいても所謂セッション・バトルではない。火花が飛び散るというよりは10人のジャズメンの個性を浮き立たせるセッションだと思う。

CASIOPEA VS THE SQUARE THE LIVE!!-3 特筆すべきは神保彰則竹裕之ドラムセッション。丁々発止のドラム・バトルを披露したかと思えば,次の瞬間,2人のドラムがまるで1セットのドラムに聴こえる完璧ユニゾン。
 この完成度の高さは,いつもパートナーを組んでいるナルチョの証言から明らかである。ねっ「SYNCHRONIZED DNA」しているでしょ?

 ズバリ,ジョイント・ライブのハイライトは【JAPANESE SOUL BROTHERS】をすかした【FIGHTMAN】でのソロ廻し! 10人のジャズメンの個性あふれる自己主張!
 お約束のナルチョストさんの“ベース放談”はおいといて,ストさんの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」や河野啓三和泉宏隆の○○,野呂一生の【GALACTIC FUNK】にニヤリである。

 ライブ当日は“先攻”の「THE SQUARE PART」は,概ね“懐かしのヒット・パレード”集!
 恐らくは,安藤まさひろ伊東たけし和泉宏隆則竹裕之須藤満での「伝説の5人」在籍時の再演を見せたかった?
 「伝説の5人」最後となった『NATURAL』から【CONTROL】。最新の「伝説の5人」『SPIRITS』から2曲。そして往年のヒット・チューン4曲。伊東たけし和泉宏隆アドリブが素晴らしい。

 “後攻”の「CASIOPEA PART」は,メンバーの変遷もないため“通常営業”のカシオペアである。
 最新作『PLACES』からの演奏が半分なのもいつも通り。ただし向谷実の頭頂部からの映像は…。経年劣化を感じさせてくれるのがDVDの罪なところ。おっと,以上は自分自身へのつぶやきであった。

 CD盤『CASIOPEA VS THE SQUARE LIVE』にKOされ,即買いしたDVD盤『CASIOPEA VS THE SQUARE THE LIVE!!』が最高である。DVD盤があればCD盤は不要かも?

CASIOPEA VS THE SQUARE THE LIVE!!-4 いえいえ,CD盤が東京公演1日目でDVD盤が東京公演2日目。そう。1日目と2日目のアドリブの違いを聴き分けることができる。う〜ん。負け惜しみかも?
 あっ,CD盤はスーパーオーディオの高音質! う〜ん。DVD盤の方が高音質かも? マルチアングルで凝視できるバカテクと「楽器バトル」の最後に(最中にも)見せる8人の笑顔&笑顔がファンとしては忘れられない宝物ですし,特典映像は超レア物で〜す!

 最後に,管理人はその昔,ジンサク時代のカシオペア伊東たけしアルト・サックスが入った最強バンドを妄想していたものだった。
 ついに聴いた【ASAYAKE】のはずが,どうにも“やぼったい”。残念。カシオペア伊東たけしは似合わない。いや,アルト・サックスではなくEWIだったなら? これが本田雅人だったなら? 管理人の妄想はまだまだ続く〜。

  DISC_01

    OPENING
  01. OMENS OF LOVE
  02. LOOKING UP

    THE SQUARE PART
  03. CONTROL
  04. 風の少年
  05. EUROSTAR〜run into the light〜
  06. BREEZE AND YOU
  07. CAPE LIGHT
  08. PRIME
  09. TAKARAJIMA

    CASIOPEA PART
  10. EYES OF THE MIND
  11. TOKIMEKI
  12. FREAK JACK
  13. TROPICOOL
  14. IT'S NOT ONLY ONE TIME
  15. SPRINTER
  16. RARE ONE IN N.Y.
  17. TRANS EVOLUTION

  DISC_02

    CASIOPEA VS THE SQUARE PART
  18. KAPIOLANI
  19. JUSTICE
  20. ONCE IN A BLUE MOON
  21. MIDNIGHT CIRCLE
  22. 勇者 (YUH-JA)
     ( Drums Solo )
  23. MID MANHATTAN
  24. ECCENTRIC GAMES
  25. NAB THAT CHAP!!
  26. JAPANESE SOUL BROTHERS
  27. FIGHT MAN

    ENCORE
  28. TRUTH
  29. ASAYAKE

    CASIOPEA
    ISSEI NORO : Guitar
    MINORU MUKAIYA : Keyboard
    YOSHIHIRO NARUSE : Bass
    AKIRA JIMBO : Drums

    T-SQUARE
    MASAHIRO ANDOH : Guitar
    TAKESHI ITOH : Sax, EWI, Flute
    HIROTAKA IZUMI : Piano
    HIROYUKI NORITAKE : Drums
    MITSURU SUTOH : Bass
    KEIZOU KAWANO : Keyboard

(ジェネオン/GENEON 2004年発売/GNBL-1001)

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T-スクェア / ライヴ “ナチュラル”5

LIVE NATURAL-1 T-スクェアライブが好きだ。終演時には気持ちが“晴れ晴れ”する。
 無論,演奏は凄い。しかしこれ見よがしにテクニックで圧倒されることがない。上手く表現できないが,音楽少年に特有の“人柄の良さ”を感じるのである。
 ライブに行って良かった。T-スクェアと出会えて良かった。ライブの感動が後から後から込み上げてくる。これは上質な映画を見終わった後に感じる心地良さ。自分が“気高く”なったかのような錯覚を感じて帰宅する。

 そんな管理人が選ぶ“品の良い”T-スクェアライブDVDが『LIVE “NATURAL”』(以下『ライヴ“ナチュラル”』)である。

 『ライヴ“ナチュラル”』は『ナチュラル』を“地”で行く,北海道・旭川での特設野外ライブ! 演奏の合間に映し出される雄大な自然の美しさとベスト・マッチング!
 この開放感を“野外ならでは”と感じるのが普通なのでしょうがそれは間違いである。この感じはホールでのライブと同じ。スクェアスクェア。どこで演ろうともT-スクェア100%。この“ほのぼの感”こそがT-スクェア特有のライブの“味”なのである。
 そう。北海道なのにアロハ・シャツ! ストさんは遅刻する! そんな“気取らず飾らず”な彼らが汗だくになって熱演する! 観客は皆,笑顔&笑顔のピクニック気分! 心なしかバックのウシさんも和んでいます。

 (どちらかと言えば)本田雅人派の管理人ですが,やっぱり伊東たけしはいい!
 伊東たけしは『ナチュラル』を最後にT-スクェアを退団してしまったので『ライヴ“ナチュラル”』を見ていると,余計に伊東たけしの存在の大きさが実感できる。
 「伝説の5人」と讃えられる,安藤まさひろ伊東たけし和泉宏隆則竹裕之須藤満でのT-スクェアがバンドの黄金期だったに違いありません。

 そんなT-スクェアの演奏は真に絶好調! 『ナチュラル』はスクェアの数ある名盤の中では人気薄だと思いますが,管理人は大好きです。特徴は何たって(本田雅人派のファンなら分かっていただけると思いますが)“あの”ラス・フリーマン仕込みの「分厚い音」=「全米発売の音」! あの音を“軽々と”野外ライブで響かせまくっている~。

LIVE NATURAL-2 全体として一番調子良いのは和泉宏隆! 一人だけ正装して野外ライブに臨んだ気合い勝ち! 【DAISY FIELD】でのピアノ・ソロでは観客全員が美メロのアドリブに引き込まれてしまっています。
 則竹裕之須藤満ドラムン・ベースデュオは完成の域に達している。則竹さんと来れば【WHITE MAN】での“シェイカー姿”はお宝映像でしょう。
 しかし最大のお宝は“地蔵ギター”の安藤まさひろの足が軽くステップしている! ロック調8ビートが安藤まさひろを変革中の衝撃映像にニンマリである。

 ライブの最後で伊東たけしが「また会おうね」を連呼していたが次のライブ伊東たけしに会えたのは10年後の真実!
 今となっては笑い話ですが,本田雅人時代,宮崎隆睦時代には,伊東たけし時代の『ライヴ“ナチュラル”』を見て涙していたことを覚えている。しばらくお蔵入りでした。
 そして今,管理人のお蔵リストには『ライヴ“ナチュラル”』に代わって本田雅人時代のDVDが収められている。泣。

  01. CONTROL
  02. DAISY FIELD
  03. WHITE MANE
  04. WIND SONG
  05. DUO
  06. MORNING STAR
  07. RADIO STAR
  08. TRUTH

    T-SQUARE
    MASAHIRO ANDOH : Guitar
    TAKESHI ITOH : Alto Sax, EWI
    HIROTAKA IZUMI : Keyboard
    HIROYUKI NORITAKE : Drums
    MITSURU SUTOH : Bass

(ソニー/SONY 1990年発売/SRBL-1213)

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キース・ジャレット / アート・オブ・インプロヴィゼーション~キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー4

THE ART OF IMPROVISATION-1 『THE ART OF IMPROVISATION』(以下『アート・オブ・インプロヴィゼーション~キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』は“生けるアドリブ芸術”キース・ジャレット初にして(恐らく)最後のドキュメンタリーDVDである。

 正直,管理人は,この内容には満足していない。『アート・オブ・インプロヴィゼーション~キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』は,断片的資料を継ぎ接ぎしたドキュメンタリーなので,キース・ジャレット特有の“一貫したストーリー性”が欠如している。
 そう。『アート・オブ・インプロヴィゼーション~キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』は,ジャズ・ピアニストキース・ジャレット“歴史資料集”なのであって,感動ものではない。

 しかし『アート・オブ・インプロヴィゼーション~キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』は,キース・ファンにとっては“かけがえのない夢のような宝物”である。内容不足を補って余りある“貴重品”なのである。
 管理人はこのDVDの完成を創造の神に感謝している。加えて,キース・ジャレットの「心の鍵」を開けてくれた,真摯なスタッフの努力に感謝している。『アート・オブ・インプロヴィゼーション~キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』には“人間”キース・ジャレットのありのままの姿が記録されているからだ。

 キース・ジャレットは,決して妥協を許さない,完璧主義者の芸術家である。だからこそ“前人未踏”の偉大な仕事を数多く成し遂げてきた。
 そんなキース・ジャレットのポリシーの一つが「プロモーションのためには決して演奏しない」こと。そう。キース・ジャレットというジャズメンは,決してお金では動かない。いや,動けない人なのである。

 過去において『アート・オブ・インプロヴィゼーション~キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』と同様のフィルム企画が多数持ち込まれていたそうだが,その全てをキース・ジャレットは断わってきた。彼の信念がそれを許さなかった。キース・ジャレットは「その仕事を真にやるべき価値があり,その仕事の完成を共に喜びあえる仲間とでなければ」決して仕事をしないのである。
 それゆえ,とにもかくにも,一本のドキュメンタリー作品が完成し,手元に存在しているこの事実に心から感謝している。あの気難しいキース・ジャレットからの信頼を勝ち得,出演交渉で“くどき落とす”ことなど,女優に濡れ場を演じさせること以上に困難極まりなかったに違いない。スタッフが費やした多くの時間と労力に感謝するばかりである。

 さて,そんな誠実なスタッフたちの努力の結晶である『アート・オブ・インプロヴィゼーション~キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』は,日独英共同制作。3カ国所有の“お宝映像”が多面的に編集されている。貴重な映像資料群ゆえ(本論の流れを無視し)詰め込み過ぎた印象が残る。まぁ,散漫になるのは致し方のないことなのだろう。
 それよりも管理人の目に留まったのは,時系列を無視した編集にある。チャールス・ロイド・カルテットマイルス・デイビス・グループと来れば,次はソロ・ピアノか,アメリカン・カルテットなのであろうが,ヨーロピアンクラシック~『スピリッツ』が先に来たので,ヤン・ガルバレクよりデューイ・レッドマンの方が印象に残ってしまった。
 おかげで『アート・オブ・インプロヴィゼーション~キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』を見終わった瞬間から,アメリカン・カルテット,とりわけローズアンのハートを射止めた『フォート・ヤウ』のヘビー・ローテーションが始まっています。はい。

THE ART OF IMPROVISATION-2 ここまで『アート・オブ・インプロヴィゼーション~キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』の内容不足について毒づいてしまったが,唯一,慢性疲労症候群と闘っていた時のエピソードは真に感動的である。

 “生けるアドリブ芸術”キース・ジャレットは,健康を犠牲にしてまで音楽の創造に没頭してきた。その代償として支払われたのが「身体をエイリアンに乗っ取られた」と語った慢性疲労症候群による衰弱。ピアノも見れない。蓋を開ける力もない。3分以上は話しさえできない。そんなどん底のキース・ジャレットを,家族や友人みんなで慰め,励まし続けたのだ。

 そんな闘病生活の末,産み落とされた傑作が『メロディ・アット・ナイト,ウィズ・ユー』。
 ローズアンへのクリスマス・プレゼントである『メロディ・アット・ナイト,ウィズ・ユー』は,わずか1,2分しか演奏できない状態の中でのソロ・ピアノである。プレゼント用DATにはリボンがかけられていたそうであるが,回想しつつも感動で言葉が詰まるローズアンへのインタビューには心を打たれた。
 「病気は教師。今は作曲活動は行なっていない。演奏できるのは奇跡。演奏以外の形で音楽に関わるのは違うと思った。演奏できる奇跡だけでいい」とキース・ジャレットは語っている。

 そう。これぞ『アート・オブ・インプロヴィゼーション~キース・ジャレット・ザ・ドキュメンタリー』の結論であり,インプロヴァイザーとしてだけでなく作曲家としても名を馳せた“ジャズ・ピアニストキース・ジャレットの真実であろう。

 近年,キース・ジャレットは『レイディアンス』『カーネギー・ホール・コンサート』と,即興演奏を披露できるほど体力が回復している。キース・ジャレット・トリオの最新作『マイ・フーリッシュ・ハート』が凄すぎる。
 2008年5月,キース・ジャレットが再び日本上陸する。管理人も大阪まで乗り込む予定である。

(ビデオアーツ/VIDEOARTS 2005年発売/VABJ-1163)
(ライナーノーツ/稲岡邦弥,マイク・ディブ)

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山中 千尋 / リーニング・フォワード4

LEANING FORWARD-1 自称“独身貴族”の管理人ですから「お見合い」などしたこともなければ,金輪際することもないでしょう。ただし夢の世界,空想の世界,バーチャルの世界では「お見合いし放題」です。
 だってTVをつければ,次々とかわいい女の子が登場して来るではありませんかっ。まっ,永遠に“一方通行”ですけどね。

 でも正確にはTV「お見合い」など「お見合い」などではない。やはり「お見合い」なるもの“写真でしか見たことのない人と”会食するものであろう。そう。静止画から動画へのドキドキ感! 写真の彼女が動いている! ( この後も管理人の妄想話は延々続くのでありますが,今回はここまで…。お・し・ま・い )

 さて,山中千尋である。写真で見る山中千尋は“キレカワ系”。あっ,管理人が山中千尋を好きなのは“あくまでも”音楽性。容姿は二の次です。
 本命はプロのジャズライター島田奈央子」さんですから…。ねっ,クマクレアさん!?(内輪ネタです)

 でもやっぱり「ちーたん」(山中千尋)も気になる。それで「お見合い」してみました。静止画から動画の「DVDお見合い」です。
 そう。『LEANING FORWARD』(以下『リーニング・フォワード』)で,初めて“動く”山中千尋嬢を拝見したのです。

 LIVE評でよくある“生で見てガッカリ”という反応。残念ながら管理人の『リーニング・フォワード』評も“その口”です。
 きっと“お嬢様でお人形”を勝手に期待しすぎた反動なのでしょう。それともあの超一流のピアノの音に“超絶技巧”を期待してしまったのかもしれません。
 NO! 犯人は上原ひろみ嬢かもしれません。山中千尋と「お見合い」する前に,上原ひろみの,あの圧倒的パフォーマンスを見せられてしまったから…。
 そう。山中千尋はちっとも悪くありません。いつでもニコニコ。笑顔でピアノを弾いています。

 澤野工房DVDはこの一枚しか所有していないので,澤野工房DVDが全て『リーニング・フォワード』と同じ作りかは不明ですが,ハッキリ言ってこの映像は新しい! クレーンが飛び交い「上下左右&前後」+レール上をカメラが駆け抜け「クローズ・アップ」! 文字通り,山中千尋を“激写”しまくっています。

 そしてここが『リーニング・フォワード』最大の“売り”であろう,大きなガラス越しに映される“大阪の町並み”と山中千尋ピアノとのコラボレーション!
 LIVEが進むにつれ,夕暮れから夜景へと変化するバック・ステージ。時間と共に刻一刻とその表情を変えていく町並みがアクセント! “指揮者”山中千尋ピアノに呼応する“人と車の流れ”がお見事である。
 真っ赤なネオンさえピアノを照らすスポット・ライトへと変化していく! そんな都会の雑踏とドラマティックなライティングを味方につけた山中千尋の“快演”が交差する最高の瞬間!
 そう。静かに流れる“極上の時間”が記録された『リーニング・フォワード』の真実とは「山中千尋 IN 大阪物語」なのである。

LEANING FORWARD-2 『リーニング・フォワード』は「TWILIGHT SET」&「EVENING SET」の2ステージに「BONUS TRACKS」を加えた3部構成。セット毎に衣装のお色直しも楽しめる。そう。一度に3回も「お見合い」できてしまうお得盤である。

 ピアノを演奏している“動く”山中千尋は「顔に似合わぬ」筋肉質であった。あの華奢な体で“男性顔負け”の力強いフレーズを繰り出す秘訣が垣間見えた。あの“ピアノ・サイボーグ”ばりの鍛え上げられた二の腕に“納得”です。
 そして次に目がいってしまうのは,山中千尋の“愛くるしい”笑顔でしょう。ほのぼのと楽しそうにピアノを弾き続ける姿に胸が“キューン”。バラードでは一転,眉間にしわ寄せ苦しそうな表情を浮かべる姿に,またしても“キューン”。

 なんだかんだ言って『リーニング・フォワード』を結構楽しんでいる管理人。冒頭の“ガッカリ&期待外れ”は何処へ行ったのでしょうね?
 いかに期待と妄想が桁外れに膨らんでいたのかが良〜く分かります。今度は等身大の期待を抱いて,LIVE会場で「一方通行お見合い」でもしてみようと思っています。←おお,危険人物?

 それにしても未だ『リーニング・フォワード』だけに収録されている【MELO】と【SEJO】は秀逸。いつになったらCDへも吹き込んでくれるのでしょうね。アンチ“映像物”の皆さんにも,この2曲だけは買って聴く(見る)価値があると思っています。

 そんなこんなで…。ちーたんファンを自認するなら,少々ガッカリものの『リーニング・フォワード』もお忘れなく!

    TWILIGHT SET
  01. Girl From Ipanema
  02. Melo
  03. Taxi
  04. Ballard For Their Footsteps〜Three Views Of A
     Secret

  05. Living Without Friday

    EVENING SET
  01. I Got Rhythm
  02. S.L.S.
  03. Plum The Cow
  04. Yagibushi
  05. 2:30 Rag
  06. In A Sentrimental Mood

    BONUS TRACKS
  01. Someday Somewhere
  02. Sejo

    CHIHIRO YAMANAKA : Piano
    BEN STREET : Bass
    BEN PEROWSKY : Drums

(澤野工房/ATELIER SAWANO 2003年発売/SDV002)
(ライナーノーツ/北見柊)

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パット・メセニー・グループ / ザ・ウェイ・アップ ~ ライヴ5

THE WAY UP - LIVE-1 生涯に一度“立ち会えるか”どうかの奇跡のライブ! そのライブを偶然収録することができた奇跡のDVD! それこそ“我らが”パット・メセニー・グループの『THE WAY UP - LIVE』(以下『ザ・ウェイ・アップ ~ ライヴ』)である。
 『ザ・ウェイ・アップ ~ ライヴ』のおかげで,管理人も上記「奇跡の二重奏」の“目撃証人”となることができた。いずれ読者の皆さんも…。

 むろん,正確には『ザ・ウェイ・アップ ~ ライヴ』は「奇跡の二重奏」などではない。恐らくライブの出来に関しては,パット・メセニー・グループというもの,ツアー中も更なる向上を目指すことで知られるバンドであるがゆえ,最終公演近くの“練りに練り上げられ,成熟された演奏”がベストだったと思うし,収録日に関しては,現地韓国スタッフが入念な準備のもと,いわばライブの開演を“手ぐすね引いて待ち構えていた”状態だったとも思う。
 そんなの分かりきっている。百も承知である。でも,それでも管理人は『ザ・ウェイ・アップ ~ ライヴ』を,敢えて「奇跡」と呼ぶのである! ← 「セラビー,カッコイイ」! この掛け声はオリエンタルラジオ風でお願いしま~す。

 それはなぜか? 理由は『ザ・ウェイ・アップ』という楽曲のインパクトに尽きる!
 『ザ・ウェイ・アップ』を(例えば1年後などと)時間を空けて,このクオリティで再演することなど,それが天才集団=パット・メセニー・グループの現メンバーたちであったとしても不可能に違いない,と思うからだ。

 『ザ・ウェイ・アップ』の解説は次期CD批評に委ねることとし,ここでは詳細は述べない。
 ただ一言。『ザ・ウェイ・アップ』こそ音楽家=パット・メセニーの全て。間違いなく彼の最高傑作であろう。
 そう。『ザ・ウェイ・アップ』は,どこをどう切っても,メセニー節のオンパレード。68分にも及ぶ超大作を暗譜するのも大変だろうが,パット・メセニーの音符を弾ききることはもっと大変。一回一回の演奏が大チャレンジの場と化している。

 管理人が上記の結論に達したのは,ふと目にした「特典映像」にヒントがあった…。
 これまで何度,この『ザ・ウェイ・アップ ~ ライヴ』を視聴したことだろう。骨の有りすぎるDVDであるだけに何度も繰り返し視聴してみたが,自分の言葉でDVD批評を執筆できるレベルまでは達しない。これほど“凄い&手強い”DVDは初めてである。
 読者の皆さんも,一度や二度は体験済みだと思いますが,演奏鑑賞中に手が止まってしまう。もはや批評どころではなくなってしまう。トリップさせられてしまう。例のアレのことです。

 それで特に興味があったわけでもなく“筆休め”のつもりで見た“おまけ”=「パット・メセニー・インタビュー」の中に『ザ・ウェイ・アップ ~ ライヴ』の秘密を解き明かす答えがあった!

 自宅には年に10日程しかいない,世界一の音楽バカ?=パット・メセニーをして「今回のツアーは特別」だと語っている。
 『ザ・ウェイ・アップ』については「スタジオの利点を生かして制作しようと思った。ライブのことは念頭になかった。“ライブで演奏するのは大変だ”と,過去の自分に文句を言いたい…」とも語っている。
 そう。スタジオ・ワークと位置づけていた『ザ・ウェイ・アップ』の再演が,今回のツアーの一番の見所。いつもの新鮮なアドリブへの探求心など微塵も感じられない。

THE WAY UP - LIVE-2 毎回会場も異なればオーディエンスも異なる。レコーディングからツアー・メンバーも変わっている。再演不能の理由なら幾らでも挙げることができるだろう。
 しかしそんな障害など何も無かったかのごとく,パット・メセニー・グループは『ザ・ウェイ・アップ』の再演を目指す! 過去の偉大な自分たちへ近づくため,いや,過去の偉大な自分たちを越えるために,新生パット・メセニー・グループが“命を削っていく”のである。

 ただし,これはチャレンジであって苦行ではない。演奏中のメンバーの表情を見ていると,全員が超難曲『ザ・ウェイ・アップ』の演奏にハマッている。とりこになっている。この楽曲の深みへと誘われている。
 そんな超難曲と真剣に向きあい,幾つものギターを“弾きまくる”パット・メセニーの表情にグッとくる。

 『ザ・ウェイ・アップ』のCDもそうだが『ザ・ウェイ・アップ ~ ライヴ』のDVDも,そう何度も視聴できるものではない。
 何せ1曲68分(ボーナス・トラック入り日本盤CDは更に驚異の74分!)の「プロテスト・ミュージック」! 所有していても,そう易々と視聴できるものでもない。リスナー側にも「時間・体力・集中力」が要求されている。

 しかし注ぎ込んだその努力は必ず報われる。準備すれば準備するほど,得られる感動は倍加する。努力と喜びは『ザ・ウェイ・アップ ~ ライヴ』に関する限り比例する。
 この全てに関して管理人が全責任を担おう。そう。管理人のジャズフュージョン批評家人生をかけて「五ツ星」を保証する。

  01. OPENING
  02. PART 1
  03. PART 2
  04. PART 3

    PAT METHENY GROUP
    PAT METHENY : Guitars
    LYLE MAYS : Piano, Keyboards
    STEVE RODBY : Acoustic Bass, Electric Bass
    ANTONIO SANCHEZ : Drums, Electric Bass
    CUONG VU : Trumpet, Vocals, Percussions, Guitar
    GREGOIRE MARET : Harmonica, Guitar, Vocals,
                   Percussions, Electric Bass

    NANDO LAURIA : Guitar, Vocals, Misc Percussion &
                Instruments


(ビデオアーツ/VIDEOARTS 2006年発売/VABG-1216)
(ライナーノーツ/工藤由実,パット・メセニー)
★特典映像:パット・メセニー・インタヴュー

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セロニアス・モンク / セロニアス・モンクの肖像4

AMERICAN COMPOSER-1 管理人は,好きなジャズメンを“徹底的に掘る”のが好きだ。読者の皆さんが,管理人と同じ“コレクター”であるならば,その醍醐味については説明不要であろう。
 ただしこれがエスカレートしてくると,集める楽しさを通り越し「全部集めないと気が済まない」といった“脅迫観念”に襲われるのでほどほどに…。

 さて,そんな“コレクター”気質をお持ちの読者の皆さんなら,リーダー・アルバムを完全制覇 → サイドメンもの → 映像ものへとシフトしていくはず?
 さらにもっと症状が悪化すると,ジャズメンの生い立ちなど,音楽以外のバックボーンをも追い続けることとなる。
 本末転倒OKじゃないですか。それでこそ,一人前のジャズ・マニア!? いえいえ。「大人の」ジャズ・マニアは,純粋に音楽,アドリブだけを聴き続ける。この本末転倒は,さなぎから成虫への脱皮,大人への登竜門なのである。

 と,のっけから高飛車トークで「ドン引き」させたかもしれませんが,これは管理人の実体験。自戒の念が込められています。
 実話。管理人が脱線したジャズメンの一人がセロニアス・モンク! 「モンクス・ミュージック」の真髄に接せねば,とDVDAMERICAN COMPOSER』(以下『セロニアス・モンクの肖像』)を愛聴したものだった。

 『セロニアス・モンクの肖像』は,独創的な「モンクス・ミュージック」の魅力を克明に捉えた音楽ドキュメンタリー!
 セロニアス・モンクの音楽ルーツを,身近な友人たちのインタビューを交え紐解いていく。

 特にピアニスト仲間のランディ・ウエストンバリー・ハリス,プロデューサーのオリン・キープニュース,息子のセロニアス・モンク・ジュニアによる“証言”が興味深い。重みがある。
 勿論,動くセロニアス・モンクも拝めるし,オフィシャルものとしては“本邦初登場”バド・パウエルの“お宝映像”も収録されている。正真正銘,モンク・ファン“必携”のDVDである。

AMERICAN COMPOSER-2 やはりセロニアス・モンクは苦闘していた。売れない“日陰の時代”が長かった。世間がやっとモンクの感性に追いつき“陽の当たる場所”に立てるようになった。
 しかしその瞬間モンクは先を走っている。モンクの中で広がるギャップ~ますます悪化する演奏環境~ついに絶望に耐えきれず引退。なんという損失。

 『セロニアス・モンクの肖像』は,セロニアス・モンクの絶頂期には余り触れていない。そう。「モンクス・ミュージック」は,不遇時代に確立されたジャズ! 若き下積み時代に充満する,創造のためのエネルギー! 誰も真似できない,誰も到達できない孤高のジャズ・ピアノ・スタイルは,一人自宅の練習中に誕生したのである。

 「モンクス・ミュージック」に近づきたければ“急がば回れ”! CDを10回聴き込むよりも,DVDセロニアス・モンクの肖像』を一聴した方が理解が深まる。これも管理人の実体験である。

(コロンビア/COLUMBIA 1999年発売/COBY-90057)
(ライナーノーツ/小川隆夫)

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カシオペア / カシオペア・アゲイン5

CASIOPEA AGAIN-1 フュージョンの「スゴ腕たち」のスーパー・プレイには聴く者たちを圧倒的する“力”がある。目が点&お口あんぐり状態。「これ,どうやって弾いているの」。
 そこで決定的な衝撃! 予想もしない結末! 映像を見て仰天してしまう。椅子に腰掛け,ただ弾くだけでも大変だと言うのに,なんとなんと“振付で”踊りながら弾きまくっている!
 あり得ない。ウソでしょう? いいえ。ウソではありませぬ。管理人は自分の目で何十回も確かめた。読者の皆さんにも自分の目で確かめてほしい。証拠は現に存在する。
 そう。DVDCASIOPEA AGAIN』(以下『カシオペア・アゲイン』)!

 『カシオペア・アゲイン』は過去のカシオペア映像作品の集大成! 管理人が昔欲しかったLDからの抜粋が超お得なシロモノである。
 管理人は“生”カシオペアを,一体何回目にしたのだろう。だからここで断言できるのだが,カシオペアLIVEは超エンターテイメント! ただの一度もガッカリして家路に着いたことなどない。毎回絶対に楽しめる。
 『カシオペア・アゲイン』は,そんなカシオペアLIVE総集編なのだから“はずれ”がないのは当たり前! 全ての楽器野郎,全てのフュージョン・ファンのみならず,全ての音楽好きに自信を持ってお奨めできる。

 さて,カシオペアの“名誉”のために補足しておくと,この映像が必ずしも彼らのベスト・パフォーマンスとは限らない。この映像が“たまたま記録されていただけ”のことであって,経験上,もっとグレートなステージはたくさんあった。ファンとしては,これがカシオペアの“全て”とは思ってほしくないのだ。
 しかしそれでも『カシオペア・アゲイン』には,デビュー当時の秘蔵映像から“絶頂期”に至るまでの歩み,歴史が収められている。“懐古趣味”を楽しめる。管理人にとっては貴重な青春の1ページ,かけがえのない映像記録なのだ。

CASIOPEA AGAIN-2 カシオペア=青春ではない人たちにはCDミント・ジャムス』の【ドミノ・ライン】を聴いた後に『カシオペア・アゲイン』【ドミノ・ライン】の“ドミノ倒し”を見てもらいたい。まさかこれが“ドミノ倒し”の真実だとは?
 答えは見てのお楽しみ…。“あっと驚くタメ五郎”な展開に,つい“ニンマリ”してしまうはず。

 そう。カシオペアはやっぱりLIVE! カシオペアこそ,真のライブ・バンド! ダンシング・ファンキー・フュージョン・バンド!
 『カシオペア・アゲイン』を見て,聴いて,心ゆくまで楽しんでください。

  01. BLACK JOKE
  02. TAKE ME
  03. HAVE A NICE DREAM
  04. DOMINO LINE
  05. MIDNIGHT RENDEZVOUS
  06. LOOKING UP
  07. SPACE ROAD
  08. EYES OF THE MIND
  09. SPICE ROAD
  10. DAZZLING
  11. DOWN UPBEAT
  12. SPACE ROAD
  13. FROU FROU
  14. THE CONTINENTAL WAY
  15. TWILIGHT SOLITUDE
  16. DRUMS SOLO
  17. MISTY LADY
  18. BASS SOLO
  19. EYES OF THE MIND
  20. ASAYAKE
  21. MARINE BLUE
  22. GALACTIC FUNK
  ・ HALLE (TV SPOT)
  ・ CASIOPEA HISTORY
  ・ GUITAR COLLECTION
  ・ BASS COLLECTION

    CASIOPEA
    ISSEI NORO : Guitar
    MINORU MUKAIYA : Keyboard
    TETSUO SAKURAI : Bass
    AKIRA JIMBO : Drums

(ソニー/SONY 2000年発売/SRBL-1078)

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