アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

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CD批評:桑原 あい

桑原 あい トリオ・プロジェクト / ラブ・テーマ3

LOVE THEME-1 「桑原あいトリオ・プロジェクト」の真実とは,桑原あいオリジナル曲を演奏するピアノ・トリオにして,森田悠介が「裏」で桑原あいを回すためのプロジェクトであったはず。

 なのに「桑原あいトリオ・プロジェクト」名義の4枚目にして,このコンセプトが変化した。
 そう。『LOVE THEME』(以下『ラブ・テーマ』)で演奏するのは,桑原あいオリジナル曲なしの全曲有名曲のカヴァー集である。
 加えて,ベースエレベ森田悠介が半分で,もう半分がコントラバス須川崇志という新編成である。

 森田悠介を相当買っていると公言していたくせに,須川崇志も大好きなベーシストなので,どちらかというと「桑原あいトリオ・プロジェクト」の“ワンランク上の変化”を期待して購入したのだが…。

 『ラブ・テーマ』は全然ダメだ。こんなにもありきたりな演奏だとは思わなかった。曲をなぞっただけの感じに落ち着くとは思わなかった。
 森田悠介よ,一体どうしたのだ…。「桑原あいトリオ・プロジェクト」においては「裏方」の森田悠介の才能の方が「メイン」を張る桑原あいの才能以上だと高く評価していたのに…。

 『ラブ・テーマ』の選曲もミスったと思う。スローからミディアム・テンポ中心なのでヒーリング系とかクラシック調とかのBGMを狙っているのか?
 「上原ひろみプログレ桑原あい」のイメージだったから尚更ガッカリである。どうせカヴァーをやるのなら,例えば,西山瞳が主宰する「NHORHMNEW HERITAGE OF REAL HEAVY METAL)」のようにHRHMの方が潔いし上手く行く。

 桑原あいにはスロー・バラードではなくハードでガンガンでギンギンの方が様になる。森田悠介もその辺は熟知したうえでのイメージ・チェンジ?
 アレンジにしても,それこそ山中千尋のように原曲の面影が残らないくらい激変しているわけではない。とにかく『ラブ・テーマ』について言いたいのは“大人しすぎる”。

LOVE THEME-2 ファンならずとも,桑原あい本人もちょっと違うと思ったのではなかろうか? 結果『ラブ・テーマ』が「桑原あいトリオ・プロジェクト」名義の最終作。

 非オリジナルにしてスロー系の『ラブ・テーマ』が失恋もどきで暗いジャズ・ピアノ集。聴いていて楽しいアルバムではない。
 将来“蜜月関係”が復活することがあるにしても,駄盤『ラブ・テーマ』で,これまでの順調で良好な関係が一時終了したのだ。

 その桑原あい森田悠介の間に割って入ったのがドラム石若駿桑原あいも今時の独身女性の一人である。
 森田悠介から石若駿へ目移りしたとしても,それが音楽的な意味合いであれば悪いことではないと思います。ですが真相は…。

  01. Amapola〜Deborah's Theme (from“Once Upon A Time In
     America”)

  02. Here There And Everywhere
  03. Finale (Tango Apasionado)
  04. In Your Own Sweet Way
  05. Nomad
  06. Barry Lyndon (Love Theme) (from“Barry Lyndon”)
  07. 21st Century Schizoid Man
  08. Peace
  09. Grandfather's Waltz
  10. A Journey To Reedham

(イーストワークス・エンタティンメント/EWE 2015年発売/EWER-1004)
(紙ジャケット仕様)

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桑原 あい トリオ・プロジェクト / フロム・ヒア・トゥ・ゼア5

FROM HERE TO THERE-1 「桑原あいトリオ・プロジェクト」である。「トリオ・プロジェクト」と聴いたら,まずは上原ひろみを連想するものであろう。
 これって上原ひろみと比較させるための桑原あいの戦略なのだろうか? 管理人は桑原あいによる「上原ひろみのフォロワー宣言」だと受け取った。
 そう。桑原あいが溺愛する上原ひろみのスタイルとは,実はピアニストの部分ではなくて,あのアグレッシブでプログレッシブな作編曲能力にある。

 その点で“天才”上原ひろみはギリギリまでいっても破綻しないのだが,桑原あいは途中で飛び立ってから元へ帰って来れない部分がある。いいや,一度破綻してからが“勢い勝負”。若干21歳の女子である。力業でアクロバティックに着地してみせる。若さだよねぇ。聴けば聴くほど面白くなる!

 プロとしての経験を積めば積む程『FROM HERE TO THERE』(以下『フロム・ヒア・トゥ・ゼア』)のような“破天荒な”アルバムは作りにくくなると思う。桑原あい自身も,もう2度と同じものを作ることなどできやしない「幻のお化けアルバム」の誕生であった。
 そう。桑原あいの「アイディアがグッチャグチャ状態の頭の中」がそのまんま音として記録されたのが『フロム・ヒア・トゥ・ゼア』である。

 いや〜,インディーズっていいですね。何の制約もなく本当にやりたい音楽を形にして発売することができる。『フロム・ヒア・トゥ・ゼア』こそが「桑原あい100%」(アキラ100%風)の魅力であろう。
 ただし『フロム・ヒア・トゥ・ゼア』が「桑原あい100%」に聴こえるのは,バンド・リーダーであるベース森田悠介の才能が大きい。

 桑原あいの「アイディアがグッチャグチャ状態の頭の中」を理路整然と形にしている。それも今となっては“確信犯”であろうが,森田悠介の好みのアイディアだけを桑原あいの頭の中ら抜き出している。

 ズバリ「桑原あいトリオ・プロジェクト」の真実とは,桑原あいオリジナル曲を演奏するピアノ・トリオにして,森田悠介が「裏」で桑原あいを回すためのプロジェクトなのである。

FROM HERE TO THERE-2 その意味で管理人は「桑原あいトリオ・プロジェクト」を「ジャズフュージョン界のドリカム」に例えよう。
 桑原あいを語るのなら,比較対象は上原ひろみではなくて吉田美和の方である。裏でガッツリとプロデュースする森田悠介によって,桑原あいが最高の演者として,前面で輝くためのピアノ・トリオなのだと思う。

 森田悠介押しの管理人としては『フロム・ヒア・トゥ・ゼア』の聴き所は,森田悠介の超カッコイイ“変拍子GROOVE”に小躍りする桑原あいのエレガントなピアノであると信じている。

 時にジャズ,時にフュージョン,時にプログレ,そして時にドリカム…。
 桑原あいよ,森田悠介に逆らうな。森田悠介に身を委ね続けよ…。

  01. BET UP
  02. 3=log2(8)
  03. from here to there
  04. Edit typos.
  05. Chronometer
  06. mind blindness
  07. Circuit River
  08. Portrait of an old man
  09. Riverdance
  10. HiCCups!

(イーストワークス・エンタティンメント/EWE 2012年発売/EWCD-0191)

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