アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

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CD批評:RESONANCE VOX

レゾナンス・ヴォックス / RESONANCE VOX4

RESONANCE VOX-1 管理人は「レゾナンス・ヴォックス」自らのバンド名を冠した3rd『RESONANCE VOX』を聴いて,渡辺香津美にバンドのギタリストを求めるのはやめることにした。求めても無理なものは無理なのである。

 渡辺香津美の進む道は得意の“セッションギタリスト”方面。渡辺香津美には「孤高のギタリスト」が似合うのであり,渡辺香津美和田アキラ野呂一生安藤まさひろにはなれないことが分かったのだ。

 誤解しないでほしい。『RESONANCE VOX』で展開されるフュージョン・ミュージックは最高レベルである。『RESONANCE VOX』は「レゾナンス・ヴォックス」としての3作目。ついにこなれたバンド・サウンドが展開されている。
 そう。『RESONANCE VOX』は一聴するとポップで聴きやすい。次の瞬間何が起こるか分からなかった『PANDORA』や多数のアイディアが具現化された『0−X−0』と比較すると,じっくりと腰を据えて耳を傾けられる安心感がある。

 しかし,だからこそ大いに物足りない。これが渡辺香津美自慢のバンド・サウンドなのかと。渡辺香津美がリクエストしたメンバー3人を擁してもピリッとしない。これが新バンドの到達点だったのかと。苦しい。+αが感じられない。
 事実『RESONANCE VOX』が「レゾナンス・ヴォックス」のスタジオ録音最終作。+1のライブ盤『自業自得』が自業自得。お祭りライブを最後に「レゾナンス・ヴォックス」は散ってしまった。

 原因がある。理由がある。渡辺香津美は日本一の“超絶テクニック系”ギタリストである。ゆえに自らの技巧に溺れてしまった。いや,プロとしてとことんテクニックを追求してしまった。そう。ここが落とし穴。つまり「リスナー不在でリスナー無視な」“音楽の大家”を目指してしまった。

 『RESONANCE VOX』のシンプルで無駄や遊びのない計算しつくされた音世界。遊びとか,無駄とか,余分な贅肉とか,装飾とか,音楽の骨格以外の要素が全部削ぎ落としされた「無骨でストイック剥き出しの音」。この音造りはまるでアスリートのようである。
 そう。『RESONANCE VOX』の4人が,夢中になって,ただただ高くジャンプする。どこまで自分たちの理想に近づけるかを実験している。「この音造りについてこれるヤツだけついてくればいい。ついてこれないヤツは置いて行く〜」。

 そう。「レゾナンス・ヴォックス」は渡辺香津美の玄人路線。流行やリスナーに媚びない“無骨なフュージョン”大展開。鼻からバンド・サウンドなど目指してはいない。目指すは“音楽の大家”なのだから…。
 渡辺香津美に“連れ回された”バガボン鈴木東原力哉八尋知洋は最高にエキサイティングしたことだろう。

RESONANCE VOX-2 管理人の結論。『RESONANCE VOX批評

 『RESONANCE VOX』は渡辺香津美の“究極”フュージョン。『RESONANCE VOX』が渡辺香津美フュージョンの限界。
 『RESONANCE VOX』の真髄は「種も仕掛けも一切ない」高度なフュージョン。野性を知性でコントロールすると,アンチ・バンドなセッション集団=「レゾナンス・ヴォックス」へと行き着いたのだった。

 そういう訳で次は『おやつ』『おやつ◆ ̄鸞』でのアコースティックギターソロへと一直線。もうフュージョン・バンドは腹一杯のゲップですよね,香津美さん?

  01. 雨の水曜日
  02. BARONG
  03. Partido Forte
  04. No Money, No Girl, No Business, -But We Still Have
     Music!

  05. Pona Pela
  06. Karula
  07. Glory's Stomp
  08. On The Beach
  09. Iron Claw
  10. Merci Brice
  11. Flor

(ポリドール/DOMO 1993年発売/POCH-1250)
(デジパック仕様)

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レゾナンス・ヴォックス / O-X-O4

O-X-O-1 『PANDORA』で“ホトバシッタ”アイディアを具現化した「THIS IS ザ・渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」な音。それが『0−X−0』である。

 事実『0−X−0』以降「レゾナンス・ヴォックス」は「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」から「渡辺香津美」の看板を下ろしてしまう。これぞ4人対等な「バンド宣言」なのだ。
 いいや「レゾナンス・ヴォックス」は4人対等ではない。4人が「小競り合い」しながらの「四人五脚」なチームワーク。バンド内コンテストの結果は『PANDORA』では東原力哉が1位だったが『0−X−0』の1位はバガボン鈴木

 ベーシストバガボン鈴木のアーティスト名はバガボンであってバカボンではないのだが,今回ばかりはバカボン鈴木と呼んでしまおう。そう。バガボン鈴木は“天才”バカボン。日本にまだこんな「天才」ベーシストが埋もれていたとは…。

 管理人は『0−X−0』でバガボン鈴木にロックオン。レゾナンス・ヴォックス以前のバガボン鈴木の演奏は知らない。しょうがないので『PANDORA』でのプレイを聴き直してみるのだが,これが全然目立っていない。耳にスッと入ってこない。
 なのに『0−X−0』ではバガボン鈴木ベースしか耳に入ってこないから不思議でならない。

 渡辺香津美ギターが最高だ。【DREAM INVADER】での【LIM−POO】を想起させるアドリブが大好物。
 東原力哉ドラムが最高だ。片やワイルドでファンキーな【0−X−0】。片や【WISE UP】【YA TOKOT YA】でのシーケンシー。東原力哉の七変化のドラミングこそが「無国籍」バンドのトレードマーク。
 八尋知洋パーカッションが最高だ。【AMAPOLA NEGRA】のハイライトは渡辺香津美ギター小林靖宏アコーディオンの間を切り裂く八尋知洋パーカッションである。

O-X-O-2 でもでも,そんな3人の名演奏は全てバガボン鈴木の引き立て役。バガボン鈴木チョッパー・ベースフレットレス・ベースがビッグ・ウェーブ。自由自在に大波・小波をノリまくる。
 そう。『0−X−0』の聴き所は1点。バガボン鈴木の“生命感あるリズム”に尽きる。

 詰め込めるだけ詰め込んだ重量級の『PANDORA』から,煌びやかな「原色系」サウンドへと飛翔した『0−X−0』への進化は「フィーチャリングバガボン鈴木」色の“突出”にある。

 管理人の結論。『0−X−0批評

 (ジャケット写真のチェス参照)『0−X−0』でバガボン鈴木渡辺香津美をチェックメイト。結果「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」が「レゾナンス・ヴォックス」を名乗るとしてもバンド・サウンドには至っていない。2作連続こなれていないセッション・バンドのままはなぜ?

  01. Unlucky Heaven
  02. Dream Invader
  03. Wise Up
  04. Renu
  05. Saicoro
  06. O-X-O
  07. Amapola Negra
  08. Ya tokot Ya
  09. Cyber Pipeline
  10. 牡丹の花

(ポリドール/DOMO 1992年発売/POCH-1142)
(デジパック仕様)

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渡辺 香津美 レゾナンス・ヴォックス / パンドラ4

PANDORA-1 「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」のような,不思議で力強くて既成概念を払拭したフュージョン・バンドはそう多くない。

 「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」の音の醍醐味は,次に何が飛び出してくるか分からない痛快さ&恐ろしさ。フュージョンについて回るイメージをことごとく裏切り続ける。そんな期待感を常に抱かせてくれる“テンション高めな”新バンドの大登場。リキを入れずにユーモアが入っている。狙うは何かのパロディ・ミュージックなのか?(特にYMOの【FIRE CRACKER】)。

 「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」のメンバーは4人。リーダーでギター渡辺香津美に,ベースバガボン鈴木ドラム東原力哉パーカッション八尋知洋
 OH!よくぞこれだけ個性溢れるメンバーを集めてくれました。知性派と野性派が合体したメンバー構成が「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」のツボ。「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」は,何が飛び出してくるか“一か八かの”「禁断の音の玉手箱」。
 そんな「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」がデビューCD=『PANDORA』(以下『パンドラ』)で「禁断の音の玉手箱」=「パンドラの箱」を開けてしまった。

 『パンドラ』で開いた「パンドラの箱」。音の中身は「パンドラ」発祥の地,ギリシャ・トルコ方面の東西融和のオリエンタル・フュージョン。要は“無国籍”なフュージョン・ミュージック。
 「胆はロック,精神はジャズ,ファンクな心に頭ブラジル」。このバンドに付けられたキャッチコピーが「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」の全てを言い当てている。

 『パンドラ』には曲のイメージに合わせた5人+MAMBO BOYSのゲスト入り。でもでもやっぱり…。
 ゲストにキーボード・プレイヤーがいない。理由は「世界一」のギター・シンセサイザー・プレイヤー「渡辺香津美フィーチャリング」。ここにギター・トリオでホームラン3連発をかっとばした渡辺香津美の「こ・だ・わ・り」を見る。でもでもやっぱり2…。

 ヴァイオリンアコーディオンはメロディアスだが中途半端。バンドの音が“こなれていない”中でのごちゃごちゃ感有り。渡辺香津美の意識がゲストの音に集中しすぎて?3人のリズム隊とのコンビネーションが今ひとつの感有り。
 目指せ「無国籍」ゆえのアイディア&アドレナリンが出まくっている『パンドラ』だけは,渡辺香津美ギターの演奏に集中できる,鍵盤入りが最善の選択肢だったような…。
 まっ,そんな欠点が『パンドラ』の魅力でもありますが…。

PANDORA-2 管理人の結論。『パンドラ批評

 「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」の真髄は“一か八かの”「禁断の無国籍」。メンバー4人の圧倒的な演奏は素晴らしい。それだけに多彩なゲストを事前のアレンジ通りに演奏させた『パンドラ』が煮え切らない。

 渡辺香津美が「渡辺香津美レゾナンス・ヴォックス」で舵を切ったは,例えるなら「コードからモードへの変化」。全員に高度な音楽性が求められるだけに,もう少しだけ消化し熟成させる時間が必要だったかなぁ。

  01. Pandora
  02. Peking Doll
  03. Vega
  04. Ashita Tenki Ni
  05. Passy Home
  06. Dr. Mambo X.
  07. Fire Cracker
  08. Kumpoo Manman
  09. Arashi No Yoru Kimi Ni Tsugu
  10. Django 1953

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