アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

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CD批評:ダスコ・ゴイコヴィッチ

ダスコ・ゴイコヴィッチ / テン・トゥ・ツー・ブルース4

TEN TO TWO BLUES-1 管理人は『スインギン・マケドニア』派であるが,一般的にはダスコ・ゴイコヴィッチの代表作として『スインギン・マケドニア』以上の人気を誇るのが『TEN TO TWO BLUES』(以下『テン・トゥ・ツー・ブルース』)である。

 『テン・トゥ・ツー・ブルース』は,ダスコ・ゴイコヴィッチのワン・ホーン・アルバム。ダスコ・ゴイコヴィッチトランペットの魅力をストレートに堪能できるのが人気の秘密なのだろう。
 しかし,そんな理由は建前であって,実際には演奏とは別の部分で評価が“盛られている”気分がする。
 あっ,これから少しネガティブなことを書きますが『テン・トゥ・ツー・ブルース』は管理人もダスコ・ゴイコヴィッチ名盤として高く評価しています。誤解のないように。

 『テン・トゥ・ツー・ブルース』は1971年のリリース。世間ではフュージョンの嵐が吹き荒れ,ジャズの伝統は風前の灯であった。
 そんな時代にオーソドックスなワン・ホーンでのハード・バップ。しかもヨーロピアンジャズらしからぬ,アメリカン・ジャズ・ブルースの大連発!
 肩身の狭い思いをしてきた昔かたぎのジャズ・ファンに勇気を与えたのが『テン・トゥ・ツー・ブルース』でのアメリカン・ジャズ・ブルースの大連発! 
 正直,王道を待望していたファン心理に押し上げられたがゆえの「名盤格上げ」のように思っている。

 あるいはこういう論調もある。『テン・トゥ・ツー・ブルース』の主役はダスコ・ゴイコヴィッチトランペットではなく“盲目のピアニストテテ・モントリューの熱いピアノである。
 テテ・モントリューのダイナミックにドライブするラテンピアノが所狭しと駆け巡る。ダスコ・ゴイコヴィッチの哀愁を帯びたバラード・プレイを何倍にも膨らませて光らせる。説得されてしまうピアノである。
 正直,テテ・モントリュー名演に押し上げられたがゆえの「名盤格上げ」のようにも思っている。

 そして,そんな『テン・トゥ・ツー・ブルース』の再ブレイクが“新伝承派”ウィントン・マルサリスが登場した10年後のこと。
 管理人はウィントン・マルサリスを最後の最後まで擁護しますが,ウィントン・マルサリスを罵倒してきたのが,これまた管理人の“フェイバリット”であるキースジャレット本人,そしてダスコ・ゴイコヴィッチのファンたちなのです。

TEN TO TWO BLUES-2 『テン・トゥ・ツー・ブルース』を聴いていると,キースジャレットダスコ・ゴイコヴィッチのファンたちの主張も理解できてしまう。
 『テン・トゥ・ツー・ブルース』でのダスコ・ゴイコヴィッチの方が「ジャズの王道」なのであって,ウィントン・マルサリスのような“新伝承派”こそが「異端」である。そう主張するのに「もってこいの1枚」が『テン・トゥ・ツー・ブルース』であったのだと思う。

 こうして1度ならず2度までも「ジャズの王道」として引用されることになった『テン・トゥ・ツー・ブルース』。
 実は管理人のようなウィントン・マルサリス大好き人間には,さほど痛くもかゆくもなかったりする「小さな名盤」なのであります。

 これが『テン・トゥ・ツー・ブルース』ではなく『スインギン・マケドニア』を持ち出されたら,ちと手強いなと。中々太刀打ちできないかと。

  01. TEN TO TWO BLUES
  02. REMEMBER THOSE DAYS ( I REMEMBER O.P. )
  03. OLD FISHERMAN'S DAUGHTER
  04. I LOVE YOU
  05. A CHILD IS BORN
  06. LAST MINUTE BLUES ( BLUES TO LINE )

(エンサヨ/ENSAYO 1971年発売/MZCE-3010)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/後藤誠)

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ダスコ・ゴイコヴィッチ / スインギン・マケドニア5

SWINGING MACEDONIA-1 読者の皆さんが「自分の1枚」を選べと言われたなら一体何を選ぶのだろう。迷いに迷う選考過程を覗き見すると,きっと頭の中で名盤と言われるタイトルが行き来することだろうし“ジャズ・ジャイアント”と称えられる名前が行き来することと思う。

 …で,あるジャズ・アルバムのコレクターが出した「自分の1枚」の答えがこれ。
 ダスコ・ゴイコヴィッチの『SWINGING MACEDONIA』(以下『スインギン・マケドニア』)である。

 この事実に管理人は度胆を抜かれた。この答えにひれ伏した。確かに『スインギン・マケドニア』は大好きだけど,ダスコ・ゴイコヴィッチも大好きだけど,他の何百枚もの有名盤を押しのけて『スインギン・マケドニア』が指名されたという事実が受け入れ難かった。

 ジャズ批評のセオリーでは絶対に導き出せないマニアック盤=『スインギン・マケドニア』。『スインギン・マケドニア』が選ばれるなど想像したこともなかったのだが,言われてみればアリっちゃアリかも?
 ある素人ジャズ・ファンの出した答えに管理人も大いに勇気をもらったものだし『スインギン・マケドニア』を聴き返す度に合点がいったし納得するようにもなった。

 『スインギン・マケドニア』が大好きになったのは「自分の1枚」に関するエピソードを知ったから。だから,その理由を確認すべく普通のアルバム以上に注意深く聴き込んだのだと思う。そして本当に大好きになった。愛聴盤になった。
 田中さん,一生に1枚の出会いをありがとう。

SWINGING MACEDONIA-2 さぁ,読者の皆さん。この記事で興味が湧いたら次はあなたの番です。ジャズ・ファンなら死ぬまでに1度は聴いて欲しい1枚だと思っています。一部のマニアにしか知られていないとしても,名演,名盤の評価は時代が変わっても一致するものなのです。

 バルカン・マケドニアスイングは1曲として緩みがありません。ダスコ・ゴイコヴィッチの哀愁漂う美しいトランペットを,時に無意識のうちに鼻歌で歌って失敗することがあるんです。

 …ということで『スインギン・マケドニア』の細かな内容については敢えて言及しないことにします。これだけ書けばもう十分でしょ?

  01. MACEDONIA
  02. OLD FISHERMAN'S DAUGHTER
  03. JUMBO UGANDA
  04. THE GYPSY
  05. MACEDONIAN FERTILITY DANCE
  06. BEM-BASHA
  07. SAGA SE KARAME
  08. WEDDING MARCH OF ALEXANDER THE MACEDONIAN
  09. THE NIGHTS OF SKOPJE
  10. BALCAN BLUE

(フィリップス/PHILLIPS 1966年発売/TKCB-71979)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/青木和富,田中博)

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