
それで,何が書きたいのかと問われれば,管理人は音楽にのめり込んだ中学時代から現在まで,ジャズ・ギターやギター・フュージョンのアルバムで,名盤と称されるものは大抵聴いてきたということです。
ただし,今夜取り上げる,通称「スーパー・ギター・トリオ」による『FRIDAY NIGHT IN SAN FRANCISCO』(以下『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ〜スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』)は,つい最近聴いたばかりなのです。
ゆえに“若気の至り”で,アル・ディ・メオラ,ジョン・マクラフリン,パコ・デ・ルシアによる「超高速・超絶ギター・バトル」を聴きまった思い出はありません。
3人のスーパー・ギタリストのテクニックの応酬を聴き比べるパワーなど,40代も半ばになった今の管理人にはないことでしょう。もっと若い頃に聴いておけばよかった。
でも逆に聴くのが遅くなったから,今なら説得力を持つのかもしれません。これまで何百枚も「ギターの名盤」を聴いてきた耳を持ってして『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ〜スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』の衝撃は「前代未聞」!
『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ〜スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』レベルの高速バトルは過去に例がなかったと断言できる!
そして今後,未来永劫『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ〜スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』に肩を並べるギター・アルバムも出ないように思うのです。
今や管理人の耳は,音符以上に間の取り方にジャズっぽさを感じてしまいます。その意味でも『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ〜スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』が図抜けている!
アル・ディ・メオラ,ジョン・マクラフリン,パコ・デ・ルシアのレベルになると“超絶技巧”なる言葉では表現不足。早弾きなど「出来て当然」であって,その上でいかに音楽的なギターの“鳴り”を聴かせるか!
『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ〜スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』の聴き始めは,とにかく超高速カッティング&ピッキングに耳が奪われる。そして次第に早弾きと早弾きの間を埋める“メロディアスな”バッキングやフレージングに耳が行く。
そう。『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ〜スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』は,アコースティック・ギター2本だけ,3本だけのジャズ・ギターによる“アンサンブル”集。
サンフランシスコでのライヴ・ステージに上がった2人か3人は,時に自分が主役でもあり脇役でもあるのだった。
ズバリ,自分の陣地に相手を引き込もうというスタイルのアル・ディ・メオラ,逆に相手の陣地に入り込むスタイルのジョン・マクラフリン,そして一番の自信家=パコ・デ・ルシアの「ついて来れるものならついて来い」スタイルの違いが『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ〜スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』の白熱のアンサンブルであるバトルの真相だと思っている。

『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ〜スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』は“売り”である,アクロバティックなギターの“名人芸”が聴き所に違いないがハイライトは「上質のジャズ・ギター」に違いない。
そう。『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ〜スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』は,一部のギター・キッズだけが楽しむためのアルバムではない。実に音楽的なジャズ・ギターの“鳴り”に毎回魅了されてしまう。素晴らしい。
01. TEN TO TWO BLUES
02. REMEMBER THOSE DAYS ( I REMEMBER O.P. )
03. OLD FISHERMAN'S DAUGHTER
04. I LOVE YOU
05. A CHILD IS BORN
06. LAST MINUTE BLUES ( BLUES TO LINE )
(ソニー/SONY 1981年発売/SICP 30304)
(☆BLU−SPEC CD2仕様)
(ライナーノーツ/成田正)
(☆BLU−SPEC CD2仕様)
(ライナーノーツ/成田正)