アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

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CD批評:お洒落なジャズトリオ

お洒落なジャズトリオ & 海道美智恵 / ミッドナイト・ステージ4

MIDNIGHT STAGE-1 2002年11月に熊本県のとあるお店へ,山本英次ソロ・ピアノライブを数人の友人と数時間,車を飛ばして見に行った。
 自由席だったので管理人は山本英次ピアノの真横の座席を陣取った。
 そう。あの日のライブは音響など度外視して“ジャズ・ピアニスト山本英次のスーパー・テクニックを堪能するのが目的であった。

 1m以内の至近距離で観察する山本英次ピアノ・タッチは骨太であった。鍵盤をしっかりと押さえつけていた。ライブの後に山本英次と直接話する機会があったが「ピアノを鳴らしきることが大事」云々と語っていたのが,今でも記憶に残っている。

 …と山本英次の「超高音質」の秘密をのぞき見するために出掛けたソロ・ピアノライブだったのだが,途中からそんなことはどうでもよくなっていた。山本英次は“ジャズ・ピアニスト”だったのだ。

 記憶が定かではないのだが,多分,あれは何曲かをつなげたメドレーではなく,1曲の中の数小節を○○風に演奏するコーナーがあった。ジャズとかラテンとか,ノリをくるくる変えて演奏されていた。ジャズの楽しさを改めて体感して帰ってきた。

 その後の数日間は,山本英次ジャズ・アレンジが頭でくるくる〜。
 所有している『LULLABY OF PIANO MAN』『COFFEE BREAK WITH PIANO MAN』『TO FAZIOLI』のソロ・ピアノ3枚を聴き返してみたが,なんだか違う…。

 「お洒落なジャズトリオ」の『OJT IN KOBE』を聴く。ライブ盤だけあって,頭の中のモヤモヤが取れていく。うんうん。こんな感じのピアノだった。でも,ほんのちょっと違うかな。でも,もう『OJT IN KOBE』でいいや…。
 自分の中では終わった話だった。納得済の話だった。『MIDNIGHT STAGE』(以下『ミッドナイト・ステージ』)を聴くまでは…。

 『ミッドナイト・ステージ』と出会ったのは,管理人のオーディオ仲間でジャズ仲間のT君のお宅でのこと。実はT君。管理人の影響でオーディオにハマリ,ジャズにハマリ,山本英次に大ハマリ。今ではYPMCDコレクターと化している。最近はクラシックに傾倒しているようで,もはや管理人の手に届かない領域のマニアに到達している。

 そんな彼の100万円のオーディオ・システムで聴かされた『ミッドナイト・ステージ』の臨場感に,忘れていたはずの山本英次ソロ・ピアノライブを思い浮かべてしまった。胸を掻きむしられてしまった。
 今度は管理人が自宅に戻って『ミッドナイト・ステージ』をポチリ。

MIDNIGHT STAGE-2 『ミッドナイト・ステージ』の実にリアルな山本英次ピアノ吉田啓二ギター田野重松ベースの音色。この「超高音質」がなぜ無冠なの?
 そして海道美智恵ヴォーカルの生々しさ。肉声の再生能力が素晴らしい。T君のアコースティックで調整されたオーディオ・システムにKOされてしまったのだろう。

 ライブの感動を何度でも味わわせてくれるのが“オーディオの醍醐味”。『OJT IN KOBE』→『ミッドナイト・ステージ』で,山本英次ピアノを真横で聴いた『山本英次 IN 熊本』の感動が甦る。

 あっ,そう言えば『山本英次 IN 熊本』は山本英次ソロ・ピアノライブのはずだったのに,ゲストとして山本英次の息子=山本太郎クラリネットで出演していたよなぁ。
 海道美智恵ヴォーカル山本太郎クラリネットが被ってしまうのはそのせいなのかもしれないなぁ。

  01. 平成月見の舞
  02. サバ・ボサ
  03. シャイニー・ストッキング
  04. マガリバリ
  05. アズ・ロング・アイ・リブ
  06. 星に願いを
  07. バードランドの子守歌
  08. チェンジ・リズム
  09. プランツォ
  10. ミッドナイト・ステージ

(YPM/YPM 2001年発売/YPM-011)

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お洒落なジャズトリオ / お洒落なジャズトリオ IN 神戸4

OJT IN KOBE-1 またまた「超高音質」の話題で申し訳ない。演奏がダメだということでは決してない。
 しかし,山本英次を,そして「お洒落なジャズトリオ」を語ろうと思うと,音楽の良さとか演奏の良さの前に,どうしても「音の良さ」にフォーカスを当ててしまうことになる。

 「お洒落なジャズトリオ」のライブ盤『OJT IN KOBE』(以下『お洒落なジャズトリオ IN 神戸』)も「STEREO」誌2000年度「最優秀録音第2位」受賞の「超高音質」盤。
 管理人的にはオーディオ・マニアが部屋に遊ぶに来た時の大体の1枚目が『お洒落なジャズトリオ IN 神戸』の存在意義である。

 「お洒落なジャズトリオ」とは,ピアノ山本英次ギター吉田啓二ベース田野重松による,所謂,オールド・ピアノ・トリオ
 ドラムレスゆえ,大人し目のジャズスタンダード集に聴こえるのだが,リズム楽器としてのギタースイング感に与える役割は絶大であって,偶然ではなく,山本英次の「超高音質」ピアノ・トリオにマッチした,必然のオールド・スタイルなのである。

 だ〜って,山本英次こそ「知る人ぞ知る」存在であるが,吉田啓二? 田野重松? それって誰状態の「お洒落なジャズトリオ」なのだから,ライブであってもソロが前面に突出しない,テーマ重視のピアノ・トリオ
 素直に楽器の魅力を,素直に楽曲の魅力を伝えることをモットーとしている節がある。これぞ「超高音質」録音の最適ソースなのだと思う。

 客席のざわめきなど意に介さない,楽器のすぐ隣りにセッティングしているであろうマイクが拾った音源がゾクゾクくる。ピアノの弦,ギターの弦,ベースの弦のこすれ具合がリアルすぎて,これは顕微鏡で拡大したような音である。実物以上に響かせている。

 そう。『お洒落なジャズトリオ IN 神戸』の聴き所は,ピアノの弦,ギターの弦,ベースの弦の“語らい”である。
 きれいに分離した3つの楽器の音が全部ハッキリ聴き取れるから“会話のような演奏”に聞こえてしまう。インタープレイのやり取りが,手探りではなく,手に取るように見えるので,タネ明かしなしの臨場感に溢れたライブならではの迫力を感じる。
 大袈裟に言えば,セッティングされたマイク位置に設けられた,会場の最前列よりも最前列の特別豪華観覧席で生音を聴いているかのような,最高に贅沢な音楽会!

 ノン圧縮,ノンフィルター録音ゆえに,アンプのボリュームを上げて聴くのがとっても楽しい『お洒落なジャズトリオ IN 神戸』。この「超高音質」がオーディオ・マニアの心をくすぐるんだよなぁ。クセのない生音とクセのない演奏を両立させてしまいたくなるんだよなぁ。
 オーディオ・マニアの友人たちは,我が家からの帰り道,早い人で当日中に『お洒落なジャズトリオ IN 神戸』を注文しているんだよなぁ。

OJT IN KOBE-2 そうして自宅でオーディオ・チェックを繰り返しているうちに,友人たちも管理人と同じく「ミイラ取りがミイラになる」経験をしている。
 純粋に「音の良さ」を追い求めていただけだったのに,いつしか「超高音質」ではなく,山本英次の“音楽的なピアノ”に魅了されてしまったが最後,ピアノ中心のチューニングのせいで,全体のバランスが狂い始めてしまう。
 管理人はそれでも,そんな自分にムチ打って頑張って抵抗してきた方だと思う。でも,良い音を追及したい,という自分をついにどこかであきらめてしまった。

 「お洒落なジャズトリオ」のお三方には大変失礼な表現と思うが“個性の薄い”『お洒落なジャズトリオ IN 神戸』と出会って,オーディオ・マニアとしては後退してしまったが,デフォルメされていない“真水の”ジャズスタンダードの面白さが以前よりも分かるようになったと思う。この「心境の変化」に1人大喜び!
 だ〜って,オーディオって,音楽の楽しさを伝えるための道具じゃん!

 なお,紹介が最後になってしまったが,山本英次吉田啓二田野重松の「お洒落なジャズトリオ」は,時にオールド・ピアノ・トリオ・スタイルから,コルネットバンジョーチューバの「“変則”○○トリオ」に変身してしまう(【BASIN STREET BLUES】)。

 このコルネットバンジョーチューバの音色も最高すぎて,本職真っ青のスーパー・オーディオの世界が広がている〜っ。

  01. MILLENNIUM BLUES
  02. GIRL FROM IPANEMA
  03. AUTUMN LEAVES
  04. MISTY
  05. ELEGANT TIME
  06. THE GIFT
  07. FOREVER MORE
  08. HEARTFULL PARTY
  09. BLACK ORPHEUS
  10. BASIN STREET BLUES

(YPM/YPM 2000年発売/YPM-010)

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