アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

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CD批評:増尾 好秋

増尾 好秋 ウィズ・ヤン・ハマー / フィンガー・ダンシング4

FINGER DANCING-1 管理人にとって“増尾好秋”と来れば,連想するのはソニー・ロリンズであり渡辺貞夫であり『NEW YORK CONCERTO』での【アランフェス協奏曲】。まぁ,つまりは“ジャズ・ギターの人”である。

 エレクトリックギターを手にした増尾好秋が“ショルキー”チョーキング野郎のヤン・ハマーと共演した,ジャズ・ロック名盤FINGER DANCING』(以下『フィンガー・ダンシング』)を聴いても,増尾好秋に対する印象は変わらない。

 世評における『フィンガー・ダンシング』は,フュージョンとかロック寄りの文脈で語られることが多い。確かにヤン・ハマーだけを聴いているとそう思うだろう。
 なにせヤン・ハマーの歴代の相棒ギタリストは,マハヴィシュヌ・オーケストラジョン・マクラフリンであり,ワイアードジェフ・ベックであり,リターン・トゥ・フォーエヴァーアル・ディメオラであり,ジャーニーニール・ショーンなのだから…。

 しか〜し,そんな“ショルキー”チョーキング野郎とタイマンを張った増尾好秋が動じない。
 『フィンガー・ダンシング』での増尾好秋は,ヤン・ハマーがユニゾンを被せ気味に攻めてきても,加えて,これだけは書きたい!『フィンガー・ダンシング』の“影の主役”であるベースラッセル・ブレイクがどんなに熱く煽ろうとも,早弾きや凝ったフレーズ展開はあまりなく,いたってシンプルに音を鳴らしまくっていく。感じたままの音をただ本能的に垂れ流しているような感じで…。

 う〜む。凄い。この音の返しが凄い。数フレーズ前の音を掛け合せてのこの瞬間のこの一音が,やっぱりジャズしている。“ショルキー”チョーキング野郎の隣りで「間を取った」ジャズ・ギターを弾く勇気と自信。う〜む。本場で踏んできた場数の経験値の賜物なのであろう。

 そんな“悠然とJAZZYに構える”増尾好秋と“ロックの言語で対話する”ヤン・ハマーがハマリ役。流石にこちらも,名うての“ショルキー”チョーキング野郎なだけのことはある。
 ライブが進行するにつれ,徐々に増尾好秋を丸裸にして,増尾好秋が持つメロディアスなリフとフレーズを引き出しながら,ヤン・ハマーの土俵へと誘い込むことに成功している。

 そう。『フィンガー・ダンシング』の構図はこうだ。ヤン・ハマーが徐々に増尾好秋の回しを引き付け,ロックへ寄り切ろうとするのを必死にこらえて“うっちゃる”JAZZYな増尾好秋

FINGER DANCING-2 管理人はソロバトルの合間で流れる,増尾好秋ヤン・ハマーの互いに一歩も引かない目一杯なユニゾンを聴くといつでもニンマリしてしまう。

 互いに音を重ね合いながらも,ユニゾン終わりの予測不能の展開にドキドキハラハラしているのかな? 攻める側のヤン・ハマーが頭フル回転なのに,受ける側の増尾好秋は余力を残して楽しそうだなぁ。

 ただし,繰り返す。管理人が『フィンガー・ダンシング』を聴く目的は,増尾好秋ヤン・ハマーの熱きソロバトルに,後ろから絡んでいくベースラッセル・ブレイク

 ラッセル・ブレイクとしては,主役の増尾好秋ヤン・ハマーを喰うわけにはゆかない。ゆえにスマートでシンプルなインプロビゼーションを披露しているのだが,これが気持ちいいったらありゃしない。

 ズバリ『フィンガー・ダンシング』のハイライトは,増尾好秋ヤン・ハマーのガチンコ・バトルに刺激された,ラッセル・ブレイクのナチュラルすぎるビートとベースソロ
 ラッセル・ブレイクベースは,聴くのではなく感じ取るもの。縦ノリと横ノリの両方に安心して身を委ねてほしい。もの凄い,快感!

  01. WAITING NO MORE
  02. ALL RIGHT
  03. YOUNG FILLY
  04. LET US GO
  05. A LITTLE BIT MORE
  06. SUNSHINE AVENUE

(エレクトリック・バード/ELECTRIC BIRD 1981年発売/KICJ-2405)
(ライナーノーツ/川島重行)

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増尾 好秋 & ジョー・チェンバース / ニューヨーク・コンチェルト4

NEW YORK CONCERTO-1 「JOE CHAMBERS & FRIENDS FEATURING YOSHIAKI MASUO」名義と「増尾好秋 & ジョー・チェンバース」名義。果たしてその真実とは『NEW YORK CONCERTO』(以下『ニューヨーク・コンチェルト』)。

 『ニューヨーク・コンチェルト』に日本名義とワールド名義が存在するのは『ニューヨーク・コンチェルト』が日本企画盤のサガ。
 しかし『ニューヨーク・コンチェルト』を聴き込んでいくと,これが「必然」に思えてきた。

 そう。『ニューヨーク・コンチェルト』の構図は,リーダーがジョー・チェンバースフィーチャリング増尾好秋
 しかし“フィーチャリング”こそが増尾好秋の良さを最大限に引き出すスタイル。その意味で『ニューヨーク・コンチェルト』こそが真の増尾好秋のリーダー作。これだからジャズって面白い!

 そんな『ニューヨーク・コンチェルト』だから,増尾好秋ギター中心に聴いても,ジョー・チェンバースドラムヴァイブ中心に聴いても,いやいや,ケニー・バロンピアノエレピソニー・フォーチュンアルト・サックスフルートエディ・ゴメスベースレイ・マンティラパーカッションも聴き所! 単純に『ニューヨーク・コンチェルト』=「オールスター・セッション」!

 “いぶし銀”のジャズ・ギタリスト増尾好秋が「オールスター・セッション」を率いて,人生で最高に輝いた瞬間の記録が『ニューヨーク・コンチェルト』のハイライト・トラック=【アランフェス協奏曲】。

NEW YORK CONCERTO-2 【アランフェス協奏曲】の名演と来ればマイルス・デイビスジム・ホールのツートップ。
 そして鼻差で追いかける,ごった煮の3位グループの一角を占めるのが増尾好秋の【アランフェス協奏曲】。

 増尾好秋の【アランフェス協奏曲】はメリハリの付け方がお見事な“模範演奏”スタイル。
 イントロからリスナーのハートを鷲掴みするロドリーゴ的なアプローチ。そして『ニューヨーク・コンチェルト』を意識したのか都会的なアプローチ。寡黙なのに雄弁に鳴り続ける増尾好秋ジャズ・ギターが素晴らしい。

  01. Irina
  02. Two Hearts
  03. Like Sonny
  04. Visions
  05. A Night Has A Thousand Eyes
  06. Concierto De Aranjuez
  07. Dhabihu
  08. Autumn In New York

(ベイステイト/BAYSTATE 1981年発売/BVCJ-37586)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/岩浪洋三)

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