BOOKER LITTLE AND FRIEND-1 “伝説のトランペッターブッカー・リトルは確かに“伝説”である。しかし“伝説”は“伝説”でもトランペッターとしてではない。ブッカー・リトルの“天才”はコンポーザーとしてである。
 そういう訳で以下に書き記す『BOOKER LITTLE AND FRIEND』(以下『ブッカー・リトル・アンド・フレンド』)批評で“伝説のトランペッターブッカー・リトルについては一切語るつもりはない。

 管理人の愛聴盤=『ブッカー・リトル・アンド・フレンド』は,全7トラック中6トラックがブッカー・リトルの自作曲。この事実に気付いたのは『ブッカー・リトル・アンド・フレンド』を何十回と聴いた後のことであった。
 『ブッカー・リトル・アンド・フレンド』の全7トラックが耳に馴染む。古くから知っている感じで耳に馴染む。てっきりスタンダード集の気分で聴き続けていたのだった。

 『ブッカー・リトル・アンド・フレンド』でブッカー・リトルが取り組んだのは,独自の調和を奏でる3ホーンのアンサンブルであろう。
 ブッカー・リトルが豊かなホーン・アレンジを念頭に置いて曲を書いている。これはコンボの形をした“オーケストラ”用の作曲法だと思う。全体が“まろやかに”響くのである。

 ゆえに『ブッカー・リトル・アンド・フレンド』におけるブッカー・リトルトランペットは,エリック・ドルフィーとの『ファイブ・スポット』で聴かせる,情念の爆発みたいな“前衛”とは一線を画している。敢えてラッパのインパクトを抑えたサイドメン的な演奏が続いている。モードでもフリーでもない新しいアプローチを試みている。

 そういう意味でエリック・ドルフィーの先見性は確かであった。ブッカー・リトルを自身との双頭と認めたエリック・ドルフィーブッカー・リトルの「ジャズメンとしての総合力」を見抜いていた。ブッカー・リトルとならジャズの新時代を切り開いて行ける。エリック・ドルフィーはそう思っていたのだと思う。

 管理人も思う。ブッカー・リトルが長生きしていたならジャズの歴史は確実に変わっていた。ブッカー・リトルの「ジャズメンとしての総合力」はマイルス・デイビス並みなのだと…。

BOOKER LITTLE AND FRIEND-2 管理人の結論。『ブッカー・リトル・アンド・フレンド批評

 独自の調和を奏でる3ホーンが織り成すテキスチャーは,ジャズの伝統から逸脱することなく,それでいて極めて斬新な響きを有している。そこに“時代の息吹”が強く感じられる。

 『ブッカー・リトル・アンド・フレンド』におけるブッカー・リトルを1人の天才トランペッターとして聴くだけでは勿体ない。マイルス・クラスのジャズ・ジャイアントの演奏と心して聴いてほしい。
 管理人がそうだった。後々そう思うようになるのだから…。後悔してほしくないのだから…。絶対にいいのだから…。

  01. VICTORY AND SORROW
  02. FORWARD FLIGHT
  03. LOOKING AHEAD
  04. IF I SHOULD LOSE YOU
  05. CALLING SOFTLY
  06. BOOKER'S BLUES
  07. MATILDE
  08. MATILDE (take 4)
  09. MATILDE (take 7)

(ベツレヘム/BETHLEHEM 1961年発売/TOCJ-9350)
(紙ジャケット仕様)
(ライナーノーツ/大村幸則)

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