アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

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CD批評:ブルー・ミッチェル

ブルー・ミッチェル / ダウン・ウィズ・イット4

DOWN WITH IT-1 ブルー・ミッチェルは“どう吹いたって”ブルー・ミッチェルのままなんだなぁ。
 『DOWN WITH IT』(以下『ダウン・ウィズ・イット』)を愛聴していた頃にそう思った記憶があるし,4日前に聴き直した時にも,やっぱりそう思ってしまった。

 これってリアルなブルー・ミッチェルと管理人の頭の中で鳴っているブルー・ミッチェルに差異がない証拠? いいや,これってブルー・ミッチェルに“ハズレなし”の証拠である。
 そう。ブルー・ミッチェルの“演奏の質”はいつでも高い次元で安定している。ブルー・ミッチェルは“どう吹いたって”ブルー・ミッチェルのままアゲイン

 『ダウン・ウィズ・イット』で語らねばならないのは,ブルー・ミッチェルの“スピリッツ”である。『ダウン・ウィズ・イット』の楽曲群はバラエティに富んでいる。ハード・バップの分厚いユニゾン&リフ&カウンターで,R&B,ラテン,アフリカン,ボサノヴァ,日野皓正バラードが登場する。果たして,全トラックがブルー・ミッチェル“色”している。

 『ザ・シング・トゥ・ドゥ』は,吹き流しの垂れ流し,的な演奏であったが『ダウン・ウィズ・イット』は,きっちりと仕上げられた端正な印象の演奏である。ブルー・ミッチェルクインテットがコンボとしてまとまってきた部分もあるのだろう。

 そんなバンド・アンサンブルの中にあってブルー・ミッチェルトランペットが“柔らかい”。周囲の音や風景に溶け込む音色である。だから嫌みがない。どんな演奏でも無理なく自然に優しく響いている。
 この辺りの“懐の深さ”がブルー・ミッチェルの度量であって,どんな場面でも冷静にサウンド全体を聴き分けている。力むことなく焦ることなく一気呵成に畳み掛けることもなく…。

DOWN WITH IT-2 管理人の結論。『ダウン・ウィズ・イット批評

 『ダウン・ウィズ・イット』のブルー・ミッチェルが“粋”だねぇ。ブルー・ミッチェルが“いなせ”だねぇ。

 『ダウン・ウィズ・イット』で“いなせ”なのは“ジャズ写真家”フランシス・ウルフも同様。どうですか!ブルー・ミッチェルに“不釣り合いな”ジャケット写真のインパクト!
 ブルーノートの総合力に感動アゲイン〜。ブルーノートって“いなせ”だねぇ。

  01. HI-HEEL SNEAKERS
  02. PRECEPTION
  03. ALONE, ALONE AND ALONE
  04. MARCH ON SELMA
  05. ONE SHIRT
  06. SAMBA DE STACY

(ブルーノート/BLUE NOTE 1965年発売/TOCJ-4214)
(ライナーノーツ/フィル・ガーランド,原田和典,上条直之)

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ブルー・ミッチェル / ザ・シング・トゥ・ドゥ5

THE THING TO DO-1 管理人がブルー・ミッチェルを愛する理由はブルー・ミッチェルが「アンサンブラー」だからである。
 ブルー・ミッチェルは自分の求めるサウンドのためならいつでも自分を無にすることができる。

 そのような“縁の下の力持ち”的なジャズメンはブルー・ミッチェル以外にも数多くいるのだが,ブルー・ミッチェルが貴重なのは彼が“ジャズ・トランペッター”だからである。
 ド派手で目立つハイノートのトランペットこそジャズの“王様”にして“花形楽器”である。“ブライトでまばゆい楽器”なのである。にもかかわらず「アンサンブル」を重視し,必要とあればいつでも自分を無にすることができる。

 世評ではブルー・ミッチェルが,生涯随一に吹きまくっている,とされる典型的なハード・バップ作=『THE THING TO DO』(以下『ザ・シング・トゥ・ドゥ』)を聴いてみてほしい。
 ブルー・ミッチェルトランペットを吹きまくっている。しかし目立とう精神はない。「付かず離れず」の絶妙の距離感でトランペットを吹きまくっているのだ。

 『ザ・シング・トゥ・ドゥ』の“鉄壁アンサンブル”の成功には共演者が長年演奏を共にしてきた仲間である点も大きいのだろう。
 テナー・サックスジュニア・クックベースジーン・テイラーとはホレス・シルヴァークインテット時代からの盟友であり,そこへ準レギュラーのピアノチック・コリアドラムアル・フォスターが参加している。

 そう。アンサンブルが引き締まり,各自のソロには寛いだ雰囲気が漂っている中で,ブルー・ミッチェルが,生涯随一に吹きまくっている。ジャズ・トランペッターを“爽やかに”吹き切っている。覇気がみなぎっている。
 全体に和気あいあいとしながらも,マジになるところはキッチリ決めて,何気に小技の応酬合戦? ブルー・ミッチェルジュニア・クックがドライブしながら高みを目指している。
 ジュニア・クックに“もたれかかった”ブルー・ミッチェルアドリブが濃い! ずっと5速でのフルスロットル! 大変聴き応えがあるのに疲れない! 本気で楽しめる!

THE THING TO DO-2 ブルージーなブルー・ミッチェルにこのサイドメン。意外にも『ザ・シング・トゥ・ドゥ』にファンキーは感じない。
 ズバリ,理由はチック・コリアである。ラテンなチック・コリアジャズ・ピアノホレス・シルヴァーではなくバド・パウエルを指向している。

 今やジャズ・ピアノの“御三家”であるチック・コリアだが,デビュー当時のチック・コリアはハード・バップを“弾き倒し”つつモードではなくジャズ・ロック的なアプローチで仕上げている。
 だから『ザ・シング・トゥ・ドゥ』におけるブルー・ミッチェルが“ガンガン”なんだなぁ〜。チック・コリア〜。

  01. FUNGII MAMA
  02. MONA'S MOOD
  03. THE THING TO DO
  04. STEP LIGHTLY
  05. CHICK'S TUNE

(ブルーノート/BLUE NOTE 1964年発売/TOCJ-4178)
(ライナーノーツ/アイラ・ギトラー,上条直之,竹内祐一)

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ブルー・ミッチェル / ブルース・ムーズ5

BLUE'S MOODS-1 ブルー・ミッチェルが好きです。大好きです。ブルー・ミッチェルこそ,管理人の趣味に“ピシャリ”なトランペッターなのです。

 ここで言う好きとはマイルス・デイビスウィントン・マルサリスに対する好きとは違います。
 例えるなら,マイルス・デイビスウィントン・マルサリスは,絶対に手が届かいないアイドル。方やブルー・ミッチェルは,身近なクラスのかわいこちゃん。
 リアルに好きなのはマイルス・デイビスウィントン・マルサリスではなくブルー・ミッチェルの方なのです。

 マイルス・デイビスウィントン・マルサリスのアルバムを手に取る時には気合いが入ります。でもブルー・ミッチェルの場合は,ふと,無意識のうちに,気付いたら手が伸びていた,の感ありあり〜。
 もはやブルー・ミッチェルは“一生もの”確定なのです。“死ぬまで聴き続ける”トランペッター確定なのです。もうこの感覚は“相性”とでもいいましょうか? 説明するのはヤボっぽい。

 そんなブルー・ミッチェルの“最高傑作”が『BLUE’S MOODS』(以下『ブルース・ムーズ』)。『ブルース・ムーズ』こそ,管理人の大・大好きなブルー・ミッチェルの魅力が色濃い愛聴盤。

 ブルー・ミッチェルの真髄とは,トラディショナルで教科書的でストレートなフレーズを吹き込むトランペッター。ただし,その素朴でストレートなフレージングに歌心を注ぎ込む“柔らかい言葉”のトランペッター
 加えて,ブルー・ミッチェルの本質は“ブルース・フィーリング”にある。しかしブルー・ミッチェルは“ブルース・フィーリング”に漂う哀愁に決して溺れない。とにもかくにも浮かび上がったフレーズを奇をてらうことなくクリアーな音色で吹こうとする。例えるなら,地方の訛りが強いくせして標準語で話そうとしているのだ。

 『ブルース・ムーズ』は,ピアノウィントン・ケリーベースサム・ジョーンズドラムロイ・ブルックストランペットブルー・ミッチェルによるワン・ホーン・アルバム。
 普通に考えれば『ブルース・ムーズ』の主役はブルー・ミッチェルトランペットになるはずだが『ブルース・ムーズ』の主役はブルー・ミッチェルトランペットに非ず。
 あっ,これは表現の問題であって,表の主役はブルー・ミッチェルに間違いないが,実はもう1人『ブルース・ムーズ』には“裏のスーパー・ヒーロー”が存在している。

BLUE'S MOODS-2 『ブルース・ムーズ』の“裏のスーパー・ヒーロー”とはウィントン・ケリーピアノである。ウィントン・ケリーピアノが『ブルース・ムーズ』に“覚醒”を引き起こしている。

 ウィントン・ケリーが抜群のリズム感でスイングするから,サム・ジョーンズベースロイ・ブルックスドラムが“覚醒”している。そこで“朗々と”ブルー・ミッチェルトランペットが登場する図式である。

 ウィントン・ケリーピアノ・トリオは“カラッと軽快に”スタンダードを料理する。だから余計にブルー・ミッチェルの本質である“ブルースの訛り”が目立ってしまう。隠そうとすればする程“ブルースの訛り”が出てしまっている。
 ブルー・ミッチェルの本質を引き出すウィントン・ケリーの絶大なる存在感! アレンジに凝るのではなく,一瞬のひらめきで3人の共演者の本質を引き出す“ケリー節”のいぶし銀! くぅ〜!

 身近なクラスのかわいこちゃんにすぎなかったブルー・ミッチェルウィントン・ケリー“プロデュース”により,一夜にしてAKBのメンバー入り? ブルー・ミッチェルマイルス・デイビスウィントン・マルサリス・クラスのアイドル性を放っているのです! もうこうなったらブルー・ミッチェルに“入れ込む”しかないでしょ?

  01. I'LL CLOSE MY EYES
  02. AVARS
  03. SCRAPPLE FROM THE APPLE
  04. KINDA VAGUE
  05. SIR JOHN
  06. WHEN I FALL IN LOVE
  07. SWEET PUMPKIN
  08. I WISH I KNEW

(リバーサイド/RIVERSIDE 1961年発売/UCCO-9138)
(ライナーノーツ/オリン・キープニュース)

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