アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

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CD批評:ラリー・カールトン

ラリー・カールトン・ウィズ・ロベン・フォード / ライヴ! / TOO MUCH


 『LIVE IN TOKYO』の8曲目は【TOO MUCH】(以下【トゥー・マッチ】。


 【トゥー・マッチ】の熱気と喜び! これぞラリー・カールトンロベン・フォードの共演の成果である。

 くつろいだ雰囲気の中での演奏が完全にイッテいる。一度身体が出来上がった後の,残り香の完全燃焼である。ラリー・カールトンの語る「ブルースばかりのバチ当たり」とは【トゥー・マッチ】を指している。

 テクニックでもフレーズでもない“真のブルース・ギター”の圧倒的「音力」! この“深いコク”は大人にしか出せない味である。
 3分30秒から34秒までの叫びが耳ではなく腹の底までユニゾンで響く! ロベン・フォードボーカルと絡む,素晴らしき2人のブルース・ギタリストアドリブが超快感!
 読者の皆さんも“我を忘れて”この聴衆の熱狂ぶりに参加すべし!

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

LARRY CARLTON : Guitar
ROBBEN FORD : Guitar
JEFF BABKO : Keyboards
TOSS PANOS : Drums
TRAVIS CARLTON : Bass

ラリー・カールトン・ウィズ・ロベン・フォード / ライヴ! / TALK TO YOUR DAUGHTER5


 『LIVE IN TOKYO』の7曲目は【TALK TO YOUR DAUGHTER】(以下【トーク・トゥ・ユア・ドーター】。


 【トーク・トゥ・ユア・ドーター】が最高である。多くのフュージョン・ファンには人気薄と思われるが【トーク・トゥ・ユア・ドーター】を聴けただけで,管理人には『ライヴ!』を買った意味がある。それほどの“ツボ”なトラックである。

 要は「ど・ブルース」! この“ダルダルで適当な”一癖も二癖もある演奏が至福のひととき!
 1分26秒でのロベン・フォードの「ゴーアヘッド・ラリー!」の合図で始まる,ラリー・カールトンブルース・ショー! これまでもラリー・カールトンの個性溢れるアドリブを聴き込んできたが,こんなに楽しそうなラリー・カールトンをイメージしたことはかつてない! この瞬間,もうラリーの頭の中にはロベン・フォードはいない。ただ“無我夢中で”ブルースギターを弾いている。

 このラリー・カールトンの“闘魂注入”に触発されたか,続く,ジェフ・パブコキーボード・ソロもロベン・フォードギター・ソロも,ノリ以外は全てがとっぱらいで…。うわわあ〜。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

LARRY CARLTON : Guitar
ROBBEN FORD : Guitar
JEFF BABKO : Keyboards
TOSS PANOS : Drums
TRAVIS CARLTON : Bass

ラリー・カールトン・ウィズ・ロベン・フォード / ライヴ! / TWO BAD4


 『LIVE IN TOKYO』の6曲目は【TWO BAD】(以下【トゥ・バッド】。


 イントロからツイン・ギターで【フットプリンツ】のテーマが飛び出す【トゥ・バッド】は,ラリー・カールトンロベン・フォードには珍しいジャズ・ナンバー! これはロベン・フォードの引っ張り勝ち! ラリー・カールトンが“ジャズ圏内”でプレイしてみせる。

 25秒から45秒と7分7秒から7分27秒まではロン・カーターのコピーであるが,5分55秒から6分6秒におけるロベン・フォードは“もろ”ウェイン・ショーター! そして魂の奥底には常にマイルス・デイビス

 ただし1分36秒からのジェフ・パブコキーボードハービー・ハンコックの“あれ”である。ここが【トゥ・バッド】の由来なのであろう。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

LARRY CARLTON : Guitar
ROBBEN FORD : Guitar
JEFF BABKO : Keyboards
TOSS PANOS : Drums
TRAVIS CARLTON : Bass

ラリー・カールトン・ウィズ・ロベン・フォード / ライヴ! / THAT ROAD5


 『LIVE IN TOKYO』の1曲目は【THAT ROAD】(以下【ザット・ロード】。


 軽快かつ重厚に前進するリズムに支えられた【ザット・ロード】という檜舞台で,ラリー・カールトンロベン・フォードが“実に楽しげに”一戦相まみれている。
 そう。【ザット・ロード】は,ジェフ・バブコトラヴィス・カールトントス・パノスの3人あってこそ。3人の裏方が2人のギター・ヒーローを“密封”するかのような“絡み”を演出している。

 1分56秒からのラリー・カールトンアドリブのハイライトは,3分39秒から41秒までのロック・フレーズ! 隣りで“ちょっかいを出す”ロベン・フォードの“最高の合いの手”に酔いしれて,思わず手癖が出てしまった,というところか?

 4分11秒からのロベン・フォードアドリブのハイライトは,5分52秒からの熱いエッジ音! ラリー・カールトンをバッキングで揺さぶり続けた勢いそのまま? あるいはラリーのフレーズが伝染したかのような“おいしい苦み”が最高である。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

LARRY CARLTON : Guitar
ROBBEN FORD : Guitar
JEFF BABKO : Keyboards
TOSS PANOS : Drums
TRAVIS CARLTON : Bass

ラリー・カールトン・ウィズ・ロベン・フォード / ライヴ!4


LIVE IN TOKYO ラリー・カールトンラリー・カールトンの共演。あるいはロベン・フォードロベン・フォードの共演。それが『LIVE IN TOKYO』(以下『ライヴ!』)である。

 ラリーがLでロベンがR! 後日そう知ったから戸惑いはないが,予備知識なしに『ライヴ!』を初めて聴いたあの夜の衝撃は大きかった。
 あのトーンにしてあのフレーズ。2人のエレキ・ギターが全く同じに聴こえてしまう。極上のアドリブが流れているが,それがどちらのギター・ヒーローのものか気になってしまい,もうアドリブどころではない。愕然としてしまった。
 正直,聴き込み不足なのかもしれない。私はハッキリ言ってLAラインでは,ラリー・カールトンでもロベン・フォードでもなくリー・リトナー命でしたので…。でもでもそれにしても,人並み以上にラリー・カールトンロベン・フォードは聴いてきたはずなのに…。

 分かった。(管理人の聴き込み不足のせいでなければの話だが)『ライヴ!』の秘密が分かった! 『ライヴ!』のコンセプトは「競演」ではなく「共演」なのである。
 元々,ロベン・フォードの延長線上にラリー・カールトンがいたわけで,2人のギター・スタイルの“地”は似ている。基本ブルースであるがロックもあればフュージョンもある。そう。2人とも「シティ系のブルース・サウンド」が魅力のギタリストである。
 その“似た者同士”の2人が,思う存分遠慮なしの手加減なしで,互いの得意フレーズにどんどん踏み込んでいく! クロスオーヴァーして当然である。一部でバトルも出るけれど,主役はあくまでも自分ではなくリスペクトする共演者! ラリー・カールトンロベン・フォードに合わせれば,ロベン・フォードラリー・カールトンに合わせている。競争心など微塵もない。互いに相手の良さを研究してきた成果であろう。絶妙のコンビーネーションが,もう最高!
 悪く言えば2人の“らしさ”が消えているのだが,それは当の2人が望んでのこと。2人のカラーが溶けあい,ラリーでもロベンでもない“NEWラリー”と“NEWロベン”が聴ける! ここが『ライヴ!』最大の聴き所である。

 もっともラリー・カールトンにしてもロベン・フォードにしてもソロになれば“ギンギン”である。ラリー・カールトンは最初に大きな絵を描いて息の長いフレーズでアドリブを組み立てる。一方のロベン・フォードは短めのピースを徐々に完成させて全体を書いていくタイプ。最終的に同じ絵を描いているのだが,制作途中の筆遣いに“手癖”の違いが聴き取れる。
 バッキングに回った時の“節回し”の方が個性の違いが分かりやすいかな? ストレートにフレーズを刻むロベンに対しラリーは何かとひねりたがる。

 う〜む,この論調で2人の特徴を書き綴るとすると「じゃあどっちが凄い?」と白黒つけたくなってくる。でもそれは『ライヴ!』のコンセプトには似合わない。
 ここは頭をカラにして,ただぼんやりと“2人で1人の”ギター・サウンドに身を委ねてみてほしい。繰り返し聞き続けると,いつしかこの“ハーモーニー”が癖になる。この“味”が分かり出すと,次第にラリー・カールトンと共鳴できるようになる。ロベン・フォードとも共鳴できるようになる。そう。共演の“喜びの輪の中に”読者の皆さんも“割って入れる”不思議体験! ラリー・カールトンロベン・フォードの快感を感じ取れ!?

(2006年録音/VICJ-61429)

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