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CD批評:トミー・フラナガン

トミー・フラナガン / ザ・トミー・フラナガン・トリオ / COME SUNDAY4


 『THE TOMMY FLANAGAN TRIO』の4曲目は【COME SUNDAY】(以下【カム・サンデイ】)。


 【カム・サンデイ】は,トミー・フラナガンソロ・ピアノ・トラック。このピアノ・ソロが「自己主張しないことこそが自己主張」とばかりの“柔らかさ”で聴き手の全身を優しく包み込んでくれる。

 シンプリティな美しさを持つ表現は,実に良い趣味性を見せているし,磨き抜かれた美しいシングル・トーンやバランスの取れた両手の風格と落ち着きある動き…。正に管理人の敬愛する“名脇役”トミー・フラナガンがここにいる!
 早く来い来い【カム・サンデイ】! 日曜日のちょっと遅めのブランチに,トミー・フラナガンソロ・ピアノが「腕によりかけ」待っている!

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TOMMY FLANAGAN : Piano

トミー・フラナガン / ザ・トミー・フラナガン・トリオ / VELVET MOON4


 『THE TOMMY FLANAGAN TRIO』の3曲目は【VELVET MOON】(以下【ヴェルヴェット・ムーン】)。


 【ヴェルヴェット・ムーン】には“伴奏者”としてのトミー・フラナガンが色濃く表現されている。そう。必要以上にピアノ・タッチに注意を引こうとする“色仕掛け”など皆無。楽曲の良さを客観的に伝える“地味な”演奏である。

 あたかもビル・エヴァンスのような“スーッと身体に染みこむ”ビタミン・ウォーター! BGM気分で繰り返し聞いても許される。ワイン片手に耳を傾けるのもよし。日本酒でだっていける。
 そんな“ほろ酔い気分”で聞いていると,ある瞬間ツボにはまる。「おや? 今のところいいな」。管理人にとっては,2分46秒から2分58秒までのフレーズでアルコールを持つ手が止まってしまった。この前後がツボ多発地帯である。

 忘れてならないのが,ロイ・ヘインズドラミング! 最高に心地良い鳴りっぷりである。

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THE TOMMY FLANAGAN TRIO
TOMMY FLANAGAN : Piano
TOMMY POTTER : Bass
ROY HAYNES : Drums

トミー・フラナガン / ザ・トミー・フラナガン・トリオ / YOU GO TO MY HEAD4

アナログレコード

 『THE TOMMY FLANAGAN TRIO』の2曲目は【YOU GO TO MY HEAD】(以下【ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド】)。


 【ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド】は,手間暇かけた,懐石料理の味! 元来,ロマンティックなテーマの名トラックゆえ,甘さを狙った“ベタな”ジャズ・ピアノへ仕上げることなど“朝飯前のお手のもの”であろうが,トミフラは決してそうしない。敢えて狙わない。
 そう。料理人=トミー・フラナガンによる【ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド】の味付けは,甘さを抑えたあっさり味! 味が薄いのではない。しっかりと主張する“フラナガン味”が残っている。

 この独特の旨味は,下ごしらえから手間暇かけた“努力の結晶”であろう。大甘な素材=【ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド】から,余分な甘さを“灰汁抜き”した後で“幾層もの隠し味”をたっぷり染み込ませている!

 この甘さ控え目の【ユー・ゴー・トゥ・マイ・ヘッド】が実においしい。二口目はいらない。一口食べればそれで満足してしまう。少量をよく味わって食べたくなる。そう。トミー・フラナガンは懐石料理の料理人なのである。

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THE TOMMY FLANAGAN TRIO
TOMMY FLANAGAN : Piano
TOMMY POTTER : Bass
ROY HAYNES : Drums


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トミー・フラナガン / ザ・トミー・フラナガン・トリオ / IN THE BLUE OF THE EVENING4

アナログレコード

 『THE TOMMY FLANAGAN TRIO』の1曲目は【IN THE BLUE OF THE EVENING】(以下【イン・ザ・ブルー・オブ・ジ・イヴニング】)。


 【イン・ザ・ブルー・オブ・ジ・イヴニング】は,トミフラ流のどじょうすくい! 「よし,今度こそ“すくいあげた”」と思った瞬間,どじょうが"するり”と手からこぼれ落ちてしまう。そんな「掴めそうで掴めない」難曲である。

 難曲と書いてアレだが,こう思う人は少数に違いない。普通に聞いたら「気持ちいい〜」である。なにげなく流れてきて,優しげに空間を漂うトミー・フラナガンピアノ。このピアノの音に意識しすぎることなく耳を傾け,踏み込んだ理由など考えずに“ジャズ・ピアノの森林浴”にドップリと浸かる。

 【イン・ザ・ブルー・オブ・ジ・イヴニング】は,フランクな聴き方が一番合う。「う〜ん,なんかいい」の理由を突き詰めようとしてはいけない。「う〜ん,なんかいい」の秘密を探ろうと一歩踏み出した途端“ジャズ・ピアノの樹海”へと迷い込む。

 【イン・ザ・ブルー・オブ・ジ・イヴニング】は,ジャズ批評家にとっては難曲であり,ジャズ・ファンにとっては掛け替えのない名曲! 肩肘張らずにリラックスして音の“とろけ具合”を楽しんでほしい。

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THE TOMMY FLANAGAN TRIO
TOMMY FLANAGAN : Piano
TOMMY POTTER : Bass
ROY HAYNES : Drums


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トミー・フラナガン / ザ・トミー・フラナガン・トリオ5

アナログレコード

 2008年1月である。番組改編,いよいよ新クールの冬ドラマが始まる。管理人の注目は,フジテレビ系「あしたの喜多善男〜世界一不運な男の,奇跡の11日間〜」! そう。“名脇役”小日向文世が,ついに連続ドラマへ初主演! これは面白そう。期待大なのである。

 制作発表での小日向文世のエピソードがいかしている。関西テレビからの主演オファーに対する第一声が「なんで? 本当に?」。その後も「大丈夫なの? 僕でいいの? 成立するの? この企画つぶれない?」と聞き返したとか…。役者デビュー30年でついに手にした連ドラ主演の座。なのに,ニンマリ笑ってバンザーイ,と叫ばないのが,実にこの人らしい。

 さて,ジャズ界にも“名脇役”小日向文世がいる。それが“名脇役”トミー・フラナガン
 「名盤の影にフラナガン有り」と謳われたように,これは!と思ってライナーノーツをめくると,十中八九,トミー・フラナガンの名前がある! そう。ジャズ・ピアニストトミー・フラナガンは“サイドメン”として,多くのジャズ・ジャイアントと共に「歴史に残る伝説の名盤」を創り上げてきた“最強の名脇役”なのである!

 そんな“名脇役”トミー・フラナガンが主役を演じるようになったのが,1975年のパブロエンヤへの連続録音以降のこと。トミー・フラナガンのデビューは1945年のことだから,やっぱりこちらも「苦節30年」なのには驚いた。
 しかし2人の経歴を比べてみるとさらなる共通点に驚くばかり。ここが今回のCD批評の“肝”であるが,実は小日向さん,TVや映画に出まくる前の劇団員時代に,串田和美演出「魔人遁走曲」と佐藤信演出「ハムレット」の2本で舞台の主役を演じているそうな。ほほぉ。
 かたやトミー・フラナガンも“最強の名脇役”として多忙を極めていた時代に,こっそり?リーダーCDを2枚録音した。それが『OVERSEAS』(以下『オーヴァーシーズ』)と『THE TOMMY FLANAGAN TRIO』(以下『ザ・トミー・フラナガン・トリオ』)!( ← この2枚はジャズ・ファンにはすっかりお馴染み。こちらは極秘情報ではありませんでした )
 「最強の名脇役=苦節30年のいぶし銀」の2人共,メジャー・デビュー前にマイナー・レーベルで2作主演しているなんてねぇ。

 さてさて,トミー・フラナガンについて書きたいことは山ほどあるが,今回は『ザ・トミー・フラナガン・トリオ批評! 『オーヴァーシーズ批評ではないことに特別な意味はありません。何となく2008年のお正月なら『ザ・トミー・フラナガン・トリオ』気分に思えたもので…。
 「論戦好き」のジャズ・ファンなら,管理人が下す,この2枚の優劣に関心をお持ちかもしれません。でも幾ら聞いても無駄ですよ。管理人にこの2枚の優劣などつけられません。つけきれません。答えるとしたら,どちらも超名盤であるという事実だけです。

 『ザ・トミー・フラナガン・トリオ』は「非常に趣味のいい」CDだと思う。この選曲にこのメンバー。めちゃめちゃソフトで温もりある音。目の前ではなくどこか遠くで輝いているような…。
 (書き初めをした人など皆無であろうが)お正月つながりで例えれば,真白な半紙に原液のまま=薄めの墨汁で一筆書き! 決して硯に添加用墨を擦ってはならない。淡い黒の芸術である。イメージとしては水墨画に近いかなぁ。
 そう。『ザ・トミー・フラナガン・トリオ』は,ピアノ・トリオのリーダーとしてではなく,サイドメン時代のトミー・フラナガン好きにはたまらない,名脇役チックな“トミフラ”の代表作である。

PS 管理人が「あしたの喜多善男〜世界一不運な男の,奇跡の11日間〜」に注目した本当の理由は,小曽根真オリジナル・サウンドトラック を担当したからでした。さてどんな音楽に仕上がっていることやら…。目と耳で「あしたの喜多善男〜世界一不運な男の,奇跡の11日間〜」を楽しもうと思っています。

(1960年録音/VICJ-41094)

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