CD批評:プリズム
2008年07月08日
プリズム / UNCOVERED / BIOLOGY'S LIFELINE
『UNCOVERED』の1曲目は【BIOLOGY’S LIFELINE】)。
【BIOLOGY’S LIFELINE】は渡辺建! 渡辺建が今にも歌い出しそうなイントロの入り具合。実際に(ボーカルではなく)フレットレス・ベースで歌い上げている。
【BIOLOGY’S LIFELINE】の命=1分34秒から4回鳴り続けるフレットレス・ベース・ライン! これがあるから続くフレットレス・ベース・ソロが“映える&映える”!
管理人の大好物=和田アキラのアドリブが始まっても“ギターそっちのけ”で,ベース・ラインで“袖を取る”渡辺建のフレットレス・ベースを追いかけてしまう。
渡辺建は決して早弾きではない。でもこれぞ「日本のジャコ・パストリアス」の異名通りの快演である。
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
PRISM
AKIRA WADA : Guitars, Guitar Synth
KEN WATANABE : Basses, Bass Synth, Vocal, Secuenser Programing
MANSAKU KIMURA : Drums, Percussion Programing
2008年06月28日
プリズム / UNCOVERED / SHADOW OF THE JUNGLE GYM
『UNCOVERED』の2曲目は【SHADOW OF THE JUNGLE GYM】)。
【SHADOW OF THE JUNGLE GYM】は,フレーズ朗々と紡ぎ出される“メローな”プリズム。これぞ“聴かせる”プリズムの真骨頂である。
「弾きすぎない」渡辺建と「叩きすぎない」木村万作による【SHADOW OF THE JUNGLE GYM】の再演に“90年代のプリズム”を感じてしまう。そう。テクニックに裏打ちされたメロディアス!
和田アキラのギターが“しっとり”と鳴っている。それだけで感動体質の管理人は7分48秒からのラスト・テーマで涙する!
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
PRISM
AKIRA WADA : Guitars, Guitar Synth
KEN WATANABE : Basses, Bass Synth, Vocal, Secuenser Programing
MANSAKU KIMURA : Drums, Percussion Programing
2008年06月14日
プリズム / UNCOVERED
ジャズ・フレーズ禁止「ポップ・クリエイティヴ」のカシオペア。ご存知「F−1グランプリ」のT−スクェア。中森明菜で「レコ大受賞」の松岡直也。「ヒューマン・ソウル」のナニワ・エキスプレス。あの「バンマス」MALTAでさえ「ラップ&ヴォーカル」志向へと路線変更…。たとえ,J−フュージョンのトップ・バンドであったとしても純粋にフュージョン道を追求するのは難しい。そう。好むと好まざるとに関係なく,そこには“商業主義”という高い壁が立ちはだかる!
彼らはアマチュアではなく“プロ”のジャズメン。当然,ファンやレコード会社のリクエストに応じる必要がある。人気が出れば出るほど“コマーシャル・ベース”に乗ることが“良い音楽を創る”こと以上に期待されてしまう。
フュージョン・ブームが過ぎ去り,同士が着々と路線変更を図る中,頑固一徹,フュージョン路線を曲げないバンドがある。プリズムである。そう。「日本のアラン・ホールズワース」和田アキラと「日本のジャコ・パストリアス」渡辺建を擁するプリズムこそ,J−フュージョンの代名詞=「超絶技巧」の開祖である。
実際に管理人も(カシオペアとスクェアのスーパー・スゴテクは骨の髄まで認めた上で)カシオペアには“青春”を求め,スクェアには“歌”を求めてCDをかけるが,プリズムには“バカテク”を求めてCDをかける。特にギターの早弾き世界一としてギネス申請された(はず?)“神様”和田アキラ! ライブでは“指がつるまで弾きまくる”ド根性! 指つり防止のエアーサロンパスに“薄くなどないフュージョン道”を教えられたものである。
そんなプリズムにとっての“人生の岐路”が,ドラムスに木村万作を迎えて完成した“ギター・トリオ”! ギター・トリオ結成直前のプリズムは,正直,迷走していたように思う。売れ線の名曲【TAKE OFF】の大ヒットで,コマーシャル路線を歩み始めてはみたものの,何かが足りない。プリズム・ファンとしても新作CDを聴き終えた時には“もやもや”だけが残っていた。
そう感じていたのは,和田アキラと渡辺建も同じだった。そこでプリズムの出した結論が1990年代の“環境3部作”! 売れ線とは真逆の“脱コマーシャル”! レコード会社の前に“演奏を求める”ファンがいる。そのファンの前には“演奏を求める”プリズム自身がいる。“マニアな”フュージョンかもしれない。でもこれからは“完全燃焼”できるギター・トリオでいこう。腹が据わった。
シーケンサーの導入で実現できた,プリズム初のキーボードレス。『MOTHER EARTH』で感じた音造りの変化に,正直,一抹の寂しさを覚えた。事実,セールス的には“サッパリ”だった。
しかし『REJUVENATION』『A PERSONAL CHANGE』の制作を通じ“ついに”分厚いシーケンサーが鳴り始めた瞬間,プリズムが目指した「超重力級」ギター・トリオの全貌が現われた。そう。“環境3部作”の集大成『UNCOVERED』である。
『UNCOVERED』はライブCDである。ライブCDの“はず”である。相当聴き込んだ耳をもってしても「これがギター・トリオ? これがライブ?」。にわかに信じられない「超絶技巧」の大連発! 管理人が“熱狂してきた”プリズムがここに帰って来た!
プリズムが追い求めたギター・トリオは“そんじょそこらの”ギター・トリオではなかった! 和田アキラが「レコード会社から頼みにこない限りCDは出してやらない」とまで言い切る“自慢の”ギター・トリオの完成形! 『UNCOVERED』からは,商業的な成功を捨て“マニアな”フュージョンへと取り組んだ,プリズム“こだわりの音”が聴こえてくる。
(1994年録音/EGCJ-8003)



























