アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

CD批評:野呂 一生

野呂 一生 / LIGHT UP5

LIGHT UP-1 カシオペアバラード。それは野呂一生フレットレス・ギターのことである。
 あの甘美で哀愁たっぷりなバラード野呂一生フレットレス・ギターなくして成立し得ない音世界。もはやフレットレス・ギターを抜きにして野呂一生は語れない。

 しかし,野呂一生フレットレス・ギターバラード・ナンバーの専売特許ではなかった。
 ズバリ『LIGHT UP』のテーマは「脱バラードフレットレス・ギター」。フレットレス・ギターで高速チューンを奏でていく。この“掟破り”が大当たり。
 『MAKE UP CITY』で,日本初のデジタル・レコーディング。『TOP SECRET』で,日本初のCD−EXTRAを記録した野呂一生が,自身3度目の日本初となる『LIGHT UP』で「攻撃的フレットレス・ギター」に挑戦している。

 【DANCE WITH BEAM】【WILL BE FINE】のような,完全フレッテッド指向な曲想を奏で上げるフレットレス・ギターのファンキーでダンサブルな早弾きパッセージ。
 “超高難易度な”フレットレス・ギターをいとも簡単そうに弾きこなす“神業”を超えた部分で感じる余裕がフレットレス・ギターの特徴“まろやかな音色”によるものなのだろう。どんなにギンギンに飛ばしても“ほろ酔い気分”でまどろめる。
 【MA・DO・BE】に至っては,もろ“ボサノヴァギター”な仕上がりに驚愕させられる。

 しかし特筆すべきは,野呂一生の驚異的な「フレットレス・ギター・ハイ・テクニック」ではない。
 ズバリ『LIGHT UP』の聴き所は,カシオペアとは異次元の「フレットレス・ギター・バンド・サウンド」である。

 野呂一生フレットレス・ギターフィーチャリングする,和泉宏隆ピアノ熊谷徳明ドラム亀山アキラベース林良キーボードの「SWEET BROTHERS」(バック4人組に与えられたユニット名)。
 実に素晴らしいバンド・サウンドが鳴っている。これぞ野呂一生の誇るバンド・サウンド。野呂一生の天分=リーダー気質は健在であった。

 フレットレス・ギターの,ほんわり暖かいコタツのような“オレンジの音色”をフロントに据えた,灼熱の太陽ばりの“真っ赤な”バンド・サウンドがムーディ&エネルギッシュ。
 『LIGHT UP』を聴いていると「ああ,やっぱり野呂さんだな」な瞬間を幾度も痛感させられる。そう。ほんのりカシオペアの残り香が放たれている。
 【FACE TO THE LIGHT】【HOT LINE】は“カシオペアばり”な名演。なんで『INSPIRE』に収録されなかったのだろう?

 でもでも,ここまで書いてきたがやっぱり…。フレットレス・ギターバラードであろう。【TOGETHER】に涙ちょちょぎれ〜。

LIGHT UP-2 管理人の結論。『LIGHT UP批評

 『LIGHT UP』は,フレットレス・ギターという“孤高の”楽器を使いながらも,耳をくすぐり続ける王道のポップ・メロディアス。『LIGHT UP』の全10トラックが野呂一生の10の才能を1トラック毎に『LIGHT UP』。

 『LIGHT UP』こそ“フレットレス・ギタリスト野呂一生20数年の集大成にしてソロ名義の最高傑作。
 なんだかんだ言ったって,結局,管理人は野呂さんが大好きなんだ。「根っからの野呂好き」を自覚させられた1枚である。

  01. FACE TO THE LIGHT
  02. A SIGHT IN THE HEART
  03. HOT LINE
  04. TOGETHER
  05. INWARDLY
  06. MA・DO・BE
  07. DANCE WITH BEAMS
  08. MEANING OF LIFE
  09. WILL BE FINE
  10. MILLION STARS

(パイオニアLDC/PIONEER LDC 2002年発売/PICL-1258)
(ライナーノーツ/熊谷美広)

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野呂 一生 / TOP SECRET4

TOP SECRET-1 『ASIAN DREAMER』のクソのせいで『FRESHNESS』以降のカシオペアとは疎遠になった。購入はするが真剣に聴き込むこともなくなった。

 その渦中に発売された野呂一生のソロCDTOP SECRET』。
 『TOP SECRET』は購入さえもしなかった。その流れでそれまで完全コンプリートだったカシオペアの『LIGHT AND SHADOWS』をパス。ついに訪れた管理人とカシオペアの蜜月関係の破綻の日。

 『TOP SECRET』を手に入れたのは,実は4,5年前ぐらいかな。「CASIOPEAからの大事なお知らせ」から,しばらく経ったある日のこと。ふと未聴だった『LIGHT AND SHADOWS』と共に野呂一生のソロCDが聴きたくなりアマゾンで「ポチッ」。

 ここで早めの登場。管理人の結論。『TOP SECRET批評
 ああ,聞かなきゃよかった『TOP SECRET』。この時期の野呂一生は人生初のスランプではなかったろうか?
 『TOP SECRET』の演奏はいい。でも音楽ではないんだよなぁ。ギター・フュージョンではないんだよなぁ。

 『TOP SECRET』は野呂一生渾身の力作。売りは野呂一生の華麗なるオーバー・ダビングによるソロ演奏(ベースドラムは基本打ち込み。4曲の生ドラムパーカッションは除く)。
 ホーンっぽく聴こえるのも鍵盤っぽく聴こえるのも全部が野呂一生ギター・シンセ。上手いんだが,単音一発のギター・シンセが主役であるはずのエレキ・ギターと被ってしまう。バックがリードを邪魔している。

 打ち込みのリズムも単調でノリとかグルーヴはさっぱり。思うに『TOP SECRET』のアルバム・コンセプトは野呂一生の“エゴ”=全編ギター・シンセのソロCD。「僕ちゃん,こんなのも作れちゃうもんね」的なゴーマニズムな実験作。

 ここがスランプの要因。【GET MOVE】【EARLY BEGINNING】は名曲。いや,名曲に聴こえるのは神保彰の生ドラムのせい?
 やっぱり野呂一生の美メロはバンドにかけて聴かせてほしい。正直『TOP SECRET』の“薄い演奏”では興奮を覚えない。

TOP SECRET-2 さて,ここからは余談であるが,カシオペアの『MAKE UP CITY』で,日本初のデジタル・レコーディングを記録した野呂一生が,今度はソロ名義の『TOP SECRET』で,日本初のCD−EXTRA仕様を記録した。

 『TOP SECRET』には「TOP SECRETをパソコンでお楽しみいただくために」と題された
● MUSIC CD PLAYBACK「野呂一生が描いたオリジナル・ピクチャーをバックにCDを聴く」
● STUDIO SETTING「レコーディング時の機材の接続や設定値などを,それぞれの曲とタイミングに応じてビジュアルに見ながらCDを聴く(全10曲/プレイバックに同じ」
● THE ISSEI MODELS「レコーディング時に使用した4本のギターのサウンド&ムービーを楽しむ」
● MIDI PLAYBACK「MIDIデータによるプレイを聴く。3曲ともGS用とXG用の2種類のデータを用意。(各トラックのパート名/MUTE/TIMEも表示)」
1.TOP SECRET 2.CRYSTAL 3.THE THING TO NEED
● MOVIE & PICTURES「画面一杯にばらまかれた写真。それを選択し,それぞれの写真に関連する映像や静止画像を楽しむ。スタッフ紹介写真は,人物をマウスでクリックすると自己紹介が表示される」
● PROMOTION VIDEO「今回のために特別に制作した,オリジナル・プロモーションビデオを楽しむ」
と記された説明書?が封入されている。

 しか〜し,管理人が未聴の間,PCの世界は進歩しWINDOWS95よ,さようなら。現役PCでは古すぎるCD−EXTRA規格は再生できなくなってしまった。よってこれらの「おなけ」を堪能したなら『TOP SECRET』評価が変わるかも?

  01. TOP SECRET
  02. FALL IN THE NIGHT
  03. GET MOVE
  04. CRYSTAL
  05. EARLY BEGINNING
  06. THE THING TO NEED
  07. THE MIDNIGHT ANGEL
  08. VIRTUAL LIFE
  09. SANCTUARY
  10. EXCEPTION

(ポニー・キャニオン/PONY CANYON 1996年発売/PCZA-00001)
CD−EXTRA仕様

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野呂 一生 / SWEET SPHERE4

SWEET SPHERE-1 バンド名義とソロ名義では,敢えて違ったサウンド・カラーを打ち出すものだが,カシオペアギタリスト野呂一生のファースト・ソロ『SWEET SPHERE』は,カシオペアの「外典」であった。

 尤も,野呂一生自身はカシオペアとは異なるアプローチを試みている。その最大要因はインストの禁じ手「ボーカルの導入」にある。
 ギタリストのソロなのに歌ものメイン。ファン待望の「ギター弾きまくり」はなし。ギターがバックでボーカルを支えるユニゾン・タイプ&メロディに重きを置いた“野呂一生流のコンテンポラリー”。ちょっとAORっぽい?

 『SWEET SPHERE』には「世界初の3拍子ファンク」と称えられた【BRIGHT TIMES】など“リズムに凝りまくった”一面もある。
 なんせリズム隊はLAのスーパー・フュージョン・スター軍団。ネイサン・イーストベースジョン・ロビンソンドラムポリーニョ・ダ・コスタパーカッション。何でもできる〜。
 ポリーニョ・ダ・コスタとは『アイズ・オブ・マインド』で,ネイサン・イーストとは『4 X 4』以来の再共演もうれしいが,管理人的にはジョン・ロビンソンドラムが好きなんだよなぁ。

 この“艶やかなリズム隊”と絡むのがスクェア絡みでお馴染みの?ジェリー・ヘイゲイリー・グラントラリー・ウィリアムスの「シーウィンド・ホーンズ」。なんともゴージャスな響きがアクセントである。

 「ボーカル+艶やかなリズム隊+ゴージャスなブラス隊」を導入した『SWEET SPHERE』。カシオペアを離れて野呂一生でなければ奏でられない音が出来上がるはずだった…。
 しか〜し,完成した『SWEET SPHERE』は「サンタモニカ〜♪」な「西海岸のカシオペア・サウンド」。やっぱり野呂一生のアイデンティティはカシオペアに色濃く反映されていた。

 『SWEET SPHERE』を聴いて,管理人はジャズメン・野呂一生の大物ぶり=リーダー気質を確信した。
 カシオペアでも,向谷実桜井哲夫神保彰をリードしてきた。ソロとなってもネイサン・イーストジョン・ロビンソンポリーニョ・ダ・コスタジェリー・ヘイゲイリー・グラントラリー・ウィリアムスをリードする。
 メンバーの個性を理解し,それを自分の理想の音楽性の実現に組み入れる才能。野呂一生は素晴らしいバンド・リーダーなのだ。

 例えば【YOU CAN DO IT】でのユニゾン。ボーカルのバックで“歌うギター”。例えば【IN OUR WAY OF LIFE】でのユニゾン。ブラスのハーモニーから“飛び出すギター”。く〜っ。
 ギターを殺したアレンジが逆に糸を引いている。知らず知らずのうちに野呂一生ギターばかりを追いかける自分に気付く。

SWEET SPHERE-2 管理人の結論。『SWEET SPHERE批評

 『SWEET SPHERE』は,絶頂期のカシオペアのオーヴァー・ダビング作。イメージとしては『HALLE』ではなくて『PHOTOGRAPHS』系統である。
 そう。『SWEET SPHERE』は『PHOTOGRAPHS』の「外伝」である。

PS ソロCDの一発目を【BRIGHT TIMES】に決めたのは,パット・メセニーの【BRIGHT SIZE LIFE】を意識してのことですか?

  01. BRIGHT TIMES
  02. THE MESSAGE IN THE NIGHT “SMOOTH
     ROMANCE”

  03. IN OUR WAY OF LIFE
  04. TRANSPARENCY
  05. YOU CAN DO IT
  06. MOON DANCE
  07. WISHFUL THINKING
  08. SWEET SPHERE “A LIGHT BLUE LULLABYE”

(ビクター/JVC 1985年発売/VICJ-18177)

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野呂 一生 / ヴィーダ / YU-NAGI4

 『VIDA』の5曲目は【YU−NAGI】。


 【YU−NAGI】の景色が雄大である。ブラジルは大西洋を眼前にした「男のロマン」である。

 野呂一生フレットレス・ギターが歌っている! フレットレス・ギターから,打寄せては帰る静かな波の音が聞こえてくる。風は穏やかである。地平線に真っ赤な太陽が沈んでいく。風が止まった瞬間の息を呑むような美しさ! 夕凪の何とも感動的な情景が描かれている。

 けだるい雰囲気と叙情的で洗練された美しいメロディーの融合にとろけてしまう。身体が“フワフワ”してくる。あともう少しでビールの時間である。

ISSEI NORO : Guitar, Vocal, Chorus, Percussion, Synthesizer
TEOFILO PEREIRA DE LIMA : Drums
HUGO ANTONIO FATTORUSO DORCI : Keyboards
NELSON LUIZ AYRES ALMEIDA FREITAS : Keyboards
FERNANDO DE JESUS MACHADO SIZAO : Bass
JOSE BELMIRO LIMA : Percussion
OVIDIO MOREIRA BRITO : Percussion
FRANCISCO EDMUNDO DE AZEVEDO : Percussion
SEVERINO J. DE OLIVEIRA : Accordion
SERGIO FERNANDO DE SOUZA : Trombone
ALCEBIADES SPINOLA FILHO : 1st Trumpet
NELSON HENRIQUE CUNHA : 2nd Trumpet
JOSE CARLOS MACHADO RAMOS : Saxophone
MARIA CRISTINA BRAUN : Chorus
ANA LUCIA FONTES LEUZINGER : Chorus
LEO : Cry
TOKUO INOUE : Synthesizer Programing

野呂 一生 / ヴィーダ / EXPLORACAO4

 『VIDA』の3曲目は【EXPLORACAO】。


 【EXPLORACAO】の第一印象は『プラティナム』である。このまま『プラティナム』に収録されても違和感なし。
 だが,ここまでハマルと(ハマリ過ぎて)逆に違和感大あり! 管理人が“感じてきた”カシオペアって一体何だったのだろう?

 カシオペア野呂一生説を唱えてきた人間としては『ヴィーダ』=『プラティナム』は,主張通りの「モーマンタイ」である。
 しかし,しかしである…。カシオペアの大ファンの皆さんなら分かっていただけると思うのだが,野呂一生作曲のカシオペア・メロディであっても,それが向谷実桜井哲夫鳴瀬喜博)+神保彰が演奏して初めて“あの”カシオペア・サウンドへと昇華していく! “4人揃って”カシオペアなのである。

 【EXPLORACAO】によって,野呂一生1人,他の3人の“サビ抜き”であっても,カシオペア・サウンドが完成することが実証されてしまった。この事実はどうにも受け入れ難い。気持ち悪い。でも“悲しいかな”心地良い自分に嫌気がさす。
 そう。【EXPLORACAO】は,管理人にいつも“違和感だけ”を残し去っていく…。「ああ無情」 by アンルイス 。

ISSEI NORO : Guitar, Vocal, Chorus, Percussion, Synthesizer
TEOFILO PEREIRA DE LIMA : Drums
HUGO ANTONIO FATTORUSO DORCI : Keyboards
NELSON LUIZ AYRES ALMEIDA FREITAS : Keyboards
FERNANDO DE JESUS MACHADO SIZAO : Bass
JOSE BELMIRO LIMA : Percussion
OVIDIO MOREIRA BRITO : Percussion
FRANCISCO EDMUNDO DE AZEVEDO : Percussion
SEVERINO J. DE OLIVEIRA : Accordion
SERGIO FERNANDO DE SOUZA : Trombone
ALCEBIADES SPINOLA FILHO : 1st Trumpet
NELSON HENRIQUE CUNHA : 2nd Trumpet
JOSE CARLOS MACHADO RAMOS : Saxophone
MARIA CRISTINA BRAUN : Chorus
ANA LUCIA FONTES LEUZINGER : Chorus
LEO : Cry
TOKUO INOUE : Synthesizer Programing

野呂 一生 / ヴィーダ / NESSA5

 『VIDA』の1曲目は【NESSA】。


 【NESSA】=「ウキウキ」野呂一生である! 多くの音色を重ね合わせた“凝りに凝った”アレンジなのに,メロディ・ラインがくっきりハッキリ,しかも跳ねた16ビートを使ってきた! 「ウキウキ」である。

 この「ウキウキ」感は,ポップでストレートなギターとユニゾンする野呂一生のコーラスにある! 正直,コーラス以上にギターが歌っているのだが,この“やぼったい”コーラスが「隠し味」となりギターに躍動感を与えている。

 こんな“ノリノリ状態”の野呂一生だから,無意識のうちに“ついつい”手癖がでてしまっている。そう。2分26秒から2分40秒までの“つなぎっぷり”がモロ・カシオペア。2分57秒からのアドリブもモロ・カシオペア。やはりカシオペア野呂一生である!

ISSEI NORO : Guitar, Vocal, Chorus, Percussion, Synthesizer
TEOFILO PEREIRA DE LIMA : Drums
HUGO ANTONIO FATTORUSO DORCI : Keyboards
NELSON LUIZ AYRES ALMEIDA FREITAS : Keyboards
FERNANDO DE JESUS MACHADO SIZAO : Bass
JOSE BELMIRO LIMA : Percussion
OVIDIO MOREIRA BRITO : Percussion
FRANCISCO EDMUNDO DE AZEVEDO : Percussion
SEVERINO J. DE OLIVEIRA : Accordion
SERGIO FERNANDO DE SOUZA : Trombone
ALCEBIADES SPINOLA FILHO : 1st Trumpet
NELSON HENRIQUE CUNHA : 2nd Trumpet
JOSE CARLOS MACHADO RAMOS : Saxophone
MARIA CRISTINA BRAUN : Chorus
ANA LUCIA FONTES LEUZINGER : Chorus
LEO : Cry
TOKUO INOUE : Synthesizer Programing

野呂 一生 / ヴィーダ / KALAKULENAI4

 『VIDA』の4曲目は【KALAKULENAI】。


 【KALAKULENAI】は,ブラジル音楽でもなければ日本歌謡でもない。これぞ日系ブラジル人のジャパニーズ・フュージョンである。

 陽気なサウンド作りなのに,どこかノスタルジックなブラジル音楽の特徴に,日本の“ワビサビ”が掛け合わされている。現代的な音作りなのに,アコーディオンが効いているのだろう…。「源氏物語」「平家物語」を勝手にイメージして聴くとハマる。

 まずはイントロの9秒間。琴の音で始まったかと思えば,いきなりのマイナー調に“どっぷり”なはずなのに,サンバのビートがやけに効いている。

 2分19秒から3分0秒までの“ワンワン泣き叫ぶ”アコーディオンのフレーズが切ない。胸が締め付けられてしまう。でもバックは超ハイテクの現代フュージョン
 そう。“カラッと晴れやか”ブラジル流の音作りが,無意識のうちに心の奥底に流れている日本的な“ジメジメ感”を薄めた名演である。日系ブラジル人にしか作れない,逆輸入ジャパニーズ・フュージョン“誕生”の瞬間である。

ISSEI NORO : Guitar, Vocal, Chorus, Percussion, Synthesizer
TEOFILO PEREIRA DE LIMA : Drums
HUGO ANTONIO FATTORUSO DORCI : Keyboards
NELSON LUIZ AYRES ALMEIDA FREITAS : Keyboards
FERNANDO DE JESUS MACHADO SIZAO : Bass
JOSE BELMIRO LIMA : Percussion
OVIDIO MOREIRA BRITO : Percussion
FRANCISCO EDMUNDO DE AZEVEDO : Percussion
SEVERINO J. DE OLIVEIRA : Accordion
SERGIO FERNANDO DE SOUZA : Trombone
ALCEBIADES SPINOLA FILHO : 1st Trumpet
NELSON HENRIQUE CUNHA : 2nd Trumpet
JOSE CARLOS MACHADO RAMOS : Saxophone
MARIA CRISTINA BRAUN : Chorus
ANA LUCIA FONTES LEUZINGER : Chorus
LEO : Cry
TOKUO INOUE : Synthesizer Programing

野呂 一生 / ヴィーダ4

VIDA-1 「野呂一生と言えばカシオペアカシオペアと言えば野呂一生」!
 管理人はずっとそう思ってきたが,つい最近聴き直した『VIDA』(以下『ヴィーダ』)が,その思いを一層強くしてくれた。

 野呂一生とは,カシオペアギタリスト兼リーダー兼コンポーザー兼アレンジャー兼パフォーマー! そう。野呂一生こそ,カシオペアの“頭脳”であり“心臓”である。そんな“カシオペア命”の野呂一生も(ここでは詳細な理由は述べないが)他のメンバー同様,ソロCDを制作した時期がある。
 野呂一生のファースト・ソロ『SWEET SPHERE』は,その昔カセット版を購入後,処分したのだったが,あれはカシオペアの「外典」である。そう。『SWEET SPHERE』は,向谷実桜井哲夫神保彰抜きのカシオペア → ボーカル&ブラス入り“西海岸のカシオペア”だった。
 それで,ソロ第2作『ヴィーダ』に関しても「ジャバン・ファミリーとの共演」との事前フレコミがあったため,勝手に“ブラジリアン・カシオペア”をイメージしていた。しかし…。

 あの日,初めて生『ヴィーダ』を聴いた時の衝撃は忘れられない。正直,面食らった! あのカシオペア・サウンドは何処何処? 面影がないとは言わないが,予想以上のサウンドの“激変ぶり”に打ちのめされた。管理人の嫌いな方向へと変化していた。速攻“お蔵入り”決定である。

 さて,つい最近“お蔵”の『ヴィーダ』を聴いてみた。実に10年以上ぶりだと思う。
 理由は前述の『SWEET SPHERE』をCDで買い直した。野呂一生批評として『SWEET SPHEREレビューの参考にするためだ。
 しかし聴いてビックリ! 「なんだ,普通じゃん。え〜っ」であった! あの時感じた“違和感”が消えていた! 急遽,野呂一生批評の1番手は『ヴィーダ』に差し替え決定である。

 ここに管理人の持論=「野呂一生と言えばカシオペアカシオペアと言えば野呂一生」論の根拠がある!
 『ヴィーダ』録音時の1989年のカシオペアと言えば,リズム隊のメンバー・チェンジ! ジンサク → ナルチョ日山時代への移行期と重なっている。そう。『ヴィーダ』は,野呂一生の“生き写し”であるカシオペア本体のサウンドが大きく変化した瞬間のソロ作である。
 仮に管理人の持論が正しいとすれば,カシオペアが変化すれば野呂一生のソロ作も当然変化する。ねっ,納得でしょ?
 ついでに時期繋がりでダメ押し?すれば,カシオペアの1987年,88年と言えば,2年連続のブラジル・ツアー! 『ヴィーダ』が“ブラジル”であるのもうなずける。ねっ,納得でしょ?

 カシオペア野呂一生であるからこそ,管理人の耳は『ヴィーダ』を受け入れることができた。今となっては『ヴィーダ』と末期カシオペアを比較するなら『ヴィーダ』の方が末期カシオペア以上に黄金期カシオペアに近い!

VIDA-2 2007年の管理人の耳には『ヴィーダ』での“激変”など無かったにも等しい。それ程,良くも悪くもナルチョベースで,黄金期カシオペアは“徹底的に”破壊されてしまったのだから…。
( 誤解のないように補足しておくと,ナルチョが悪いとは思わない。カシオペアベーシストとしては桜井哲夫の方が好きではあるがナルチョも良い。だから最後まで付き合えたと思っている )

PS ん〜。「野呂一生と言えばカシオペアカシオペアと言えば野呂一生」論をぶち上げたはいいが,やっぱり違うかな? カシオペアと言えば,正解は“バンド”であって,特定の誰かではない? 末期カシオペアの迷走のごとく,管理人も迷走中?

  01. NESSA
  02. TASOGARE-NO-ESTRELA
  03. EXPLORACAO
  04. KALAKULENAI
  05. YU-NAGI
  06. IMA-SUGUNI
  07. MORRO DO CORCOVADO
  08. KAZE-NO-TAYORI
  09. MISTERIO
  10. NEMURE TABIBITO

(ポリドール/AURA RECORDS 1989年発売/HOOP20320)
(ライナーノーツ/青木誠)

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