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CD批評:ランディ・ブレッカー

ランディ・ブレッカー・ウィズ・マイケル・ブレッカー / サム・スカンク・ファンク / FREEFALL4


 『SOME SKUNK FUNK』の8曲目は【FREEFALL】(以下【フリーフォール】)。


 【フリーフォール】は『サム・スカンク・ファンク』唯一のジャズ・ナンバー! ブレッカー・ブラザーズにしては“超貴重”な4ビートでビッグ・バンドがスイングしている。

 “手色の違う”ブレッカー・ブラザーズのせいなのか,管理人にはランディ・ブレッカーのプレイが今ひとつ見えてこない(聴こえてこない)。
 こう書くとアレだが,演奏は良い。好みである。問題は【フリーフォール】には,いつものランディ・ブレッカーがいないだけ…。
 すみません,このトラック批評ランディ・ブレッカーのプレイを聴き分けられない管理人の負け惜しみなのです。

 【フリーフォール】には,2つのトランペット・ソロが入っている。つまり1分43秒からと3分55秒からのソロ・パートである。このどちらかがランディ・ブレッカーで,どちらかがWDRメンバーであろうが,このどちらも“渋め”のアドリブだから???
 【フリーフォール】には,管理人の知らない“新星”ランディ・ブレッカーがソロイストとして参加している。くやしい〜。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

RANDY BRECKER : Trumpet
MICHAEL BRECKER : Tenor Saxophone
JIM BEARD : Piano & Synthesizer
WILL LEE : Electric Bass
PETER ERSKINE : Drums
MARCIO DOCTOR : Percussion

THE WDR BIG BAND KOLN CONDUCTED BY VINCE MENDOZA

ランディ・ブレッカー・ウィズ・マイケル・ブレッカー / サム・スカンク・ファンク / SHANGHIGH4


 『SOME SKUNK FUNK』の3曲目は【SHANGHIGH】(以下【シャンハイ】)。


 【シャンハイ】は,WDRビッグ・バンドだからできた,ラテン・フルバン・ナンバー! いや,正確には「ピーター・アースキンだからできた」の誤りである。

 ドラマーピーター・アースキンスタンケントン楽団出身,ジャコパスの『ワード・オブ・マウスビッグ・バンドにも“ご指名”で参加した,ビッグ・バンドの“要”である。
 ウェザー・リポート時代に“カリプソの洗礼”を浴びてきたピーター・アースキンだけに,ラテン・フルバン・ナンバーはお手のもの! “トーンのニュアンス勝負に出た”ランディ・ブレッカーは別格として,軽快にWDRビッグ・バンドホーン・セクションを右手の中で操っていく。

 ピーター・アースキンと最高のタッグを組んだのが,ジム・ビアードピアノ・ソロ! 4分24秒からのアドリブが“ハッピーな”ピーター・アースキンドラムとシンクロする。

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RANDY BRECKER : Trumpet
MICHAEL BRECKER : Tenor Saxophone
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WILL LEE : Electric Bass
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ランディ・ブレッカー・ウィズ・マイケル・ブレッカー / サム・スカンク・ファンク / SPONGE5

アナログレコード

 『SOME SKUNK FUNK』の2曲目は【SPONGE】(以下【スポンジ】)。


 管理人にとって,ブレッカー・ブラザーズを聴く楽しみの一つが「隠れ」ギター! ブレッカー・ブラザーズの後ろで“実は凄い”エレキ・ギターが大活躍,というナンバーが大好物! ズバリ,この構図に当てはまるのが【スポンジ】である。

 【スポンジ】は,ブレッカー・ブラザーズビッグ・バンドの“いいとこどり”ゆえ,聴き所は無限大!
 3人のソロイスト,マイケル・ブレッカーランディ・ブレッカーピーター・アースキンアドリブが,どれも最上級! WDRビッグ・バンドの“ド迫力”アレンジに圧倒されてしまう。

 でもでも管理人は“分厚い”音の壁を難なく“スリヌケル”WDRメンバー=ポール・シギハラエレキ・ギターに“釘付け”にされてしまう!
 広義では5分17秒からのアドリブ・タイム=ピーター・アースキンドラム・ソロとされてはいるが,管理人にとってはポール・シギハラの“バッキング・ギター・タイム”! このエレキ・ギターがあるからこそ“熱狂的な”ピーター・アースキンドラミングが引き立っている。
 そう。【スポンジ】のような豪華な演奏には,必ず“隠し味”が入っている。隠し味=ポール・シギハラエレキ・ギター抜きに【スポンジ】は楽しめない。

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Some Skunk Funk
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ランディ・ブレッカー・ウィズ・マイケル・ブレッカー / サム・スカンク・ファンク / LET IT GO5

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 『SOME SKUNK FUNK』の7曲目は【LET IT GO】(以下【レット・イット・ゴー】)。


 【レット・イット・ゴー】は,元来“5管の分厚いアンサンブル”が聴き所であっただけに,少々のことでは驚かないと思っていたのだが…。
 返り討ちの一発KO! この大編成で凄みが増している。
 【レット・イット・ゴー】の“象徴”であるイントロでの「ハッとさせられる」リフが,ビッグ・バンド・アンサンブルで“浮かび上がる”!

 『ブレッカー・ブラザーズ』も絶好調! 2分10秒からのランディ・ブレッカーアドリブは,ジム・ビアードオルガンをバックにファンクグルーヴ大炸裂! やっぱり王者はトランペット
 NO! 真の王者は“テナー・タイタンマイケル・ブレッカー! ビッグ・バンドの“重厚な空気感”を切り裂く,マイケル・ブレッカーテナー・サックスの何と流ちょうなことだろう…。

 しかし管理人だけが推す「陰の聴き所」は『ブレッカー・ブラザーズ』以外の「スゴ腕サイドメン」の名演にある。
 3分10秒からのジム・ビアードオルガン・ソロと,4分13秒からのWDRメンバー,ルートヴィッヒ・ヌストロンボーン・ソロ! 一音で局面を変える「泣き」のアドリブが“白眉”である。

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Some Skunk Funk
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ランディ・ブレッカー・ウィズ・マイケル・ブレッカー / サム・スカンク・ファンク / SOME SKUNK FUNK5

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 『SOME SKUNK FUNK』の1曲目は【SOME SKUNK FUNK】(以下【サム・スカンク・ファンク】)。


 【サム・スカンク・ファンク】は“音の大洪水”! 使い古された言葉はどうかと思ったが,やっぱり“音の大洪水”としか表現が見当たらない。
 何が“大洪水”かと言えば,この音圧にしてこのタテノリ! 全身で受け止めようと思っても無理。どんなに踏ん張っても軽く押し流されてしまう。これは“鉄砲水”である。

 CDの無数のピット上から,連続射撃が行なわれる。鉄砲水改め“ライフル”水! ランディ・ブレッカートランペットマイケル・ブレッカーテナー・サックス以外からも,縦横無尽“至る所から”怒濤のフレーズが繰り出される!
 勿論,アドリブを執るのは『ブレッカー・ブラザーズ』だけであるが,例えばリズム隊! ウィル・リーピーター・アースキンによる“ファンクグルーヴ”で,ガッツリ攻めてくる! 全開で“ビンビン”グルーヴを回されれば,そりゃ,腰砕けになるわけさ。

 “先攻”のマイケル・ブレッカーがスパーク! 2分57秒から3分4秒までのフレーズは,2006グラミーの「BEST JAZZ INSTRUMENTAL SOLO」受賞にふさわしい“年に一度の”アドリブに違いない!

 “後攻”のランディ・ブレッカーは,ゆったりとした入りながら,3分38秒からはビッグ・バンド全員を引き連れて,これまた大スパーク!
 この時間こそ“至福の一時”である。今回も使い古された言葉しか出てこないので,残る賛辞はご自分の耳と唇で…。

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Some Skunk Funk
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ランディ・ブレッカー・ウィズ・マイケル・ブレッカー / サム・スカンク・ファンク4

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 ジャズフュージョン界に,ファミリー・バンド兄弟バンド)は「あるにはある」が,その分母の大きさに対する分子の少なさに釈然としないものがある。
 例えば,ニューオリンズのジャズ環境! ジャズ発祥の地=ニューオリンズは,今日でも巷の隅々までジャズで溢れている。そう。街中,近所中,大小の通りでジャム・セッション
 そしてその中心がファミリー・バンド! 家族の重要なコミュニケーション手段の一つが共にジャズを演奏することなのである。

 さて,ファミリー・バンドの特徴は,楽器がかぶらないこと→目指すは家族でのビッグ・バンド。家族内にピアニストが2人いるなど有り得ない。サックスやるならアルトテナーで切り分ける。
 そう。マルサリス家(エリスブランフォードウイントン)しかり,アダレイ兄弟(キャノンボールナット),ユーバンクス兄弟(ロビンケビン),ジョーンズ3兄弟(ハンクサドエルヴィン)しかり ← ※ジョーンズ兄弟は正確には6人兄弟です。

 初顔合わせのセッションもいいが,気心・手の内を熟知した“バンド・サウンド”こそ名演を生む。その名演はそのままデビューへと導かれる,と思ってしまうのは素人考え?
 でも普通に考えて,折紙付きの“質の良さ”=ファミリー・バンドをもっと聴いてみたい! 名演を聴けないのはジャズフュージョン界にとって,いや,全世界にとっての大損失なのである!

 しかし,こんな管理人の願い届かず,ファミリー・バンドは大抵デビュー・即解散! 家族揃ってすぐに他流試合へと出かけてしまう。
 そんな中,楽しく(根気強く)ファミリー・バンドを継続していた兄弟がいる。ランディマイケルの双頭コンボ『ブレッカー・ブラザーズ』である。

 そんな“仲良し兄弟”『ブレッカー・ブラザーズ』の最近作が,2006グラミー受賞作SOME SKUNK FUNK』(以下『サム・スカンク・ファンク』)!
 『サム・スカンク・ファンク』は,公式にはランディ・ブレッカーのソロ=『ランディ・ブレッカー・ウィズ・マイケル・ブレッカー』名義であるが,非公式には『ブレッカー・ブラザーズ』の最近作と言い切ってよい。

 余談になるが,あの史上最強超有名盤,キャノンボール・アダレイの『サムシン・エルス』が“実質”マイルス・デイビスのものであることから,ジャズフュージョン界には,名義人はさほど重要視しないという“定説”がある。
 そう。『サム・スカンク・ファンク』=『ブレッカー・ブラザーズ』は全く問題なしなのら〜!?
 ツッコミが欲しいのは,上記「最近作」というくだり。マイケル・ブレッカーが故人となってしまった今“最終作”“遺作”と述べるべきであるのは承知しているが…。
 ここは,新録音は不可能でも「過去の未発表音源を今後発売して欲しい」との願いを込めて,敢えて「最近作」で勝負です。

 『リターン・オブ・ブレッカー・ブラザーズ』にかけて『リターン・オブ…』名義人! 話を戻そう。
 主役であるランディ・ブレッカーは,今でこそ“マイケル・ブレッカーの兄”と称されることが多いが,ランディは,ピンでもバリバリ,超一流の「ウルトラ・テクニカル・トランペッター」である。
 あのマイケルの最初のアイドルが,兄・ランディ・ブレッカーだったのは有名な話。あのマイルス・デイビスより先に電化路線を歩んでいたのもランディ・ブレッカーである(これは有名ではないのかも)。
 そう。ランディ・ブレッカーこそ『ブレッカー・ブラザーズ』を牽引し“カッコイイ”フュージョン・シーンの最前線を疾走してきた,数少ない“フュージョン・エリート”なのである。

 “フュージョン・エリート”ランディ・ブレッカーの近年のテーマは「ジャズ回帰」! 『サム・スカンク・ファンク』は『ブレッカー・ブラザーズ』の往年の“ヒット・パレード集”であるが,ランディ・ブレッカーの「ジャズ回帰」正しく,アレンジがジャズビッグ・バンド
 WDRビッグ・バンドの“分厚い音圧”が,フュージョンの名曲をジャズ名演へと昇華させる! 単なる過去の焼き直しとならないのが,ランディ・ブレッカーの進歩の証し! ジャズメン魂を手に入れた“フュージョン・エリート”の快進撃を是非聴いてほしい。

PS いや,やっぱり聴き所は,ランディ・ブレッカーよりマイケル・ブレッカーでしょ?

(2003年録音/VICJ-61289)

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