CD批評:アントニオ・カルロス・ジョビン
2007年06月29日
アントニオ・カルロス・ジョビン / イパネマの娘 / AMOR EM PAZ
『THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS』の2曲目は【AMOR EM PAZ】(以下【平和な愛】)。
【平和な愛】は,ボサノヴァと呼ぶより“映画音楽”である。まずオーケストラ・アレンジ“ありき”であり,アントニオ・カルロス・ジョビンのギターは忠実な友,ピアノは優雅な友である。
クラウス・オガーマンは,グラミー受賞の名編曲者! 彼のアレンジが実に素晴らしい。“映画音楽”と書いたが,良質のCMともBGMとも,近年で言えば着うた・着メロとも成り得る。控え目で,それでいて印象的なメロディ・ラインを浮かび上がらせている。
1分50秒からのストリングスが,アントニオ・カルロス・ジョビン自ら奏でるピアノのテーマよりも【平和な愛】に合っている! これぞ包容力あるボサノヴァ!
なお【平和な愛】の原題は【AMOR EM PAZ】ではなく【O MORRO】であるが,これはオリジナルLP発売時のクレジット・ミスである。豆知識。
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
ANTONIO CARLOS JOBIM : Piano, Guitar
CLAUS OGERMAN : Orchestra Arrangement, Conductor
JIMMY CLEAVELAND : Trombone
LEO WRIGHT : Flute

イパネマの娘
2007年05月23日
アントニオ・カルロス・ジョビン / イパネマの娘 / THE GIRL FROM IPANEMA
『THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS』の1曲目は【THE GIRL FROM IPANEMA】(以下【イパネマの娘】)。
まず,念のため断わっておくが『THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS』は,アントニオ・カルロス・ジョビンの「自作自演」だからと言って,ジョビンに演奏家として,つまりピアニストとして,あるいはギタリストとして,ジャズメン並みの演奏を求めてはならない。
そう。アントニ・カルロス・ジョビンの演奏は総じて「伴奏」である。メロディ・ラインに“酔いしれる”べきであって,アドリブを期待してはならない。
極論を言えば,アドリブはメロディ・ラインをいかに“崩すか”! アドリブはジョビンの敵?なのである。
さて【イパネマの娘】であるが,このジョビン自演のトラックは『ゲッツ/ジルベルト』で有名な【イパネマの娘】の魅了を大いに補完してくれる。
『THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS』でのリード・ボーカルは,レオ・ライトのフルートである。
「ピー,ヒャラピー♪」と鳴る,ピアノとのユニゾン主旋律は,ずっとボーカルを真似できないゆえの「特別なフルート・バージョン」だと思っていたのだが,ふと『ゲッツ/ジルベルト』の【イパネマの娘】を聴いていてビックリ!
あった! 3分47秒から4分16秒までが“隠れ”メイン・テーマだったとは…。【イパネマの娘】は実に奥深い。
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
ANTONIO CARLOS JOBIM : Piano, Guitar
CLAUS OGERMAN : Orchestra Arrangement, Conductor
JIMMY CLEAVELAND : Trombone
LEO WRIGHT : Flute

イパネマの娘
2007年05月21日
アントニオ・カルロス・ジョビン / イパネマの娘
管理人の考える最高の音楽とは,最高のプロデューサーが最高の作詞家+最高の作曲家+最高の編曲家+最高のプレイヤーを一同に集め,意思の疎通を図りながら造られたものだと思っている。そう。各分野の頂点を極める人々が,自分の能力を最大限同じベクトル上に発揮したもの。言わば「一枚岩での完全分業制」である。
ただしこれは理想に過ぎない。現実には有り得ない。そこで次の選択肢はシンガー・ソング・ライター。自作自演であれば分業制最大のネックである「意思疎通の欠如」は解消されてしまう。
『THE COMPOSER OF DESAFINADO, PLAYS』(以下『イパネマの娘』)は,ボサノヴァの“産みの親”=アントニオ・カルロス・ジョビンの自作自演集!
ボサノヴァ界“最高の作曲家”が,自身のピアノとギターによって(最高ではないかもしれないが)自分の頭の中のイメージを表現してみせる!
これぞ“聞き物”であろう。何と言ってもアントニオ・カルロス・ジョビンこそ「ボサノヴァ」という,新たな音楽ジャンルをゼロから造り上げた最重要人物! 「ボサノヴァ」という新たな音楽が誕生した瞬間の感動を味わうことができる,かも?
さて,ボサノヴァとは1950年代後半から60年代前半に全世界を席巻した“ブラジル産ジャズ・サンバ”! 勿論,今となってはブラジル音楽の“懐メロ”であろうが“懐メロ”は息が長い! 時代を超え国境を越え,全世界の音楽ファンに親しまれ愛され続けてきた。
「歌は世につれ,世は歌につれ」=古賀メロディ。そう。アントニオ・カルロス・ジョビンは“ブラジルの古賀政男”なのである。 ←ジョビン・ファンの皆さん,ごめんなさい。ここはカッコつけて,ジャズ・スタンダードの名作曲者たち,ビクター・ヤングかコール・ポーター,はたまたジョージ・ガーシュウィンならいいですか?
“ブラジルの古賀政男”説は置いといて…。『イパネマの娘』はクラウス・オガーマンのオーケストラ&ストリングスと共演した完全インスト! 否が応でもアントニオ・カルロス・ジョビンの“天才メロディ・メーカーぶり”が際立つCDなのである。
やはりメロディ・ラインが美しい。繊細でしなやかで「淡い音」! しかしその中に複雑なコード進行が微妙に散りばめられている。これが「ボサノヴァ」の真骨頂である。無意識のうちに,笑顔&笑顔! 自然と笑顔がほころび,ジョビンのメロディを“口ずさんでいる”自分に気付く。
やはりボサノヴァのルーツは“ジャズ・サンバ”である。海岸でみんなで“ワイワイ”バーベキュー&ビーチバレーのBGM! いやブラジルと言えばコーヒーでしょ? スタバでのアイス・ラテ飲むBGM? いやいや,えっと,そして…。
もうそんなことはどうでもいいじゃないですか? そもそも音楽を活字で表現するなんて無理なんだから…。耳をソバダテCD批評などバカバカしい! やってらんない!
さぁ,今すぐ,外の陽射しを思いっきり楽しみましょう。読者の皆さんもPCの電源を落として,管理人と一緒に散歩しましょ? 大切なのは“LOVE&PEACE”! ただそれだけ…。
こんな“フヌケ男”にさせてしまう『イパネマの娘』が,アントニオ・カルロス・ジョビンが,そしてボサノヴァが大好きである。
PS 冒頭の硬派路線=最高の音楽の話はどこに行ったんでしょうねっ。
(1963年録音/UCGU-7038)


























