アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

CD批評:THE CRUSADERS

クルセイダーズ / セカンド・クルセイド / LOOK BEYOND THE HILL5


 『THE 2ND CRUSADE』の5曲目は【LOOK BEYOND THE HILL】(以下【丘のかなた】)。


 【丘のかなた】を聴いていると,本当に【丘のかなた】の景色が見えてくる。やばいぞ。

 【丘のかなた】が見せてくれるのは,管理人が『THE 2ND CRUSADE』にハマッテいた80年代の景色であり,鈴木英人やわたせせいぞうのイラストである。
 ここは憧れのアメリカ → 郷愁の強いアメリカ → 渡辺貞夫の『カリフォルニア・シャワー』→ ナベサダ・スマイルである。← この意味分かるかなぁ?

 【丘のかなた】は“レトロ”であるが,この“ほのぼの感”が様々な風景をイメージさせてくれる。これだからクルセイダーズはやめられない。媚薬である。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

THE CRUSADERS
NESBERT "STIX" HOOPER : Percussion and effects
JOE SAMPLE : Keyboards
WILTON FELDER : Saxes, electric bass, bass marimba
WAYNE HENDERSON : Trombone

AND Friends
Guitars :
ARTHUR ADAMS
LARRY CARLTON
DAVID T. WALKER

クルセイダーズ / セカンド・クルセイド / WHERE THERE'S A WILL THERE'S A WAY5


 『THE 2ND CRUSADE』の4曲目は【WHERE THERE’S A WILL THERE’S A WAY】(以下【精神一到何事か成らざらん】)。


 【精神一到何事か成らざらん】で感じる独特のノリ! これぞ唯一無二のジャズ・ファンククルセイダーズそのものである。

 1分0秒からのテーマがどこか懐かしい。しかし,どこをどう聴いても,逆立ちしても,思い浮かぶのはクルセイダーズただ一つ。このノリを連想する他のグループがいないのである。この事実に管理人自身が一番驚いている。
 理由はやっぱりウェイン・ヘンダーソン! ゆったり&堂々,大きなスケール感あるトロンボーンウェイン・ヘンダーソン・タイムで流れていく! そしてトロンボーンに絡みつく“味付けされた”リズムとメロディ! キターッ,ギターキーボードってこんなにグルーヴする楽器だったんだ〜。

 【精神一到何事か成らざらん】の真実は【クルセイダーズ・何事か成らざらん】である。

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THE CRUSADERS
NESBERT "STIX" HOOPER : Percussion and effects
JOE SAMPLE : Keyboards
WILTON FELDER : Saxes, electric bass, bass marimba
WAYNE HENDERSON : Trombone

AND Friends
Guitars :
ARTHUR ADAMS
LARRY CARLTON
DAVID T. WALKER

クルセイダーズ / セカンド・クルセイド / GOTTA GET IT ON4

アナログレコード

 『THE 2ND CRUSADE』の3曲目は【GOTTA GET IT ON】(以下【ゴッタ・ゲット・イット・オン】)。


 【ゴッタ・ゲット・イット・オン】は,よく歌うメロディと“シャッフル”したリズム(←意味不明)が“売り”のはずだが,その両者共にエレキ・ギターが主役である! 超カッコイイ!
 そう。クルセイダーズの4人が,ツイン・ギターあるいはギター・トリオに喰われている。1分31秒からのテーマにしても“ギター・ヒーロー”たちのリフばかりがやけに印象に残ってしまう。これは超カッコイイ!

 何だか褒めているのか,けなしているのか分からない批評であるが,これには楽曲への“迷い”が影響したのであろう。
 【ゴッタ・ゲット・イット・オン】のメロディ・ラインは管理人好みである。そしてこのリズムも管理人好みである。だが不思議なことに,例のクルセイダーズ“らしさ”を感じないのがモドカシイ。
 このマイナスは,ただ単純に組み合わせの問題? ジャズ・ファンクしてはいるのだが,メロディで押すかリズムで押すか,両者共“秀逸”ゆえに“二兎”を追ってしまったのだろうが,主題選択への“迷い”を名ギタリストたちが見逃すはずがない!

 ジャズギターファンクとしては申し分ないが,ジャズ“クルセイダーズ”ファンクとしては“らしさ”がない。エレキ・ギターの出来が良すぎるがゆえ,クルセイダーズ・ファンとしては「判断微妙」なトラックである。

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THE CRUSADERS
NESBERT "STIX" HOOPER : Percussion and effects
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LARRY CARLTON
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The 2nd Crusade
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クルセイダーズ / セカンド・クルセイド / TAKE IT OR LEAVE IT4

アナログレコード

 『THE 2ND CRUSADE』の2曲目は【TAKE IT OR LEAVE IT】(以下【テイク・イット・オア・リーヴ・イット】)。


 【テイク・イット・オア・リーヴ・イット】は,ツインのリズム・ギターに導かれ,得意の“ジャズ・グルーヴ”がオーヴァーラップする! リズムを「クリエイト」するクルセイダーズが,超カッコイイ!

 ソロイストは1分58秒からのウェイン・ヘンダーソンただ一人。サックスキーボードもリズミックなテーマに彩りを添える,言わばサイドメン的役割に徹しているのだが,これが完全なる「ザ・クルセイダーズ・サウンド」。そう。サックスキーボードもリズムに共鳴し,胎動し躍動し“うねり”の中心に座している。

 一例として(同じフレーズの方が分かりやすいと思うので)ウィルトン・フェルダーベースの動きを耳で追っていただきたい。
 おとなしめの前半部→トロンボーン・ソロにシンパシーを感じた中盤→アドリブ炸裂の3分23秒前後のフレーズは,テンポも節回しも同じなのに,印象度が徐々に上がっていく。
 ラストは“定番のジャズ・グルーヴ”をも突き抜けた,ただの気持ちいい“解放感”に満たされる。いい。

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THE CRUSADERS
NESBERT "STIX" HOOPER : Percussion and effects
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クルセイダーズ / セカンド・クルセイド / DON'T LET IT GET YOU DOWN4

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 『THE 2ND CRUSADE』の1曲目は【DON’T LET IT GET YOU DOWN】(以下【ドント・レット・イット・ゲット・ユー・ダウン】)。


 【ドント・レット・イット・ゲット・ユー・ダウン】は“もろ”ブラック・ファンクなのだが,まだ“垢抜け”しきっていない。どこか田舎のジャズ・ファンク

 管理人は,普段は凡庸なのに,ここぞ,という所で“大仕事”をやってのける,ウェイン・ヘンダーソンこそ“クルセイダーズの象徴”だと思っているのだが,55秒からのサックスとのユニゾンを聴いて,その思いが一層強くなった。
 ゆったり&堂々,大きなスケール感あるトロンボーンがフィルインしてきた瞬間に「あっ,クルセイダーズだ」と思わせてくれる。

 NO! クルセイダーズの特徴はバンドとしての「フュージョングルーヴ」! 【ドント・レット・イット・ゲット・ユー・ダウン】でも,イントロから鳴り続ける手拍子に絡みつく,ウィルトン・フェルダーベースサックス,それを支えるステイックス・フーパーの“粘っこい”パーカッション。これにクルセイダーズ特有の彩り=ジョー・サンプルの“リズミック”なキーボードがメッチャ連動する。
 この「ゆるゆるだけど鉄壁な」トライアングルがハイライト!

 2分4秒からのエンディングは,実に“エレガント”なジャズ・ファンク。確かに新時代のビート感であるが,まだ着こなし方が分かっていない? “荒削りの大物新人登場”と言った風情か?

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クルセイダーズ / セカンド・クルセイド4

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 ジャズフュージョン界の好敵手,ライバル相関図の名文句は「カシオペアスクェアがいるように,ウェザー・リポートにはクルセイダーズがいる」。これが世間一般の通例である。
 「カシオペア VS スクェア」は理解できるが,管理人は「ウェザー・リポート VS クルセイダーズ」という記事を見つける度に,いつも首をかしげてしまう。悶々としてしまう…。

 アドリブ芸術であるジャズにおいて“誰々に似ている”と批評されるのは,ジャズメンにとって“屈辱”なのかも知れないが(中には矢野沙織のように,パーカーに似ていると呼ばれることが“最高の栄誉”と言う人もいますが…)世間では簡単な判断基準として,何につけ誰かと誰かを比較する。二つ並べて見た方が確かに分かりやすい。言わば,批評の“常套手段”であろう。

 さて,ウェザー・リポートクルセイダーズは「ブラック・ファンク」の共通項はあるものの,音楽性は明確に異なっている。
 マニア同士の間では無意味な比較であることが浸透しているはずなのに,相手が初心者だったりすると,ついつい,引き合いに出してしまいがちである。やはりビッグ・ネームは通りがいい。
 キーボードが同じ“ジョー”で,ホーンが同じ“ウェイン”という点も,潜在的なライバル意識として働いていると思うのだが…。

 では,ウェザー・リポート抜きに,クルセイダーズ自体を解剖してみると「ファンキー&メロディアスなリズム+2ホーンのカウンター」が特徴! しかしこの特徴が確立されたのは,フュージョンの波が押し寄せてきてからのことである。
 フュージョン・ブーム以前のCDは正直,管理人の耳には合わない。いかにも古臭い! クルセイダーズクルセイダーズ“らしく”なったのは,70年代に入ってからのこと。ちょうど『THE JAZZ CRUSADERS』→『THE CRUSADERS』へバンド名を変更した頃からだ。
 “新生”クルセイダーズは,バンド名から『ジャズ』を除き去ることにより,ジャズブルースを前面にアピールするバンドから,ジャズを下敷きにした「ブラック・ファンク」をアピールするバンドへと脱皮した。
 そう。クルセイダーズの代名詞である“躍動的なビート”は,納豆のごとく“ねっとりと糸を引くブルース系から“洗練された”ブラック・ファンクへと昇華したのだ。

 『THE 2ND CRUSADE』(以下『セカンド・クルセイド』)は,そんな過渡期のブラック・ファンクが録音されている。過渡期と書いたが,正確には“新芽”を聴き分けることができる。そう。クリエイティブな音楽が“誕生した瞬間の”感動や“みずみずしさ”で満ちている。
 誤解を招かないよう補足しておくと,この『セカンド・クルセイド』は,バンド名を“新生”クルセイダーズに変えてからの2作目であって“ぽっとでの”デビュー2作目ではない。この時すでにクルセイダーズジャズ界の中堅グループとしての地位を確立していたのだ。 そんな彼らの“チャレンジ作”だからこそ,安心して“目新しい所”だけを抜き出して聴き取れる。これもまた『セカンド・クルセイド』の楽しみの一つである。

 『セカンド・クルセイド』以降,フュージョン・シーンをリードしてきた,クルセイダーズの“洗練された”ブラック・ファンクには「軽さ」が伴っている。
 ここで詳しく語ることはしないが,ジャズフュージョンにおいて「軽さ」と言う言葉は良い意味で用いられる。「重くぶ厚い音」も確かにジャズの魅力であるが,「軽やかな音」こそ,よりジャズ的と言える。
 全体を貫く“黒さ”に,印象としてのんびりとした休日の雰囲気が混在している。混在こそフュージョン! 真に開放的で明るいサウンドである。

 冒頭で述べたように,世間ではクルセイダーズを説明する手段としてウェザー・リポートとよく対比させる。
 しかし管理人に言わせれば,クルセイダーズの対抗馬は,ハービー・ハンコックヘッド・ハンターズでしょ? 同年録音の『ヘッド・ハンターズ』と『セカンド・クルセイド』を聴き比べれば「明るく伸び伸び,骨太なのに軽い」クルセイダーズの特徴が“より際立つ”に違いない。
 明日以降,ライバル対決の話題なら「ハービー・ハンコックヘッド・ハンターズ) VS クルセイダーズ」で行きませんか?
 『セカンド・クルセイド』を聴いていただければ,この主張に同意していただけることと思っています。

(1973年録音/38XD-637)

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