アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

CD批評:DIMENSION

DIMENSION / 294

29-1 2016年10月12日にリリースが決定していたDIMENSIONの『29』の発売日が延期になった。変更後の発売日は2016年10月26日。つまり2週間の延期とのこと。

 SMAPの解散が発表された時,解散は単純に5人だけ,あるいはジャニーズ事務所だけの問題ではなく,SMAP解散による“経済損失”は,直接効果,一次波及効果,二次波及効果を計算すると,たった1年間で636億円だという記事を読んだ。つまりはレコード会社やジャケット写真の撮影などなど,SMAPの周囲で働く何千人もの生活に影響が及ぶという事実。

 SMAPクラスでこの数字なのだから,DIMENSIONCDリリース延期による“経済損出”は1000億オーバー? DIMENSIONの周囲で働く何万人もの生活に影響が及ぶのを覚悟の上で2週間も延期するとは…。なあ〜んてね。

 でも冗談ではなく,一旦決まった発売日を延期するとは一大事である。その理由が公式Webサイトの説明によると「制作上の都合により」と書かれている。
 この文言だけでは何も分からなかったが,10月26日(フラゲした管理人は10月25日)に店頭に到着した『29』を聴いてみて納得。

 DIMENSIONCDはいつだって,練りに練り上げられており,徹底的に作り込まれたものばかりだが『29』に織り込まれた細かい無数のディテールを発見する時,こんな大仕事をよくぞ2週間の延期でまとめたなぁ,という感想しか出ない。作り“込み方”がとにかく凄い!

( 先の公式Webサイトには「楽曲制作にかなりの時間を費やしたとだけあって,今まで以上の練りに練られた極上のサウンドプロダクツに加え,随所に散りばめられた絶妙なメロディラインがアルバム全編を通して聴く者の心を捉えて離しません。聴くたびに新たな発見がある最上級のインストゥルメンタルミュージック...この秋,是非お聴き下さい!」との文言あり。やっぱり『29』のサウンドプロダクツはただごとではない )

 アッパレ! DIMENSION! アッパレ! 増崎孝司! アッパレ! 小野塚晃! アッパレ! 勝田一樹! さすがは『29』次元!

 『LE MANS』『FIRST DIMENSION』から『28』までDIMENSIONは一貫してメロディー良し。アドリブ良し。アレンジ良しの演奏良し。
 そんなDIMENSIONが『29』次元で勝負してきたのは,曲想とかAメロとかBメロとかサビといった大枠ではなく,メロディー自体が難易度の高いテクニカル・メロディーであろう。

 ズバリ『29』の聴き所は,このメロの展開だから放たれたと確信できるアドリブの完成度であろう。
 めまぐるしく展開していくメロディーから垣間見れる美しいアドリブが,何度聴いても新鮮で,何度聴いても「これしかない!」。
 個人的にはかつて本田雅人がそうであったように,何か新しいものが生まれるまでに何回も何回もアドリブを録り直したのではなかろうか?

 増崎孝司のロック・テイスト,小野塚晃ジャズ・テイスト,勝田一樹ファンクネスが,楽曲のカラーに合わせてテクニカルに混ざり合い,DIMENSIONらしい“深い色合い”で見事に表現されている。
 【THE ROAD TO PEACE】〜【3 FOCUS】〜【GROOVOLOGY】〜【THE SECOND PLACE】の流れが『29』の個性を特徴付ける,実にカラフルなアルバム・カラー!

29-2 これは“百戦錬磨”のスタジオ・ミュージシャンにとっては「至難の業」に違いない。
 大枠なんかはとっくに完成していたのだから「生みの苦しみ」とはちょっと違う。最後の最後“残りコンマ1秒のディテール探し”のために制作スケジュールがオーバーするまでに膨大な時間がかかったのだ。納得のいくアドリブが降りてくるまでに膨大な時間がかかったのだ。管理人はそう思う。

 こう考えるようになったのが『29』を聴き始めて3日後のこと。すでに全曲のメロディーが頭に入った状態でテクニカル・メロディーではなくアドリブを聴きまくって丸2日が経過した。その結果がこうである。

 管理人の結論。『29批評

 全ての道はローマに通ず。改め『29』の全ては【BLUE ROOM】に通ず。
 ラストの【BLUE ROOM】1曲を聴かせるがために【BLUE ROOM】前の9曲が伏線を張っている! アドリブの全てが実はハーモニーだった,という“大どんでん返し”!

 いや〜,2017年のノーベル賞はボブ・ディランに続いてDIMENSIONが受賞します。ジャズ通の村上春樹さん,お先にごめんなさい。

PS 逆に言うと“凝りに凝ったイントロダクション”の『29』はお目当て=美メロの少ない星4つ。CDと同じソロLIVEでは弾かないだろうから『29』がLIVEでどう演奏されるかが楽しみでなりません!

  01. The Road To Peace
  02. Night Bird
  03. Timeline
  04. Get Up With It
  05. 3 Focus
  06. Groovology
  07. The Second Place
  08. Hope
  09. Keep Going
  10. Blue Room

(ザイン/ZAIN RECORDS 2016年発売/ZACL-9094)
(☆スリップ・ケース仕様)
(☆BLU−SPEC CD2仕様)

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DIMENSION / 284

28-1 『28』は,何度聴いてもピンと来ない困ったちゃん。でも心配などしていない。なぜなら『26』も『27』も,一聴した際は同じようなものだった。『28』もそのうち耳に馴染んでくるだろう。

 あれから1週間。まだ『28』は,ピンと来ていない。最大の欠陥はサビの無さ。惹きつけられるメロディーが弱い。どうしてだろう? そう自問するDIMENSION・マニアとしての1週間の日々。
 考えられるのは増崎孝司小野塚晃勝田一樹ソロ活動の“弊害”ぐらいである。まぁ,的外れな愚痴だと思って暫しお付き合いを。

 DIMENSIONのメンバー3人は,元来がスタジオ・ミュージシャンであるがゆえ,DIMENSION以外の活動もルーティン・ワーク。
 ここで管理人が言いたいソロ活動とは,ソロ・アルバムの制作に限定させていただく。

 増崎孝司は,同じギター船山基紀と組んだ双頭ユニット「MOTO & MASU」名義で,2014年に『MOTO & MASU』を,2015年に『TE QUIERO』の2枚をアルバム・リリース。
 小野塚晃は,2015年に5年振りのソロ・アルバム『KANTO〜大空へ〜』をリリース。
 勝田一樹は,2014年に自身初のソロ・アルバム『KAZUKI KATSUTA』をリリース。

 毎年,DIMENSIONの新作をリリースするだけでも骨の折れることなのに。大作『27』の前後に別のオリジナル・レコーディングを行なっているという事実。
 管理人より年上の増崎孝司小野塚晃勝田一樹なのだから,運動後の筋肉痛は翌日ではなく3日後に来ているはず? そうであればソロ・アルバムの“疲労”は『27』ではなく『28』で発症する。だから『28』では全力疾走できていない。ねっ,名(迷)推理でしょう?

 悪くなどはない。ただキャッチーでポップな楽曲がないな,というのが『28』から受ける印象である。
 超絶技巧系もパットせず,イケイケのアゲアゲ・ナンバーもなく,大バラードもない『28』。

 メンバー全員が充実のソロ活動に精を出し,ソロ活動では敢えてDIMENSIONとは違ったことをやろうとしたのだから,DIMENSION本体での活動はパワー不足。
 正直,最近のDIMENSIONのアルバムは,驚きの幅が年々狭く感じられる。だんだんと「金太郎飴」状態というか「過去のあの曲と似ている感」に襲われてしまう。
 これを原点回帰というべきか,ベーシックな音造りというべきか…。

 でもいいんです。『MOTO & MASU』『TE QUIERO』『KANTO〜大空へ〜』『KAZUKI KATSUTA』が『28』をフォローしてくれているのですから…。

28-2 ここはズバット『28』は,いいアルバムだ,と胸を張って言い切ろう。
 これってきっと管理人の耳と脳の問題である。DIMENSIONが好きすぎて,過去のアルバムを現役で聴き続けている“弊害”である。なんだか過去の大傑作と,新作を無意識のうちに比べてしまう自分が嫌いになってしまった。反省〜。

 最後に傷心の管理人から読者の皆さんへのお願いです。『28』も,きっといいアルバムです。だからフラットな耳で『28』を聴いてみてください。
 『28』のLIVEを見て『29』が発売される頃には,管理人も『28』を大絶賛しているように思います。
 DIMENSIONは今でも「最新作が最高傑作」のはずです。→ 恐らくは“最高傑作”『28』をどうぞよろしくお願いいたします。

  01. Brightness Of The Morning Sun
  02. Seven Movements
  03. Somber Corners
  04. No Time This Time
  05. Other Side Of The Sky
  06. Precious
  07. Red Shoes
  08. Gotta Find A Way
  09. Hold On
  10. Nightfall In Savanna

(ザイン/ZAIN RECORDS 2015年発売/ZACL-9088)
(☆スリップ・ケース仕様)
(☆BLU−SPEC CD仕様)

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DIMENSION / 275

27-1 『27』は,キャリアのピークを極めた『24』『25』の“両モンスター”を超えるべく「路線変更」を試みた『26』の延長線上に位置する名盤である。

 情報量の多かった『26』路線の音世界が『27』では,見事に整理されて表現される“歌う”DIMENSIONへと昇華している。
 増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人ユニット=DIMENSIONは,たったの2作,で,またしても違う表情を完成させてみせた。正面の美しさではなく,見返り美人でもなく『27』は,斜め45度の美しさ(by 滝川クリステル)?

 そう。美しいものをそのまま見せるのではなく,角度をつけることによって,欠点を隠し,美しいところを“より美しく”見せるテクニック。「バランス良くバランスを崩す」計算手法は,複雑で難解な楽曲を揃えた『26』での「路線変更」を消化できた成果であろう。

 『27』の成功の秘訣は,音の引き算,にあると思う。このセオリーを詰め込み系の『27』で具現するのだから素晴らしすぎる。単純に音数を減らすとか,間を作るとか,従来の手法を見直すというよりも『27』はユニゾンを多用することで,音の引き算,を実現してみせてくれる。

 特に増崎孝司ギターは,ギターフュージョンだった頃のプレイとは随分様変わりしたと思う。自分が前に出る時は,キーボード小野塚晃アルトサックス勝田一樹も一緒に“担ぎ出す”と表現するしかないような…。

 具体的には小野塚晃キーボードの裏の仕事をカッティングでカバーする。勝田一樹アルトサックスとのユノジンでは,カウンターを当て続ける。要は場を回す,枕木のようなギター・プレイ。全体のバランスを考えて,崩れるか崩れないか,の「計算された崩し」が絶妙すぎる。

 『27』のいい演奏といいアレンジ。でもやっぱり音楽はメロディーである。『27』には2つのキラー・チューンが収録されているので・た・ま・ら・な・い。

27-2 このように書くと,管理人の周りのDIMENSIONファンは(管理人がDIMENSIONデビューからのファンであることが知られているだけに)超絶技巧リターンズの【ONE AND ONE】とライブフィーチャーされた【TRAVELERS】だと予想されるだが…。残念「ハズレ」で〜す。

 『27』は【SEAWIND TO SALOU】と【BLUE SKY】を聴け! DIMENSIONは【SEAWIND TO SALOU】と【BLUE SKY】を聴け!

 増崎孝司の「成熟と変貌」を強く感じた『27』。管理人も増崎孝司と同じ気持ちで,本当に好きすぎて青春を語るのに欠かせない『23』以前のDIMENSIONを,しばらく封印してみようと思っている。
( マスヤンがアルバムにコンセプトを設けなくなった『24』からDIMENSIONは変わってきた発言を受けて。やっぱり『24』! )

  01. One And One
  02. Summer Night Out
  03. Growing
  04. Amnesiac
  05. Blow
  06. Seawind To Salou
  07. Endless Story
  08. Blue Sky
  09. Travelers
  10. Letters

(ザイン/ZAIN RECORDS 2014年発売/ZACL-9077)
(☆スリップ・ケース仕様)
(☆BLU−SPEC CD仕様)

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DIMENSION / 264

26-1 『26』におけるユニゾンアドリブは素晴らしい。バンド・アレンジも素晴らしい。
 客演ベーシスト須藤満川崎哲平二家本亮介,客演ドラマー則竹裕之坂東慧吉田太郎平陸(驚きの天才17歳の新発見! ディメの3人は青田買いはしません!)のサポートもお見事であるが,あのリズムをしっかりとDIMENSIONのバンド・サウンドに取り込んでいるのが実に素晴らしい。5人が完璧に調和している。

 でも&でも…。マスヤン小野塚さん,カツオ,ゴメンナサイ。
 熱烈ディメ・ファンとしては『26』の出来にどうしても納得がいかないのです。これが最高に愛するDIMENSIONのオリジナル・アルバムとは俄かに信じられません。大仰に表現すれば「耳をふさぎたくなる」感覚? カッコイイだけでは通用しないのです。

 理由はただ一つ。管理人の愛する“ディメンションメロディ”が薄い。と言うか,耳に残る印象的なサビが1つも見つからない。おいおい,一体どうしたんだよ,DIMENSION〜。

26-2 多分,DIMENSIONは昨年の20周年記念イヤーで燃え尽きたんだろうな〜。

 2012年のDIMENSIONBOXセットの『DIMENSION 〜20TH ANNIVERSARY BOX〜』。全世界配信となったオリジナル・アルバムの『25』。バラードベスト盤『BALLAD』と1年間にCDを3枚リリース。
 秋には『25』の全国ツアー=「LIVE DIMENSIONAL−2012〜25〜」。そのツアーをシューティングしたDVD=『DIMENSION LIVE 2012 〜20TH ANNIVERSARY〜』もリリースされた。

 その最高の流れでレコーディングされた『26』は“負の反動”。『26』の敗因は“気負いまくり”の“凝りまくり”なんだと思う。
 結果,いろいろなものを詰め込みすぎて,肝心のメロディ=「DIMENSIONの生命線」がうずもれてしまったんだと思う。
 ズバリ『26』の真髄は「消化不良」。この耳残りのなさはそうとしか考えられない。

 あるいは意図的に,中期DIMENSIONの特徴であった“円熟のクラッシュ・アンド・ビルド”の再現を狙ったものかもしれない。
 DIMENSIONは『24』『25』でキャリアのピークを極めてしまった。『24』『25』のモンスターを超えるためにはモンモンモン?

26-3 『27』で復活できるかどうかは『26』のこなれ方次第? と来れば『26』のフォロー・ツアー=「LIVE DIMENSIONAL−2013〜26〜」の出来次第?
 是非,メンバー全員,LIVE後の打ち上げで『26』での詰め込みすぎを消化しちゃってください(管理人は現在【VISIONS】を消化すべく格闘中です。これぞ近未来の怒涛の展開と呼応する壮大でめまぐるしいアレンジがヤバすぎる!)。

 『26』の最終評価は『27』を待つことにします。『27』には高次元での「シンプル・イズ・ベスト」を期待しています。

PS 「26-3」はタワーレコード購入特典の「アナザージャケット風リーフレット」です。

  01. Way Over
  02. Cool In The Shade
  03. Voice Of The Star
  04. On My Way To Yesterday
  05. Visions
  06. Skype Me?
  07. Soul Dance
  08. Let's Talk
  09. If I Could Be There
  10. Monochrome

(ザイン/ZAIN RECORDS 2013年発売/ZACL-9066)
(☆スリップ・ケース仕様)

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DIMENSION / 255

25-1 『25』は【TAKE TO THE SKIES】のためのアルバムである。久しく誕生していなかった【SE.LE.NE】の後継ナンバーの誕生なのである。

 DIMENSIONの“最高傑作”『24』を受けての『25』。管理人は“そうやすやすと”『25』が『24』を超えることはないと思って聴き始めた。
 なんたって,ついにコレダ!と確信できた『24』の大インパクト! DIMENSIONのコンプリートが完成したというのに,ほぼ『24』ばかりを聴いている。「DIMENSIONに駄盤なし!」なのにである。

 しかし,しかし,しかし【TAKE TO THE SKIES】であった。思いっきり返り討ちにあってしまった。【SE.LE.NE】だけではなく【IF】を聴いた時の感動を思い出さずにはいられない。メロディーアドリブユニゾン,どれをとっても完璧である。
 尤も,キラー・チューンを数十曲も有するDIMENSION。【IF】【SE.LE.NE】に次ぐ定番曲の地位を【TAKE TO THE SKIES】に与えるのはまだ早い。管理人以上のディメ・マニアから寄せられる,お叱りの言葉も多いことだろう。

 そう。【TAKE TO THE SKIES】は,管理人の私的な理想系なのだ。【TAKE TO THE SKIES】を初めて聴いた瞬間に感じたインパクトが最高だった。
 『24』のオープナーにして,こちらも“野生の本能丸出し”が大好物な【MAKE A SPLASH】とは全く異なるラストのギター・ソロがピュアピュアのクリーン。【TAKE TO THE SKIES】は,管理人の脳内のどこかで流れていた,まだ一度も聴いたことのない“DIMENSIONらしさ”を具現化してくれた。いやホント,この瞬間を常に待ち焦がれていた自分に気付いた。
 例えば,理想の女性像があって,現実には現れないであろうと思うくらいの高望みを死守している場面へ,長澤まさみがドン!みたいな。アレッ? バンド名が「ディメンション」なだけに,2次元のCGアイドルが3次元となって存在した,まゆゆがドン!みたいな。アレッ?

 マジで想定外の『24』を超えた瞬間であった。要するに「一目惚れ」なのだ。DIMENSIONを20年間聴いてきて,初めての「一目惚れ」なのだ。
 まだこんな“極上品”が増崎孝司小野塚晃勝田一樹の体内に残されていたのか…。しばし呆然の思考停止状態…。

 【TAKE TO THE SKIES】の飛び切りのキャッチーと高難度な7拍子→「上半身と下半身」→(参戦予定のライブをイメージして)「上手く手拍子が取れない」→「爽やかな秋晴れ」→「天高く馬肥ゆる秋」→「NO NAME HORSES」→「小曽根真」→「小野塚晃」。
 そう。練りに練られた均整な構成の上で,最後の仕上げに“一さじ加える”小野塚晃のバランス感覚。小野塚晃が全体を仕切りつつ,増崎孝司勝田一樹を自由に走らせる,唯一無二のDIMENSIONらしい“塩梅”が「だ・あ・い・す・き」なのです。

 お願いマスヤン! 【TAKE TO THE SKIES】を,今後10年,ディメライブのオープナーに使ってみてください。きっと【SE.LE.NE】に肩を並べるオープナー,ディメの新・定番曲に育つに違いありません。管理人のディメ・マニアとしてのプライドを賭けて保証します。←何の保証なのぉ。
 つまりは単純に「一目惚れ」した【TAKE TO THE SKIES】をずっとライブで聴き続けたいのです。だからお願い!

 おおっと,危ない。紙面が【TAKE TO THE SKIES】だけで埋め尽くされてしまいそう〜。
 【TAKE TO THE SKIES】以降も『25』の快進撃は続く〜。まず全ての曲いい。その昔の“超絶技巧集団”と呼ばれたDIMENSIONはここにはいないのだ。 当然ながら“超絶技巧”は益々進歩しているのだが,DIMENSIONの“売り”は増崎孝司小野塚晃勝田一樹の“メロディー・ミックス”! バンドとして楽器で歌うためのハイ・テクニックに徹している。

 しかし【TAKE TO THE SKIES】の「もう一丁」までは見当たらず…。残念ながら『25』の『24』超えは1曲目だけの瞬間最大風速だった。そう。『25』=秋台風〜!

 “壮大系”な【DREAM OF DREAMS】。“近未来フュージョンの王道”【RAISE YOUR HAND】。増崎孝司ソロ名義【SHADOWS】の“アナザー・ストーリー”【SONGBIRD】に関しては,ラストのテーマのユニゾンで“崩し”のような“一捻り”な展開があれば失神トラックに成り得たかも〜。
 それにしても読者の皆さん,上記3曲における小野塚晃のキーボードはパット・メセニーグループライル・メイズっぽさを感じてしまいませんか?

25-2 さて,管理人が『25』を聴き込むにつれて一番強く意識したのはリズム・セクションの充実の秋であった。
 特に則竹裕之の正確無比なテクニックとグルーヴ坂東慧のニュアンスが大人なだけに,先輩後輩の関係性が逆転している。“若さ”の則竹裕之と“円熟”の坂東慧が最高のドラミングでプッシュしている。

 単なる客演を超え,DIMENSIONの3人と共に楽曲の深い部分でクリエイトに加わった感じが漂うリズム・セクション。こんな感覚は青木智仁石川雅春の時代でも感じたことはなかった。
 う〜ん。『25』は,気付けばドラムばかりを追いかけている自分に「ハッ」としてしまった。

 “超・売れっ子”セッションドラマー則竹裕之坂東慧に,スクェアの面影は一切ない。『25』のドラミングを聴く限り“ディメの”則竹裕之坂東慧になっている。
 そう。『25』の真髄は,DIMENSION版“伝説の5人”のグループ・サウンドにあると思う。

 『25』のジャケット写真が主張する“鉄壁の3人”によるグループ・サウンド。しかし実際には5人の腕が必要なのです。いや,よく見ると,うっすらと,則竹裕之坂東慧須藤満川崎哲平種子田健の手首見える? 午前0時の満月の日には透かし絵が見えると噂の都市伝説? 信じるも信じないもあなた次第です。

PS たまたまかぶっちゃたのでしょうね。FOURPLAYの『ESPRIT DE FOUR』。ジャケット見比べてみてください。

  01. Take To The Skies
  02. Jump Off
  03. Dream Of Dreams
  04. Raise Your Hand
  05. Songbird
  06. Our Inspiration
  07. Spiral
  08. Stay With Me
  09. Sad Stories
  10. Colors

(ザイン/ZAIN RECORDS 2012年発売/ZACL-9055)
(☆スリップ・ケース仕様)
(ライナーノーツ/近藤正義)

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DIMENSION / FOURTH DIMENSION5

FOURTH DIMENSION-1 苦節19年。DIMENSIONの『FOURTH DIMENSION』をついに手に入れました。ヤッター!

 探しましたよ〜。『FOURTH DIMENSION』は,恐らく【IF】に次ぐ代表曲【SE.LE.NE】収録の人気盤。いつでも買えるはずだったが,いつのまにか買えない廃盤へ。
 結局,DIMENSIONの全ディスコグラフィ26枚中『FOURTH DIMENSION』だけが欠品中。管理人はヤフオクはしていないのでAmazonマーケットプレイス狙いになるわけですが『FOURTH DIMENSION』が高い。人気廃盤は軒並み高値なのは分かるが中古CDで5000円以上はポチできませんでした。

 (経過省略)(購入価格省略)今回,適正価格で我が家へ迎えた『FOURTH DIMENSION』。【SE.LE.NE】【JUNGLE DANCER】がかかると盛り上がるミーハー体質を自覚。

 聴き焦がれていただけに普段以上のテンションで聴き始めたせいなのか,もしや『FOURTH DIMENSION』に愛着を覚えてしまうかも? 管理人は現在のDIMENSIONが大好きですが,だからと言って初期のDIMENSIONも格別なわけです。DIMENSIONが(当然ですが)若返った演奏で乗り込んできた。これが2012年の“ニュー・DIMENSION”?
 いいや違う。騙されるな〜。でももうだめです。誰か助けてください。こんな歪な聴き方をした天罰なのでしょう。

FOURTH DIMENSION-2 あ〜あ,新鮮な『FOURTH DIMENSION』を聴いた後に届く『25』が心配です。本日HMVから出荷のメールが届きました。日曜日には届くであろう『25』に『FOURTH DIMENSION』ほどの衝撃を感じないのは仕方ないとしても,もしや『25』を古いとか感じてしまったらどうしましょ?

 『25』発売のタイミングで『FOURTH DIMENSION』なんて聴かなければ良かった。「悔しい,でも楽しい〜」。
 あっ,なんてラッキー。音楽の神に感謝です。『25』にまとわりつくであろう『FOURTH DIMENSION』の呪縛を『25』のフォロー・ツアーで払拭できる予定なのです。

 超お久しぶりのマスヤンにカツオに小野塚さん。ライブでは『FOURTH DIMENSION』からの楽曲はなしにして(ウソ。【SE.LE.NE】がないと幻滅しそうです)『25』全曲披露で,管理人の頭の中を『25』は『25』色に染めてくださ〜い。← 自分で『25』をヘビー・ローテーションして打ち消すだけのお話です。

PS アドリブログで余り取り上げてきませんでしたが『IF』までの12枚のCDジャケットが秀逸。数字にかけたダジャ・キングが楽しみでした。『4TH』のお題は馬。ホースが『FOURTH』でした。

  01. Flip Out
  02. Se.le.ne
  03. Land Breeze
  04. Jungle Dancer
  05. Silver Rain
  06. No Reaction
  07. All For One
  08. Up Close
  09. Lull

(BMGルームス/BMG ROOMS 1995年発売/BMCR-6017)

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DIMENSION / 245

24-1 ズバリ書こう。『24』はDIMENSIONの“最高傑作”である。

 『24』はDIMENSION24枚目のオリジナル盤=全曲新曲である。でもそれでも『24』はDIMENSIONの「裏・ベスト」盤と捉えても良い。
 そう。『24』は全てのDIMENSION・ファンの「宝物」となるべき超・充実盤。『24』にはDIMENSIONの「過去・現在・未来」が見事なバランスで見え隠れしている。

 メロディー良し。アドリブ良し。アレンジ良しの演奏良し。ギター増崎孝司キーボード小野塚晃サックス勝田一樹DIMENSION3人が,バンドとソロとスタジオ・ワークの全ワークスを『24』で詰め込んできている。
 これが心憎いばかりの軽いノリ。“サラッと”弾き流しているのが,いかにもDIMENSIONらしい。この絶妙な塩梅の味が大好きでメロメロのトロトロ。キャリアの集大成的な演奏なのに重くない。この最高バランスに,ついに『24』をDIMENSIONの“最高傑作”に指名する覚悟を決めた。腹をくくった。

 これまで管理人はDIMENSIONの“最高傑作”についての言及を避けてきた。なぜならDIMENSIONの場合は『FIRST DIMENSION』から『23』まで「ハズレ」が1作もない。単純に言えば最新作=最高傑作の図式が成立するJ−フュージョン屈指のテクニカル・バンドだからである。

 しかし,管理人が『24』をDIMENSIONの“最高傑作”に指名するのは『24』が“最新の”DIMENSIONだからではない。
 この辺の事情を書き出すと長くなるので省略するが,かつてDIMENSIONは「もう昔のレパートリーはやらない宣言」をしたことがあった。その後,この「封印宣言」はうやむやなものとなっていたが,管理人の中ではいまだに過去の「封印宣言」が継続している感覚があった。

 「封印宣言」以後の2大名盤MY RULE』と『21』にしても“成長は変化”であって進化ではなかったと思う。
 しかし『24』の屈託のない音造りには,敢えて過去のDIMENSIONを織り成している。ついに『24』でDIMENSIONの3人が自身の「封印宣言」を“解禁”してみせたのだ。

 く〜っ。もうあきらめかけていたDIMENSIONの「過去・現在・未来」の豪華大共演! これぞDIMENSIONファン冥利に尽きる夢のスペシャル盤。ゆえに「裏・ベスト」盤。だから“最高傑作”とここに宣言しよう!
 『24』に興奮しないニワカ・ディメ・ファンは過去の23枚を半分でも聴いたら掴めるはず。聴き直してから出直してこ〜い!?

 …と,ここで読者の皆さんだけに裏話。実は『24』をここまでプッシュするに至った理由はDIMENSION以外の取り巻き事情も関与してる。
 管理人が2011年10月と11月に購入したCDは,増崎孝司の『IN AND OUT』,T−スクェアの『夢曲(ゆめのうた) − T−SQUARE PLAYS THE SQUARE』,キース・ジャレットの『リオ』,そしてDIMENSIONの『24』の4枚である(現在矢野顕子×上原ひろみの『GET TOGETHER 〜LIVE IN TOKYO〜』予約中)。

24-2 この4枚の流れが無視できない。増崎孝司のソロCDが『24』への期待を煽る。唯一ガッカリな『夢曲』がDIMENSIONへの期待を煽る。管理人最愛のキース・ジャレットの復活ソロ・コンサートは大事に聴きたい&特別な日に聴き返したい。この流れがDIMENSION24』ヘビロテへの土壌を作ったことは否めない?
 とにかくDIMENSIONT−スクェアキース・ジャレットに勝ったのは事実。ソフトバンク・ホークスがCSに勝ったのも事実。

 いいや,DIMENSIONの“最高傑作”の地位は『24』が自らの実力で奪い取ったものである。
 『24』の全10曲中,テレビ東京系「ゴルフの真髄」の【MAKE A SPLASH】。テレビ朝日系「SUNDAY!スクランブル」の【SENSE OF TOUCH】と【GREEN DAY】の3曲がタイアップ当選。マスヤンソロギターよりカッコイイ〜!

 DIMENSIONの真髄は「過去・現在・未来」に流れる,いいメロディーの最高バランスにある。『24』はファースト・インプレッションも最高だが,ピークが持続し“ジワジワ来る”大名盤のアレ。
 例えるなら『24』の立ち位置はT−スクェアにおける『ヒューマン』であろう。スクェア好きのディメ・ファンならこれだけ書けば十分に気持ちが通じ合う?

 管理人の結論。『24』がDIMENSIONの“最高傑作”である。

  01. Make A Splash
  02. Upside
  03. Free Spirits
  04. The Winds Of Change
  05. The One
  06. Tears
  07. Walk On
  08. Sense Of Touch
  09. Green Day
  10. Together

(ザイン/ZAIN RECORDS 2011年発売/ZACL-9051)
(☆スリップ・ケース仕様)

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DIMENSION / 235

23-1 4人組のカシオペア,5人組のT−スクェア以上に,3人組のDIMENSIONのキャラが立っている。
 DIMENSIONは,音の粒立ちが良いと表現したらよいのだろうか? いつでもガッツリのカブリツキ! ソロにしてもアンサンブルにしても圧倒的な演奏力を誇っている。

 そんな“バリバリ”のDIMENSIONで初めて感じた“余裕の音”。それが『23』である。
 もうアクセルを目一杯踏み込んだりはしない。『23』でDIMENSIONはスポーツ・カーからセダンへと乗り換えた。大排気量はそのままに走り方が変化した。アクセルを踏まずとも軽々と坂道を登っていく感覚。トルクである。
 『23』で伝わってくる“ナチュラルな”トルク感が,DIMENSIONのポテンシャルの高さを際立たせていると思う。

 DIMENSIONの歴史は変貌の歴史。おおまかに書くと「爽やかギターフュージュン期 → 超絶技巧の近未来フュージュン期 → 円熟のクラッシュ・アンド・ビルド期 → 音の万華鏡期」とフュージュン・バンドとしての音を固めつつも一作毎に新境地へと挑戦し続けてきたDIMENSION
 これまでにもアダルト路線を感じさせるアルバムもあったが『23』に漂う“大人の余裕”はジェントルマン。全てを知り尽くし全てを受け入れた上でのONとOFF。自然体なのである。それでいて微動だにしない。揺るぎないDIMENSION・サウンドの最高峰に違いない。

 そんなこんなで『23』はミディアム系? 非常に聴きやすい。聴き込んだいくとさらに「一皮向ける」感覚があるが,一聴しても質の高い演奏に気付くのが『23』の特徴であろう。
 単純に『23』のジャケット・カラーのイメージだろうが『23』の音が白い。まばゆい。

 ハードでマッチョな『22』を聴き込んできた反動なのか『23』の音の拡がりがクールでカッコイイ。爽快なメントール系に喜びを感じる。
 【AFTER THE RAINBOW】【SLASH】【RED MOON】の大サビに仰け反ってしまう! これは角松敏生風のポップ・インスト! 増崎孝司ギターが飛ばしている。 
 【STORY】は【IF】ではなく【HEARTS】路線の名バラード勝田一樹アルト・サックスが歌っている。涙ちょちょぎれ〜。

23-2 パット・メセニーT−スクェアが大好きな管理人の『23』の楽しみの一つに,3人のゲスト・ドラマーの聴き比べがある。

 正直に順位をつけさせていただくならポール・ワーティコ則竹裕之坂東慧の順番である。最下位とした坂東慧が素晴らしい。やっぱり坂東慧は天才である。しか〜し,坂東慧以上に,則竹裕之が素晴らしい。則竹裕之にかかれば坂東慧は「まだ青い」となる(伊東たけし風)。しか〜し,則竹裕之以上に,ポール・ワーティコが素晴らしい。ポール・ワーティコにかかれば則竹裕之は「まだ青い」となる(伊東たけし風)。

 ポール・ワーティコが産み出す,細かい刻みと大きなグルーヴに“格の違い”を感じてしまった。これはパット・メセニー・グループT−スクェアから来る“格の違い”? パット・メセニー・グループ在籍時のポール・ワーティコは(パット・メセニーライル・メイズが凄すぎるので)特にこれと言って凄いと思ったことはなかったけれど,伊達にPMGのレギュラー・ドラマーは務まらない?

 ポール・ワーティコ石川雅春を越えて来た! DIMENSION史上最高のドラミングを聴け!

  01. After The Rainbow
  02. Evolution
  03. Steppin Out!
  04. Slash
  05. Red Moon
  06. Story
  07. You Never Know
  08. Change
  09. Yellow Line
  10. Scratch

(ザイン/ZAIN RECORDS 2010年発売/ZACL-9046)
(デジパック仕様)

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DIMENSION / 224

22-1 『22』のDIMENSIONが「若々しい」。パワーみなぎる&溢れ出る=ハイエナジーな構築美の「音の万華鏡」である。

 『22』のCD帯に「バンド史上最も激しく叙情的なマスターピース。バンド史上最も攻撃的でポジティブ」の文字が躍っている。そして『22』のジャケット写真がおっしゃっれ。3人共,組んだ足が異様に長〜い。下からのカメラ・ポジション? フォトショ大活躍?

 そう。『22』のテーマは“イメチェン”である。DIMENSION伝統の“メロディー重視”が破られ,とにかく押しの一手。グルーヴ押しのメロディー後付け路線。DIMENSION円熟の演奏にメロディーが“遅れて乗っかってくる”感覚が残る。
 加えてDIMENSION初となるアルバム通してのバラードなし。美メロとバラードを封印した“イメチェン”の印象は「若さ」。とにかくエネルギッシュにグルーヴするアドリブがサビを奏でている。

 ただし,音の重心は低い。『22』でDIMENSIONと共にグルーヴを産み出すリズム隊は,ベース川崎哲平ドラム則竹裕之江口信夫吉田太郎の3人(そうは言っても江口信夫は1トラックのみ。吉田太郎は新顔だし,DIMENSIONのゲスト正ドラマーの座は則竹裕之シフト中です)。
 『22』の「サビ抜き&メロディー抜き」の楽曲群と相まって,リズム隊の2人がフロントの3人に追いつき,追い抜く瞬間がある。厚くシャープばボトムが刺激的である。

22-2 『22』を象徴する2トラック【GROOVE IT】【HIGH BROW】。【SILVER RASH】【MY STUPID IMAGINATION】【KIND OF DOUBT】はエッジの効いたフュージョン・スタイル。爽やか系の【INNOCENT HEART】【FINE】。緊迫系の【BLACK TRAIN】【BITTERSWEET DAYS】。ダンサブルな【WHY】。実にカラフルな「音の万華鏡」期。

 『22』が放つエネルギーを受け止めるには力が要る。増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人は若返った。
 『22』を正面から受け止められない管理人は只今筋トレ中。リスナーも若返る『22』は筋トレBGM?

  01. Groove It
  02. Silver Rash
  03. My Stupid Imagination
  04. Innocent Heart
  05. Black Train
  06. Kind Of Doubt
  07. Fine
  08. Why
  09. Bittersweet Days
  10. High Brow

(ザイン/ZAIN RECORDS 2009年発売/ZACL-9035)
(デジパック仕様)

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DIMENSION / 215

21-1 キター! キター! これぞDIMENSION・サウンド!
 煌びやかでメロディアスな『21』こそ「音の万華鏡」期の最高傑作であろう。素晴らしい。

 「テクニック(演奏)よし,曲(メロディ)よし,アレンジ(アンサンブル)よし」は,カシオペアの専売特許であったが“我らが”DIMENSIONは「演奏よし,ノリよし,聴かせ所よし」の新三拍子に,称賛の言葉は何もかもをも加えた新十拍子? 『21』で熱狂できないフュージョン・ファンはモグリである。

 イケイケでキメキメなユニゾンとエモーショナルなメロディ。『21』には「歌詞では絶対に表現できないインストの強み」がある。
 増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人組ユニット=DIMENSIONが主役である。伝統の近未来サウンドでは3人の個性がせめぎ合い,バラードでは3人の個性が繊細に折り重なり一つになる。
 そう。『21』でのDIMENSIONは正三角形。3人のバランスが絶妙なトライアングル。ここに変化をつけるのが3人のゲスト・ドラマー石川雅春則竹裕之田中栄二

 やっぱりDIMENSIONはバンドだよなぁ。なぜって? 小野塚晃のソロのバックで石川雅春が叩くと渡辺貞夫・グループっぽい。勝田一樹のソロのバックで田中栄二が叩くとJAFROSAXっぽい。そして『21』最大の驚き。則竹裕之が叩くとDIMENSIONスクェアっぽく聴こえる〜。

 このゲスト・ドラマー3人の人選。そしてトラック別の人選は考えられたものなのでしょう。でも根っからのDIMENSIONマニアとしては,重量級の石川雅春にハードなキメキメを叩いてほしかった〜。

 「音の万華鏡」期の最高傑作『21』を語りだしたら止まらない。そこで一言。つべこべ言わずに「『21』を聴け!」(「マイルスを聴け!」の中山康樹風)。絶対絶対いいんだから…。グスン。
 【SEPTEMBER WINDS】【BUD MAN】【THRILL】【THAT DAY】の頭4トラックの流れは神!

21-2 煌びやかでメロディアスな『21』の個性は,他のフュージョン・バンドを置き去りにする。いや,過去のどのDIMENSIONをも置き去りにする。

 『21』で,DIMENSIONは●回目かの黄金期を迎えている。『21』をDIMENSIONの,そしてJ−フュージョンの代表作として推薦いたします。

  01. September Winds
  02. Bud Man
  03. Thrill
  04. That Day
  05. The Last Word
  06. They Are Back
  07. Let Me Hear
  08. Recollections
  09. Beyond The Sky
  10. Silverly Snow

(ザイン/ZAIN RECORDS 2008年発売/ZACL-9028)
(デジパック仕様)

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DIMENSION / 20 -NEWISH-4

20 -NEWISH-1 結成15周年第二弾にして20枚目の『20 −NEWISH−』は,DIMENSION久々の微妙盤。一体何が微妙なのか?

 まずはDIMENSIONとしては初共演のリズム隊。ベースクリス・ミン・ドーキードラムライオネル・コーデューの大物外国人の参加である。
 何で突然DIMENSIONクリス・ミン・ドーキー? 実はクリス・ミン・ドーキーDIMENSION全面バックアップのアンナケイのお友達なのだそうで。なるほど。

 大物外国人リズム隊の実力は認めつつも,やっぱりDIMENSIONのリズム隊は青木智仁石川雅春だと思っている管理人には『20 −NEWISH−』限定のクリス・ミン・ドーキーライオネル・コーデューは何かが違う。
 要因としてはDIMENSION初の海外録音というのもあるかもしれない。NYのタイトでソリッドなリズムは存在感が薄い。大物ゲストとして参加した割りにはバック・ミュージシャンにしか聴こえない。

 もっと言おう。管理人にとっての『20 −NEWISH−』は【CUT TO THE COOL】【I WILL】【FAR FROM HERE】【LIFE】の4曲であって,このうち3曲が小野塚晃の打ち込みである。いっそのこと全曲打ち込みの方が“しっくり”きたのでは?

 いえいえ『20 −NEWISH−』が微妙盤なのは,何もゲストのリズム隊のせいではありません。かなり曲調を,いじってきた&いじりすぎ,のせいなのです。
 『20 −NEWISH−』の楽曲はバラエティに富みすぎたか? 一応,前半はイケイケ&後半はスムーズ・ジャズと括られてはいるがアルバム全体の展開がどっちらけ。曲が進むにつれどんどん音楽性が深くなりアダルト路線になっていく=「DIMENSIONの15周年の音表現」しているのか?

20 -NEWISH-2 『20 −NEWISH−』=「DIMENSIONの15周年の音表現」の象徴がDIMENSION初のセルフ・カヴァー【JAZZ CIGARETTE(15TH ANNIVERSARY VERSION)】!

 一聴した限りでは,増崎孝司小野塚晃勝田一樹の変化よりも,青木智仁石川雅春組からクリス・ミン・ドーキーライオネル・コーデュー組への変化の幅が大きく分かり辛いが,聴き込むにつれDIMENSIONのバンド・サウンドの進化を実感させられる。
 ジャズ・ファンク度が増しているのに,カラフルな風味が絞られた「渋い大人の」リアレンジである。やっぱりさすがに微妙盤!

  01. NEWISH
  02. Black Code
  03. Cut To The Cool
  04. Things Never Change
  05. I Will
  06. Returns
  07. Out Off This Sky
  08. Far From Here
  09. Life
  10. Be My Wind
  11. Jazz Cigarette (15th Anniversary version)

(ザイン/ZAIN RECORDS 2007年発売/ZACL-9019)
(ライナーノーツ/工藤由美)
(デジパック仕様)

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DIMENSION / MY RULE5

MY RULE-1 「音の万華鏡」期のDIMENSION19th=『MY RULE』。

 カラフルでポップな赤と黄色のCDジャケットに“期待膨らむ&血が騒ぐ”『MY RULE』のキャッチ・コピーは「日本最高峰のインストゥルメンタルグループDIMENSION,ニューアルバム登場! 結成15周年を迎え円熟味を増した,メロディ際立つそのサウンドは,まさにDIMENSIONの過去〜未来を繋ぐ最高傑作!!」。
 そう。『IMPRESSIONS』では「過去〜未来を繋ぐ」シナプスの芽が言わば「成長途上」であったが『MY RULE』で「過去〜未来」の接続が大完了。
 『IMPRESSIONS』の拡大路線上に位置する『MY RULE』の音・音・音! 大充実のDIMENSIONサウンドの“てんこ盛り”である。

 『MY RULE』を聴いていると,ほどよい興奮とほどよいリラックスに包まれていく。これぞ「結成15周年を迎え円熟味を増した,メロディ際立つそのサウンド」のコピー通り。パッと聴いてもいいし,じっくり聴き込んでもいい。15周年の積み重ねが産み落とした大名盤の誕生である。

 ちょうど同時期発売のT−スクェアの『33(THIRTY−THREE)』との相乗効果? 『33(THIRTY−THREE)』と『MY RULE』に明け暮れる毎日。中年を迎えて久々にJ−フュージョンを聴き漁る毎日。
 もう頭の中はT−スクェアDIMENSION一色の“お花畑”であった。若気の至りならぬ,中年の至り?

 『33(THIRTY−THREE)』の魅力が,河野坂東組の「新サウンド・カラー」にあるのなら『MY RULE』は「伝統のサウンド・カラー」の進化系!
 『MY RULE』こそ,伝統のDIMENSIONサウンドの「万華鏡」である。多彩な楽曲群が,増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人の個性で“埋め尽くされている”!
 この3人の個性が「万華鏡」を覗くたびに,煌びやかに華やかに,絶妙のタイミングで顔を出す。DIMENSIONの3人が,自分が前に出る部分と他のメンバーを惹き立たせる部分とをわきまえている。「おお,ここでこう来るか〜」な予想外のアドリブDIMENSIONの「引き出し」の多さに驚愕してしまう。

MY RULE-2 全曲が勝負曲な『MY RULE』にあって,増崎孝司フィーチャリングな【NEVER】。小野塚晃フィーチャリングな【ARISE】。勝田一樹フィーチャリングな【RAINING IN YOUR HEART】は神曲!
 そして『MY RULE』のハイライトはラストの【INTOXICATION】。神曲3曲も含めて全てのおいしいところをかっさらっていく! これぞいかにもDIMENSION的なDIMENSIONワールドのハイライト・トラック! 勝田一樹テナー・サックスを含めて超・超・カッコエエ!

 ちょっと無機質っぽくも感じる高度なエレクトリックな響きに,どうにも絡みつくヒューマンでアコースティックな香りが『MY RULE』であり『ディメ・ル−ル』! 素晴らしい!

 ただし管理人は『MY RULE』をDIMENSIONの最高傑作とは呼ばない。理由は勝田一樹アルト・サックスの“ワイルド系”な汚れた響き。特にブローがラフすぎ&崩しすぎで,デヴィッド・サンボーンを通り越し伊東たけしを彷彿とさせる瞬間がある。うーむ。

 しかし,それでも,やっぱり? 管理人は『MY RULE』をDIMENSIONの準・最高傑作に推薦します。
 カツオが減点1であっても五つ星な管理人の愛聴盤です。

  01. Never
  02. Message from you
  03. Cross Point
  04. Travels in the blue
  05. Arise
  06. My Rule
  07. Lost In Language
  08. Secret Walk
  09. Raining In Your Heart
  10. Intoxication

(ザイン/ZAIN RECORDS 2007年発売/ZACL-9012)
(デジパック仕様)

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DIMENSION / IMPRESSIONS4

IMPRESSIONS-1 「唯一無二!! ジャンルを超越した誰も真似出来ない音の万華鏡」。これがDIMENSION18th=『IMPRESSIONS』のキャッチ・コピーである。そして管理人はこのコピーに全面的に同意する。

 1stから7thまでの「近未来フュージョンユニット」期。8thから16thまでの“円熟のクラッシュ・アンド・ビルド”期。そしてカヴァー・アルバム17thを経て18th以降,DIMENSIONは次なるステージへと飛び立った。「唯一無二!! ジャンルを超越した誰も真似出来ない音の万華鏡」への確立である。

 『IMPRESSIONS』のモチーフは心象風景! トラック・タイトルにも「空」「海」「月」「雪」といったキーワードが散りばめられている。それをどう構築するかが,DIMENSIONの第三期=「音の万華鏡」期。
 ジャケット写真の“合わせ鏡”が「音の万華鏡」期を表現してみせている。やりたいことをやりつくしての原点回帰。中期の個性に初期っぽさが浮かび上がる瞬間がある。簡単に言えば「バンド・アンサンブル」指向? ただし超ハイレベルのアンサンブル!

 「音の万華鏡」期の特徴の一つに,ベーシスト増崎孝司ベーシスト小野塚晃のW新ベーシストの加入!?
 『IMPRESSIONS』でベールを脱いだ新ベーシスト増崎孝司青木智仁永眠前にもかかわらず,バンド内W新ベーシストのデビューを決めたのは英断であった。

IMPRESSIONS-2 NO。増崎孝司小野塚晃ベースは本職並みのスーパー・テクニック! 管理人は増崎孝司の“ベース弾き倒し”を聴いて青木智仁並みに熱狂してしまいました。
 ただし無いものねだり? DIMENSIONでもう一作“スーパー・ベーシスト青木智仁を聴いてみたかった!

 この新ベーシストの参加が『IMPRESSIONS』へハプニングをもたらしている。打ち込みではなく生っぽい。大きな路線変更なしに新鮮な印象を与えることに成功している。
 カッコよくて孤独感の似合うフュージョン。しかし実はナイスガイなフュージョン。それが『IMPRESSIONS』の真髄である。

  01. IMPRESSIONS
  02. Flyback
  03. ENERGTIC
  04. Circle Sky
  05. The Sea Song
  06. TIP TAP TOE
  07. Predict The Future
  08. Moon Avenue
  09. Monologue
  10. Snow Breath

(ザイン/ZAIN RECORDS 2005年発売/ZACL-9006)
(☆スリップ・ケース仕様)

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DIMENSION / ロンリネス5

LONELINESS-1 いや〜,聴きやすい。『11TH DIMENSION “KEY”』以来の聴きやすさ。管理人はこんなDIMENSIONを待っていた。
 いい感じのDIMENSION。これがDIMENSION17th=『LONELINESS』(以下『ロンリネス』)を耳にした素直な感想であった。

 この聴きやすさの理由はDIMENSION初のカヴァー・アルバムにある。
 過去にも5thの【AQUARIUS】。7thの【KEEP THAT SAME OLD FEELING】。8thの【GEORGY PORGY】などのカヴァー曲があったが「カヴァー・アルバム」と自ら宣言するのは『ロンリネス』が初。理由は「たくさんの人に聴いてもらうため」のカヴァーなのだそう。

 しかし『ロンリネス』を単なるカヴァー・アルバムと侮るなかれ。『ロンリネス』にはDIMENSIONの“らしさ”が他のオリジナル・アルバム以上に濃厚!

 カヴァー曲という入りやすさに近づいたが最後,グイグイとDIMENSION・ワールドに引きずり込まれてしまう。そう。『ロンリネス』は“カヴァーを超えまくった”DIMENSIONのオリジナル作である。DIMENSION濃度の高いエキスがビンビンに漏れ出す“極上の”オリジナル・ラインアップ入りな大名盤である。

 『ロンリネス』収録の「洋楽6+邦楽1=全7曲」のカヴァー・ナンバーは,増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人がリスペクトしたアーティスト,レコーディングに参加したアーティストのリアレンジ。
 【IRONSIDE】【WALKING ON THE MOON】【GOOD−BYE MY LONELINESS】【WONDERFUL TONIGHT】【ARTHUR’S THEME(BEST THAT YOU CAN DO)】【<HISTORIC MEDLEY>PURPLE HAZE〜CHAMELEON〜ELECTRIC CITY】【SO FAR AWAY】が,DIMENSION・マジックでリアレンジ。素晴らしい。

 特筆すべきはDIMENSIONのメイン・ボーカリスト勝田一樹サックスである。
 勝田一樹サックスが鳴れば,すぐにDIMENSIONだと分かる個性を感じてしまう。もはや勝田一樹サンボーン・チルドレンではない。デヴィッド・サンボーンと肩を並べるレベルにまで到達している。
 【IRONSIDE】【WONDERFUL TONIGHT】ではファンキーに【ARTHUR’S THEME(BEST THAT YOU CAN DO)】【SO FAR AWAY】では情感たっぷりに泣いている。
 サックスで見事に踊り歌っている。トラック毎に異なる世界観をイマジネーション豊かに表現してみせている。勝田一樹は素ん晴らしい“ボーカリスト”だと思う。

LONELINESS-2 『ロンリネス』収録の「全4曲」のオリジナル・ナンバーがいい。名曲揃いのカヴァー・ナンバーの合間に挟まれたオリジナル・ナンバーが“絡みついている”!
 カヴァー・ナンバーはDIMENSIONっぽく,DIMENSION・ナンバーは洋楽っぽく…。
 洋邦新旧でジャンルも曲調もバラバラな『ロンリネス』全11トラックの統一感はお見事の一言!

 正直,DIMENSIONの新作がカヴァー・アルバムだと知った時は,ガッカリした自分がいたものだが『ロンリネス』を聴いた瞬間,歓喜する自分に気付いた。
 そう。世界のフュージョン・バンドを見渡してものロンリネス』のようなカヴァー・アルバムは,DIMENSIONにしか作れない。
 もはやDIMENSIONは何を演ってもDIMENSIONの音がする唯一無二のフュージョン・バンド。DIMENSIONは管理人の“誇り”である。

  01. lronside
  02. Walking On The Moon
  03. Respectacls
  04. Dancer In The Light
  05. Good-bye My Loneliness
  06. Southside On Oneseventeens
  07. Wonderful Tonight
  08. Arthur's Theme (Best That You Can Do) "New York
     City Serenade"

  09. Vanity Story
  10. Purple Haze - Chameleon - Electric City
  11. So Far Away

(ザイン/ZAIN RECORDS 2004年発売/ZACL-9005)

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DIMENSION / COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO5

COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO-1 『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』は,ビーイング・レーベルが所属アーティスト毎にコンパイルした『AT THE BEING STUDIO』シリーズの第15弾。
 過去のラインアップは,T−BOLAN,WANDS,織田哲郎,大黒摩季,FIELD OF VIEW,そして増崎孝司が在籍し2011年に再結成されたB.B.クイーンズなどの13組全16集。
 このラインアップを見る限り『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』が,DIMENSIONマニア寄りではなく,DIMENSIONを聞いた事のない一般リスナーの新規開拓にあることが窺えよう。

 しかし,しかしである。DIMENSIONマニアにとっての『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』は,かなりマニア寄りでニンマリ。『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』は,DIMENSIONマニアにとっての“お宝”盤である。

 『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』の真実は,DIMENSIONの企画盤であってベスト盤ではない。これがポイント!

COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO-2 理由はベスト盤扱いなら入らないであろう3曲の選曲にある。『LE MANS』収録の【DEPARTURE】(92年のル・マン24時間レース・ゴールシーンBGM)。“マボロシングル”ことDIMENSION唯一のシングル・ナンバー【ROUND TRIP】(92−97年テレビ朝日系プロ野球中継テーマ曲)。HOUSE・コンピレーション・アルバム『FASHIONAL LOUNGE』収録の【SOMETHING ABOUT YOU AND ME】。

 そう。『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』は,一般リスナーの新規開拓を目的に,過去にタイアップ等でTVやラジオやCMでオンエアされてきた楽曲中心の選曲。その結果,幻のレア音源の3曲がセレクションされている。「棚ボタ」なのである。

 上記3曲以外にも,こちらはDIMENSIONマニアをピンポイントで狙ってきたとしか思えない【BEAT #5 − LIVE EDIT】は,DVD盤『BEST LIVE SELECTION −10TH ANNIVERSARY−』収録トラック。
 DVDを持ってはいても,CDの手軽さ&CDの高音質が恋しくなるもの。高音質と言えば全曲リマスタリング仕様なのも触手が伸びる。

 スペシャルBOX仕様のおまけつき『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』は,DIMENSIONマニアの“ツボ”を完全掌握している。流石は企画盤である。
 ちなみに管理人のマニア心が“くすぐられた”収録曲の一言紹介のコピーを列挙してみます。

COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO-3DEPARTURE】…92年ル・マン24時間レース ゴールシーンBGM
BEAT ♯5 LIVE EDIT (1997.3.29 恵比寿 THE GARDEN HALL)】…LIVE定番ナンバー
ARE YOU GONNA WIN?】…力強いサックスで始まる,LIVE人気曲!
YELLOW SUNSHINE】…クラブテイストなフルーヴィーナンバー
SE.LE.NE】…FAN CLUB人気投票BEST 3
BREAK OUT】…初期代表曲。超絶技巧,演奏者の極み!
GEORGY PORGY】…TOTOカバー・ナンバー
CLOSE TO YOUR HEART】…AORテイスト,叙情的なミディアムナンバー
IF】…不動の人気NO.1バラード・ソング
NUDISTIC】…四つ打ちビート,ダンスチューン!
ROUND TRIP】…伝説のシングルナンバー
SOMETHING ABOUT YOU AND ME】…HOUSEコンピレーションアルバム「FASHIONABLE LOUNGE」に収録

COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO-4 こうして「きっとどこかで耳にしたはず」DIMENSIONの名曲集を聴き通すと「やっぱりDIMENSIONメロディーだなぁ」の感を強くする。
 これまで超絶技巧の演奏の良さについて語られることの多かったDIMENSION。しかし演奏の良さはメロディーの良さがあればこそ! DIMENSIONのルーツはメロディー勝負の猛者「ビーイング系」出身バンドでした。

  01. Departure
  02. Beat #5 - Live Edit
  03. Are You Gonna Win?
  04. Yello Sunshine
  05. Se.le.ne
  06. Break Out
  07. Georgy Porgy
  08. Close to Your Heart
  09. IF
  10. Nudistic
  <Premium Tracks>
  11. ROUND TRIP
  12. Something about you and me

(ビーグラム/B-GRAM RECORDS 2003年発売/JBCJ-5015)
(ライナーノーツ/斉田才,熊谷美広)

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DIMENSION / メロディー 〜ワルツ・フォー・フォレスト〜5

MELODY 〜WALTZ FOR FOREST〜-1 8thから始まったDIMENSIONの激変期=「円熟のクラッシュ・アンド・ビルド」。リリース毎にスタイルを変えアプローチを変え,新境地を開拓してきた。
 そうして辿り着いた16th=『MELODY 〜WALTZ FOR FOREST〜』(以下『メロディー 〜ワルツ・フォー・フォレスト〜』)で,自分たちの「鉄の掟」を徹底的に潰してきた。

 その1。CDタイトルの定番『○○TH DIMENSION』シリーズ。DIMENSION16thは『16TH DIMENSION』ではない。『メロディー 〜ワルツ・フォー・フォレスト〜』。これがファンが便宜上そう呼んでいるDIMENSION16thのタイトルである。
 その2。勝田一樹アルト・サックスからソプラノ・サックスへの転向。素晴らしくメロウである。
 その3。DIMENSION3人の総意としての勝田一樹推し。16thは「DIMENSION・フィーチャリング・勝田一樹」。増崎孝司小野塚晃勝田一樹のサポート役に徹している。
 その4(初の全編バラード)。その5(初のストリングスの導入)。その6(増崎孝司アコギ小野塚晃ピアノアコースティック楽器のフィーチャー)。その7(初のメイン・ボーカルの導入)。その8(初のセルフ・カヴァー)。その9(初のCD−EXTRA)。その10(ROOMSからZAIN)などと細かく挙げれば枚挙にいとまがない。
 そう。『メロディー 〜ワルツ・フォー・フォレスト〜』こそ“最強にして最後の”クラッシュ・アンド・ビルドである。

 そう。16thが最後の激変。『メロディー 〜ワルツ・フォー・フォレスト〜』が,8thから9作に渡って進化を追い求めてきたDIMENSIONの金字塔である。管理人はそう強く信じる。

 激変の『メロディー 〜ワルツ・フォー・フォレスト〜』なのに,全く違和感のないDIMENSION・サウンドが流れている。DIMENSIONファンにこそ『メロディー 〜ワルツ・フォー・フォレスト〜』を聴いてほしい。是非聴き込み,そして感じてほしい。
 DIMENSIONの代名詞である,超絶技巧も未来志向をも削ぎ落とし,残るはただただ,美しいメロディ。全く違う肌触りなのに,ビンビン感じる『FIRST DIMENSION』のあの筆舌に尽くし難い“特有のクセ”。そう。16thには,最高に楽しかったFIRST当時のDIMENSIONの“エキス”が溢れ出ている。

 『FIRST DIMENSION』が深海であるならば『メロディー 〜ワルツ・フォー・フォレスト〜』は樹海。深い森での森林浴。マイナス・イオンが音となって飛んでくる。
 こう書くとあれだが『メロディー 〜ワルツ・フォー・フォレスト〜』は,癒し系にしてヒーリング・ミュージックではない。繊細な表現で心に染み入るのだが,底辺ではいつもと変らぬDIMENSION特有のノリが流れている。
 そう。木を見てはならない。森を見よ。“円熟のクラッシュ・アンド・ビルド”期であっても底辺は揺るがないDIMENSIONのコンテンポラリー志向に熱狂を覚える。この抑え目な表現が濃密な空間を創造した秘訣であろう。
 16th1stへの原点回帰ではなく1stから脈々と流れ続けるDIMENSION特有のメロディー

MELODY 〜WALTZ FOR FOREST〜-2 『メロディー 〜ワルツ・フォー・フォレスト〜』で,増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人組ユニット=DIMENSIONの素晴らしい挑戦の旅が終わった。
 『メロディー 〜ワルツ・フォー・フォレスト〜』は過去の15作(『LE MANS』を含めると16作)なくしては完成しなかった。

 『COMPLETE OF DIMENSION AT THE BEING STUDIO』のライナーノーツ小野塚晃が『メロディー 〜ワルツ・フォー・フォレスト〜』についてこう語っている。
 「僕らがこのバンドを立ち上げた頃だったら,今回のようなアルバムは出来なかったと思います。10年やって来たからこそ,シンプルだけど,ごまかしが効かない音楽を真っ正面からやれるようになった」。

 そう。テクニックやアレンジの妙ではない。DIMENSIONがストイックに追い求め続けていたのはメロディーDIMENSIONは管理人の“誇り”である。

  01. Everlasting Melody
  02. Voice of the moon
  03. Waltz for Forest
  04. Remember of the days
  05. Song of my heart
  06. Indian Summer
  07. CHINITA (dreams)
  08. If featuring 4 P.M.

(ザイン/ZAIN RECORDS 2003年発売/ZACL-8009)
CD−EXTRA仕様:【EVERLASTING MELODY】

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DIMENSION / 15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”4

15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”-1 どのバンドにも問題作の一つや二つはあるもの?だが,DIMENSIONにとっての問題作が『15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”』である。

 14thで従来の売りであった「超絶技巧」を捨てた“円熟のクラッシュ・アンド・ビルド”期。15thでは何を捨てるべきか? リーダーの増崎孝司が「迷いがあった」と語ったインタビュー記事の記憶がある。
 そうして向かった15thはアングラでありクラブ・ジャズである。単純にセンス。音楽性やアイデンティティやアイディア勝負。

 クラブ・ジャズ=踊れるものばかりではない。管理人は“リスニング系”のクラブ・ジャズが大好きである。MMWSOULIVEブルーノートもいいところに目をつけた。DIMENSIONもいいところに目をつけた。

15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”-2 では15thが好きなのかというと? う〜ん。
 この路線が気に入ったのはDIMENSIONでも勝田一樹だけなのかな? 管理人の結論。『15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”』は,勝田一樹のソロプロジェクト「JAFROSAX」への伏線として評価する。

 『15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”』で耳につくのは一定したグルーヴ。無機質なループに生楽器がアクセントをつけている。乾いている。COOLである。

15TH DIMENSION “INTO A NEW WORLD”-3 【SEABIRD】は文句なしに最高! 【IF I ONLY KNEW】【RISE】【MOSAIQUE】もいいが,惜しまれるは小野塚晃得意のジャズ乗りなアプローチがあれば。オルガン・ジャズなアプローチがあれば。

  01. C'min up
  02. If I only knew
  03. Into a new world
  04. Forever
  05. Seabird
  06. Rise
  07. When you're gone
  08. Mosaique
  09. Place

(ルームス/ROOMS 2001年発売/BMCR-8001)
(特製ステッカー封入)

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DIMENSION / 14TH DIMENSION “HEARTS”5

14TH DIMENSION “HEARTS”-1 DIMENSION“円熟のクラッシュ・アンド・ビルド”期のピークであり,正しく“円熟”を感じさせてくれたのが『14TH DIMENSION “HEARTS”』である。
 『14TH DIMENSION “HEARTS”』こそ,従来のDIMENSIONを“ぶち壊した”アルバムはない。そう。DIMENSIONが自分たちの“売り”である「超絶技巧」を捨てたのだ。

 『14TH DIMENSION “HEARTS”』のキャッチ・コピーは「言葉が無くても伝わる音」。DIMENSIONが目指したのは“心休まる珠玉のメロディ”であって,聴かせる演奏の細部の“旨み”ではない。
 そう。増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人組ユニット=DIMENSIONは,ついにスタジオ・ミュージシャンとしてのポリシーを捨ててきた。意識的に複雑なキメを封印してきたのだ。

 DIMENSIONというバンドは明らかにマニアック! ターゲットである楽器小僧とフュージョン・ファンにはド・ストライク!(エレキコミックな漫談バンドの雄=TRIX好きにも!)
 一方で,フュージョン女子率は低かった。カシオペアスクェアほどに一般受けはしなかった。う~ん。名曲はたくさんあるのに。分かりやすくてきれいな演奏なのに。どうしてだろう。なぜなんだろう。

 そこでDIMENSIONは考えた。自分たちの音楽を「伝える」ためにスムーズ・ジャズを取り入れてみよう。
 耳馴染みの良い音楽。「いかに伝えるか」に重きが置かれた音楽。それが『14TH DIMENSION “HEARTS”』の真実だと思う。雰囲気ある“ルーズな演奏”が続いていく。

 バラードやミディアムは少ない。『14TH』で「DIMENSIONDIMENSIONを伝えるために選んだ」スムーズ・ジャズは,おもいっきり“ダンサブル”である。
 しかしアルバム全体に流れる雰囲気や空気感は紛れもなく“HEARTS”している。いい距離感で感覚に訴えてくる。

14TH DIMENSION “HEARTS”-2 個人的には【IF】を超えたであろう【HEARTS】。こちらも【SE.LE.NE】を超えたであろう【AFTER GLOW】の2トラックは神!

 『14TH』がスムーズ・ジャズしているのは序盤だけで,中盤ではパット・メセニー・グループが現われ,終盤ではクラブ・ジャズ大登場のコンフュージョンである。
 ラストの【CONFUSION】は,トラック・タイトルよろしくメロディとビートの鍔迫り合いで,正に『14TH』の象徴トラックだと思う。
 【NUDISTIC】が『15TH』以降のDIMENSIONを予言しているし【DO YOU KNOW ME?】には塩谷哲が入っている。

 『14TH DIMENSION “HEARTS”』が大好きだ。う~ん,書きたい。書き綴りたくなる強烈な衝動を感じる。
 でもこれ以上は書かない。なぜなら『14TH DIMENSION “HEARTS”』のコンセプトは「言葉が無くても伝わる音」。言葉など要らない。
 『14TH DIMENSION “HEARTS”』を是非聴いてほしい。

  01. Hearts
  02. Stylish of Swing
  03. After Glow
  04. Mad about you
  05. Far away
  06. Nudistic
  07. Change Over
  08. Do you know me ?
  09. Hand Out
  10. Get with it
  11. Confusion

(BMGルームス/BMG ROOMS 2000年発売/BMCR-7045)

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DIMENSION / 13TH DIMENSION “LIVE MILLENNIUM”4

13TH DIMENSION “LIVE MILLENNIUM”-1 “LIVE DIMENSIONAL -EIGHTH-”のライブCDにしてDIMENSION2枚目のライブCD13TH DIMENSION “LIVE MILLENNIUM”』。

 OPENINGのメンバー登場シーンでの観客の盛り上がりを聞くだけで,あの瞬間の感動が甦る!
 そうなんです。実は管理人“LIVE DIMENSIONAL -EIGHTH-”のライブ録音に参戦していました。
( ただし参戦は恵比寿ガーデンホールのみ。『13TH DIMENSION “LIVE MILLENNIUM”』のクレジットによると,もう1ヶ所「神戸チキンジョージ」でのライブも含まれているようなので疑似体験と言うべきか? )

 自分が見届けたライブCD化されるのはうれしいものですよね。いや,胸中複雑? あの音源はあの瞬間あの場所にいた人だけの宝物=独り占めしたい?
 『13TH DIMENSION “LIVE MILLENNIUM”』の場合は完全に前者。だって管理人がDIMENSIONライブに出かける目的は「演奏半分トーク半分」。

13TH DIMENSION “LIVE MILLENNIUM”-2 『13TH DIMENSION “LIVE MILLENNIUM”』には『SIXTH DIMENSION “LIVE”』の付属品「特別付録『六本木 PIT INでのライブMCを完全収録!』」のようなライナーノーツが封入されていない。
 そう。爆笑トーク抜きのライブ演奏集では,幾ら「ツアーの全セットリスト完全収録盤」とアナウンスされても触手が動かない。事実,DIMENSIONライブは,演奏時間よりトークの時間が長いのだ~?

 ライブ当日もお楽しみのトークが演奏以上に絶好調。当日はカツオが風邪をひいてたようで,広尾病院という高級な病院に行ってきたとか(病院に高級って存在するのか?)薬を常人の2倍飲んでいるとか…。病院で点滴を受けた上にユンケルを飲んで臨んだステージングがハイテンション。
 カツオの相方=マスヤンは“キレキレ”でした。すっ飛ばしていた。もうどうにも止まらないトークにつられた指先が「超絶技巧」の大連発!
 増崎孝司小野塚晃勝田一樹アドリブの出来でもマスヤンギターが突き抜けている。どうやらDIMENSIONというバンドは“トークの出来が演奏の出来を左右する”ように思えます。

13TH DIMENSION “LIVE MILLENNIUM”-3 『13TH DIMENSION “LIVE MILLENNIUM”』は,肝心の演奏も大満足!
 元々,DIMENSIONライブは,スタジオ録音のような完璧な演奏が大定番。たまに「これはCDを流しているのではないか?(特に小野塚晃キーボード)」と思ってしまう。スタジオと生の境界がボーダレスなのだ。
 しか~し,ライブにはアドリブがある。CDにはないフレージングに現実に引き戻される。

 またDIMENSIONライブの別の楽しみは「生ベース&生ドラム」! フロント3人組ユニットのDIMENSIONはアルバム制作ではリズムに打ち込みを多用しているので,ライブで聴くDIMENSIONは,機械と人間では明らかにノリが違う!

 『13TH DIMENSION “LIVE MILLENNIUM”』でのリズム隊は,元カシオペアで現カシオペアの“スーパー・ドラマー神保彰とビジュアル系ベーシスト徳永暁人
 特に神保彰ドラムが圧巻! 「超絶技巧集団」DIMENSIONの先頭を突っ走りつつも最後方から突き上げるテクニカル。アンコールでのドラム・ソロの乱れ打ちは正しく神業=神(保)業!
 これでベース桜井哲夫青木智仁だったなら! どうする&どうするDIMENSION

13TH DIMENSION “LIVE MILLENNIUM”-4 でも本命は須藤満でしょ? 演奏テクニックもそうですがトークのテクニック。須藤満と書くよりも「ストさん」と書いた方がしっくりきます。
 管理人が須藤満を推薦する理由はもうお分かりですよねっ。

  DISC 1
  01. DOUBLE MARKET
  02. BLACK STREET
  03. Se.le.ne
  04. WALKIN'
  05. One and Three
  06. Yellow Sunshine
  07. ONOZUKA SOLO
  08. Black Groove
  09. Colour Of Days

  DISC 2
  01. IF
  02. MASUZAKI SOLO
  03. IMPRESSIONS FROM THE OUTSIDE
  04. Moment
  05. KATSUTA SOLO
  06. Are You Gonna Win?
  07. Break Out
  08. Yes or No?
  09. JIMBO SOLO
  10. Jungle Dancer
  11. 2nd Street
  12. Alone In Love

(BMGルームス/BMG ROOMS 1997年発売/BMCR-7039-7040)
(CD2枚組)

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DIMENSION / IF 12TH DIMENSION5

IF 12TH DIMENSION-1 カシオペアなら【ASAYAKE】。T-スクェアなら【TRUTH】。そしてDIMENSIONなら【IF】であろう。

 【IF】こそ,ファン投票第1位な,自他共に認めるDIMENSIONの代表曲。【IF】こそ,DIMENSION“珠玉の”バラードDIMENSION=【IF】の図式に管理人も異論はない。

 しかし,しかしである。DIMENSION=【IF】の図式はどうにもミスマッチな気がする。本来のDIMENSIONの魅力は「超絶技巧」な【BREAKOUT】ではなかろうか? あるいは,軽快&爽快なドライビング・メロディアス【SE.LE.NE】?
 どちらにしても,ギンギンでバカテクが売りのDIMENSIONの代表曲がバラードとはミスマッチな気がしてならない。

 このミスマッチ感が漂うのは【IF】収録の『IF 12TH DIMENSION』でも同じ。
 アルバムの5曲目(中央)にデンと座っている【IF】。しかし【IF】の前後はハイパー・トラック【UNDER THE WORLD】【WALKIN’】である。
 そう。『IF 12TH DIMENSION』の中の【IF】が“圧倒的音圧”に押されている。それくらいに『IF 12TH DIMENSION』全11曲の完成度が高いのだ。う~む。

 『IF 12TH DIMENSION』の特徴は「ソリッド・サウンド」! 実にデジタルっぽい。最先端っぽい。ユーロ系やハウス系? 録音のせいなのか,妙にビビッド感が強調された“きらびやかで無機質で硬質な”サウンドである。
 きっとDIMENSIONの3人とも『IF 12TH DIMENSION』の出来に大満足のことだろう。凝りに凝りまくっているなぁ~。

 そんな硬派で全力投球な演奏の連続の中で流れ出す“ヒューマンな”【IF】。【IF】のハートフルなメロディとエモーショナルなビート。このディメンションマジックにマジ感動で心が震えてしまうのだ。

IF 12TH DIMENSION-2 【IF】のシンプルで美しいメロディ・ラインと雄大な構成,そしてリスナーのイマジネーションを刺激する幻想的なアレンジ。本当に素晴らしい。
 恐らく,管理人は人生の節目節目で【IF】を聴き【IF】と共に年を重ねていくのだろう。元○○と【IF】を聴き,人生の様々な【IF】な場面を語り合う。
 その時に聴く【IF】は,今の【IF】の何倍も感慨深い【IF】だろう。【IF】と共に,いい年を重ねていきたいと思っている。

 代表曲がバラードでもいいではないか! やっぱりDIMENSIONと来れば【IF】である。【IF】以外には務まらないと思う。
 思えば,カシオペアの【ASAYAKE】も全曲名演な『MINT JAMS』収録トラック。T-スクェアの【TRUTH】も全曲名演な『TRUTH』収録トラック。フュージョン・バンドの代表曲は全曲名演なアルバムと共に生まれるものである。 

  01. DOUBLE MARKET
  02. BLACK STREET
  03. COLLAGE OF WATER
  04. UNDER THE WORD
  05. IF
  06. WALKIN'
  07. WORLD ORDER
  08. IMPRESSIONS FROM THE OUTSIDE
  09. REFLEX
  10. L-MOTION
  11. WIGGLED OUT

(BMGルームス/BMG ROOMS 1999年発売/BMCR-7036)

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DIMENSION / TEN-TH DIMENSION5

TENTH-DIMENSION-1 DIMENSIONの記念すべき10枚目(正確には11枚目)のジャケット写真は“ダーツの中心=10点満点・高得点の狙い撃ち”! 
 そう。『TEN-TH DIMENSION』は“円熟のクラッシュ・アンド・ビルド”期のアルバムとしては珍しい高得点狙い!
 『TEN-TH DIMENSION』は『NINTH DIMENSION “I IS 9TH”』路線の“攻撃的チューンアップ”の実験作である。

 『TEN-TH DIMENSION』の特長は『NINTH DIMENSION “I IS 9TH”』での新サウンドを更なる電気装備で固め上げ,3人の個性を前面に押し出し,グルーヴィーなリズム重視なジャズ・ロック・テイスト。
 結果『TEN-TH DIMENSION』はDIMENSION歴代の個性派アルバム群の中でも,とりわけ“灰汁の強い”アルバムに仕上がっている。

 『TEN-TH DIMENSION』の“特異な存在感”は,例えるならラーメン・チェーンの「天下一品」のよう。「天下一品」に行くいう行為はラーメンを食べに行くことではない。あの濃厚な味は,もはやラーメンというくくりを超えている。
 同様に『TEN-TH DIMENSION』を聴くという行為はDIMENSIONを聴くことではない。『TEN-TH DIMENSION』を聴くことだ。あの濃厚な味は,もはやDIMENSIONというくくりを超えている。

 管理人は『TEN-TH DIMENSION』を愛するDIMENSIONファンを同士と認める。『TEN-TH DIMENSION』の“灰汁の強さ”に惹かれてこそ,DIMENSIONを聴く意味があると思うからだ。
 勿論『TEN-TH DIMENSION』を駄盤とするファンも少なくはない。それはそれでいいと思う。しかし次の事実だけは心に留めていて欲しい。
 それは,DIMENSIONファンが,自分のお気に入りの一枚を選ぶのと同様に『TEN-TH DIMENSION』も10thを聴くにふさわしいファンを選ぶ。リスナーを選ぶ。『TEN-TH DIMENSION』の良さを理解できるのは“10thに選ばれし”DIMENSIONファンだけなのだ。

TENTH-DIMENSION-2 さて,ここまで読んで,ご機嫌ななめな『TEN-TH DIMENSION』嫌いのDIMENSIONファンの皆さん? お楽しみの「セラビー・フォロー」のお時間ですよっ。

 “10thに選ばれし”DIMENSIONファンは何も少数精鋭である必要はありません。誰しもが“10thに選ばれし”DIMENSIONファンになれるのです。

 10thDIMENSIONがビッグ・チャレンジできたのは9thまでの積み上げがあればこそ。
 「爽やかギターフュージュン系 → ユニット固めからのバンド化 → 超絶技巧のフューチャー・サウンド → オンリー・ワンの新世代サウンド」という“DIMENSIONサウンド変遷の歴史”を追いかけていれば(後追い可)『TEN-TH DIMENSION』の濃厚な味付けを理解できるのです。そして大好物になるのです。
 そう。『TEN-TH DIMENSION』は“聴き込めば聴き込むほどに味が出る”例のアレなのです。きっと『TEN-TH DIMENSION』を“聴かず嫌い”な半同士の皆さんも,10thに詰め込まれているアイディア&アプローチの斬新さに“ハッ”とさせられる瞬間に数多く出会われることでしょう。

 増崎孝司のハードなロック・ギター小野塚晃ジャジーピアノ勝田一樹のメロディアスなサックスが自由にアドリブを弾き“互いに干渉し合う”時のギャップが聴き所の【】。ポップな夏ソングの【SUN BEAM】。エリック・クラプトン・ライクな増崎孝司の「ザ・中秋の名月」【HARVEST MOON】。ドラムンベースとバッキング・ギターが主役な【CYBER ADVENTURE】。そして10thのハイライト曲【RED SQUEEZE】のリアルな一発撮り。く~,小野塚晃の音選びのハイセンスとラストの音処理はこれが一発撮りなのか~?

TENTH-DIMENSION-3 『TEN-TH DIMENSION』の全10曲との濃密な出会い。これは中々忘れられるものではない。管理人は今夜もDIMENSIONを聴く行為としてではなく『TEN-TH DIMENSION』特有の“灰汁の強さ”を求めてヘッドフォンを耳セット。これが管理人流『TEN-TH DIMENSION』鑑賞の儀式なのです。

  01. Q
  02. Sun Beam
  03. Harvest Moon
  04. Cyber Adventure
  05. Back for You
  06. M・S・F・B
  07. Head Hunter
  08. Asian Dream
  09. Black Groove
  10. Red Squeeze

(BMGルームス/BMG ROOMS 1998年発売/BMCR-7023)

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DIMENSION / NINTH DIMENSION “I IS 9TH”5

NINTH DIMENSION “I IS 9TH”-1 異例の3ヶ月連続アルバム・リリース=通称「月刊ディメンション」から1年。1年というリリース間隔は早いペースだと頭では理解していますが,なんせ3ヶ月連続リリースを体験済。
 「やっと出したな〜」な感じで我が家のリスニング・ルームへお迎えした,A,B,C,D,E,F,G,H,番目のアルファベットなタイトル『NINTH DIMENSION “I IS 9TH”』。

 イエ〜イ! 『NINTH DIMENSION “I IS 9TH”』最高! 『EIGHTH DIMENSION』での“ゆるキャラ”にすっかり慣れてしまった管理人の耳に飛び込んできたDIMENSIONの新サウンド! あっ,忘れていた。9thは“円熟のクラッシュ・アンド・ビルド”期の第二弾であったのだ。

 『NINTH DIMENSION “I IS 9TH”』が,ビシバシ来ている。8thのような明確なサウンド・コンセプトはない。強いて言えば「新しい物をギッシリ詰め込んでみました」かな? アルバムとして1枚全体をまとめようとは考えていない?

 イントロ“ピコピコ”【LAZY DOG】での“ゾクゾクする新感覚”こそ「近未来フュージョンユニットDIMENSIONリターンズ!
 しかし大島こうすけのアレンジの成果か,通常営業に戻したはずが,もう以前のDIMENSIONには戻らない。戻れない。
 管理人はフュージョンをベースに新陳代謝を繰り返す“DIMENSIONの新体制”が【LAZY DOG】で整ったと思っている。

 しか〜し『NINTH DIMENSION “I IS 9TH”』が最高なのは“NEW”DIMENSION=中期DIMENSIONの特徴。そう。DIMENSIONにしか表現できない「ONLY ONE」な音の組み立てにある。
 事実『NINTH DIMENSION “I IS 9TH”』には,中期DIMENSIONのレパートリーの宝庫である。

NINTH DIMENSION “I IS 9TH”-2 ロック・スピリッツな【HEAD GAMES】。クラブ系R&Bアプローチの【ONE AND THREE】。増崎孝司青木智仁の超絶技巧がギンギンな【I IS 9TH】。【IF】がなければDIMENSION最高のバラード作と呼ばれたであろう“白眉”の【CLOSE TO YOUR HEART】。『NEWISH』でDIMENSION初のセルフカバーに選ばれた【JAZZ CIGARETTE】。パット・メセニー・グループの【AND THEN I KNEW】へのリスペクト曲【BRIGHTER IN YOUR LIFE】。そして9thの締めはライブでも締めな【YES OR NO?】。

 コアなDIMENSIONのファンとして,最高な期待値で迎え入れた『NINTH DIMENSION “I IS 9TH”』の絶頂感は期待以上の想像以上! 最高傑作とは言わない。ただ,いつ聴いても『NINTH DIMENSION “I IS 9TH”』での“NEW”DIMENSIONにときめきを感じてしまうだけ…。

  01. Lazy Dog
  02. Head Games
  03. One and Three
  04. I is 9th
  05. Close to Your Heart
  06. Jazz Cigarette
  07. Don't You Worry
  08. White of Blue
  09. Brighter in Your Life
  10. Yes or No?

(BMGルームス/BMG ROOMS 1997年発売/BMCR-7015)

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DIMENSION / EIGHTH DIMENSION5

EIGHTH DIMENSION-1 異例の3ヶ月連続アルバム・リリース=通称「月刊ディメンション」の第三弾にして“円熟のクラッシュ・アンド・ビルド”期の第一弾『EIGHTH DIMENSION』。

 さらば既存のDIMENSION。今の位置には安住しない。停滞は後退と等しい。常に前進&常にチャレンジ。
 『EIGHTH DIMENSION』で選ばれた,新しいサウンド・テーマは,ミディアム&バラードからの“AOR”。

 えっ? 「月刊ディメンション」の締めなのに“AOR”? 『SIXTH DIMENSION “LIVE”』『SEVENTH DIMENSION』の流れを受けた“トドメの超ハード・ボイルド作”『EIGHTH DIMENSION』への高まる期待を見事に裏切られた。
( だって『EIGHTH DIMENSION』のジャケット写真8thだからハチなのは分かりますが,ハチと来れば「蜂の巣をつついた大騒ぎ」を期待させるでしょう? の真意はスズメバチ繋がりで「イエロー・ジャケッツ」だったのか~。後日納得の自己解決 )

 そこはかとなく“AOR”な雰囲気の『EIGHTH DIMENSION』での“ぶち壊し”っぷりが激しい。
 DIMENSIONお得意の“超絶技巧”テクニカル・チューンが一曲もない。ロックもファンキーもない。従来のDIMENSION“らしさ”は“うっすら&ほんのり&かすかに”漂う程度である。

 だが,このDIMENSIONだから作れる“AOR”が管理人のアンテナに引っ掛かった。
 そう。『EIGHTH DIMENSION』こそ,管理人が選ぶDIMENSIONの“裏”名盤の最右翼である。
( 『KEY』『HEARTS』『MELODY』のようなミディアム路線はどれも最高である。う~ん,悩ましい )

 『EIGHTH DIMENSION』の魅力は,とにかくカツオである。全てをカツオが持っていく。カツオ~ではなくカツオさん。いつもの振り切れたパワー押しのカツオではなく,しっとり甘くリラックスした勝田一樹アルト・サックスがいつになくアンニュイ。微妙なニュアンスの描写がいつになく深い。
 そう。この進化(深化)が「イエロー・ジャケッツ」を目指した『EIGHTH DIMENSION』での成果であろう。

EIGHTH DIMENSION-2 DIMENSIONでは初公開?となる【IT’S NOT ALL TRUTH】でのソプラノ・サックスで“静かに静かに”幕が開く。【STELLA】と【BLUE MOON】のバラードにおけるブローでは,勝田一樹のアイドル=デビッド・サンボーンが“降臨”している。
 いつもの“目一杯吹き切る”メタリックなサックスもいいが『EIGHTH DIMENSION』での“歌い上げる”サックスが心に染みる。サックスならではの緩やかなメロディーをきっちりと届けてくれている。これこそ既存の勝田一樹の“ぶち壊し”である。

 いや“ぶち壊し”なら増崎孝司。『EIGHTH DIMENSION』での増崎孝司高中正義している。これは“硬派な”マスヤン・フリークにはイメージ・ダウン? いいや,きっとイメージ・アップ!?

  01. It's Not All Truth
  02. Dear You
  03. Daydream
  04. Goodbye Girl
  05. Kindness
  06. Georgy Porgy
  07. Stella
  08. Into Your Heaven
  09. Blue Moon

(BMGルームス/BMG ROOMS 1996年発売/BMCR-7006)

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DIMENSION / SEVENTH DIMENSION5

SEVENTH DIMENSION-1 異例の3ヶ月連続アルバム・リリース=通称「月刊ディメンション」の第二弾『SEVENTH DIMENSION』は“ギンギン”のインプロフュージョン
 「超絶技巧集団」のレッテル正しく,とにかく激しく,しかしいつものクール・テイストで弾きまくっている。

 このように書いてしまうと高速ユニゾン大炸裂と思いきや,それだけではない。ファンクブルースの文脈でのアドリブの連発であり,3人のソロ・パートの譜面割りが初期DIMENSIONでは一番の長尺である。これがいい。
 青木智仁ベース・ソロと石川雅春ドラム・ソロも“ちょいちょい”挟んでくる。起承転結のあるアドリブからの更なる“崩し”が超カッコイイ。

 このアドリブの連鎖反応=アドリブのバトン・タッチで曲が進行しているかのように思わせておいて,最後にきっちりまとめ上げる構築美は,基本ジャズ・ロック小野塚晃濃度が高めである。

 勝田一樹メロディに乗った【PARABLE】&青木智仁石川雅春ビートに乗った【PARALLEL WORKS】で“仕掛ける”増崎孝司ギター・ソロが,いつ聴いても“鳥肌モノ”である。

 さて,長らく『SIXTH DIMENSION “LIVE”』への“ベスト盤的な世評”と『SEVENTH DIMENSION』での“ハイ・テクニック主義”に隠され,惑わされてしまっていたが『SEVENTH DIMENSION』のメロディ・ラインは『SECOND DIMENSION』から『FIFTH DIMENSION』までの流れを受けた「近未来フュージョンユニット」期の,真に一つの到達点だと思う。

SEVENTH DIMENSION-2 そう。初期DIMENSIONの集大成は『SIXTH DIMENSION “LIVE”』ではなく『SEVENTH DIMENSION』だと思う。

 【BIRD ISLAND】でのジャズ・アプローチと【LEGGY】でのクラブ・ジャズ・アプローチ。そして異色のキラー・チューン=クルセイダーズの【KEEP THAT SAME OLD FEELING】でのダンサブルを置き土産に「近未来フュージョンユニット」期は終了。

 『EIGHTH DIMENSION』から,DIMENSIONの十八番“円熟のクラッシュ・アンド・ビルド”期へと突入していく~。

  01. Cricket Smoker
  02. Double Vision
  03. Grey Jazz
  04. Bird Island
  05. Parable
  06. Parallel Words
  07. Leggy
  08. T.A Jingle
  09. Keep That Same Old Feeling

(BMGルームス/BMG ROOMS 1996年発売/BMCR-7005)

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DIMENSION / SIXTH DIMENSION “LIVE”5

SIXTH DIMENSION “LIVE”-1 異例の3ヶ月連続アルバム・リリース=通称「月刊ディメンション」の第一弾『SIXTH DIMENSION』は,DIMENSION初のライブCD

 『FIFTH DIMENSION』で,ユニットからバンドへと昇華したDIMENSION自慢の「クールでホットな」ライブ演奏。いや〜,こんな「超絶技巧」がライブにおいて「集団」として機能するなんて…。

 DIMENSIONライブ演奏の特徴は「オリジナル・アレンジの再現性」である。青木智仁石川雅春の重量級リズム隊を迎えた“DIMENSIONバンド”の5人がノーミスであることに命を削って,CDと寸分たがわずキメまくる! 超・超・超カッコイイ!
 アルコールで普段以上に“ノリまくった”「超絶技巧」に深い感動を覚えてしまう。そう。『SIXTH DIMENSION “LIVE”』は真に“名演名盤”である。

 『SIXTH DIMENSION “LIVE”』こそDIMENSIONの最高傑作。これぞ「初期DIMENSIONの集大成」。いつしか『SIXTH DIMENSION “LIVE”』はDIMENSIONファンの間で“伝説”となり“神盤”となった。
 事実,ベスト盤かと疑われるにふさわしい選曲。(『FIRST DIMENSION』からの選曲がないのが残念ではあるが)管理人のツー・トップである【THIS TIME】【SE.LE.NE】収録。全9曲ともオリジナルを超えるアドリブ収録。
 何よりも“DIMENSIONバンド”として5人が完全に仕上がり円滑なコミュニケーションの中に「自分の個性」まで色付けできている。確かに“伝説”“神盤”と呼ばれるにふさわしい。

 しかしながら名盤SIXTH DIMENSION “LIVE”』の延長線上に,スタジオ・ライブ・フレーバーな『SEVENTH DIMENSION』が生まれるわけで『SIXTH DIMENSION “LIVE”』は,初期DIMENSIONを代表する“お祭り騒ぎのハイライト”であって集大成ではない。初期DIMENSIONのピークはもう少し先にある。

SIXTH DIMENSION “LIVE”-2 しか〜し,管理人が演奏以上に驚いたのが「特別付録」の「ライブMC完全収録」のライナーノーツ
 次の曲のセッティングの時間調整にして,メインの演奏を奪いかねない,キメまくりの爆笑トーク集。管理人は演奏以上に,バンマスマスヤンキーボード界の民宿おやじな若年寄りアキラカツオによるコミック・バンドのMC目当てでライブに足を運ぶようになりました。

 この辺のトークのはじけっぷりはT−スクェアっぽいし,肝心の緻密な演奏のアンサンブルはカシオペアっぽくもある。この異次元の同時進行=オンとオフのギャップの激しさにDIMENSIONのポテンシャルの高さを実感しました。はい。

  01. Are you Gonna Win?
  02. Se.le.ne
  03. Autumn River
  04. Illusion
  05. Break Out
  06. This Time
  07. Jungle Dancer
  08. Beat #5
  09. Lost in a Maze

(BMGルームス/BMG ROOMS 1996年発売/BMCR-7004)
(特別付録:「六本木 PIT INでのライブMCを完全収録!」ライナーノーツ)

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DIMENSION / FIFTH DIMENSION4

FIFTH DIMENSION-1 DIMENSIONファンにとって『FIFTH DIMENSION』と来れば「超絶技巧」であり【BREAK OUT】であろう。
 そう。【BREAK OUT】こそ,初期DIMENSIONの“トレードマーク”であり『FIFTH DIMENSION』の“顔”である。「本格超絶技巧オンパレード」の【BREAK OUT】の中に『FIFTH DIMENSION』全10トラックのエッセンスが凝縮されている。

 果たして『FIFTH DIMENSION』の真髄=【BREAK OUT】の真髄は“バンド・サウンド”にある。【BREAK OUT】から聴こえてくるDIMENSION・サウンドは,増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人の音ではない。
 サポート・ベーシスト青木智仁とサポート・ドラマー石川雅春を加えた“5人のDIMNSION”の音へと「フラッグシップ化」されている。これぞ「超絶技巧(集団!)」DIMENSIONが誕生した瞬間であろう。

 思えば『FIFTH DIMENSION』での“バンド・サウンド”の誕生は『THIRD DIMENSION』『FOURTH DIMENSION』で蒔かれた種の成長と大いに関係がある。

 『THIRD DIMENSION』では,完全打ち込みのリズム隊外し。これが増崎孝司小野塚晃勝田一樹DIMENSIONメンバーの中に「核となる3人での音」を植え付けた。そして『FOURTH DIMENSION』では,青木智仁の生ベースだけを入れている。
 そうして訪れた『FIFTH DIMENSION』での“スーパー・ドラマー石川雅春の生ドラム。収穫の季節が訪れたのだった。

FIFTH DIMENSION-2 増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人がゲストに迎え従える構図の青木智仁石川雅春の重量級リズム隊。個人の力とバンドの力。このバランスが見事に整っている。

 【BREAK OUT】の演奏が突出しているが,他のトラックもどうしてどうして…。キメキメの構成とハードなアドリブ,そして通好みなテクニカル・ポップな楽曲群。きれいな演奏ときれいな楽曲に胸がトキメク新感覚。
 管理人がCD帯のキャッチ・コピー「近未来フュージョンユニット」の言葉を真面目に意識し始めたのが『FIFTH DIMENSION』での“バンド・サウンド”であった。あぁ,青春も下り坂だった頃の思い出~。

  01. Break Out
  02. Aquarius
  03. Nothing Doing!
  04. Tones
  05. Safety Zone
  06. La・di・da Woman
  07. Blue Garden
  08. Aquatic Wall
  09. Colors of the Rainbow
  10. Autumn River

(BMGルームス/BMG ROOMS 1995年発売/BMCR-7003)

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DIMENSION / THIRD DIMENSION4

THIRD DIMENSION-1 『FIRST DIMENSION』から『SECOND DIMENSION』の間には17ヶ月あったのに『SECOND DIMENSION』からわずか4ヵ月後にリリースされた『THIRD DIMENSION』。

 ゆえに『FIRST DIMENSION』から『SECOND DIMENSION』で感じた“変わった感”など特になく基本『SECOND DIMENSION』のコンセプトの発展形。
 発展したのは,1トラックでコーラスが入る以外は増崎孝司小野塚晃勝田一樹DIMENSIONのオリジナル・メンバーの超絶技巧をフィーチャリングした“凝りに凝りまくった”音造り。

 『FOURTH DIMENSION』以降,またも末永いお付き合いを共にすることになる“スーパー・ベーシスト青木智仁の超絶技巧の代わりに打ち込みを取り入れている。今回だけは一旦外れてもらって3人だけの密な音固めで地盤固め。
 このDIMENSIONの「オリジナル・メンバー指向」は明快で『THIRD DIMENSION』からコンポーザーのクレジットが個人名義の提供からDIMENSION名義の提供となっている(アレンジは『LE MANS』から一貫してDIMENSION名義)。
 アルバム全ては3人のコンビネーション&チームワークで仕上げたという意思表示なのだろう。クールでカッチョイイメロディ=DIMENSIONスタイルは『THIRD DIMENSION』で仕上がったと思う。

THIRD DIMENSION-2 話は逸れるが,安藤まさひろ伊東たけしのユニット体制となったT-スクェアの1枚目=『FRIENDSHIP』を聴いた時,無意識のうちに思い浮かべたのが『THIRD DIMENSION』であった。

 ポイントは【YELLOW SUNSHINE】にあると思う。改めて聴き比べると『FRIENDSHIP』は原点回帰で『THIRD DIMENSION』はエレクトリック・グルーヴ。似ても似つかぬサウンドなのに耳にすると同じなんだよなぁ。

  01. Lost in a Maze
  02. Fly into a Passion
  03. Yellow Sunshine
  04. Illusion
  05. Real Box
  06. 6-TRIP
  07. Buster
  08. Going Back
  09. Rendezvous

(BMGルームス/BMG ROOMS 1994年発売/BMCR-6015)

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DIMENSION / SECOND DIMENSION4

SECOND DIMENSION-1 『SECOND DIMENSION』がDIMENSIONの実質のデビューCDである(キッパリ!)。

 『FIRST DIMENSION』のリリースから1年7ヶ月。待ちに待った『SECOND DIMENSION』を聴いてにんまり。『FIRST DIMENSION』にハマッテいたので“王道フュージョン”が少なくなくなったのは残念だったが,ファンキーグルーヴィーでメロディアス。想像以上にサウンドをチューンアップしてきた。

SECOND DIMENSION-2 練り上げられたアンサンブルの妙は“脱・青木智仁”? 前作と異なり,俄然,増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人組ユニット=DIMENSIONとしての音造りが濃い。
 DIMENSIONのメンバー3人が組めば,どんな“スーパー・ベーシスト”の突進だって止められる。例えマーカス・ミラージョン・パティトゥッチリチャード・ボナが相手でも( ← 是非この3者との共演を望む~ )。

 人気曲の多い『SECOND DIMENSION』だが,管理人の一押しは【THIS TIME】。入れ替わり立ち代りのユニゾンに悶えすぎちゃって~。

  01. Are You Gonna Win?
  02. Early Morning
  03. It's Up To You
  04. Sea In The Moon
  05. Beat #5
  06. F-Blues
  07. 2nd Street
  08. Running from Zero
  09. 煌星
  10. This Time

(BMGルームス/BMG ROOMS 1994年録音/BMCR-6009)
★94年ADLIB誌ベストレコードジャパニーズフュージョン部門受賞

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DIMENSION / FIRST DIMENSION5

SECOND DIMENSION-1 『SECOND DIMENSION』がDIMENSIONの実質のデビューCDである(キッパリ!)。

 『FIRST DIMENSION』のリリースから1年7ヶ月。待ちに待った『SECOND DIMENSION』を聴いてにんまり。『FIRST DIMENSION』にハマッテいたので“王道フュージョン”が少なくなくなったのは残念だったが,ファンキーグルーヴィーでメロディアス。想像以上にサウンドをチューンアップしてきた。

SECOND DIMENSION-2 練り上げられたアンサンブルの妙は“脱・青木智仁”? 前作と異なり,俄然,増崎孝司小野塚晃勝田一樹の3人組ユニット=DIMENSIONとしての音造りが濃い。
 DIMENSIONのメンバー3人が組めば,どんな“スーパー・ベーシスト”の突進だって止められる。例えマーカス・ミラージョン・パティトゥッチリチャード・ボナが相手でも( ← 是非この3者との共演を望む〜 )。

 人気曲の多い『SECOND DIMENSION』だが,管理人の一押しは【THIS TIME】。入れ替わり立ち代りのユニゾンに悶えすぎちゃって〜。

  01. Are You Gonna Win?
  02. Early Morning
  03. It's Up To You
  04. Sea In The Moon
  05. Beat #5
  06. F-Blues
  07. 2nd Street
  08. Running from Zero
  09. 煌星
  10. This Time

(BMGルームス/BMG ROOMS 1994年録音/BMCR-6009)

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DIMENSION / LE MANS4

LE MANS-1 フジテレビが「F-1」でT-スクェアなら,テレビ朝日は「ル・マン」でDIMENSION
 そう。DIMENSIONデビューCDLE MANS』は,テレビ朝日系「ル・マン24時間耐久レース」のオリジナル・サウンド・トラック。

 管理人は安易だな~と思ってしまったが,読者の皆さんは,安易だな~,と思うなかれ。
 実はDIMENSIONのリーダー,ギター増崎孝司は,テレビ朝日系1990年「パリ・ダカール・ラリー」のテーマソング,浜田麻里の【ノスタルジア】の作曲者。安易な発想の裏には実績があったのだ。

 安易な発想よろしく『LE MANS』は,増崎孝司を中心にキーボード小野塚晃サックス勝田一樹が組んだモーター・スポーツ用のBGM=ドライブ・ミュージックとなる疾走感あるギターフュージョン
 ゴールの感動的な情景を描いたかのようなバラードもあるが…。果たして実態はミディアム押しである。気温の高い昼,見通しの悪い夜,霧の立つ朝といった24時間の過酷なタイム感覚を伴う全6曲のミニ・アルバムの完成である。

LE MANS-2 『LE MANS』の安易な作りは,後にDIMENSIONがレギュラー化するとは思えませんでした。
 ゲスト・ミュージシャンのコーラス栗林誠一郎ベース青木智仁ドラム渡嘉敷佑一の偶然の参加もレギュラー化するとは思いませんでした。

 うれしい誤算が「金の卵」を産み落とすのだから人生とは分からない。なおDIMENSIONの楽曲は増崎孝司小野塚晃勝田一樹の作曲&DIMENSIONの編曲がセオリー。『LE MANS』には企画盤ならではの栗林誠一郎作曲の【MIRAGE】収録。ちょっと角松敏生っぽいのが大当たりです。

  01. Out Of Wind
  02. Mirage
  03. Mind Operation
  04. Departure
  05. Tornado
  06. Silent Dream

(BMGルームス/BMG ROOMS 1992年録音/BMCR-9012)
(ライナーノーツ/高桐唯詩,松下佳男)

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DIMENSION / 11TH DIMENSION “KEY” / I DON'T WANNA CRY4

 『11TH DIMENSION “KEY”』の8曲目は【I DON’T WANNA CRY】。


 【I DON’T WANNA CRY】は,全編「ビヨーン,ビヨーン」と鳴り続けるギターのアクセントが耳につくが,あとは“王道の”DIMENSION・サウンドである。

 【I DON’T WANNA CRY】の主役は勝田一樹に違いないが,勝田一樹アドリブは思った以上に少ない。
 勝田一樹アルト・サックスフィーチャリングしながらも,要所要所で,増崎孝司小野塚晃が飛び出してくる! ワントップのFWに勝田一樹を据えた裏で後ろで,トップ下の増崎孝司と司令塔の小野塚晃がユニゾン&カウンターで跳ねている! この3人の華麗なコンビネーションこそ,世界に誇る“フュージョン日本代表”DIMENSIONの聴き所である。

 ただし本音を述べると,DIMENSIONは,3人の完璧なコンビネーションに更なる進化をもたらす「ゲスト入りトラック」の方が出来が良い。
 【I DON’T WANNA CRY】でも“触媒ドラマー江口信夫をDFに従え,生ドラムの歯切れよいビートでフュージョンしている。

DIMENSION
TAKASHI MASUZAKI : Guitars
AKIRA ONOZUKA : Keyboards & Programming
KAZUKI KATSUTA : Alto Saxophone

GUEST MUSICIAN
NOBUO EGUCHI : Drums

DIMENSION / 11TH DIMENSION “KEY” / MOMENT4

 『11TH DIMENSION “KEY”』の7曲目は【MOMENT】。


 【MOMENT】は“クラブ系”DIMENSIONである。JAZZYでスカなリズムに“ダサ系”シンセの単音がチープ。これは,あの一夜の【MOMENT】である。想像するにクラブの外は雨である。

 【MOMENT】の主役は小野塚晃小野塚晃シンセ・ベースと間奏での明瞭な音色が印象的である。あの音色の選択の妙に,勝田一樹の“渋い”アルト・サックスとブレンドする後半の演奏で唸らされることになる。小野塚ファン必聴の一曲である。

 増崎孝司ギターは全編ファンクであるが,1分38秒以降と4分31秒以降の“爽やか”ギターは,外の雨空から一瞬顔をのぞかせた「三日月」である。

DIMENSION
TAKASHI MASUZAKI : Guitars
AKIRA ONOZUKA : Keyboards & Programming
KAZUKI KATSUTA : Alto Saxophone

DIMENSION / 11TH DIMENSION “KEY” / COLOUR OF DAYS4

 『11TH DIMENSION “KEY”』の6曲目は【COLOUR OF DAYS】。


 【COLOUR OF DAYS】は,江口信夫の“スティーブ・ガッド的”フュージョンドラミングによって運ばれた,70年代のスタジオ・ミュージシャン系・フュージョンの香りで充満している。

 【COLOUR OF DAYS】の主役は“安藤まさひろ的”アコースティック・ギターを駆使する増崎孝司
 イントロでのアクセント=フラメンコ・ギターと,1分21秒からのギター・ソロは“アコギなのにエレキっぽい”安藤まさひろ的フレーズのオンパレード! 増崎孝司は“隠れ”安藤フリークなのでは?

DIMENSION
TAKASHI MASUZAKI : Guitars
AKIRA ONOZUKA : Keyboards & Programming
KAZUKI KATSUTA : Alto Saxophone

GUEST MUSICIAN
NOBUO EGUCHI : Drums

DIMENSION / 11TH DIMENSION “KEY” / SUN DANCE5

 『11TH DIMENSION “KEY”』の5曲目は【SUN DANCE】。


 【SUN DANCE】は,メッチャ・ハッピー・ソング! DANCEダンス
 小野塚晃の“ベロンベロン”なシンセベースが踊り続けている。“キメキメ系”のバッチリ・メイクで着飾っていく! 「透明感」が光る『11TH “KEY”』の中では,今までのDIMENSIONっぽくて「逆・透明感」で光っている。

 テーマを吹く勝田一樹アルト・サックスから,増崎孝司ギターに繋がる51秒と2分50秒からの入りこそ,DIMENSIONの18番! ディメ・マニアは皆,この入りが来るのを予想済みではあるが,実際に流れてくると,やっぱり狂気してしまう。何度聴いても狂気してしまう。

 1分6秒から1分23秒までがDIMENSIONの「鉄板」だとすれば,1分28秒からの増崎孝司アコギアドリブがアクセント! このアコギがあるからこそ,小野塚晃シンセベースのハッピー・ダンスが一層際立つアクセント!

DIMENSION
TAKASHI MASUZAKI : Guitars
AKIRA ONOZUKA : Keyboards & Programming
KAZUKI KATSUTA : Alto Saxophone
 

DIMENSION / 11TH DIMENSION “KEY” / ALONE IN LOVE3

 『11TH DIMENSION “KEY”』の4曲目は【ALONE IN LOVE】。


 【ALONE IN LOVE】は,情感たっぷりのサックスバラード! 勝田一樹アルト・サックスが,音程までも揺れて聴こえるのは気のせいか? 小野塚晃奏でるキーボードの音色が,エコーがかって尺八っぽく聴こえてしまうのは,完全に気のせいである。

 キャッチーで甘いメロディ・ラインだとは思うが,印象としては薄い。イージーリスニングっぽくて“ディメらしさ”に欠ける。
 往年のフュージョン・ファンなら絶賛するかもしれない,3分7秒からの盛り上がりは,期待通りではあって期待以上のものではない。これがDIMENSIONの末期カシオペア化&末期スクェア化(内容スカスカの慣性の法則)の前兆に思えて,ディメ・ファンとしては真剣に危機感を抱いたものである。

 【ALONE IN LOVE】を聴くたびに,そんな余計な心配を最大の悩み事として友人と語り合っていた,一途なジャズフュージョン青年だったことを思い出す。あの頃って薄い悩みしかなかったんだなぁ。

DIMENSION
TAKASHI MASUZAKI : Guitars
AKIRA ONOZUKA : Keyboards & Programming
KAZUKI KATSUTA : Alto Saxophone
 

DIMENSION / 11TH DIMENSION “KEY” / SOMEDAY5

 『11TH DIMENSION “KEY”』の3曲目は【SOMEDAY】。


 【SOMEDAY】は“甘~い”ミディアム・ナンバー。雄大でスケール感ある“懐の深い”ギター・サウンドに,力みのかけらもないアルト・サックス本来の音色が溶けあっていく!
 これぞ,エレクトリックなのにアコースティック! DIMENSIONには数少ない“牧歌的”トラックが,じわじわと胸に染みる,例の“アレ”である。

 【SOMEDAY】は『KEY』のコンセプトを“地”でいく,サラリとした梅酒であるが,例えば1分58秒からの増崎孝司ディストーション・ギターには“ディメ本来の香り”がプンプン漂っている。そう。香りを楽しむブランデーである。

 2分58秒と3分3秒で2回登場する小野塚晃の“コロコロ”アクセントが実に気持ちよく(鼻に舌に喉に)耳に残る。その後,3分17秒までの3人の一連の流れがもう最高! 新境地を開拓しきった3人の“笑顔”が音を通して伝わってくる。それがうれしくて,このパートばかり繰り返し聴いたものである。
 【SOMEDAY】と言えば,管理人にとっては,CDプレーヤーの「A-Bリピート」が大活躍した,想い出の一曲である。

DIMENSION
TAKASHI MASUZAKI : Guitars
AKIRA ONOZUKA : Keyboards & Programming
KAZUKI KATSUTA : Alto Saxophone

GUEST MUSICIAN
NOBUO EGUCHI : Drums
 

DIMENSION / 11TH DIMENSION “KEY” / KEY5

 『11TH DIMENSION “KEY”』の2曲目は【KEY】。


 【KEY】は,1曲目【MAGIC ONE】との組曲? アウトロ~イントロが“こぼれ落ちてきた”感じの連動ゆえ,2曲続けて聴くと実に気持ちがよい。
 軽快&メロディアスに歌い上げる,ライト・フュージョン! 【KEY】を,初めて聴き終え時に抱いた“何とも言えない満足感”は,今までのDIMENSIONにはなかったもの。超絶技巧集団がさらに一段階段を上った!

 DIMENSIONの裏バン=小野塚晃が作り出す“ジャズ寄りの素材”に,増崎孝司ギターが映える! このカッティング・ギターの働きにより,DIMENSION特有の“エキス”が,たっぷりと注入されていく。
 勝田一樹アルト・サックスが“控え目”に聴こえてしまうのがこれまたいい。2分6秒からのスローなアドリブが【KEY】で感じる“透明感”上昇の要因であろう。

 こんなに“軽い”のに,こんなに“サラッ”としているのに,テーマでのユニゾンが“グイグイ”決まるたびに,一人で勝手に熱くなってしまう。聴き終える度に「Vサイン」なのである。
 たぶんこの感覚は「ディメ・マニア」でないと分かってもらえないかも? でも心底カッコイイ!

DIMENSION
TAKASHI MASUZAKI : Guitars
AKIRA ONOZUKA : Keyboards & Programming
KAZUKI KATSUTA : Alto Saxophone
 

DIMENSION / 11TH DIMENSION “KEY” / MAGIC ONE4

 『11TH DIMENSION “KEY”』の1曲目は【MAGIC ONE】。


 【MAGIC ONE】は“バリバリ”DIMENSIONの本領発揮! メンバー3人の掛け合いは,ただただ“熱い”演奏であるが,管理人の印象としては,どこかで緻密にコントロールされた“クール”な肌触りのトラックである。

 その要因は増崎孝司。バックで刻む“カッティング・ギター”がバンド・サウンドをコントロールしていく。バンマス経験の豊富な増崎孝司だから出来る,最前線での“サジ加減”がお見事!

 その増崎孝司の“ウネウネ”ギターに,徳永暁人チョッパー・ベースが“絡みつく”! 黒瀬蛙一のドラムが“底”を支えれば,後は“クレイジー・サックス奏者勝田一樹の独壇場!
 この“ビビット”感はもの凄いが,勝田一樹にしては“抑えめ”に吹き流した“形跡”がある。リラックスしてこの出来なのだから,逆に末恐ろしい,と思ってしまう。

 テーマでもラストでも随所に聴かせる“大ブロー”の何と伸びやかなことか。2分15秒からのアルト・ソロにはケニー・ギャレットが入っている。素晴らしい。

DIMENSION
TAKASHI MASUZAKI : Guitars
AKIRA ONOZUKA : Keyboards & Programming
KAZUKI KATSUTA : Alto Saxophone

GUEST MUSICIAN
KAICHI KUROSE : Drums
AKIHITO TOKUNAGA : Electric Bass
 

DIMENSION / 11TH DIMENSION “KEY”5

11TH DIMENSION “KEY”-1 「第三世代」という言葉がある。何かと耳にする「携帯電話」の話ではない。J−ジャズフュージョンの話である。

 世代交代はいつでも,革新的な新規格の登場と共に幕を開ける。第三世代携帯電話とは「IMT−2000」規格に準拠した携帯電話やその方式のことを指す。要は高速パケット通信と高い周波数利用効率が特長である。
 世代交代は新規ユーザーにとっては“朗報”であっても,旧ユーザーには,時として“痛み”を伴う。そう。互換性問題…。
 管理人は「IDO」時代からのauユーザーなので影響はなかったが,NTTドコモが「FOMA」を開始した時には,エリア外+エリア内なのにつながらない,のオンパレード! 残念ながら,第二世代の「MOVA」と第三世代の「FOMA」に互換性はなかった。

 90年代前半のこと,J−ジャズフュージョンに「第三世代」と呼ばれる若手ジャズメンたちが登場した。
 ナベサダヒノテルらの第一世代,カシオペアスクェアらの第二世代の影響は確実に受けているものの,全く違うアプローチ,全くの新発想=完全なる新規格! ある部分は旧世代との互換性もあるが,ある部分は互換性など考慮されていない。

 “新規”ユーザーである,第三世代のファンたちは,すぐに“おいしいところ”を聴きこなしてしまうが“機種変”ユーザーである,第一,第二世代のジャズフュージョン・ファン,つまり管理人のような「立派なおじさんたち」であるが,彼らが第三世代を使いこなすには“慣れ”が少々必要である。

 そこでDIMENSION! 第三世代の“旗印”であるDIMENSIONについては「ビーイング系」「超絶技巧集団」と称される機会が少なくないが,管理人にはピンとこない。
 確かに一世風靡した「ビーイング系」との交流が深いが,それはDIMENSIONの“懐の深さ”を意味しているに過ぎない。

 DIMENSIONには,意図的にポップスやロック寄りの音造りをしたトラックがあるが,その瞬間瞬間で周りの音に反応する演奏姿勢は,ジャズ・スピリッツで溢れている! 絶妙のアドリブに一発で心を奪われてしまう!
 DIMENSIONのスーパー・テクニックは「超絶技巧」であるが,正しくは“百戦錬磨”のセッション集団と呼ぶべきだろう。

11TH DIMENSION “KEY”-2 DIMENSIONの体内には“いい音の前にいい演奏がある”ジャズフュージョンの血が流れている。
 たとえポップスやロックを演奏しようとも,常に“おいしい”アドリブを追求する「セッション集団」としての本性を隠すことなどできやしない。

 特にキーボード小野塚晃は,渡辺貞夫グループのレギュラー・ピアニストとして10年前にプレイしていたが,今年のツアーで復活を果たしたジャズメン。そう。小野塚晃は今も昔も“ジャズ畑”の人間なのである。
 それで“目新しさ”ではなく“基本性能”に注目して聴いてみると,機種変組のおじさんたちでも“スンナリ”と,新規格のJ−ジャズフュージョンを受け入れることができると思う。

 DIMENSIONの最初の1枚は『11TH DIMENSION “KEY”』がいい。『11TH DIMENSION “KEY”』ならば,DIMENSIONへの拒否反応はでないと思う。「スッ」と身体に染み入る造込みで,第三世代特有の“壁”を感じない。メロディーの良さに魅了されることと思う。
 その分「超絶技巧」はスパイス程度。楽器小僧なDIMENSIONファンの間では“凡作”とされているので,あらかじめご了承頂きたい。

 そんな“敷居の低い”『11TH DIMENSION “KEY”』なので,昔の文脈を通しても心地良く聴くことは可能だが,いつまでも過去との互換性に頼っているとしたら新規格の恩恵に浴することはできない。
 ここは思い切って『11TH DIMENSION “KEY”』の音世界へ身を委ねてみてほしい。まずは勝田一樹アルト・サックスが耳で追いやすいと思う。この転調の多さとハイトーンの“乱れ打ち”は,過去のJ−ジャズフュージョンの“型”には無かったものだ。
 何が新しいのか,うまく説明できないが,以前の“しがらみ”をとっぱらった音楽理論が,作曲方法,演奏手法まで変えてしまっている。やはり世代交代は,革新的な新規格の登場と共に幕を開けたのだった。

11TH DIMENSION “KEY”-3 ちまたでは2007年問題=団塊の世代の大量退職によるノウハウの消滅に危機感が叫ばれている。
 しかしJ−ジャズフュージョン界は安泰である。DIMENSIONに代表される「第三世代」が立派にシーンを担っている。そして今や矢野沙織アキコ・グレース山中千尋らの「第四世代」の台頭も著しい。“十年一昔”とは良く言ったものである。

 ガンバレ第一世代,負けるな第二世代! この気持ちは当の第三世代,第四世代のジャズメンも同様だろう。ジャズメンに定年退職などないのだから“生涯現役”のベテラン勢と若手たちが“切磋琢磨”し,次世代の新規格の創造にチャレンジし続けてほしい。
 2007年のJ−ジャズフュージョン界は,世界的に見ても稀に見る激戦区。新旧入り混じった素晴らしい環境下にある。

  01. Magic One
  02. Key
  03. Someday
  04. Alone In Love
  05. Sun Dance
  06. Colour Of Days
  07. Moment
  08. I Don't Wanna Cry
  09. Shadow Of A Memory
  10. What's Rare?

(BMGルームス/BMG ROOMS 1998年発売/BMCR-7030)

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