アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

CD批評:アキコ・グレース

アキコ・グレース / マンハッタン・ストーリー5

MANHATTAN STORY-1 アキコ・グレースの「ニューヨーク三部作」は,どれも甲乙付けがたい名盤であるが「ニューヨーク三部作」の中でも,管理人の手が真っ先に伸びるのが『MANHATTAN STORY』(以下『マンハッタン・ストーリー』)である。

 『マンハッタン・ストーリー』のハイライト=【パルス・フィクション】でマイルス・デイビスの【ネフェルティティ】をイメージしてしまったものだから,もう大変!
 『マンハッタン・ストーリー』の全曲で,もう何をどう聴いてもマイルス・デイビスのあの臭いがしてしまってダメだ。

MANHATTAN STORY-2 スタンダードオリジナルも,傑作と讃えられた前作『フロム・ニューヨーク』より一層の飛躍を遂げている。アキコ・グレースはどこまで行ってしまうのか?

  01. Libido〜Mediterranean Sundance
  02. That Morning
  03. Fly Me To The Moon
  04. Pulse Fiction
  05. First Song
  06. Change The World
  07. Yours Is My Heart Alone
  08. Over The Rainbow
  09. Bemsha Swing
  10. Two Thirty IN The Morning
  11. Song For Bilbao
  12. Blue Water

(サヴォイ/SAVOY 2002年発売/COCB-53025)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/岩浪洋三,アキコ・グレース,寺島靖国,菰口賢一)

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アキコ・グレース / フロム・ニューヨーク5

FROM NEW YORK-1 “サヴォイ初の日本人アーティストアキコ・グレース,衝撃のデビューCDが『FROM NEW YORK』(以下『フロム・ニューヨーク』)。

 鮮やかなテクニック,クリアーで美しい音色,ダイナミックで力強いピアノ・タッチ…。これは熱演ではない。気負うことなく自然体で録音されている。それでこのハイレベル。
 実に爽快である。聴いているだけですがすがしい気分になってくる。実力勝負の正統派な演奏に酔いしれてしまう。なぜだか誇らしく思えてくる。“稀にみる大器”の大登場なのである。

 ベースロン・カータードラムビル・スチュアートの超大物2人を向こうに回し,堂々と渡り合う「モノホン」アキコ・グレースジャズ・ピアノに心底惚れ込んでしまった。管理人のこの評価は今でも変わらない。

FROM NEW YORK-2 アキコ・グレースについては,ピアノの硬質なタッチとビル・エヴァンスの愛想曲を取り上げるなど『フロム・ニューヨーク』を聴いた時点では,大西順子よりも木住野佳子に近いイメージを持っていた。

 話題性と実力を兼ね備えた“ピアノのディーバ”アキコ・グレース大西順子以来となるアキコ・グレースが巻き起こした『フロム・ニューヨーク』から始まる一連の“大旋風”が記憶に新しい。

  01. Never Let Me Go (Short Version)
  02. Delancey Street Blues
  03. I've Seen It All
  04. You Don't Know What Love Is
  05. You Must Believe In Spring
  06. The Last Smile Of You
  07. Voice Of The Sphere
  08. Inner Conflict
  09. Texture
  10. My Favorite Things
  11. Never Let Me Go (Full Version)

(サヴォイ/SAVOY 2002年発売/COCB-53003)
(ライナーノーツ/岩浪洋三,菰口賢一)

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アキコ・グレース / ピアノリウム5

PIANORIUM-1 『PIANORIUM』(以下『ピアノリウム』)は「アキコ・グレース初の完全ピアノソロ・アルバム」ではない。
 アキコ・グレースピアノソロの形を取ったピアノとのデュオCDである。

 「次はどんな音色で? どんなパッションで?」。アキコ・グレースピアノと相談しながら音を放っている。ピアノと共に同じ景色を見,同じ空気を吸っている。
 そう。『ピアノリウム』は,アキコ・グレースの親友“ピアノとの語らい”の記録なのだ。

 『ピアノリウム』の真実は,アキコ・グレースデジタル配信ソロ・プロジェクトピアノモード」のCD化!
 2007年7月から2008年6月迄の12ヶ月連続録音で,時代の変化と季節の移り変わりに何を想うのか? アキコ・グレースの“心の窓”が透けて見えてくる。
 産みの苦しみはない。『ピアノリウム』は,自然体で指の動くがままに書かれたアキコ・グレースの“音の絵日記”である。無の境地でピアノデュエットしたアドリブの“心象画”なのである。

 真空の水が「生きた彫像」となった【SPACETIME WATER】。狭間に浮かぶ,美しくて荘厳な空中庭園AERIAL GARDEN】。夏の間に溜め込んだお祭り騒ぎの熱気の封印【IN REMINISCENCE WHEN SUMMER IS ENDING】。透き通った発泡水の噴水MUSICA SQUMANTE】。大輪のひまわりが天空に昇り,雲の上でワルツを踊る【WALTZ OF SUNFLOWER,THE FIRMAMENT RESONATES WITH】。おとぎの国の音使いの妖精【FAIRY OF SOUNDLAND】。

PIANORIUM-2 ピアノソロにしてピアノとのデュオ=『ピアノリウム』は最先端の“アート”ではない。昔懐かしい郷愁を誘う“創作アート”である。
 読者の皆さんもきっと『ピアノリウム』で表現されている「四季の移ろい」に“キュン”と胸が締め付けられることであろう。“クール”なピアノと音の“温もり”。
 “創作アーティスト”アキコ・グレースの“成熟ぶり”に圧倒されてしまう。

  01. Spacetime Water
  02. Aerial Garden
  03. In Reminiscence when Summer is Ending
  04. Musica Spumante
  05. Waltz of Sunflower, the Firmament Resonates with
  06. Hop, Hop, Raindrop
  07. Miyabiyaka
  08. Maple Leaf Travels
  09. Silver Moon
  10. Fairy of Soundland
  11. Quiet Snow  
  12. Evanescence of Sakura

(サヴォイ/SAVOY 2009年発売/COCB-53787)
(ライナーノーツ/立川直樹,辻口博啓,アキコ・グレース)

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アキコ・グレース / グレースフル・ヴィジョン4

GRACEFUL VISION-1 『GRACEFUL VISION』(以下『グレースフル・ヴィジョン』)は『ILLUME』以上に「静」なCDである。

 “新生ニューヨーク・トリオ”との触れ込みであったが,ベーシストはレギュラーのラリー・グレナディアだし,ドラマービル・スチュアートからアリ・ホニックに代わっただけなんでしょ? “いつもの”ニューヨーク・トリオの最高なピアノ・トリオなんでしょ?
 そんな感じの“軽い気持ちで”聴き始めたものだから…。

 『グレースフル・ヴィジョン』の“表の顔”は,アキコ・グレースのリーダーシップが色濃く反映されたライブ感覚の「先見の明&想像力&理想像&幻の光景(ヴィジョン)」なピアノ・トリオである。
 しか~し『グレースフル・ヴィジョン』の“裏の顔”は予想と正反対の,とことん「静」! 『グレースフル・ヴィジョン』を聴いた瞬間「これがあのニューヨーク・トリオなのか?」と,耳を疑いたくなるくらいの大変動! 新生とは真正であった。

 『グレースフル・ヴィジョン』の“静けさ”は『ILLUME』の“静けさ”とは異なっている。アリ・ホニックの,それはそれは刺激的なビートが炸裂しているのだが,これぞ「雷鳴の後の地鳴り」のよう。そう。聴き所は「一瞬の静寂」にある。
 『グレースフル・ヴィジョン』の象徴としての“沈黙のジャズ・ピアノ”【GRACEFUL INTERMISSION】! 中身は聞いてのお楽しみ(このトラックを聴ける人がいるならば)である。

 『グレースフル・ヴィジョン』は,優雅であり,クラシカルであり,そして深く美しく響いている。まるで雨音を聴いているかのようなピアノ・トリオのファンタジーに,魂が震えた感覚がしっとりと残っている。アキコ・グレースジャズ・ピアノが“瑞々しい”。

GRACEFUL VISION-2 誌的で日本的で切なく儚げな【EVANESCENCE OF SAKURA】。心の奥底を明るく照らしてくれる“ソロ・ピアノ・タッチな”【SILVER MOON】。穏やかで凛然たる律動感に満ちた【APPROACH TO SHINE】。悲しくも美しいレクイエム【LACRIMOSA】…。
 そうして迎える『グレースフル・ヴィジョン』のハイライト! 日本的な間,空間,無を経て,ボーナス・トラック【DELANCEY STREET BLUES ’08】が耳元を一気に駆け抜ける! 突き抜ける! これぞ待ち設けていたカタルシス!

 そう。『グレースフル・ヴィジョン』こそ「ジャズを超えたジャズ・アルバム」である。しかし惜しまれるのは,ほんの一歩だけ「ジャズを超え過ぎた」かなぁ。

  01. Evanescence of Sakura
  02. How Deep is the Ocean
  03. Fly On Seven
  04. Doxy
  05. Approach to Shine
  06. Silver Moon
  07. Lacrimosa
  08. Innocent Waltz
  09. A Nightingale Sang in Berkeley Square
  10. Traumerei
  11. Graceful Intermission  
  12. Delancey Street Blues '08

(サヴォイ/SAVOY 2008年発売/COCB-53723)
(ライナーノーツ/岩浪洋三,バリー・アイスラー)

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アキコ・グレース / イリューム5

ILLUME-1 『ILLUME』(以下『イリューム』)&『MOMENTUM』(以下『モメンタム』)。

 2枚同時発売の『モメンタム』が「動」なら『イリューム』は「静」!
 『イリューム』は,アキコ・グレース初のソロCD

 テーマは『イリューム』=「光る」である。そう。アキコ・グレースの音楽(ジャズ・ピアノではない)が“光り輝いている”。
 アキコ・グレースの繊細な指遣いから放たれた七色の光は,ビル・ラズウェルの持つ“鬼才のプリズム”によって,一音ごとに形を変え,光度を変えていく。しかもその光が明確な意思を持っているかのごとく揺れ動く。まるでWMPの「視覚エフェクト」を耳で聴いているかのように…。

 正直,管理人は『イリューム』を聴いて腰を抜かしそうになった。これ程完成度の高いソロCDにはめったにお耳にかかることはできない。

 エレピの無機質な機械音なのに,これぞ,アキコ・グレースの生身の音そのものである。優しい音色で包み込まれた瞬間,光の速さで「遠くへ,もっと遠くへ,光の射す方へ」と誘ってくる。光の先にはパラダイスが見えている。
 そう。アキコ・グレースの『イリューム』とは“希望の光”なのである。
 こんなソロCDを作れるのは,キース・ジャレットマンフレート・アイヒャーか,アキコ・グレースビル・ラズウェルぐらいのものではなかろうか?

 アキコ・グレースビル・ラズウェルの組み合わせ。『イリューム』の録音に際して,どのような話し合いがなされたのか非常に興味があるのだが,この圧倒的なイマジネーションは,ビル・ラズウェルの“伝家の宝刀”そのままであろう。

 ビル・ラズウェルの“孤高の音世界”へアキコ・グレースが足を踏み入れ“光”を射した。アキコ・グレースの照らす七色の光がビル・ラズウェルの造形美を照らし映す。
 この天才2人が構築した幻想の音世界を言葉で表現することはできない。『イリューム』を聴くしかない。聴いてイメージするしかないのだ。聴き込むうちにやがて眼前に浮かび上がる新世界! 一度浮かび上がった新世界は,もはや脳裏から消え去ることはない。手で掴むことさえできるようになる。

ILLUME-2 「アキコ・グレースよ,もっとビル・ラズウェルを追え。ビル・ラズウェルを捉えるんだ。『イリューム』を掴め! 『イリューム』を放て!」。

 もう一つついでに腰を抜かしそうになったのが,馬場雅之氏の(和田静香氏も)ライナーノーツ。これを読めば管理人のCD批評など不要である。素晴らしい文章力。

  01. Looking Glass
  02. Light and Shadows
  03. Pacific Wind
  04. Dream
  05. Drift
  06. Departure
  07. Whisper Prayer
  08. Angel Within
  09. Imagine
  10. Sakura

(サヴォイ/SAVOY 2006年発売/COCB-53546)
(ライナーノーツ/馬場雅之,和田静香)

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アキコ・グレース / ジャズ・ストリート~ザ・デュオ+4

JAZZ STREET~THE DUO+-1 『JAZZ STREET~THE DUO+』(以下『ジャズ・ストリート~ザ・デュオ+』)は,アキコ・グレースがナビゲーターを務めるBSデジタルのラジオ番組「WOWOW WAVE2『AKIKO GRACE JAZZ STREET』」の中で収録されたスタジオ・ライブデュオCD

 『ジャズ・ストリート~ザ・デュオ+』は,単なる企画ものとして捉えるには勿体無い,質の高いセッション集である。
 5人のゲスト・ミュージシャン(ヴァイオリン中西俊博ベース藤原清登フルート赤木りえギターボーカル中村善郎テナー・サックス川嶋哲郎)との豪華なデュエットは,そのどれもが名演と呼ぶにふさわしい。

 初顔合わせの緊張感溢れる濃密なインタープレイ。エネルギッシュな個性剥き出しの“5人5様”の異なるトーンにピアノを合わせるアキコ・グレースの“引き出しの多さ”に脱帽である。

 『ジャズ・ストリート~ザ・デュオ+』の,デュオには聴こえない多弁な音数は,ホスト役のアキコ・グレースピアノが受けに回り,ゲストを彼女の狙った場所へと導き,自由なアドリブを引き出した結果。そう。全てのトラックにおいてアキコ・グレースの「自分のフォースの届く領域から絶対に逃がさない」という頑なさが感じられる。

JAZZ STREET~THE DUO+-2 常に冷静でありつつも自然発生的なアドリブに“大人の色気”がある。
 事が全て終わった後に流れ出す,ボーナス・トラックPULSE FICTION(TAKE-1)】の痛快さといったらもう…。

 アキコ・グレースというピアニストは受けも一流。攻めは超一流である。

  01. Cinema Paradiso
  02. So Be It
  03. Rain
  04. When I Fall In Love
  05. Straight No Chaser
  06. Como Fue
  07. Estate
  08. Triste
  09. My Soul
  10. White Roses For You
  11. Pulse Fiction (take-1)

(サヴォイ/SAVOY 2002年発売/COCB-53031)
(ライナーノーツ/杉田宏樹)

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アキコ・グレース / 東京 / 最初の光~飛翔4

 『TOKYO』の13曲目は【最初の光~飛翔】。


 【最初の光~飛翔】とは,朝の「目ざめの」であり,静寂を破る「小鳥たちのさえずり」である。夜明け前の静寂が朝日とともに失われ,家族でのにぎやかな朝食が始まるのだが,一羽の小鳥は,再び静寂を求め天高く飛翔するストーリー?
 そう。【最初の光~飛翔】には,家族団らんの温かさと独身貴族の心地良さが同居している。そのどちらもが美しい。

 【最初の光~飛翔】は,前半の【最初の光】をヴァイオリニスト中西俊博が,後半の【飛翔】をアキコ・グレースが書き分けているので,管理人も,前半を静,後半を動と決めつけることができさえすれば,一端のレビューとして成立するように思う。

 しかしそうは書けない。【最初の光~飛翔】は単純ではない。これは完璧な共作である。2人の名作曲家が曲想において一致している。見事なストーリー展開をアキコ・グレースジャズ・ピアノで脚色していく。
 ラストに感じる“高揚感”は,天高く飛翔した小鳥の水浴びである! 翼をおもいっきり広げていくと,独りだったはずなのに家族の翼とぶつかってしまう。家族団らんの音が最高にスリリング!

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums
TOSHIHIRO NAKANISHI : Violin

CHIEKO KINBARA STRINGS
HARUKO YANO, NAORU KOMIYA, YUKIKO IWATA : 1st Violin
NAGISA KIRIYAMA, NORIYO OHBAYASHI, YUKO OHKUBO, MOTOKO FUJIIE : 2nd Violin
YUJI YAMADA, HIROHITO FURUGAWARA : Viola
MASAMI HORISAWA, AYANO KASAHARA : Cello

アキコ・グレース / 東京 / KUROSAWA4

 『TOKYO』の10曲目は【KUROSAWA】。


 【KUROSAWA】とは,映画監督・黒澤明のこと。【KUROSAWA】は“時代劇”で流される黒沢映画の音であろう。

 藤原道山尺八がドラマティック! 映画界の日本代表が黒澤明なら,ピアノの日本代表はアキコ・グレースである。ワールド・クラスのピアノのバックで移ろい行く映像美が,時に時代劇,時にフランス映画であり,勿論,ニューヨークしている。
 そう。【KUROSAWA】の主演はアキコ・グレースであって【KUROSAWA】は「アキコ・グレースのPV」と成り得る。

 …と書いてはみたが,管理人の第一印象は黒澤映画ではなく水戸黄門。1分1秒から1分23秒と3分6秒から3分30秒が「おな~り~」をイメージさせる。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums
DOZAN FUJIWARA : Shakuhachi

アキコ・グレース / 東京 / KAGOME KAGOME(LONG VERSION)4

 『TOKYO』の14曲目は【KAGOME KAGOME(LONG VERSION)】。


 【KAGOME KAGOME(LONG VERSION)】でのアキコ・グレースは“一介のジャズ・ピアニスト”に徹している。この演出が実に効いている。
 ジャズスタンダードがあるように,日本には童謡がある。そう。いつの時代にも歌い継がれてきた【KAGOME KAGOME】のテーマには“心を揺さぶる力”が宿っている。

 アキコ・グレースは【KAGOME KAGOME】のテーマは決して崩さない。優しく美しい透明感あるピアノ・タッチで原曲通りに歌い上げていく。ただそれだけなのに【KAGOME KAGOME(LONG VERSION)】がジャズしているのはなぜだろう。この辺りが実に小憎らしい。
 このアレンジはアキコ・グレースだから取り得た“計算ずくの凡庸表現”なのだろう。

 一方,アキコ・グレースの“引き算”によって前面に押し出された格好の,藤原清登ベース岩瀬立飛ドラムが,期待通りの名演で応えてみせる。さりげなく細かなリズム・パターンが幾つも用いられていて随所に聴き所満点である。
 【KAGOME KAGOME(LONG VERSION)】は,意外に手強いですよっ。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums

アキコ・グレース / 東京 / IN FRONT OF THE SKYWHEEL4

 『TOKYO』の6曲目は【IN FRONT OF THE SKYWHEEL】。


 【IN FRONT OF THE SKYWHEEL】の何とロマンティックなことだろう。アキコ・グレースこそ“女キース・ジャレット”である!

 この大甘なメロディを素直に指に乗せていく。どうして“あえぎ声”がでないのかが不思議なくらい,藤原清登の重低音で子宮を突き上げられたと思った瞬間,岩瀬立飛ブラシで優しく局部を撫でられている。
 そう。【IN FRONT OF THE SKYWHEEL】でのピアノの音色は,アキコ・グレース流“エクスタシー”の発露である。
 上品かつ奥ゆかしい。この表現力こそ“女キース”! 飛び抜けた才女である。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums

アキコ・グレース / 東京 / PRELUDE~KAGOME KAGOME(SHORT VERSION)4

 『TOKYO』の1曲目は【PRELUDE~KAGOME KAGOME(SHORT VERSION)】。


 『カゴメカゴメ 籠の中の鳥は いついつ出やる 夜明けの晩に…』。そう。アキコ・グレースこそ,2002年に世界へと飛び出した,籠(J-ジャズ界)の中の鳥!

 【PRELUDE~KAGOME KAGOME(SHORT VERSION)】でのアキコ・グレースは,特にメロディを崩すでもなく素直にピアノを響かせていく。しかしこの演奏が完全に“ジャズ”している!
 童歌なのに大人の語り口だからかなぁ。掴みはOKである。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums

アキコ・グレース / 東京 / 東京狂詩曲5

 『TOKYO』の2曲目は【東京狂詩曲】。


 【東京狂詩曲】は“狂おしいくらいにいとおしい”アキコ・グレースの「東京愛」が感じられる。24時間眠ることない大都会の明と暗! 酸いも甘いも味わい尽くした上での愛情である。

 アキコ・グレースピアノは早いが,彼女の実力からすると,黄色の中央・総武線各駅停車であって,紺色の横須賀・総武線快速電車のそれではない。( ← って,やっぱり都民気分の千葉県民丸出しです。) 
 そう。【東京狂詩曲】の魅力は,スピードを越えた圧倒的エネルギーと終始“ピン”と張りつめた緊張感! 都会の喧噪,危険と誘惑,そして活力をイメージさせるピアノのアタックが,相当パンチが効いている!

 アキコ・グレースは,そんな「東京」の特徴を,低音中心の音程で表現する。グイグイ切り込み圧力をかけてくる。
 しかし同時に“息抜きの場”も提供してくれている。ほんのわずか,中域と高域を同時に鳴らしてくれる。
 例えば3分過ぎからのアドリブであるが,もう少し長く続けられると,失神しそうで耐えられそうもない。そこでテーマに戻った後3分52秒からが“スーパー・ジャズメン”の面目躍如。あの倍音処理がエクスタシー!

 管理人も「東京」という街が大好きである。しかしこれ程,東京好きになったのは,東京を離れてからのことである。
 アキコ・グレースによる【東京狂詩曲】の作曲も,NY暮らしに慣れた頃のことだ。東京を離れてみて初めて,自分の内にある「東京愛」に気付いたのではないか?
 【東京狂詩曲】には,アキコ・グレースの“激しい”東京愛が詰まっている。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums

アキコ・グレース / 東京 / 記憶4

 『TOKYO』の5曲目は【記憶】。


 【記憶】とは,クラシック・ピアノを習っていた幼少時代のこと? それともオスカー・ピーターソンを聴いてジャズ・ピアノに開眼した青春時代のこと? それとも…?
 【記憶】は,ダイナミックに「静と動」が交差する名演である。

 イントロとアウトロは,もろクラシック。中盤のモチーフも,もろクラシック。管理人はクラシックには通じていないので,何風,とコメントはできないが,岩波洋三氏執筆のライナーノーツには「モーツァルトのピアノ・ソナタ風」と書かれている。

 管理人が語れるのはせいぜい,あの突然切り込んでくる“アグレッシブな”ピアノぐらいである。これはすごい。低音と高音が“けたたましい豪音を立てて”オスカー・ピーターソン並みの早弾きで迫ってくる。それはそれは押し倒されてしまいそうな勢いである。
 急発進の急ストップなのであるが,車は急には止まれない=アキコ・グレースの指も急には止まれない! 特に失速間際のラスト2,3秒! 最後に“馬が足を蹴り上げた感じ”が大好きだ。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums

アキコ・グレース / 東京 / 悠久の路5

 『TOKYO』の4曲目は【悠久の路】。


 【悠久の路】とは,シルクロード? 管理人には島国の五街道などではなく,果てしなく雄大な大陸,東洋から西洋へと通じる【悠久の路】が,イメージとして浮かび上がってくる。
 この延々と朗々と流れるタイム感に“ロマン”を感じてしまう。きっとストリングスヴァイオリンに“中国”を感じてしまうのだと思う。我ながら単純な男だと思う。

 イントロの数秒間で,一気に太古の昔へと連れて行かれるのだが,1分8秒からのピアノヴァイオリンのユニゾン,そこへストリングスが折り重なる部分が鳥肌もの。
 特に2分11秒からのピアノのタッチは,音が分厚くなったにもかかわらず,より一層“粒だって”聴こえる。アキコ・グレースの本領発揮,凄さを痛感する一瞬である。

 ハイライトは,2分24秒からのピアノ・ソロ! スロー・ハンドが実に心憎い。これぞ悠久の時の流れ…。
 アキコ・グレースのイマジネーションが聴き込むにつれ,鮮明に増幅してくる。これはやばい。そして4分22秒からの「時を駆け抜ける」ピアノ! 地味なアドリブが極上! ジャズ・ピアノはこうでなくっちゃ…。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums
TOSHIHIRO NAKANISHI : Violin

CHIEKO KINBARA STRINGS
HARUKO YANO, NAORU KOMIYA, YUKIKO IWATA : 1st Violin
NAGISA KIRIYAMA, NORIYO OHBAYASHI, YUKO OHKUBO, MOTOKO FUJIIE : 2nd Violin
YUJI YAMADA, HIROHITO FURUGAWARA : Viola
MASAMI HORISAWA, AYANO KASAHARA : Cello

アキコ・グレース / 東京 / 春咲小紅4

 『TOKYO』の3曲目は【春咲小紅】。


 【春咲小紅】は,ご存知・矢野顕子の大ヒット曲。小学生の頃,オリジナルを相当聞いてしまったことと,ジャズにアレンジされた【春咲小紅】とは初対面だったので,一聴した程度では,なかなか“しっくり”こなかった。
 それが今では…。【春咲小紅】は,いつの日か「ジャズ・スタンダード」と呼ばれる日が来るのでは,と肩入れしている。アドリブの自由度は高いし,リズムがクリエイトする。名曲であろう。

 【春咲小紅】を名曲に“仕立て上げた”のが,アキコ・グレースの成せる技! なかなか“しっくり”こないので,これは“駄作”とあきらめ聴き流していたが,ふと「いいフレーズ」と思い,CDクレジットに目をやると【春咲小紅】だった,という経験を何度も味わった。
 そう。矢野顕子の【春咲小紅】をイメージすると駄作であるが,原曲を無視して,アキコ・グレースピアノ・トリオとして聴くと,俄然,耳に飛び込んでくる! 『ジャズに名曲なし,名演あるのみ』の名言が脳裏をよぎる。

 実際に原曲の“跡形”はほんのわずか。ただし,クライマックスでテーマが鳴り出す進行表が「ジャズ・スタンダード」っぽいのである。例えば3分47秒で安心していると3分50秒からの“4連発”はジャズ・ピアノの“王道”であろう。

 “和”のテイスト全開のアドリブがどれもいい。個人的には“地味”ではあるが,47秒からのイントロを6分30秒のアウトロでパワーアップして聴かせる「リズムの連打」が好みである。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums

アキコ・グレース / 東京 / 島唄3

 『TOKYO』の9曲目は【島唄】。


 【島唄】は,地元沖縄の人々にも愛され,受け入れられた,J-ポップの名曲! この民謡的で心に響くメロディをJ-ジャズ最高峰のピアノが彩っていく! そんな期待に胸弾ませて…。

 斬新なアレンジのせいもあろうが【島唄】の魅力がストレートに伝わってこない。この辺りはボーカルやホーンにかなわない,ピアノの宿命と言えばそれまでだが,ここでそんなことを言いたいのではない。
 やはりアキコ・グレースは都会人だ。東京は表現できても沖縄は…。

 その点,藤原清登はいい。2分48秒からのベースの音色は,大海原へ船を漕ぎだす“オールの音”そのものである。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums

アキコ・グレース / 東京 / おぼろ月夜5

 『TOKYO』の8曲目は【おぼろ月夜】。


 【おぼろ月夜】こそ『TOKYO』のコンセプトの完成形! “和”テイスト全開が(管理人の評価としては)大成功である。

 藤原道山尺八をフューチャーした“ピアノ・カルテット”が“ワビサビ・カルテット”と化す。フロントの2人はしっかりと自分の音を出しているが,互いの音を意識しながら,溶け合うように,ささやきあう。
 例えば,2分1秒からのアキコ・グレースピアノ・ソロは,しっかりと弾ききっている。かなり強烈なタッチなので,ホノボノ・ムードで耳を傾けていると,思わずのけぞり,たじろいでしまうほど。
 しかしこの音圧が,嫌味ではない。この「響き:残響音」に心奪われる。美しい。時間をかけて心の奥底に染み入ってくる。

 反ジャズ的な“没個性”! 控え目で奥ゆかしい【おぼろ月夜】で,こんなにもスイングするなんて…。
 【おぼろ月夜】には,ジャズ・スタンダードでは味わえない“けだるさ”が存在する。やはり管理人は純・日本人です。J-ジャズが好きでたまらないのです。

 特筆すべきは藤原清登の“ギーコギーコ”ベース。渡し船に乗りながら眺める【おぼろ月夜】を見たくなった。かなうことなら“浄い童心”を取り戻したい。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums
DOZAN FUJIWARA : Shakuhachi

アキコ・グレース / 東京 / DONNA LEE5

 『TOKYO』の7曲目は【DONNA LEE】(以下【ドナ・リー】)。


 【ドナ・リー】は,J-ジャズの“日本選抜”「AKIKO GRACE SUPER TOKYO TRIO」の“凄すぎる”熱演だ。これがトリオか? と耳を疑うくらいに,熱気が充満している。

 アキコ・グレースが,カットバシテイル! 【ドナ・リー】は,チャーリー・パーカーはもとより,バッパーであれば皆一度は挑戦する“バップのエベレスト”。
 その一度は越えねばならない「剣が峰」を前にして,アキコ・グレースピアノが,アルト・サックスと化している! 縦横無尽なアドリブは,チャーリー・パーカーピアノで演ったら,こうなるであろうことをイメージさせてくれる“桁外れ”の快演である。こんなピアノは,そうめったに聴けるものではない。
 1分42秒から1分53秒までが特A級の出来で“きらめいている”のだが,B級好きとしては,2分23秒過ぎからの“JAZZYなノリ”がたまらなく好きだ。

 ただし【ドナ・リー】は,アキコ・グレースだけが“突出”しているわけではない。むしろ耳に残るのは強烈なビートであろう。
 ピアノを“喰らいつくす”かのごとく襲いかかる,藤原清登ベースが“ブイブイのゴリゴリ”で半端ない。管理人の第一印象はとにかく“ベース・ライン”だった。
 岩瀬立飛の“クリエイティブ”なドラミングが,他のどの【ドナ・リー】とも異なるオリジナリティを与えている。シンバルの使い方が実に刺激的である。

AKIKO GRACE : Piano
KIYOTO FUJIWARA : Bass
TAPPY IWASE : Drums

アキコ・グレース / 東京5

TOKYO-1 親は子供の誕生前からあれこれと名前を思案する。子供でさえペットの名付け親となるに際し熟考する。新商品の開発会議において最も時間を要するのがネーミング会議である。
 そう。名前って重要! 重要であるからこそ,多くの時間と労力をかけて,名前について熟慮を重ねるのである。

 さて,アキコ・グレースである。このアーティスト名に,あの日本人離れしたルックスとくれば,もしやハーフ? と思われるかもしれないが,アキコ・グレースとは芸名! 彼女は歴とした純・日本人。本名:岩瀬晶子さんである。
 この芸名には意味がある! メイド・イン・ジャパンの「最高傑作」としての鮮烈デビュー! この芸名は“世界進出”を見据えての“戦略”である! そう。アキコ・グレースの眼前には,デビュー前にして“世界への扉”がクッキリと見えていた。

 アキコ・グレース程の“高学歴ジャズメン”は世界的に見てもそうザラにはいない。なんてったって芸大&バークリーのW首席卒業! バークリー在学中にも2年連続の学生代表演奏。バークリー・パフォーマンス・センターでの演奏という名誉を得た。
 卒業後も快進撃は続く! SAVOY(サヴォイ)初の日本人ジャズメン! 史上初,それもデビュー1年目にして,スイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】を2作連続&年間2枚獲得という離れ技! これは異例中の異例。大事件であった。
 スイングジャーナル関連で言えば「ニュースター賞」「日本ジャズ賞」を“当然のごとく”受賞したし,ミュージック・ペンクラブ賞ポピュラー部門・コンサート・パフォーマンス賞や文化庁主催芸術祭優秀賞(レコード部門)といったビックな受賞歴も多数ある。ここら辺はさらりと書き終えることにするが,よ〜く考えてみてほしい。これらの賞の“重み”はハンパではない。

 普段,アンチ・ジャズ・ジャーナリズムの管理人にここまで書かせたジャズメンはアキコ・グレースが初めてである。それだけでもアキコ・グレースの凄さが分かるってものでしょ? 「おぬしやるな〜」( ← って,そんなお前は一体何なんだって話ですけどね。全く説得力などありませぬ。いつも高飛車ですみません。)
 そう。アキコ・グレースジャズ・ピアノの前では,この類の“うんちく”など一切不要である。きっと一音聴いただけで,オッ,と思うに違いない。百戦錬磨の“通”なオヤジたちの耳をKOし,ジャズの本場でも“超一流”として渡り歩ける実力者なのである。

 さてさて,話を戻そう。“世界進出”を見据えて芸名デビューを果たしたアキコ・グレースが,実際に世界へと照準を合わせたのが,アキコ・グレースの4作目『TOKYO』(以下『東京』)である。
 デビューから続いた「ニューヨーク三部作」でJ−ジャズ界を完全制覇した勢いそのままに,と思いきや,大胆にも路線変更! これがアキコ・グレースの予想に反して不評を買った。この『東京』での失敗が響いて,過去の偉大な実績さえも“吹き飛ばされた”感さえある。正に株価の大暴落である。
 しかし,管理人は『東京』は駄盤,失敗作とは思わない。むしろ評価その逆である。最高傑作と呼ぶには忍びないまでも『東京』には「ニューヨーク三部作」では希薄であった,アキコ・グレースの“個性”が豊かに表現されているように思う。愛聴盤である。

 アキコ・グレースの個性は“陰り”である。“陽の権化”ピーターソン派を自認するアキコ・グレースとしては意外に思えるが,アキコ・グレースピアノには“陰り”がある。“閉塞感”を感じると同時に“破壊の快感”が複雑に入り混じっている。

TOKYO-2 表面的にはスマートでオシャレで洗練された“CITY系”であるが,華やかな「勝ち組」生活は多くの犠牲の上に成り立っている。創作活動=命を削る“ユンケル漬け”の毎日。
 そう。“高学歴ジャズメン”の宿命=結果を求められ続ける大きなストレスは“キャリア・ウーマン”的な“陰り”である。結果のためには,自分のやりたいスタイルを捨て,時流に乗っかる必要がある。ここがジャズメンにとって最大の“ジレンマ”であろう。

 この“ジレンマ”をアキコ・グレースは,デビュー前から抱えてしまっていた。売れて当然という,目には見えないプレッシャー,がのしかかっていた。それが無意識のうちに“陰り”という個性を作り上げてしまったのではなかろうか? 本当のアキコ・グレースとは「のだめ」なのかもしれない。

 “プライド,嫉妬,女の執念”が聴こえてきそうな“反骨精神”丸出しのピアノ・タッチが,男性では“制御不能”な強烈なエネルギーを発してくる! この“怨念の力”が日々の“閉塞感”を突き破って前進する! ここに“破壊の快感”が宿っている!
 おっと,当然ながらこれはアキコ・グレースジャズ・ピアノの特徴について述べているのであって,実際の彼女がそんな女性だと言うことでは決してありませんので,誤解なさらずに…。

 『東京』には,これまでの“しがらみ”や“ジレンマ”から全て解放されて,アキコ・グレースが真に演りたかったジャズ・ピアノの世界がストレートに表現されている。これまでの溜まりに溜まった“うっぷん”をぶちまけた「本当の自分」が表現されている。
 そう。これまで表面に表われることの少なかった,しかし確実に底流に渦巻いていた“陰り”が俄然上昇している! これこそ『東京』のテーマである“和”の追求と関連があるのだろう。

 アキコ・グレースは『東京』で自分自身の「パンドラの箱」を解き放った。もうこの「パンドラの箱」は閉じられない。アキコ・グレースと言う名に込められた“世界制覇”を完遂するその時まで…。

  01. Prelude〜Kagome Kagome (short version)
  02. 東京狂詩曲
  03. 春咲小紅
  04. 悠久の路
  05. 記憶
  06. In Front of the Skywheel
  07. Donna Lee
  08. おぼろ月夜
  09. 島唄
  10. KUROSAWA
  11. Giant Steps
  12. Calmness
  13. 最初の光〜飛翔
  14. Kagome Kagome (long version)

(サヴォイ/SAVOY 2004年発売/COCB-53128)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/岩浪洋三,菰口賢一)

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アキコ・グレース / モメンタム5

MOMENTUM-1  『ILLUME』(以下『イリューム』)&『MOMENTUM』(以下『モメンタム』)。

 2枚同時発売の『イリューム』が「静」なら『モメンタム』は「動」! 『モメンタム』は,アキコ・グレース初のライブCD

 ライブでのアキコ・グレースピアノは,スタジオ録音での“クールでナチュラルな”ピアノではない。
 そう。『モメンタム』は,アキコ・グレースの“隠された本性剥き出し”のアグレッシブなトリオ演奏。ベーシスト安ヵ川大樹ドラマー小山太郎を従えた“情熱的な弾きっぷり”に前のめりである。

 「一発録り」の容赦ない緊張感が,アキコ・グレースの“インプロヴィザー魂”を揺さぶり,グルーヴを巻き起こしている。

MOMENTUM-2 『モメンタム』での,圧倒的なアドリブニューヨーク・スタインウェイの美しい音色に乗せて迫り来る! アキコ・グレースライブでも“やっぱり”凄かった!

  01. Paradoxical Climate
  02. Night and Day
  03. Where The Streets Have No Name
  04. Red Shoes
  05. All Blues
  06. Subliminal One Oh One
  07. Dear Old Stockholm
  08. City Time
  09. Earth~this beautiful planet
  10. Departure[ solo ]~from after hours

(サヴォイ/SAVOY 2006年発売/COCB-53547)
(ライナーノーツ/岩浪洋三,アキコ・グレース,菰口賢一)

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アキコ・グレース / アナザー・ストーリー・イン・ニューヨーク5

ANOTHER STORY IN NEW YORK-1 『ANOTHER STORY IN NEW YORK』(以下『アナザー・ストーリー・イン・ニューヨーク』)は「ニューヨーク三部作」の“お蔵”などではなく,清く正しく美しい“未発表音源集”。

 『アナザー・ストーリー・イン・ニューヨーク』収録の10曲中8曲が新曲である。こうして「ニューヨーク三部作」の“未発表音源集”を1枚にまとめて聴いてみると,アキコ・グレースの圧倒的な“表現力”に舌を巻く。

 ベーシストロン・カーターなのかラリー・グレナディアなのか,演奏時間が2分なのか8分なのか,サックスが入っているのかいないのか,その他,スタンダードでもバラードでもクラシック調でも,どんなに演奏スタイルが変化しようとも,アキコ・グレースは常に“凛とした”自分自身の言葉で,しかも最高のピアノで物語を紡いでいる。

ANOTHER STORY IN NEW YORK-2 『アナザー・ストーリー・イン・ニューヨーク』は「ニューヨーク三部作」の別腹デザートなどではない。
 「究極のメイン・デッシュ」として最後に提供された“裏メニューな逸品”である。

  01. Pulse Fiction (another ver.)
  02. My Foolish Heart
  03. Jump (another ver.)
  04. When I Fall In Love
  05. So Be It
  06. Nostalgia
  07. It Could Happen To You
  08. I Want To Talk About You
  09. Tribute To Trane
  10. Narrative Dream of Bach (Fugue In G Minor
     BWV578)


(サヴォイ/SAVOY 2004年発売/COCB-53281)
(ライナーノーツ/岩浪洋三,アキコ・グレース)

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アキコ・グレース / フロム・オスロ4

FROM OSLO-1 “女キース・ジャレット”を襲名したアキコ・グレースが,ついにキース・ジャレットの本拠地=ECMの音を獲得した。
 『FROM OSLO』(以下『フロム・オスロ』である。

 『フロム・オスロ』は,オスロにある名門「レインボー・スタジオ」録音。さらに,ECMの約1/3の録音を手掛けてきたヤン・エリック・コングスハウスダン・ギャレットの世界有数の裏方陣から,何と共演に,あの「ヨーロピアン・カルテット」のドラマー=ヨン・クリステンセンまで迎え入れての,ECMの“クリスタルな響き”の固め打ちである。
  結果,当然のごとくスイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】受賞の名盤の誕生であった。

FROM OSLO-2 しかし,管理人の『フロム・オスロ批評は“今一つ”である。

 文句のつけようもない名盤には違いないのだが,このスタッフにこの共演者。そしてアキコ・グレースなら“この位出来て当たり前”だと思ってしまう。新鮮なサムシングに欠けている。
 そう。『フロム・オスロ』であるだけに,キース・ジャレット・トリオの『スタンダーズ・イン・ノルウェー』的評価になぞらえたい。

  01. New Moon
  02. Sunrise
  03. Waltz For Debby
  04. From Oslo
  05. Miles' Dance ('69)
  06. Organic Forms
  07. Peace, Searching For
  08. Golden Earrings
  09. Norwegian Wood
  10. Play, Pray In Thunder
  11. Solveig's Song
  12. Groove It Is
  13. On The Rainbow
  14. Message

(サヴォイ/SAVOY 2004年発売/COCB-53265)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/岩浪洋三,バリー・アイスラー,菰口賢一)

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アキコ・グレース / ニューヨーク・スタイル5

NEW YORK STYLE-1 『NEW YORK STYLE』(以下『ニューヨーク・スタイル』)は,アキコ・グレース=「女キース・ジャレット」の“襲名披露”盤である。

 『マンハッタン・ストーリー』で感じたマイルス・デイビスへの発芽が「女キース・ジャレット」としての“ソロ・コンサート”スタイルであるならば『ニューヨーク・スタイル』は“スタンダーズ”スタイルのピアノ・トリオである。

 『マンハッタン・ストーリー』以上に緊密なインタープレイを聴かせるラリー・グレナディアビル・スチュアートが,ゲイリー・ピーコックジャック・デジョネットと化している。

 このスタンダードの崩しっぷりが,もろ女キース・ジャレット・トリオアキコ・グレースの提示するテーマをモチーフとした“圧巻のインプロヴィゼーション”が凄まじい。

NEW YORK STYLE-2 しか〜し「女キース・ジャレット」の名誉勲章受賞に続いて,2003年度スイングジャーナル誌ジャズディスク大賞日本ジャズ賞まで受賞した名盤ニューヨーク・スタイル』であるのに,スイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】には選定されなかったのはなぜ?

  01. Jump
  02. Chromazone
  03. Greensleeves
  04. Smile
  05. Caravan
  06. Siciliano Through My Eyes
  07. Scarboroughfair
  08. Pray Song 〜 for Ground Zero
  09. Sixth Sense
  10. Transition (future mix)
  11. Breathe Out
  12. Body and Soul

(サヴォイ/SAVOY 2003年発売/COCB-53050)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/岩浪洋三,アキコ・グレース,菰口賢一)

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