アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

CD批評:山中 千尋

山中 千尋 / モンク・スタディーズ5

MONK STUDIES-1 痛快・爽快・セロニアス・モンクトリビュート! 『MONK STUDIES』(以下『モンク・スタディーズ』)で「変態チック」な山中千尋が帰ってきた!

 『モンク・スタディーズ』のテーマが,あのセロニアス・モンクなのだから,山中千尋の「変態」も想定内なのだったが,ここまで“狂気のエレピ”を弾かれたら山中千尋に「現代のセロニアス・モンク」の称号を与えないわけにはいかないように思う。

 「変態」が「変態」を演奏するのだから,これはもう普通の演奏で終わるわけはないのだけども,山中千尋が真面目に「ザ・セロニアス・モンク」の世界観を掘り下げていく。「前人未到のユニークなアレンジを施しモンクス・ミュージックの核心部」へと迫っていく。

 『モンク・スタディーズ』は,完全に山中千尋の音楽している。しかし,これがどこからどう聴いてもセロニアス・モンクっぽい。ここまで雰囲気としてのセロニアス・モンクを味わえて,かつ,ジャズメンの個性を感じさせるアルバムはなかったのではなかろうか?

 アルバム・タイトルは『モンク・スタディーズ』。セロニアス・モンクから学ぼうなのか? 学んだなのか? 答えはそのどちらでもないように思う。
 【パノニカ】【ミステリオーソ】【イン・ウォークト・バド】【リズマニング】【ルビー,マイ・ディア】【クリス・クロス】【ハッケンサック】を,嬉々として,型にはまらず演奏する姿からは「これぞ,山中千尋の音楽」としての自負,誇りを感じて圧倒されてしまう。

 そう。山中千尋の「変態チック」はセロニアス・モンクという大巨匠をも呑み込んで,完全なる“山中千尋オリジナル”を確立している。
 特にそう感じるのが山中千尋エレピ使い! ローズにしてもシンセにしてもオルガンにしても,この楽曲にはこれしかない!という見事な音色のマッチングである。

MONK STUDIES-2 基本セロニアス・モンクの楽曲はどれも男っぽい。ブツ切れでゴツゴツした後味が残る。だから女性的なエレピは逃げのように思ったのだが,真実はその逆であって,もの凄い攻撃的なエレピ演奏である。
 先に書いた“狂気”を感じるのは,ガンガン叩きつける生ピアノの方ではなくエレピの長押しの方なのである。

 減衰音のピアノでは表現できない持続音のエレピの何とも伸びやかなこと! モンクス・ミュージックエレピの使用で,どこまでもいつまでも広がっていく感覚が最高なのである。
 柔らかいエレピで奏でられる朴訥なメロディーが危険度ゼロで狂っている。真面目な前衛ポップスへとモンクス・ミュージックが昇華している。

 そんな山中千尋の魅力大爆発の『モンク・スタディーズ』であるが,成功の秘訣は新リズム隊の存在にある。
 マーク・ケリーベースディーント二・パークスドラムという,HIPでHOPな非ジャズの倍音ビートが,天然産のモンクス・ミュージックを席巻していく。

 モンクス・ミュージックから,全速力で離れていく瞬間が楽しくてしょうがない! どこまで離れようともマーク・ケリーディーント二・パークス山中千尋の快感のツボを突きまくって「変態体質」のアクネを刺激している。

 そう。『モンク・スタディーズ』の真実とは「変態」の山中千尋が「変態」のリズム隊と「変態」のセロニアス・モンクを演奏する「2017年版・モンクス・ミュージックの音楽実験」なのだと思う。

MONK STUDIES-3 管理人の結論。『モンク・スタディーズ批評

 山中千尋セロニアス・モンクトリビュートが『モンク・スタディーズ』の聴き所ではなく,モンクス・ミュージックをネタとして,既存のセロニアス・モンク像を意のままにブチ壊し続ける歓びこそが『モンク・スタディーズ』の聴き所であろう。

 もっともっとモンクス・ミュージックを触媒とした山中千尋の「かわゆい顔したド変態」の本性を聴かせてほしいと思う。

PS 「MONK STUDIES-3」は販促用のクリアファイルです。

  DISC 1 CD
  01. Heartbreak Hill
  02. Pannonica
  03. Nobody Knows〜Misterioso
  04. New Days, New Ways
  05. In Walked Bud
  06. Rhythm-a-ning
  07. Ruby, My Dear
  08. Criss Cross
  09. Hackensack
  10. Abide With Me

  DISC 2 DVD
  01. Hackensack
  02. Criss Cross
  03. Rhythm-a-ning

(ブルーノート/BLUE NOTE 2017年発売/UCCQ-9303)
★【初回限定盤】 UHQCD+DVD

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山中 千尋 / ギルティ・プレジャー5

GUILTY PLEASURE-1 『GUILTY PLEASURE』(以下『ギルティ・プレジャー』)はいいアルバムである。山中千尋の趣味の良さがストレートに実感できる。
 ついに山中千尋は,変態度を見せなくても,正攻法だけで勝負できる領域にまで到達してしまったのだと思う。

 管理人にとって山中千尋を聴く楽しみは,変態アレンジに尽きる。多くのジャズメンの「手垢のついた」有名なあんな曲こんな曲が,山中千尋の手にかかると,全く違った曲に生まれ変わる。その特異な才能,自由すぎる発想に強く惹かれてしまう。

 エレクトリック路線の『ABYSS』がそうであり“大人のジャズ・ピアニスト”路線の『BRAVOGUE』がそうであり,オリジナルのブチ壊し路線の『BECAUSE』がそうであった。好きなだけ遊び続けるちーたんに恋をしてきたのだ。

 それがどうだろう…。『ギルティ・プレジャー』の山中千尋は超真面目路線。管理人が期待していた変態チックな要素はないはずなのに,何度も繰り返し聴いてしまう。
 ズバリ『ギルティ・プレジャー』の聴き所は,ジャズ・ピアノを味付けではなく素材の良さで聴かせる,山中千尋「シェフ」の確かな腕前にある。

 メロディーの良さ,リズムの良さ,アドリブの良さ,アンサンブルの良さ,といった管理人がジャズに求める全ての要素が表現されている。
 山中千尋の緻密で繊細な表現手法が重なり合って,かつてない位に豊かな音楽性が表現されているのだ。

 元々「オールランダー」な山中千尋なのだがら『ギルティ・プレジャー』での「ザ・ジャズ・アルバム」なんかは,作ろうと思えば今回に限らずいつでも作ることができたはずである。なぜこのタイミングでの「正統派」路線なのだろうか?

 その答えは,山中千尋トリオが完成のピークに達した自信から来る“挑戦”なのだと思う。
 『ギルティ・プレジャー』のように,全体のバランスが細部までコントロールされたピアノ・トリオの完成には,相当な時間とエネルギーが必要だと思うが,そこはレギュラー・バンドのアドバンテージ!
 日々,山中千尋と“音楽で会話してきた”脇義典ベースジョン・デイヴィスドラムを“89番目と90番目の鍵盤のように”意のままに操り,山中千尋にしか表現することのできない,実にユニークで奥深いジャズ・ピアノを作り上げている。

GUILTY PLEASURE-2 こんなにもバランスの取れたアルバム作りは山中千尋にとっても初めてのことではなかろうか? 攻めでもなく受けでもなく,ひたすらジャズの「王道」で有り続けるために,己の個性と得意技全てを封印してみせたアルバム。
 そう。『ギルティ・プレジャー』は,キャリアのピークを迎えた今だから挑戦できた“左手一本で超真面目ぶった”山中千尋の,要するにいつものお遊びが存分に発揮された,正に真のちーたん・ファンのためのアルバムなのである。

 『ギルティ・プレジャー』からは「ピッカピカ」な輝かしい音が鳴っている。全身黒ずくめのはずの山中千尋が「フルカラー」で鳴っている。はたで聴いただけでは,これが“左手一本”のアルバムだとはにわかに信じられない。凄いぞっ!

 現在の山中千尋トリオは“左手一本”でも,名立たるピアノ・トリオと互角に戦うことができる。次回,山中千尋が右手も使って,あの変態の個性を爆発させる瞬間を想像するだけでヨダレが…。あぁ,ちーたん…。

 管理人の結論。『ギルティ・プレジャー批評
 …というか上原ひろみ山中千尋批評

 ミディアム・テンポ好きとしては上原ひろみではなく山中千尋こそが「日本の宝」なのだと思います!

PS1 『ギルティ・プレジャー』の成功の秘密は五十貝一氏の『EAST BROADWAY RUN DOWN』好きの影響があるのかも?
PS2 『ギルティ・プレジャー』の特典DVDに異議あり。なんでちーたんの顔出しNGなの? 横顔だけとか斜め45度では映像作品としてつまらない!

  DISC 1 CD
  01. CLUE
  02. GUILTY PLEASURE
  03. CAUGHT IN THE RAIN
  04. LIFE GOES ON
  05. THE NEARNESS OF YOU
  06. AT DAWN
  07. HEDGE HOP
  08. MOMENT OF INERTIA
  09. GUILTY PLEASURE REPRISE
  10. MEETING YOU THERE
  11. THANK YOU BABY

  DISC 2 DVD
  01. CAUGHT IN THE RAIN
  02. CLUE
  03. THE NEARNESS OF YOU
  04. AT DAWN
  05. RED DRAGONFLY

(ブルーノート/BLUE NOTE 2016年発売/UCCQ-9027)
★【初回限定盤】 SHM−CD+DVD

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山中 千尋 / シンコペーション・ハザード4

SYNCOPATION HAZARD-1 『SYNCOPATION HAZARD』(以下『シンコペーション・ハザード』)は“ラグタイム”特有のシンコペーションを研究してきた「ラグタイム・マイスター」山中千尋の佳作である。

 山中千尋の“ラグタイム”と来れば,ジャズ・ピアノの源流にして山中千尋の源流として,山中千尋の「ピアノ・トリオ・スタイル」の中に“脈々と流れ出ていた”ジャズグルーヴ
 スイング・ジャズへの足掛かりとなる「あの時代の軽やかなノリ」が音楽的に響いている。

 そんな「切っても切れない」関係にあった山中千尋と“ラグタイム”を『シンコペーション・ハザード』というアルバムで“括ってきた”のだが,予想通りの「THIS IS CHIHIRO YAMANAKA」な音・音・音!

 基本,何を演っても“ちーたん節”になってしまう山中千尋なのだが『シンコペーション・ハザード』では,自身の底辺に流れていた源流を“上澄みで”流したのだから,色濃い“ちーたん節”の表出に・と・ん・で・も・な・い。

SYNCOPATION HAZARD-2 それにしても“スコット・ジョップリン”一色のはずの『シンコペーション・ハザード』の多様性に舌を巻く。
 “ラグタイム”集だと言われなければ気付かないと思われるほど,こんな感じで&あんな感じで“スコット・ジョップリン”が見事に料理され,山中千尋流「ピアノ・トリオ・スタイル」へと昇華されている。

 これぞ,山中千尋の「方法論」の特異さなのであろう。エレピをブチ込み,こんな発想であんな仕上りになるとは…。
 またも山中千尋に一本取られてしまいました。またも山中千尋の愛聴盤が1枚加わりました。

   CD
  01. Syncopation Hazard
  02. The Entertainer/Ritual
  03. Maple Leaf Rag
  04. The Easy Winners
  05. Dove
  06. Reflection Rag
  07. Sunflower Slow Drag/Ladies In Mercedes
  08. New Rag
  09. Heliotrope Bouquet
  10. Uniformity Rag
  11. Graceful Ghost Rag

   DVD
  01. Syncopation Hazard
  02. The Entertainer
  03. Sunflower Slow Drag

(ブルーノート/BLUE NOTE 2015年発売/UCCQ-9024)
★【初回限定盤】 SHM−CD+DVD

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山中 千尋 / サムシン・ブルー4

SOMETHIN' BLUE-1 山中千尋には,内緒にしておきたい過去がある。
 …というのは冗談であるが,実は多くのコンピレーション・アルバムをリリースしている。
 これって本人的にはどうなのかなぁ,隠しておきたい黒歴史じゃないのかなぁって思ってしまう…。

 「COMPILED BY 山中千尋」名義の4枚『ユニバーサル・ア・ゴー・ゴー!』『ジャズ・レミニセンス』『クラシック・レミニセンス』『マイ・フェイヴァリット・ブルーノート』のコンピレーション。
 そのうちの2枚『ジャズ・レミニセンス』と『クラシック・レミニセンス』は,ちーたんの車の助手席で流されたらトロトロもの?だが完全なるアウト。
 この2枚を山中千尋名義で発売したのは,後のち,山中千尋の“汚点”とされるのではなかろうか?

 …でっ,問題なのは『ユニバーサル・ア・ゴー・ゴー!』と『マイ・フェイヴァリット・ブルーノート』の2枚。なぜなら,こちらのコンピレーション・アルバムには山中千尋の新録音入り!
 『ユニバーサル・ア・ゴー・ゴー!』には【THE BACKSTROKE DANCE】【GRACEFUL GHOST】の2トラック。『マイ・フェイヴァリット・ブルーノート』には【SUMMERTIME】【DON’T KNOW WHY?】の2トラック。
 この4トラックの新録音は聴いてみたい。でもアルバム1枚を買うほどではない。う〜む。実に悩ましい。

 さて,そんなこんなで本日の主役(『SOMETHIN’ BLUE』)(以下『サムシン・ブルー』)レビューのはじまりはじまり〜。

 才女のちーたんは,かわいい顔して,実な熱心な「ブルーノート信者」の1人であった。
 ズバリ『サムシン・ブルー』=「ブルーノート・レーベル75周年記念」盤との概要を読んで感じた“例のイロモノ・コンピレーション?”への不安なファン心理を一蹴する山中千尋の音使い!

 ブルーノート・レーベルからのカヴァーの2曲は,ハービー・ハンコックの【I HAVE A DREAM】とバド・パウエルの【UN POCO LOCO】。
 残るはトラディショナルの【FUNICULI FUNICULA】と山中千尋のオリジナルが8曲なのだが,この山中千尋オリジナルが「ブルーノート信者」の真骨頂! 【I HAVE A DREAM】よりも【UN POCO LOCO】よりも“ブルーノートの香り”がする!

 山中千尋には『BECAUSE』という“オリジナルとは「似ても似つかぬ」ビートルズのカヴァー集”があるのだが『サムシン・ブルー』の印象も『BECAUSE』のそれと似ている。

 『サムシン・ブルー』を聴き込めば聴き込むほど,山中千尋のオリジナルが“オリジナルとは「似ても似つかぬ」ブルーノート・カタログからのカヴァー集”のように響いている。『サムシン・ブルー』を聴き込めば聴き込むほど「いつかどこかのブルーノートで聴いたことのある感じ」に行き当たる。
 管理人が山中千尋に「ブルーノート信者」を感じる所以である。

SOMETHIN' BLUE-2 『サムシン・ブルー』は,基本アンサンブル重視で“朗々とした演奏”の小品である。そのように聴こえるのはピアノ中心のセクステット編成であるのにピアノの相棒はホーンではなくギターである。山中千尋ギターの使い方がめちゃめちゃ上手いと思う。

 1500番台,4000番台のハード・バップ〜モードで彩られたユニゾン&ハーモニーが,溌剌としていながら燻し銀っぽい“スモーキーな渋味”も絶妙に漂っている。ギターに“ピアノを奪われた”ホーンでのユニゾン&ハーモニーがブルーノートしている。

 山中千尋がサイドメンに許したアドリブが“定石”通り。各メンバーのソロ廻しが小気味良く決まった,非常にバランスのとれた演奏が展開されていく。うん。いい。実にいい。

 ここまで“絵に描いたような”ブルーノート・ミュージックを作るのは,相当な覚悟が必要だったことだろう。「ブルーノート信者」であれば尚更だと思う。
 あっ,だからこっぱずかしさを隠すためのコンピレーション“気分”なのかっ。
 『サムシン・ブルー』はコンピレーション・アルバムではないのだが,山中千尋にとっては5枚目のコンピレーション“気分”ではなかろうか?

  DISC 1 CD
  01. Somethin' Blue
  02. Orleans
  03. I Have A Dream
  04. Un Poco Loco
  05. Funiculi Funicula
  06. A Secret Code
  07. Pinhole Camera
  08. For Real
  09. On The Shore
  10. You're A Fool, Aren't You
  11. Go Go Go

  DISC 2 DVD
  01. For Real
  02. On The Shore
  03. Somethin' Blue

(ブルーノート/BLUE NOTE 2014年発売/UCCQ-9009)
★【初回限定盤】 SHM−CD+DVD

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山中 千尋 / スティル・ワーキング4

STILL WORKING-1 『興奮が,とまらない。幾多の賞賛を受けた『レミニセンス』。一枚に収まりきれなかったトラック・別テイクを集め,セッションの全貌がいま明らかになる。あの感動は,終わらない』。

 これは山中千尋の5曲入り「ミニ・アルバム?」=『STILL WORKING』(以下『スティル・ワーキング』)のCD帯のコピーである。実に的確なコピーだと思う。

 やれミニ・アルバムはダメだ。やれアルバムにコンセプトがないのはダメだ。やれ没テイクを世に問うてはダメだ…。管理人の周りでは『スティル・ワーキング』については否定的な意見をよく耳にする。
 管理人も山中千尋ユニバーサルの売り出し方にはいちもつ意見を持っている。特にAKB商法のパクリであるジャケット違いの4種類同時発売などエゲツない。即刻やめてほしい。

 しかし,今回の『スティル・ワーキング』の発売についてはユニバーサルを支持する。理由は上記の名コピーと同じだからである。『興奮が,とまらない。あの感動は,終わらない』なのだ。

 血迷ってはならない。『スティル・ワーキング』は『レミニセンス』の「ジャケット違いの中身は同じ」ではないのだ。
 山中千尋の新録音が聴ける。それも山中千尋オルガンローズの演奏が聴ける。これこそ「諸手を挙げての大歓迎」が筋ではなかろうかっ! エセ・山中千尋・ファンは黙ってろっ!
 ( まっ,ここまで鼻息荒い大傑作ではないのだけれど… )。

 本当に本当で『スティル・ワーキング』を『レミニセンス』に収録したらどうなるか? こうなれば“共倒れ”必至だったことだろう。
 収録トラックの個性別に編集し『レミニセンス』と『スティル・ワーキング』を別々にパッケージする。これぞ最善の選択である。これぞ古くから存在する「名盤への公式」なのである。
 ブルーノート名盤も,マイルス・デイビス名盤も,現代でだって,あのパット・メセニーブラッド・メルドーだってそうである。ちーたんがそうやったからって何なんだっ!

STILL WORKING-2 “攻撃的な”ちーたんが爆発する,ハモンド・オルガンの「ノリとスピード感」な【FRIDAY NIGHT AT THE CADILLAC CLUB】とフェンダー・ローズで「ファンキー」している【WHEN LIGHTS ARE LOW】。“ジャズ・ピアニストな”山中千尋が「しっとり」聴かせる【THE ISLAND】。“エレガント”な千尋嬢の「小川のせせらぎ」【PRELUDE】。『レミニセンス』とは別テイクの【RAIN,RAIN AND RAIN】の「ぴちぴちちゃぷちゃぷらんらん♪」の聴き比べがこれまた最高に楽しい。

 久々に電化ちーたんの“毒霧”にやられてしまった『スティル・ワーキング』は,最高レベルに「美形」なジャケット写真の暗示だろうか? 「美しい花にはトゲがある」!

  01. Friday Night At The Cadillac Club
  02. When Lights Are Low
  03. The Island
  04. Prelude
  05. Rain, Rain And Rain (Alternate Version)

(ヴァーヴ/VERVE 2012年発売/UCCJ-2096)
(☆SHM−CD仕様)

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山中 千尋 / モルト・カンタービレ4

MOLTO CANTABILE-1 「なんでこうなるのっ」! 毎回ちーたんの新作を聴く度にそう思ってきたのだが,クラシックをも“山中千尋ジャズ”の素材として取り込んでしまう『MOLTO CANTABILE』(以下『モルト・カンタービレ』)での超絶アレンジに舌を巻く。

 ピアノトリオを聴いてのこんな経験は久々。聴きながら「うわ〜っ」て言葉を発したのは「e.s.t.」以来かも…。恐らく管理人レベルのジャズ歴30年以上のマニアであっても「椅子に黙って座っていられない」のでは? それくらいの「打ち上げ花火級」のジャズ・ピアノだと思う。ただし,第一印象は…。

 そう。正直『モルト・カンタービレ』を一聴した時の“想像を超えてしまった”感に“思考停止”してしまったのだが『モルト・カンタービレ』を繰り返し聴いていると,徐々に山中千尋の手の内が見えてきて衝撃度が沈下した。
 当然,ちーたんの全てを理解できたというわけではありません。『モルト・カンタービレ』の全てを理解できたというわけではありません。ただ自分なりに“掟破りの超絶アレンジ”の裏側にある法則が働いているのが見えてきたに過ぎません。「なんでこうなるのっ」!にも理由が隠されていたのでした。

 ゆえに山中千尋史上最高の“振り幅”『モルト・カンタービレ』の評価は普通。一聴オーバー・アレンジに聴こえるが真にオーバー・アレンジなのは『MADRIGAL』収録の【TAKE FIVE】や『FOREVER BEGINS』収録の【CHEROKEE】などであろう。

 そう。管理人が山中千尋に求めるは,クラシックをジャズに料理するのではなく,ジャズジャズに,ジャズ山中千尋流に料理した音楽なのである。
 振り幅の小さい範囲で大きく振れる山中千尋こそが最高なのである。

MOLTO CANTABILE-2 管理人の結論。『モルト・カンタービレ批評

 『モルト・カンタービレ』はクラシックも聞くジャズ・ファン向き,あるいはジャズも聞くクラシック・ファン向きであって,山中千尋ファンとしては,想定の範囲内での「なんでこうなるのっ」!的なアルバムである。

   CD
  01. No.1 in C major "Prelude" from Eight Concert Etudes
     for piano Op.40

  02. Rondo Alla Turca
  03. Hanon Twist
  04. The Fight Song for the Man Called "Napoleon"
  05. Cantabile
  06. Liebestraume No.3
  07. Apres un reve
  08. Flight of the Bumblebee
  09. Fur Elise
  10. Improvisation No.15 En Ut Mineur "Hommage a Edith
     Piaf"


   DVD
  01. No.1 in C major "Prelude" from Eight Concert Etudes
     for piano Op.40

  02. Fur Elise
  03. The Fight Song for the Man Called "Napoleon"

(ヴァーヴ/VERVE 2013年発売/UCCJ-9128)
★【初回限定盤】 SHM−CD+DVD

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山中 千尋 / ビコーズ5

BECAUSE-1 「こんなザ・ビートルズ,聴いたことがない。チヒロ・ミュージックの世界はどこまで広がるのか。何ものにもとらわれないこの感覚こそ,ザ・ビートルズがめざした自由」。
 これぞ『BECAUSE』(以下『ビコーズ』)のCD帯のコピーであるが,この名コピーは管理人の“心の声”でもある。

 『ビコーズ』は確かにビートルズ。よ〜く聴けばビートルズ。
 アレンジが超過激すぎてオリジナルの雰囲気は皆無である。山中千尋が徹底的にビートルズをアナグラムしてきたのだ。基本ビートルズとは「似ても似つかぬ別物」と思って間違いない。

 ここまで崩しまくる山中千尋の才能に驚愕。いくら天才でもここまで振り切れるのはそう容易くはない。山中千尋の頭の中を一度覗いてみたい。できればスカートの中も…。

 管理人がビートルズに詳しくないのが,幸いしたのか?災いしたのか? 1回目は曲タイトルを見ずに聴いたが,分かったのは【イエスタデイ】と【ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア】の2トラックのみ。残りは山中千尋の新曲と受け止めながら聴いた。

 まっ,選曲がレアなようで「マイナー・ビートルズ集」のようなカタログになってますが,選曲うんぬんを超えた次元で,レノン=マッカートニーのライン上に自然に山中千尋が乗っかっています(事実,ビートルズ集に混ざって山中千尋のオリジナルが3曲入っていますが気付きません)。

 だ・か・ら山中千尋の圧倒的なピアノが耳をつんざく! 凄い演奏力! 繊細な表現なのだがダイナミックな臨場感! ピアノのドライブ感に押し倒されそうな気分がした。
 しかし椅子から転げ落ちなかったのがビートルズ集だったからなのでしょう。ビートルズの美メロの安心感と懐の深さが,真に山中千尋を自由にさせたのでしょう。軽やかなリズムが流れていたからなのでしょう。

 それにしてもなぜビートルズにインドや中央アジアを組み合わせるのでしょうね? 「こんなザ・ビートルズ,聴いたことがない」アゲイン!
 ちーたんの発想の思考回路が全くもって分かりません。ちーたん,あなたは真の理解不能なお嬢様です。可憐で清楚で真面目な演奏なのに“やんちゃな”ピアノのオンパレードに最後まで付き合いきれません。

 山中千尋は,どこまでファンを振り回せば気がすむのでしょう。音遊びの実験作はリスナーとしては疲れるのです。
 でもでも『ビコーズ』が大好きです。こんな過激な演奏が大好きなのです。うん。『ビコーズ』。山中千尋の“新・最高傑作”になったと思います。はい。

BECAUSE-2 最後に管理人のお目当て=山中千尋のビジュアルについて…。

 『ビコーズ』も例によって?ジャケット写真は3TYPE。山中千尋の“美形”を取るなら通常盤。“芸術”を取るならSACD盤であろうが,ここは最高のデザイン“ブルーノート”な「【初回限定盤】SHM−CD+DVD」盤が素晴らしい。

 敢えて山中千尋小さくバックに配してのタイポグラフィー。この文字使い&色使いは「現代のリード・マイルズ」級の仕事です。ブルーノート好きのツボ=ジャズ好きのツボを突いている。分かっているよなぁ。アッパレ!
 あっ「【初回限定盤】SHM−CD+DVD」盤のインナーには,それはそれは“おめかしされた”千尋嬢が待ち構えていますよ。

   CD
  01. Because
  02. Yesterday
  03. For No One
  04. Insight Foresight
  05. Here, There And Everywhere
  06. The Imprints / Drive My Car / The Word
  07. It Was A Beautiful 8 Minutes Of My Life
  08. Your Mother Should Know
  09. Honey Pie
  10. Michelle

   DVD
  01. Insight Foresight
  02. It Was A Beautiful 8 Minutes Of My Life
  03. For No One

(ヴァーヴ/VERVE 2012年発売/UCCJ-9126)
★【初回限定盤】 SHM−CD+DVD

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山中 千尋 / フォーエヴァー・ビギンズ4

FOREVER BEGINS-1 山中千尋は「日本人」である。そのことを『FOREVER BEGINS』(以下『フォーエヴァー・ビギンズ』)を聴いて強く感じた。

 山中千尋の弾くメロディ・ラインは歌謡曲のようである。かってどこかで聞いたことがあるような郷愁を帯びている。しかし,これが紛れもなく本場のNYジャズしている。現代最先端のジャズが鳴っているのだ。
 【SO LONG】【SUMMER WAVE】【W.W.W.】。時に頭が混乱してしまう。これはそのまま受け止めるしかあるまい。温(音)故知新。

 思うに『フォーエヴァー・ビギンズ』は山中千尋が作り出した“切り絵”である。
 様々なピースが山中千尋でないと組み上げられない光を放っている。山中千尋の才能は天性のものだと思っているが,いやいやそれだけではない。山中千尋ジャズに対する「造詣の深さ」に感嘆してしまう。

FOREVER BEGINS-2 管理人の『フォーエヴァー・ビギンズ』の評価であるが,1−5トラックまでなら文句なしに星五つ。6−10トラックは星3つ。まるで別物のピアノ・トリオの表情を持っている。山中千尋に幻惑されっぱなし!

 ジャズの新スタンダードに成り得る【SO LONG】。2ビート風の奇想天外なアレンジで奏でられる【CHEROKEE】は必聴である。もう頭の中グッチャグチャ。どうにでもして〜。 

  01. So Long
  02. Blue Pearl
  03. Summer Wave
  04. Cherokee
  05. w.w.w.
  06. Good Morning, Heartache
  07. Saudade E Carinho
  08. Forever Begins
  09. The Moon Was Yellow
  10. Avance

(ヴァーヴ/VERVE 2010年発売/UCCJ-2083)
(ライナーノーツ/岩浪洋三)

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山中 千尋 / アフター・アワーズ24

AFTER HOURS 2-1 オスカー・ピーターソンへのオマージュとして制作され,日本ゴールドディスク大賞【ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー】受賞盤である,山中千尋の「佳作」『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』の続編が『AFTER HOURS 2』(以下『アフター・アワーズ2』)である。

 山中千尋の全ディスコグラフィの中で,実は一番よく聴いているのが『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』だったりする。
 管理人は“サイケな”山中千尋が大好きである。新作のニュースを聴く度に,奇人変人で趣味丸出しな『MADRIGAL』や『ABYSS』のような快演を期待してしまう。

 しかし,その一方で,いつでも自分の懐に入れておきたいと思うのは『AFTER HOURS』や『BRAVOGUE』である。しっとり感のある大人の上品さ。奇をてらわずともオリジナリティ溢れるピアノ・トリオにちーたんと管理人の未来を考えてしまう。

 さて『AFTER HOURS 2』である。聴いてビックリ。これは完璧なる『AFTER HOURS 1』の続編である。ジャズ・ピアノの難解さを見事に“骨抜きにした”リラックス&軽軽系の形容詞が見事に当てはまる,実にHAPPYな名演である。

 「ピアノベースギター」のドラムレス・トリオのオールド・スクール編成を採用し,ジャズスタンダードをその場のフィーリングで思い思いに弾きこなす。思いっきり楽しんでしまいましょうよ,なサラサラなアレンジに準じたアドリブが秀逸である。

 『アフター・アワーズ2』は全ての演奏が高水準。気をてらったもののない,自然に淀みなく心から沸き上げる溢れ出す品の良いアドリブエディ・ヒギンズ譲りの「しっとりと,でもしっかりと」スタンダードを“弾き上げる”山中千尋ピアノにウットリ。もっと聴いていたい,と思う間に1枚聞き終えてしまうの繰り返し。

AFTER HOURS 2-2 管理人の結論。『アフター・アワーズ2批評

 上記『アフター・アワーズ2批評については『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』を基に執筆しました。えっ,誰ですか? 手抜きだろうって言っているのは?
 まぁ,半分は手抜きだとしても半分は管理人の正直な気持ちです。そう。『アフター・アワーズ2』は『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』の続編にして同コンセプト。
 『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』が好きだった人は『アフター・アワーズ2』も好きでしょうし,苦手だった人は苦手でしょうし…。ちーたんの再犯率は結構高め?

 今週火曜日にフラゲでCD購入後,管理人は『アフター・アワーズ2』を毎日ヘビロ。特にお気に入りは【我が心のジョージア】【モーニン】【スケーティング・イン・セントラルパーク】の3トラック。またしてもアート・ブレイキー
 1回,2回,3回と徐々に良くなっていく〜。ただし現時点では星4つ。これが1年後には星5つ半に成長する予感が…。

 これは『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』に続き『アフター・アワーズ2』もセラビーのツボに入ってしまうのか? すでに裏ジャケット&内ジャケットでの“和服美人な千尋嬢”にメロメロだったりしています。

  DISC 1 CD
  01. Fly Me To The Moon
  02. Wakey, Wakey
  03. Drift Apart
  04. Just One Of Those Things
  05. Georgia On My Mind
  06. I'll Close My Eyes
  07. Moanin'
  08. Beautiful Love
  09. Skating In Central Park
  10. Autumn Leaves
  11. かつて..。

  DISC 2 DVD
  01. Living Without Friday
  02. Take Five

(ヴァーヴ/VERVE 2012年発売/UCCJ-9127)
★【初回限定盤】 SHM−CD+DVD

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山中 千尋 / レミニセンス4

REMINISCENCE-1 『REMINISCENCE』(以下『レミニセンス』)は山中千尋による「震災復興応援盤」。ここを押さえておかねばならない。

 『レミニセンス』とは「追憶」の意。山中千尋も震災復興へのチャリティー・ライブを行なっていたが,そんな特別な機会に「みんなが知っている曲のアレンジも聴きたい」というリクエスト有。その要望に応えるべく制作されたのが『レミニセンス』のモチベーションであった。
 誰もが口ずさめる有名曲を“名アレンジャー”山中千尋の編曲で聴かせるジャズ・ピアノ。余分な装飾を削ぎ落とした名アレンジばかりであるが“万人の耳をくすぐるべく”サビは原曲通りに弾き上げている。狙い通りに,懐かしさと新鮮さが同居している。
 
 そう。『レミニセンス』の真実は山中千尋の「メジャー押し」。ゆえに『レミニセンス』は,従来の山中千尋ファンにとってはいつもの個性が薄い「迷盤」だと思う。こんなに「清々しい」山中千尋は『ラッハ・ドッホ・マール』以来かな。

 さて,このように書くと駄盤の評価とお思いでしょうが,実は『レミニセンス』が管理人のツボに入ってしまった。
( 特に『レミニセンス』での唯一のオリジナル曲【レイン,レイン・アンド・レイン】。本当は【レイン,レイン・アンド・レイン】について多く記したいのだけれど,これを書き連ねだすとカヴァー曲絶賛の本論と相容れなくなるので省略の巻き。詳細は【レイン,レイン・アンド・レイン】のトラック批評をカミング・スーン )

 永遠のカヴァー曲。永遠の美メロを丁寧に山中千尋ジャズの言葉で“歌っている”。永遠の美メロをピアノ・トリオの“濃密な演奏”で堪能できる。とにかく明るい“陽の当たる”「震災復興応援」ジャズ・ピアノ
 以前のようなアグレッシブさは影を潜めている。がむしゃらに疾走するだけではない“一音入魂”的なピアノの響きが美しい。選び抜いた音使いに山中千尋の確たる自信のようなものが感じられる。

 『レミニセンス』のキャッチ・コピー。それは「千尋のこれまで,そしてこれから」。
「<音楽活動10周年>ジャズ,ソウル,ポップス,ブラジル,そしてオリジナル曲・・・。
あらゆるジャンルを軽々と横断するチヒロミュージックの総決算。『グルーヴの帝王』バーナード・パーディードラムスに迎えたトラックを含む『コンテンポラリー・スタンダード』集」。

 そうか。そうなんだ。『レミニセンス』は「日本人の追憶」にして「山中千尋自身の追憶」なのだ。自分好みのメロディを自分好みのフィルターを通してピアノに歌わせている。これぞジャズの醍醐味を伝える正攻法。確たる自信に溢れる名演なはずである。
 そう。『レミニセンス』は山中千尋デビュー10周年の総決算! ちーたんはここまで登りつめることができました!

 『レミニセンス』の聴き所は“ジャズ・ピアノ山中千尋! 山中千尋の音使いの解釈とテクニックに驚嘆する!
 無駄なアドリブはない。オンタイムのノリとアコースティック・ピアノの後ろで重ねたローズ・ピアノのキラキラ感。『レミニセンス』の構成美は恐らく設計図通りであるはず。それなのに鮮度を強く感じてしまうのだからた・ま・ら・な・い。うんうん。いい演奏である。久しぶりのラリー・グレナディア〜。

REMINISCENCE-2 さて,ここからは管理人の余興で『レミニセンス』とは「追憶」の意パート供
 いつもの変人奇人チックな山中千尋がここまで正攻法を貫けた理由は,最近の文筆業における「ガス抜き」が大きいと勘ぐる。読者の皆さんも興味があったら一度,彼女の某ジャズ誌への連載エッセイを読んでみてください。
 「ろひちかなまや」を読んでいる方なら衝撃は小さいと思いますが,公の雑誌でここまで毒舌を吐きまくる美人はそうはいません。ちーたんの自由奔放な文章力は,かつて澤野工房時代に弾いていたピアノをペンに持ち替えたかのような攻撃力。目指せ!第二の山下洋輔。ちゃんちゃん。

 さてさてワンモア。『レミニセンス』とは「追憶」の意パート掘
 ジャズ界のアイドルと言えば小林香織であろうが,いつもの変人奇人チックな山中千尋がここまで正攻法を貫けた理由は,最近のアイドル業における「ガス抜き」が大きいと勘ぐる。
 『レミニセンス』でのアイドル業=3TYPEのCDジャケット。見て。見て。見て。

PS 管理人は3TYPEの中で1番タイプのジャケット写真「【初回限定盤】SHM−CD+DVD」を購入しました。内ジャケの青スカート最高最強ちーたん! いいや,購入のお目当ては「特典DVD」。いつも単品DVD並みのハイ・クオリティなので…。で,見終わって一言「SACD盤にしとけばよかった〜」。後悔すべき低俗内容。もうユニバーサルは信じません。

  DISC 1 CD
  01. Rain, Rain And Rain
  02. Soul Searchin
  03. (They Long To Be) Close To You
  04. Dead Meat
  05. Ele E Ela
  06. This Masquerade
  07. She Did It Again
  08. You've Got A Friend / Central Park West
  09. La Samba des Prophetes
  10. Can't Take My Eyes Off Of You

  DISC 2 DVD
  01. Liebesleid

(ヴァーヴ/VERVE 2011年発売/UCCJ-9124)
★【初回限定盤】 SHM−CD+DVD
★【ボーナスコンテンツ】山中千尋フォト・アルバム

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山中 千尋 / ブラヴォーグ5

BRAVOGUE-1 ズバリ書こう。山中千尋の最高傑作は『BRAVOGUE』(以下『ブラヴォーグ』)である。

 『ブラヴォーグ』での山中千尋は,言わばオーソドックスに徹した“大人のジャズ・ピアニスト”。管理人は『ブラヴォーグ』での「正統派路線」を産み落としたという理由で,前作『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』を評価したい。
 ところで『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』でお蔵となったボツ企画って何だったのだろう? 気になる〜。仮にそのボツ企画でレコーディングが進んでいたら『ブラヴォーグ』は聴けなかったでしょうね? オスカー・ピーターソンさまさまです。ちーたん・ファンを代表してオスカー・ピーターソンへ感謝です。オスカーは亡くなっても真に偉大です。

 さて,山中千尋の個性とは,本人はいたって真面目に演奏しているだけなのに,あれよあれよとぶっ飛んでいく。平均的に壊れている。その壊れっぷりが四方八方破れかぶれだから強烈な一点が目立たない。ゆえに管理人は山中千尋を「オール4」なオールラウンダーと呼んでいる。
 そんな山中千尋が,いつもの変態チックな個性を意識的に抑えている。自分にブレーキをかけてまで聴かせる,模範的で教科書通りのジャズ・ピアノが美しい。アドリブを含めて全体を綺麗にまとめ上げている。自分の内で感じる欲望や衝動を90%コントロールできている。ゆえに“大人のジャズ・ピアニスト”なのである( ← 残り10%は【AQUARIAN MELODY】での高音キーの乱れ打ち。もうやめてくれ〜。山中千尋のブラック・エンジェルが顔を出しています )。

 『ブラヴォーグ』の成功の秘訣が2つある。1つは「縛り」である。元来ちーたんは自由人。しかもセルフ・プロデュースだからやりたい放題。前作『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』は,正しくは『アフター・アワーズ〜エディ・ヒギンズへのオマージュ』であって,オスカー・ピーターソンジャズ・スタンダード「縛り」のように思えて,実際はそうではなかった。
 今回の『ブラヴォーグ』は抑制美&エリス・レジーナ「縛り」。【AQUARIAN MELODY】【A TIME FOR LOVE】【VOU DEITAR E ROLAR】はエリス・レジーナのおはこである。『ブラヴォーグ』にサブタイトルがあるとすれば『ブラヴォーグ〜エリス・レジーナへのオマージュ』。
 元来ちーたんはS。自らの意思で選んだM。初体験の「縛り」が山中千尋に本気で“大人のジャズ・ピアノ”を追求させている。
 例えば『アビス』での電化はフュージョンを感じたが『ブラヴォーグ』での電化はジャズそのもの。これはチャレンジではない。冒険でもない。ストイックさの表われだと思う。

 『ブラヴォーグ』成功の2番目の秘訣は「ジーン・ジャクソン」である。山中千尋のような「アンサンブル指向」のジャズメンには,覚醒させてくれる共演者が必要である。
 その点,ドラムジーン・ジャクソンは「アンサンブル指向」の家元=ハービー・ハンコック家の出身。山中千尋ハービー・ハンコックに見立てて,概ね,感性任せのピアノを時に優しくサポートし時に激しくリードしている。ハービーのファンをも囲い込まんばかりの心憎い演出付き。ハードにスイングする華麗なる変拍子。いい。相性チリバツである。

BRAVOGUE-2 管理人の結論。『ブラヴォーグ批評

 山中千尋の2大名盤アビス』が攻めなら『ブラヴォーグ』は受け。
 『ブラヴォーグ』は「安心して耳を傾けられる」スルメ盤である。いつものほんわかそのままに,自身で設定した裏テーマの統一感とまとまりに“大人のジャズ・ピアニスト山中千尋を再発見した思いである。

 管理人の愛する山中千尋は澤野工房時代の“ブッ飛び系”であるのだが,その点を踏まえても『ブラヴォーグ』の優位は揺るがない。“鍵盤鍵盤ブッ叩き”からの淑女への高低さ耳キーン。
 『ブラヴォーグ』が山中千尋の最初の一枚にふさわしく『ブラヴォーグ』が山中千尋の最後の一枚にふさわしい。最高傑作認定盤。山中千尋の“旨み”が聴こえる愛聴盤。
 『ブラヴォーグ』が『ブラヴォー』! ワオ!(ますおか岡田風)

PS 『ブラヴォーグ』を購入するなら絶対に「初回生産限定盤」をお奨めいたします。造り込まれたドキュメンタリー仕立ての特典DVDはオンもオフも必見ですよっ。アバクロ美人のちーたんが稲森いずみの妹を演じきっていま〜す。

  DISC 1 CD
  01. Aquarian Melody
  02. Carillon
  03. A Time For Love
  04. Uni
  05. Vou Deitar E Rolar
  06. Boolavogue
  07. Dois Pra La, Dois Pra Ca
  08. Circle
  09. Le Fruit Defendu
  10. Staccato
  11. When You Wish Upon A Star
  12. Backstroke Dance

  DISC 2 DVD
  01. The Making of Bravogue “Her Ordinary Day In New
     York”


(ヴァーヴ/VERVE 2008年発売/UCCJ-9097)
★【初回限定盤】 SHM−CD+DVD

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山中 千尋 / アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ4

AFTER HOURS-1 「オスカー・ピーターソンへの想い溢れるニュー・アルバム。2007年末に急逝した,世界ジャズ界を代表するピアニストオスカー・ピーターソン。生前オスカーが愛したスタンダード・ナンバーを中心に,ドラムレス・トリオでスウィンギーに綴る8つの名曲」。
 そう。上記,CD帯にあるように『AFTER HOURS』(以下『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』)は山中千尋が捧げるオスカー・ピーターソンへのトリビュートCD

 しかし…。急遽企画を変更し1週間の準備期間でレコーディングに臨んだせいなの? 『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』を何度も何度も聴き直してみたが,ハッキリ言って,どこがどうオスカー・ピーターソンへのオマージュになっているのかがよく分からない。
 フォーマットこそオスカー・ピーターソンが1958年まで守り通した「ピアノベースギター」のドラムレス・トリオのオールド・スクール編成を採用しているものの,ギタージョー・パスハーブ・エリス以上に(良い意味で)歌っちゃっているし,選曲もオスカー・ピーターソンとは縁の薄いキース・ジャレットの歌ものまで入っているわけだし…。

 これは新手の「オスカー詐欺」? はい。そうです。オスカーの影響を感じさせるのはイントロ部分のみ。オスカーが乗り移ったかのごとき早弾きも皆無。イメージとしてはエディ・ヒギンズへのトリビュートと呼んだ方が正解のような…。
 こんなに真っ当にジャズ・スタンダードと向き合った山中千尋は『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』の他にはいません。灰汁の抜けきった純白で常識人の山中千尋嬢が気負わず普通にピアノを弾いています。エディ・ヒギンズばりに時折,軽くスイングしてくれています。

 でもでも,だからいいんです! 言わば『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』は「オスカー詐欺」ならぬ「ちーたん詐欺」! これまでの山中千尋の演奏とは一味も二味も違う魅力にメロメロなわけです。
 元来「オール4」の山中千尋が,オスカー・ピーターソンへのオマージュの名を借りて変態チックなアレンジを完全封印しています。素材勝負の白無垢姿でのウィンクがたまらなくGOOD。『ABYSS』からの振り幅の大きさに魂を抜かれそうになるわけです。

 勝手知ったるスタンダードに適度なアドリブが,サラ〜っと聞き流せる。総演奏時間も35分と時代錯誤的に短い。
 とにかくシンプルにでストレートなあっさり味。いつものショウ油とんこつに代わって今回は塩ラーメン。ねぎとバターでさっぱり味。「オヤジ,替え玉バリカタで〜」状態。いい。

AFTER HOURS-2 管理人の結論。『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ批評

 『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』は全ての演奏が高水準。気をてらったもののない,自然に淀みなく心から沸き上げる溢れ出す品の良いアドリブエディ・ヒギンズ譲りの「しっとりと,でもしっかりと」スタンダードを“弾き上げる”山中千尋ピアノにウットリ。もっと聴いていたい,と思う間に1枚聞き終えてしまうの繰り返し。
 
 (日本ゴールドディスク大賞【ジャズ・アルバム・オブ・ザ・イヤー】受賞盤であるのだが)『アフター・アワーズ〜オスカー・ピーターソンへのオマージュ』を山中千尋の「佳作」と読む。

  01. ALL OF ME
  02. THERE WILL NEVER BE ANOTHER YOU
  03. CONFIRMATION
  04. YOU'D BE SO NICE TO COME HOME TO
  05. SIOUX CITY SUE NEW
  06. ALL THE THINGS YOU ARE
  07. OVER THE RAINBOW
  08. EVERYTHING HAPPENS TO ME

(ヴァーヴ/VERVE 2008年発売/UCCJ-2065)

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山中 千尋 / アビス5

ABYSS-1 『ABYSS』(以下『アビス』)は,山中千尋最大の問題作にして山中千尋唯一の“エレクトリック路線”作。
 実際にはスタンダードピアノ・トリオ編成なのだが,アコースティックは箸休め。この音はどうにもこうにもエレクトリック。電化マイルスならぬ“電化ちーたん参上”なのである。

 『アビス』はフュージョンではない。“さわやかな”電化ではない。山中千尋の電化は決まって“混沌のカオス臭”を伴ってやってくる。えげつない音を平然とネジ込んでくるからたまらない。ちーたんはSであろう。
 山中千尋の抜群の音使い! アコースティックエレクトリックのバランスが絶妙で,そうであるがゆえに電化のインパクトが増幅している。鮮烈過ぎるローズ・ピアノのアタックが“真打”アコースティック・ピアノの強烈なアタックへと導いていく。

 そう。『アビス』は“異色の”ジャズ・ピアノ作!? ズバリ,山中千尋の口には出せない本音を代弁=『アビス』は“実験作”。ちゃんちゃん。
 ヴァーブ移籍の3作目にして,どこぞの虫が疼いた? 過去2作のうっぷんを晴らすかのの如く,やりたいことを詰め込んできた。硬質のピアノ・タッチでハードボイルドでガンガン弾き倒している。でも一気に針は振り切らない。従来のファンにも納得できる珠玉の4ビートもバッチリ。馴染みの客を大切にしながらの新規開拓。いや〜,きれいな顔してしたたかである。

 前兆はあった。前作『ラッハ・ドッホ・マール』での【縁は異なもの】におけるダブ。山中千尋は【縁は異なもの】の録音時に『アビス』への構想&手応えを掴んだのではないか? 【ザ・ルート・オブ・ザ・ライト】〜【シング,シング,シング〜ギヴ・ミー・ア・ブレイク】の圧巻の出来には「拍手喝さい」&「お〜お〜お〜」。
 とはいえ,管理人の中では『アビス』への予感があった。ゆえに『アビス』を聴いた瞬間,驚きの感情よりも「ついに来た。来るべき時が来た」の感覚が先に立った。“なんじゃこりゃ〜”な衝撃度は『アウト・サイド・バイ・ザ・スウィング』の方が上である。

ABYSS-2 『アビス』はやっぱり“異色”ジャズ・ピアノ作。巷に流れる,電化ちーたん=フュージョンは誤り。このテンションとスウィング感は「ジャズのそれ」である。読者の皆さんはその辺の違いをしっかりと聴き取るべし!
 結果,実験作は冒険作。でもでもメジャー移籍組にしてこれだけ冒険できるとは山中千尋恐るべし!

 さて,ここまでは『アビス』が冒険作になった意図的な必然について書いてみたが,本人の想像以上にローズ・ピアノオルガンが突出した偶然の理由もあると思う。それは山中千尋が有する「共演者に影響されやすい体質」である。

 『アビス』での共演者は,ベースヴィセンテ・アーチャードラムケンドリック・スコット。お二人のファンの皆様には大変失礼だとは思うが無名の小者である。ゆえにレイ・パーカーベースラフレェ・オリヴィア・スキィドラムと共演した『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』以来の山中千尋の「個性推し」である。

 ヴィセンテ・アーチャーケンドリック・スコットと音を合わせる山中千尋の存在感が,炙り出しの如く浮かび上がっている。シンプルなハード・ドライビングでピアノを走らせている。
 前作までのラリー・グレナディアジェフ・バラードジェフ・ワッツは,山中千尋の緩急についてこれていたが『アビス』ではベーシストドラマーは置いてけぼり? 完全なる脇役扱いにも満足の名サポートを受けた山中千尋が「帰ってきましたセルフ・プロデュース」で…。ああ…。ちーたんはSであろうパート2。

ABYSS-3 『アビス』で際立つ山中千尋の個性。それは「計算高いのに予測不能」な女の子。
 クラシック出身でバークリー首席卒業の理論派エリートのはずなのにジャズの醍醐味がインプロヴィゼーションにあることを心得ている。想定外な演奏を想定しつつ準備している。結果,洗練されているはずなののに新鮮な音が響いている。く〜。どこまでウワテを行ってるんだ〜。

 管理人は山中千尋に弄ばれている気がする瞬間がある。『アビス』の想定外な演奏に「騙された」気分になる。きつねにつままれた感じが残る。
 この全てが山中千尋の計算通り。山中千尋の術中にハマッているのだろう。したたかでしなやかなのだからグーの音も出やしない。こりゃまた彼女に一杯喰わされた。参りましたの星5つ。

PS1 このまま「電化ちーたん」路線を続けていたら上原ひろみを越えていたかも?
PS2 「ABYSS-3」は販促用のポストカードです。

  01. LUCKY SOUTHERN
  02. THE ROOT OF THE LIGHT
  03. SING,SING,SING - GIVE ME A BREAK
  04. TAKE ME IN YOUR ARMS
  05. FOR HEAVEN'S SAKE
  06. GIANT STEPS
  07. I'M GONNA GO FISHIN'
  08. FOREST STAR
  09. BEING CALLED
  10. DOWNTOWN LOOP

(ヴァーヴ/VERVE 2007年発売/UCCJ-2060)

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山中 千尋 / アウトサイド・バイ・ザ・スウィング3

OUTSIDE BY THE SWING-1 『OUTSIDE BY THE SWING』(以下『アウト・サイド・バイ・ザ・スウィング』)を一聴して驚いた日のことを覚えている。
 これが山中千尋か? あの山中千尋なのか? 自分の耳を疑ったことを覚えている。

 『アウト・サイド・バイ・ザ・スウィング』で山中千尋が“大変貌”。山中千尋に,テンションが半端ないストレート・ア・ヘッド・ジャズを演らせてはいけない。「オール4」のオールラウンダーが裏目に出ている。大胆なアレンジと繊細かつ力強い山中千尋の個性がまるで伝わってこない。“スパークしない”山中千尋ピアノには興味が沸かない。

 山中千尋は「アンサンブル指向」のジャズ・ピアニスト。犯人はジェフ・ワッツである。『アウト・サイド・バイ・ザ・スウィング』はジェフ・ワッツのアルバムである。それくらいに山中千尋ジェフ・ワッツに感化されてしまっている。

 例えばオープナーの【アウト・サイド・バイ・ザ・スウィング】。こんなに緊張感張り詰めた山中千尋ピアノは前例がない。そして【オール・ザ・シングス・ユー・アー】。山中千尋はメロディを繰り返すのみであってジェフ・ワッツの縦横無尽なドラミングの引き立て役を努めているにすぎない。
 そう。ブラックホール的なジェフ・ワッツの重力に山中千尋がすっかり引き寄せられパワーを発揮できていない。

 原因はマイナー・レーベル=澤野工房からメジャー・レーベル=ヴァーブへの移籍であろう。
 これが一体何を意味するのか? インディーズとメジャーの制作スタンスの違いは“ニッチ”から“万人受け”にあると思う。山中千尋もヴァーブの掟に従って?今まで続けていたセルフ・プロデュースをやめた。結果,山中千尋の非ジャズ的なセンスが前面に押出されたのだと思う。

 例えば『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』の再演となった【リヴィング・ウィズアウト・フライデイ】と『ホエン・オクトーバー・ゴーズ』の再演となった【八木節】。
 あれほど面白かった“地鳴りのような”名演が,極身近な距離感で鳴っている。ジェフ・ワッツ効果で,結構ビシバシ鳴っている。一般的にはカッコイイ演奏。でもジャズ・ファンからすると「そうではない!」んだよなぁ。
 キュートなピアニカで奏でる【キャンディ】のような小粋な演奏をもっともっと〜(ほっともっとは高橋みなみ)。

OUTSIDE BY THE SWING-2 『アウト・サイド・バイ・ザ・スウィング』での“大変貌”は山中千尋自身が望んだ変化ではなかったと思う。そういう意味では残念な駄盤である。

 管理人は澤野工房の名セルフ・プロデューサー=山中千尋を支持いたします(ただし名セルフ・プロデューサー=山中千尋がヴァーブの音造りを理解した『アビス』『ブラヴォーグ』は除く)。

  01. OUTSIDE BY THE SWING
  02. I WILL WAIT
  03. IMPULSIVE
  04. HE'S GOT THE WHOLE WORLD IN HIS HANDS
  05. TEARED DIARY (ATTENDS OU VA-T'EN)
  06. YAGIBUSHI 〜Revised Version〜
  07. CLEOPATRA'S DREAM
  08. MATSURIBAYASHI / HAPPY-GO-LUCKY LOCAL
  09. 2:30 RAG
  10. LIVING WITHOUT FRIDAY
  11. ANGEL EYES
  12. ALL THE THINGS YOU ARE
  13. CANDY

(ヴァーヴ/VERVE 2005年発売/UCCJ-2040)
エンハンストCD仕様:【I WILL WAIT(THE SCENE FROM THE RECORDING SESSION)】
(ライナーノーツ/ジョージ・ラッセル)

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山中 千尋 / マドリガル5

MADRIGAL-1 ラリー・グレナディアジェフ・バラードが連続参加した事実から『ホエン・オクトーバー・ゴーズ』の続編であろう『MADRIGAL』(以下『マドリガル』)。

 しかし『ホエン・オクトーバー・ゴーズ』と『マドリガル』には天と地ほどの開きがある。いいや,正確にはアメリカと日本の開き。『ホエン・オクトーバー・ゴーズ』が本場ブルックリン・ジャズ名盤なら『マドリガル』は“和ジャズ”の名盤と呼んでしまおう。
 そう。『マドリガル』には山中千尋の“日本女性としての”魅力ぷんぷん。「オール4」の山中千尋が世界で売れるわけである。

 ラリー・グレナディアジェフ・バラード,そして『マドリガル』では新ドラマーロドニー・グリーンとのバトルも多いが,山中千尋はそれでも総じて“普通に”ピアノを弾いている。やっぱり。きっぱり。我が道を行く〜。

 え〜,セラビー。それって【SCHOOL DAYS】のことでしょ?という外野の声?
 NO。確かに【SCHOOL DAYS】のメガトン級のインパクトは認めるが,山中千尋の「懐メロ路線」は前々からのこと。『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』と『リーニング・フォワード』での中島みゆき。『ホエン・オクトーバー・ゴーズ』での【八木節】&かまやつひろしなのだから『マドリガル』でペギー葉山の【学生時代】を取り上げたからといって驚きはしない。今に始まったことではないんだゾ〜。

 そうではなくて「ブッ飛び&ロマンティック」なアレンジに寄り添う,深い叙情性を持ちながらも,甘さに流されない芯の強いピアノ・タッチが“和”している。日本人女性らしい,若干ウェットでしめやかなピアノ・タッチが奥ゆかしさで満ちている。
 この“和”のニュアンスは低音ラインを勝負玉に使うダイナミックな“弾きっぷり”に大西順子を意識したせいかもしれないが,思うにそんな単純なものではなく「ピアノ=打楽器」ゆえのリズム感に表われている。

 山中千尋のオリジナル【ANTONIO’S JOKE】は言わずもがな。ジョージ・ラッセルの【LIVING TIME EVENT V】やシダー・ウォルトンの【OJOS DE ROJO】のような佳曲から【CARAVAN】【TAKE FIVE】の大スタンダードまでが跳ねている。
 『マドリガル』で初めて感じた山中千尋の“稀有なリズム感”! これはグルーヴィともファンキーとも異なる日本の祭り。ジャズの代名詞である「裏」ではなく太鼓の「表」拍子!
(↑ この記事はあくまで個人的な主観です。ラリー・グレナディアジェフ・バラード参戦でド・ジャズしないわけはありません)。

MADRIGAL-2 そう言えば『マドリガル』の説明として山中千尋自身の言葉として「THIS ALBUM IS INSPIRED BY AND IS ALSO DEDICATED TO MY CHILDFOOD」と記されてある。
 そう。『マドリガル』は山中千尋の「幼少時代」へのトリビュート盤。山中千尋はバークリー首席卒業のお嬢様である。
 しっかし,ちーたん。子供の頃はかなり遊んでいたんだろうなぁ。お〜っと,ちーたんは不良ではありませんよ。ここで管理人が主張する遊びとは「鍵盤での一人遊び」のこと。セロニアス・モンクばりに,ピアノでコロコロ遊んでいたのだと想像します。でないとこんなリズムにこんな音,常人では乗っけないですから〜。

 読者の皆さんもちーたんの一人遊びのハイライト曲【LESSON 51】を聴いて全力で一緒に遊んであげてください。
 タンゴなんでしょうけど,どこかで聴き覚えのある不思議なコード進行。うわ〜い。前のめりでも後ろにハズスでもないオン・タイム・ジャズがエゲツナイ。外れているようで完璧に決まっている。これぞちーたんの“音の玉手箱”。ヤッホ〜。

 管理人の結論。『マドリガル批評

 『マドリガル』は“日本人女性ジャズ・ピアニスト”として“アンチ裏拍子”信者へと捧げられた“裏”名盤である。

  01. Antonio's Joke
  02. Living Time Event V
  03. Madrigal
  04. Ojos De Rojo
  05. School Days
  06. Salve Salgueiro
  07. Caravan
  08. Lesson 51
  09. Take Five

(澤野工房/ATELIER SAWANO 2004年発売/AS038)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/北見柊)

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山中 千尋 / ホエン・オクトーバー・ゴーズ5

WHEN OCTOBER GOES-1 『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』でのレイ・パーカーベースラフレェ・オリヴィア・スキィドラムからなる山中千尋トリオは「アンサンブル指向」。3人共に他の楽器のスペースを空けつつも自己主張を繰り返している。
 そう。山中千尋の本質は,共演者の力を引き出しつつ自分の力量を発揮するタイプのジャズ・ピアニストである。

 そんな「アンサンブル指向」のジャズ・ピアニストにとって,とりわけ重要なのがベーシストドラマーベーシストドラマーの資質次第で“大化けの化学反”応を見せることもあれば,せいぜい凡庸な駄盤を産み出す結果も待ち受けている。ハービー・ハンコックライル・メイズなどが「アンサンブル型」の最右翼であろう。

 山中千尋の2nd『WHEN OCTOBER GOES』(以下『ホエン・オクトーバー・ゴーズ』)での共演クレジットを見て胸がときめいた!
 やった! ラリー・グレナディアベースジェフ・バラードドラム。そう。あの“天才”ブラッド・メルドートリオのレギュラー・ベーシストにレギュラー・ドラマー参戦! ついに山中千尋ブラッド・メルドーと肩を並べる大チャンス!?

 まぁ,そんな過剰な期待はウソであるが,ラリー・グレナディアジェフ・バラードとの共演で確実に山中千尋が「ヴァージョンアップ」。バークリー首席卒業は伊達ではない。NY在住の山中千尋=本場ブルックリン・ジャズは満点の完成度。そう。山中千尋“世紀の”快演なのである。

 山中千尋が“ブッ飛んでいる”。一発勝負のインタープレイが疾風の如く。単純に「脇を固める」存在では収まらないラリー・グレナディアジェフ・バラードを追いかけて,ついに掴まえる瞬間の躍動感は「もしかしてブラッド・メルドー?」級。
 名盤ホエン・オクトーバー・ゴーズ』で山中千尋が“一皮も二皮も剥けた”。ちーたんファンの耳の皮さえ剥いてみせた。「黒い恐怖」おそろしや〜。

 さて,それでいて『ホエン・オクトーバー・ゴーズ』に熱演の印象がない。パワフルなのに軽快なスイング感。凛としていてエレガントな表情は『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』延長線上にある「七色レインボー」。
 山中千尋ピアノの音色は,山中千尋のイマジネーションそのものである。感情を88の鍵盤に重ねて,ただただ歌う。しなやかで瑞々しい音の余韻がかすかな震えとなって,僕らの心の内面にじわじわと降り注いでくる。

 加えて,山中千尋の“アナログな”選曲眼。どうしたらかまやつひろしジャコ・パストリアスがつながるのか? 【BALLAD FOR THEIR FOOTSTEPS/THREE VIEWS OF A SECRET】の“完璧なつながり”は驚異的。
 キース・ジャレットの数多くの名曲群の中から阪神大震災のオムニバス盤『THE RAINBOW COLORED LOTUS』収録の【PAINT MY HEART RED】をなぜ選ぶ? タイトル・トラックにバリー・マニロウの【WHEN OCTOBER GOES】をなぜ選ぶ?

 そして山中千尋の生涯の代表曲=【八木節】。キース・ジャレットの【PAINT MY HEART RED】の美しさに息を呑んだ瞬間,目の前に舞い上がる,クリエイティブで複雑なパルスのどよめき! か〜,この緩急自在のアレンジ力が絶品!
 いいや,山中千尋の作曲力! 【TAXI】【S.L.S.】 ←『ホエン・オクトーバー・ゴーズ』のトラック批評をカミング・スーン。

WHEN OCTOBER GOES-2 管理人の結論。『ホエン・オクトーバー・ゴーズ批評

 山中千尋の複雑で味わい深い響きのピアノの音色。ダイナミズムと繊細さ。アンサンブルとインタープレイ。テクニックと歌心。『ホエン・オクトーバー・ゴーズ』を聴いていると,無意識のうちに口許がほころんでいる自分に気付く。

 山中千尋ラリー・グレナディアジェフ・バラード=「THIS IS CHIHIRO YAMANAKA TRIO」!

  01. Taxi
  02. Just In Time
  03. Paint My Heart Red
  04. Yagi Bushi
  05. Plum The Cow
  06. Ballad For Their Footsteps/Three View Of A Secret
  07. I Got Rhythm
  08. When October Goes
  09. S.L.S.
  10. In A Mellow Tone

(澤野工房/ATELIER SAWANO 2002年発売/AS025)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/北見柊)

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山中 千尋 / リヴィング・ウィズアウト・フライデイ5

LIVING WITHOUT FRIDAY-1 山中千尋のニュー・アルバムが届けられるたびに,山中千尋デビューCD=『LIVING WITHOUT FRIDAY』(以下『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』)にこそ,ジャズ・ピアニスト山中千尋の個性が一番表われていると思うようになった。

 最近の山中千尋ジャズ・ピアノは分かりやすい。別に以前が難解であったの意ではない。コンセプトが明瞭なので聴きやすいだけ。一方,デビュー盤の『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』はノーコンセプト。同じ聴きやすいでも,こちらは“普通っぽい”名演集。
 しかし,この“普通っぽい”が“普通っぽくない”山中千尋の個性を際立たせている。思うに山中千尋は「オール4」のジャズ・ピアニストである。

 大西順子の男勝り。木住野佳子の繊細さ。上原ひろみの爆発力。石原江里子のヘタウマ…。
 山中千尋を強いて言えば“エレガント”なのであろうが,上記4人の特徴と比べてインパクトが薄い。でもでも飛び抜けた特徴が薄くても総合力で捉えた山中千尋の個性はズバ抜けている。バランスが良いゆえ,山中千尋の様々なピアノ・タッチの表情がボディーブローのように効いてくる。
 “普通っぽい”が“普通っぽくない”。いそうでいない「オール4」なオールランダーが,強烈に超個性的なジャズ・ピアニストなのである。

 管理人にとって『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』はスルメ盤。聴き込む度にだんだん良くなってくる。この「爽やかなスイング感」こそがジャズ・ピアノを聴く醍醐味であろう。
 山中千尋はインテリジェンス。アレンジに特別な才がある。つまりはオリジナルの世界観を提示する「伝える力」に優れている。まあ,美人だしね…。

 『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』でのチヒロ・ヤマナカ・トリオは女性2人と男性1人。ドラマーラフレェ・オリヴィア・スキィが女性なのも『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』を「特異な存在」にしている要因であろう。
 例えば1曲目の【BEVERLY】。このトラックの聴き所はミディアム・テンポのスイング感。ゆったりノビノビとしなやかに前進していくチヒロ・ヤマナカ・トリオ。リリカルで小気味良い柔軟なスティック・ワークとピアノ・タッチ。女性ならではの色彩が表われている。う〜ん。エクセレント。

 続く2曲目【GIRL FROM IPANEMA】。この“豹変ぶり”が『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』のハイライト。
 “女豹”と化した山中千尋がノーテンキな原曲を換骨堕胎したかのような“原型崩れ”の大胆なアレンジがめっちゃカッコ良い。
 山中千尋のダイナミックなジャズ・ピアノが大暴れ! 七色のテクニックを駆使してステレートにメロディを弾き上げた瞬間に始まるインプロヴィゼーション! この手数の多さでこのドライブ感を生み出すとはあっぱれ! それでいて“ゴリゴリ”ピアノにリズム隊が絡みつくスキを与えている。ここが管理人の言う,山中千尋のインテリジェンスとアレンジ力!
 こんなに硬派でカッコ良い【イパネマの娘】は他に例をみません! やっぱり美人は手ごわかった〜!

LIVING WITHOUT FRIDAY-2 普通に演奏しているだけなのに,結果,ハミダシテしまう。そんな「平均点の個性派」山中千尋
 今でこそバカ売れしているが,澤野工房時代の山中千尋は,まだ世間の目など気にしてはいない。『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』は山中千尋のセルフ・プロデュース。そう。『リヴィング・ウィズアウト・フライデイ』は山中千尋のセルフ・ポートレイト

 本人はいつでもいたって普通に演奏しているだけ。だから普通の人だと思って掴まえに行った瞬間,するりと身をかわされてしまう。等身大の山中千尋は「オール4」なはずなのにその完全さのあまり常軌を逸している。常識人では相対できない,ふわふわとした掴み所のないべっぴんさんでした。

 「人間性が音に出る」が持論の管理人。え〜,やっぱり,大ショック。恐いもの見たさな読者の皆さんは 「ろひちかなまや」 をご覧ください。
 音楽同様,ちーたんはかなりの変わり者でした。でも,本名は「よしお!」さん,かなり好きですよっ。

  01. Beverly
  02. Girl From Ipanema
  03. A Sand Ship
  04. Living Without Friday
  05. Cry Me A River
  06. Pablo's Waltz
  07. Balkan Tale
  08. Stella By Starlight
  09. Black Nile
  10. Invisible Friends

(澤野工房/ATELIER SAWANO 2001年発売/AS016)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/北見柊)

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山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / WHAT A DIFFRENCE A DAY MADE4

 『LACH DOCH MAL』の11曲目は【WHAT A DIFFRENCE A DAY MADE】(以下【縁は異なもの】)。


 【縁は異なもの】は,山中千尋の“映像作家ぶり”に感嘆の念を抱いてしまう。ローズピアノが渾然とあちらこちらで鳴り響く,実に“カラフルでダイナミックな”アレンジで一気に駆け抜ける。

 そう。【縁は異なもの】の聴き所は,山中千尋の“勢い”である。一気呵成にたたみかける鍵盤のアタック&アタック! ラリー・グレナディアベースジェフ・バラードドラムも大忙しの大活躍! しかし聴き込むうちにある考えが…。

 【縁は異なもの】の全ては“映像作家”山中千尋の緻密な計算の上に成り立っている! あちらこちらにオーバーダビングの“つぎはぎ”が隠されている。【縁は異なもの】は「凝りに凝りまくった」山中千尋ダブで満ちている。

 5分48秒からの復活のローズは,マイルステオ・マセロの仕事ぶりに激似である。いや,ラストのブツ切り具合は,菊地成孔ダブ・セクステットである。( ← って,どちらにしてもマイルスじゃん? )

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / THAT'S ALL5

 『LACH DOCH MAL』の12曲目は【THAT’S ALL】(以下【ザッツ・オール】)。


 山中千尋の【ザッツ・オール】は,原曲よりテンポアップなミディアム・ナンバー! なのに原曲以上に“ゆったりと時が流れている”! これこそ極上! 管理人は【ザッツ・オール】を“ジャズ・ピアニスト山中千尋の最高傑作と呼びたい。

 エロさのないセクシーさ。エレガントである。山中千尋は“上質な気品溢れる”ピアニストである。めっちゃドレスアップした衣装で社交ダンスを踊っている。山中千尋は,ピアノを弾きつつ「ニッコリ」笑うだけ。それでいい。そこがいい。

 【ザッツ・オール】の甘美な世界を魅了する,山中千尋の“控えめな”アドリブに好感を覚える。
 特に1分56秒からのピアノ・ソロと,3分49秒からのラリー・グレナディアベース・ソロで聴こえるバッキングの対比が最高である。
 そう。【ザッツ・オール】は,淑女になってもやめられない,山中千尋の一人遊び=ピアノ遊びそのものである。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / MODE TO JOHN4

 『LACH DOCH MAL』の10曲目は【MODE TO JOHN】(以下【モード・トゥ・ジョン】)。


 【モード・トゥ・ジョン】は,山中千尋トリオが捧げるジョン・コルトレーンカルテット”へのオマージュ

 山中千尋ジョン・コルトレーンへの思い入れが,マッコイ・タイナーのそれを上回る! ラリー・グレナディアジェフ・バラードも気迫溢れる大熱演で山中千尋へ追随する。このピアノ・トリオの疾走感は黄金カルテット以上である。
 ジョン・コルトレーンカルテットがメインストリーム・ジャズの洗礼を浴びると【モード・トゥ・ジョン】のような“ハード・バップ”テイストになるのだろう。

 山中千尋トリオの全員が,もう“メチャメチャ”演奏している。もろモードなのだが,どう聴いてもハード・バップな演奏へと駆り立てた動機こそ,ただただジョン・コルトレーンへのオマージュ! 山中千尋トリオの全員がジョン・コルトレーンカルテットに参加していたかのような錯覚を覚える。

 山中千尋アドリブが凄い! 明らかに前後の文脈とは異質な,2分47秒から49秒までのフレーズでは,一瞬トランスしたのだろうか? モードピアノの権化と化した“バッパー山中千尋の“恍惚の”表情を思い浮かべてしまう。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / NIGHT LOOP4

 『LACH DOCH MAL』の6曲目は【NIGHT LOOP】(以下【ナイト・ループ】)。


 管理人の勝手な推測であるが『ラッハ・ドッホ・マール』における,山中千尋自身の一番のお気に入りが【ナイト・ループ】ではなかろうか?
 取り立ててキャッチーではない。印象としては薄い。しかし,この手の熱演にこそ“凛とした”山中千尋の個性を感じる。

 右手が“うなれば”左手がベースと共に音を追い立てていく! 構成などを度外視した,ただただ熱い演奏に「ジャズ・ピアニスト」=山中千尋を認識する瞬間である。
 しかし,そう思った次の瞬間(1分3秒と4秒で)某有名クラシック曲のテーマが流れ出す。全くもって理解不能の不思議ちゃん。
 そう。【ナイト・ループ】には,ちーたんの“素顔の魅力”が記録されている。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums
JOHN CARLINI : Guitar

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / RTG5

 『LACH DOCH MAL』の4曲目は【RTG】。


 ゴキゲン&ノリノリ! 【RTG】を“身体全体を揺らしながら”プレイしている山中千尋の姿が音から見えてくる!
 高速道路を一気に駆け抜けるかのような爽快感! このテクニックにしてこのアドリブ! 山中千尋はアイドルではなく,超一流のジャズ・ピアニストである。全てのジャズ通をも“唸らせる”大熱演である。

 テーマを挟んで,32秒から3分7秒まで続く山中千尋の“ロング・スパート”がジェリ・アレンをも置き去りにする!
 途中,2分40秒でレイコンマ5秒ほど小休止する以外は,延々と高速フレーズが持続している。驚異的な体力である。正直,息を吸い込む暇がない。

 さて,山中千尋の快演を陰で支えるラリー・グレナディアジェフ・バラードの最強リズム隊は“やっぱり”凄かった! あの高速アドリブにも遅れることなく密着マーク! ACミランのマルディーニとネスタである。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / LACH DOCH MAL4

 『LACH DOCH MAL』の8曲目は【LACH DOCH MAL】(以下【ラッハ・ドッホ・マール】)。


 【ラッハ・ドッホ・マール】は,山中千尋による45秒間のピアノ・ソロ・ショート・ピース。

 【ラッハ・ドッホ・マール】の第一印象はトムとジェリー? 【ラッハ・ドッホ・マール】はラグを基調とした右手と左手による「おいかけっこ」! 山中千尋が右へ左へ,おっとっと! 実にコミカルで滑稽なピアノである。

 【ラッハ・ドッホ・マール】の別の魅力は,雰囲気としてのデューク・エリントン? コットン・クラブでのビッグ・バンドでのピアノ・ソロ? 山中千尋のドレス姿は好みだが,1930年代のダンス・ホール・テイストはイマイチかなぁ。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / SABOT5

 『LACH DOCH MAL』の2曲目は【SABOT】(以下【サボット】)。


 【サボット】は“千尋節”全開! 1曲目【カン・ビロン・ヴリュ・ダンセ】で“肩透かし”を喰らった直後だけに「キターッ」てな感じで,一気に惹き付けられる。澤野工房時代からの山中千尋ファンなら,たまらないはず?
 リズミックで,思いっきりドライブする! この“爽快感”に,ピアノを楽しそうに“鳴らす”山中千尋の笑顔が見え隠れしてしまう。これは管理人の妄想? こういう話が出来る“ちーたん”ファン大募集です。

 さて,真面目にCD批評を…。とにかく右手が回り続けているし,左手の低音大連発で“ブイブイ”来る感じがジャズピアニストとしてのオリジナリティ! 明るいメロディ・ラインなのに,ジャズ・ピアノ特有の“渋さ”も織り交ぜられている。ここが「おじさんキラー」の秘訣なのであろう。

 39秒からのアドリブは,王道をゆくトラディショナル・タッチ。1分38秒からの盛り上がりはインタープレイのお手本であろう。
 3分39秒で聴こえる,ラリー・グレナディアの“必死な”ベースが“世界の山中”の実力が証明された瞬間だと思っている。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / ONE STEP UP(DVD)5

 『LACH DOCH MAL』『DVD』は【ONE STEP UP】(以下【ワン・ステップ・アップ】)のビデオ・クリック。


 【ワン・ステップ・アップ】は,山中千尋ピアノ・ソロ映像!
 ジャズ・ファンとしては,ラリー・グレナディアジェフ・バラードのプレイも見せて欲しかったのだが,まっ「ちーたん」が見られればそれでいいか!?

 山中千尋のように,美人でカワイイ“ピアノのお嬢さん”は稀である。この好素材を,前から後ろから横から上から,ビデオ・カメラが“なめまくる”。
 CD版の【ワン・ステップ・アップ】では“低音をブイブイ吹かせた”フェンダー・ローズを聴かせてくれたが,DVD版【ワン・ステップ・アップ】では,生ピアノ
 やはりピアノは打楽器である。特に真上から見下ろした“ピアノ線”の映像がアグレッシブ! 「攻める」山中千尋の「早弾き」がモーション解析のごとく克明に記録されている。

 この鍵盤を“駆け巡る指使い”の映像は,当然ライブに何回足を運ぼうとも間近では見れないわけで,超貴重! 今後もジャズメンの映像作品は,音楽重視の硬派路線で攻めて欲しい。ジャズの映像系としては満点の出来である。

 そう言いながらも,山中千尋のアップを見せられると,ジャズを忘れて“アイドル”として見えてしまう瞬間がある。この「微笑み&上目遣い」の連発がやばい! こんな表情を見せられては,女子アナと同じく,毎晩「ちーたん」を見てからでないと眠れなくなってしまうかも?

 2分16秒から19秒の“エクスタシー”に達した“恍惚感”溢れる表情には,ジャズ以外の意図をも感じてしまう。病気発症か?

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / ONE STEP UP5

 『LACH DOCH MAL』の7曲目は【ONE STEP UP】(以下【ワン・ステップ・アップ】)。


 【ワン・ステップ・アップ】は,とにかく凄い,大迫力! このトラックは“低音をブイブイ吹かせて”フェンダー・ローズを乗りこなす山中千尋の“峠越え”!
 急カーブがこようとも,減速せずに攻めまくる! そうとしか【ワン・ステップ・アップ】を批評する言葉が見つからない。

 リズム・チェンジを多用したコード進行をベースに,リズミックなフェンダー・ローズが“大爆発”。あえて歪ませた音色が“ブルージー”を演出している。そう。この熱気は,紛れもない“ハード・バップ”である。
 56秒からの山中千尋アドリブは一人二役。ピアニスト&ホーン奏者と化している。この音域はバリトン・サックスである。重低音がウーハーづたいに“うねっている”。

 ラリー・グレナディアベースジェフ・バラードドラムもお見事! 「跳ね馬」=フェラーリを乗りこなす「じゃじゃ馬・ちーたん」をジャズという囲いの中に収めることができたのは,名手2人のジャズ・ワークの賜物による。
 特にジェフ・バラードの緩急の利いたドラミングが,どこか遠くへイッテシマッタ? 山中千尋に代わって【ワン・ステップ・アップ】の主旋律を奏でている。素晴らしい。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / THE DOLPHIN5

 『LACH DOCH MAL』の5曲目は【THE DOLPHIN】(以下【ザ・ドルフィン】)。


 【ザ・ドルフィン】は,管理人にとって「おしゃべり,コーヒー,デパート」である? 軽快かつ濃密な楽しい一時が走馬燈のように駆け巡る。

 このピアノには“癒やしの力”がある。軽い! 真にリラックスできる。くつろげる。
 要するに,一歩下がった“伴奏”であり,イージー・リスニングなのであるが…。でも“好きなものは好き”なんです。

 細かい批評は置いておこう。明日もいい日になりそうである。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums
JOHN CARLINI : Guitar

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / LIEBESLEID4

 『LACH DOCH MAL』の9曲目は【LIEBESLEID】(以下【リーベスリード〜愛の悲しみ】)。


 【リーベスリード〜愛の悲しみ】は,好きすぎて好きすぎて気が狂ってしまった,阿部定のテーマ! 美しいメロディであるが,変拍子が効いている。次の瞬間どちら転ぶか分からない,危険な情感たっぷりの“甘い曲”である。

 このハラハラドキドキ感は,逆立ちしても阿部定にはなれない山中千尋の“危険な恋への憧れ”の発露である。危険な恋を冒険してみたいと思いながらも,決して境界線近くまでは近づかない。リアルを体感する勇気はない。安全パイだからこそ楽しめる虚構の恋愛ドラマ。

 ドラマであればクライマックスが用意されている。4分22秒からのスパニッシュな展開が劇的! ラリー・グレナディアベースジェフ・バラードドラムが,愛憎のサスペンスへと走らせる!
 肝心所で“主演”山中千尋の足は止まっている。でもそれでいい。ちーたんには“日常の純愛”を歌い続けてほしいと思う。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / SERENADE TO A CUCKOO4

 『LACH DOCH MAL』の3曲目は【SERENADE TO A CUCKOO】(以下【カッコーのセレナーデ】)。


 【カッコーのセレナーデ】は,正にピアノで“歌う”セレナーデ! 山中千尋アドリブが幾重にも表情を変えながら,さわやかに駆け抜けていく!

 ベースの“重い”入りがウソのように,山中千尋ピアノが“ファンキー”に踊り出す!
 54秒からの倍音のピアノは高音につられて,今にも羽ばたきそう。そして1分20秒からのロング・ソロは山中千尋の“ショータイム”! 正に空中を舞い上がり,右に,左に,急降下に,急上昇。実力者だなぁ。
 このアドリブ山中千尋が熱心なジャズ・ピアノの求道者であることの証し。2分36秒からのフレーズなどは,ソニー・クラーク風のタッチ満載であるが,これが完全に山中千尋の“個性”として聴こえるから不思議 → さすがである。

 それにしてもこの選曲センス! 【カッコーのセレナーデ】って,こんなにピアノに合う曲だったんだ。山中千尋のアンテナは“ビンビンの敏感”である。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums
JOHN CARLINI : Banjo

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール / QUAND BIRON VOULUT DANSER4

 『LACH DOCH MAL』の1曲目は【QUAND BIRON VOULUT DANSER】(以下【カン・ビロン・ヴリュ・ダンセ】)。


 【カン・ビロン・ヴリュ・ダンセ】は,山中千尋の“肩の力の抜けた”リラックスした演奏と“熱い”アグレッシブなリズム隊の演奏が“両面”楽しめる。

 伸びやかなピアノ! その要因こそ,山名千尋が待ち望んだ,ラリー・グレナディアジェフ・バラードの“心休まる”最強リズム隊とのコラボにある。山中ピアノが,まるで「水を得た魚」のごとく,感じるままに,自由自在に鍵盤を駆け巡っている。
 しかし残念ながら“縦横無尽に”とは行かなかった。このアドリブの音階は,中域集中のメロディ・ライン! 中域限定での両手フル使いのアドリブが,リズム・ギターで“華やいだ”ラテン・フレーバーな強烈なビートと“溶け合う”様が見事である。やはりこの3人の相性はいい。
 3分21秒からのリズム隊の,ちょうど良い“あおり”具合が,なかなかの聴きどころである。

 ただし,音数が多い割りに“軽い”ので,サラリと聴き流してしまう。BGMとしては良いかもしれないが,好みではない。

CHIHIRO YAMANAKA : Piano
LARRY GRENADIER : Bass
JEFF BALLARD : Drums
JOHN CARLINI : Guitar

山中 千尋 / ラッハ・ドッホ・マール4

LACH DOCH MAL-1 バド・パウエルセロニアス・モンクといった“大男”のジャズ・ピアノを聴くようになって偏見は消えたが,管理人がまだ子供だった頃,ピアノは“女の子が弾くものだ”と思い込んでいた。
 同級生の男子がピアノを習っていると聞くと,率先してバカにしていた記憶がある。
 そう。ピアノは「いいところのお嬢さんがリボンをつけて弾く」楽器。発表会でドレスを着てクラシックを演奏するあの姿…。根も葉もない偏見であった。

 しかし,あるジャズメンとの出会いを経て,前述のイメージが再び鮮明に浮かび上がってきた。山中千尋である。
 写真で見る山中千尋は,身長150cm? メチャ小柄で可憐でキュートで,正に管理人が子供の頃にイメージしていた「赤い靴はいてた女の子」にぴったり。ちーたん,管楽器でも弦楽器でもなく,ピアノを選んでくれて,ありがとう。

 ELTの“モッチー似”なので,勝手にそう思ってしまうのだが,いかにも“ホワッとして,フワッとして,ボーッとした”(←ゴメンナサイ)世間の汚れなど知らない素直で清楚なお嬢さん風の雰囲気! これこそ“繊細な西洋楽器”ピアノにドンピシャリ!
 山中千尋こそ,管理人が理想とするエレガント・ピアノの“申し子”に思える逸材。

 しかし,山中千尋は巨○であったりもする。このギャップ! これが彼女のジャズ・ピアノにも如実に当てはまる。
 かわいいと思って油断していると面食らう。いや。刺されてしまう。「あずみ?」「くノ一?」「キル・ビル?」である。
 …といった紹介の仕方は大袈裟かもしれないが,一音一音が明瞭で“芯の強さ”を感じさせる山中千尋ジャズ・ピアノは,下手な男性のタッチよりも力強く“凛とした表情”を見せることだけは確かである。この“凛とした”という表現が一番“しっくりくる”。

 『LACH DOCH MAL』(以下『ラッハ・ドッホ・マール』)は,そんな「女の子女の子した」繊細な表情と「あずみ」の力強さが同居した,山中千尋ジャズ・ピアノを楽しめる。
 トラック毎に,曲調毎に,演奏スタイルが変化している。優しい曲は思いっきり“チャーミング”に。燃える曲は思いっきり“ダイナミック”に。抽象的ではなく,ズバッと主題をブッタ切る! 山中千尋も,美人に多いという例にたがわず“竹を割った性格”の持ち主なのかもしれない。

 この“七変化的なカラフルさ”が売りの『ラッハ・ドッホ・マール』であるが,聴き終わった時の印象は驚く程まとまっている。
 ズバリ,特徴は“瑞々しい透明感”! そう。ハード・バップ的な“泥臭さ”は一切感じない。これには山中千尋のルーツがクラシックにあり,バークリー音楽院首席卒業〜NYで活動中と言うエリート的な“育ちの良さ”が影響していることと思う。健康的で,どことなく非ジャズ的な…。

LACH DOCH MAL-2 正直にいうと,やはり管理人も巷のジャズ批評家と同様,澤野工房時代の“ブッ飛んだ”山中千尋が好きだ。

 『ラッハ・ドッホ・マール』は,澤野工房時代の“お馴染み”リズム隊=ラリー・グレナディアジェフ・バラードとの再演!
 “完全復活”を期待していたのだが“良い意味で”裏切られてしまった。3人とも日々進歩しているのだがら,この種の音楽的変化は当然かも…。ここは潔く受け入れてしまおう。

 前作『OUTSIDE BY THE SWING』(『アウトサイド・バイ・ザ・スウィング』)でも感じた違和感は,インディーズとメジャーの制作スタンスの違いなのかも? 万人受けを狙って,山中千尋の非ジャズ的なセンスが全面に押出されているような…。
 メジャーは“売れてナンボ”の世界。制約が多いのかなぁ。

 なお『ラッハ・ドッホ・マール』の初回限定盤はDVD付! もちろん管理人も初回限定盤をGET! ピアノを“目まぐるしく”ダイナミックに“弾き鳴らす”山中千尋がアグレッシブ! ちーたんファンなら必見の“華麗な”映像美は見てのお楽しみ!

  DISC 1 CD
  01. QUAND BIRON VOULUT DANSER
  02. SABOT
  03. SERENADE TO A CUCKOO
  04. RTG
  05. THE DOLPHIN
  06. NIGHT LOOP
  07. ONE STEP UP
  08. LACH DOCH MAL
  09. LIEBESLEID
  10. MODE TO JOHN
  11. WHAT A DIFF'RENCE A DAY MADE
  12. THAT'S ALL

  DISC 2 DVD
  01. ONE STEP UP

(ヴァーヴ/VERVE 2006年発売/UCCJ-9077)
★【初回限定盤】 CD+DVD

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タッド・ダメロン

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ジャコ・パストリアス

ザ・キング・イズ・ゴーンザ・キング・イズ・ゴーン
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