アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

CD批評:小曽根 真

小曽根 真 ザ・トリオ / スリー・ウィッシズ4

THREE WISHES-1 『ザ・トリオ』からわずか10ヵ月後の「ザ・トリオ」の2ndTHREE WISHES』(以下『スリー・ウィッシズ』)は『ザ・トリオ』とは異なり,ゲスト参加のトラックがハイライトと化している。

 『スリー・ウィッシズ』で際立つ,直線的な「ザ・トリオ」の揺るぎないスケール感が素晴らしい。

THREE WISHES-2 ジョン・スコフィールドは大好きであるが,ウォレス・ルーニーはもっと好き。
 タイトで都会的な「ザ・トリオ」が,黒へ染まりスイングしている。

  01. Three Wishes
  02. 53rd st. Blues
  03. Myst
  04. Kelly's Other Tune
  05. Only We Know
  06. Don't Say 'Monk'!
  07. Stinger Double
  08. No Siesta
  09. Embrace
  10. B.Q.E.

(ヴァーヴ/VERVE 1998年発売/POCJ-1403)
(ライナーノーツ/小曽根真,成田正)
★スイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】

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小曽根 真 & ゲイリー・バートン / タイム・スレッド5

TIME THREAD-1 2013年度のグラミー賞小曽根真ゲイリー・バートンデュエット作=『TIME THREAD』(以下『タイム・スレッド』)で決まり!
 だ〜ってチック・コリアゲイリー・バートンデュエット作『HOT HOUSE』がグラミー受賞で『タイム・スレッド』が受賞できない理由など見つからないのですから〜!

 だ〜ってその2。小曽根真ゲイリー・バートンの12年前のデュエット作=『VIRTUOSI』でさえグラミーノミネートだったんだから『タイム・スレッド』が(受賞できないことがあるにしても)グラミーノミネートさえされない理由など見つからないのですから〜! 残すはVERVEさん,頑張って〜!?

 キース・ジャレットトリオの大名盤SOMEWHERE』を差し置いて,管理人にここまで言わせる小曽根真が真に凄い!
 勿論,ザ・トリオソロデュオも含めて小曽根真デビュー当時から凄かったのだが,『タイム・スレッド』におけるゲイリー・バートンとの「音楽的会話」が最高に素晴らしい。

 特に小曽根真の大車輪の名サポートがあってこそのゲイリー・バートンのリラックスがある。ゲイリー・バートンインプロビゼーションに没頭できている。それくらいに“細やかな気配り”を感じさせるピアノの絶妙なバッキングに「完全KO」!
 ゲイリー・バートンにスペースを与えながら,それでいて自分のソロが回ってくると,ゲイリー・バートンを脇へ押しやる大立ち振る舞い! 美メロは全て小曽根真が弾いている。

 30年の時を経て,小曽根真ゲイリー・バートンの関係性は「師弟」から互いを挑発し合う「盟友」へと変化してきている。もはや2人は対等な船長職に位置している。
 しかし「阿吽の呼吸」「以心伝心」の面において対等なのは好都合であるが,実際の航海に出航したならば船長は1人。船長が2人いると航路は迷走する。そこで「阿吽の呼吸」「以心伝心」で出航できるとしても,敢えて小曽根真が話しかけていく。「ゲイリー船長,この曲はこういう解釈でいいのでしょうか?」。

 小曽根真は当然,ゲイリー・バートンの答えを聞く前から知っている。しかしゲイリー・バートン自身の口から実際に答えを出させることによってゲイリー・バートン自身が,明確に意識していなかった感覚,を共有することが出来ている。
 そう。小曽根真ゲイリー・バートンの才能を引き出している。ゲイリー・バートンの類まれな才能を一番熟知しているのが“世界の小曽根”なのだった。

 『タイム・スレッド』は,ピアノヴィヴラフォンデュエットという,同じ打楽器にして鉄弦と鉄琴の異なる響きを活かした「2人だけの感覚」の調和を第一に音造りがなされている。
 チック・コリアゲイリー・バートンデュオも同じようなものだが,チック・コリアゲイリー・バートンの場合は,古来からある「伝統芸能」的なニュアンスに酔いしれるのに対して,小曽根真ゲイリー・バートンの場合は「温故知新」的なニュアンスに酔いしれる。

TIME THREAD-2 そう。小曽根真ゲイリー・バートンデュエットは,最初の一音から最後の一音までの全てセオリー通りでありながら,今まさに“創造の瞬間”に立ち会っているかのような新鮮なタイム感覚。だ・か・らアルバム・タイトル『タイム・スレッド』!

 鉄弦と鉄琴の強弱によって“時間の糸を手繰り寄せる”的なピアノヴィヴラフォンのコラボレーションは唯一無二のハーモニー。ユニゾンではない2人の手癖が重なった瞬間のハーモニーが本当に心地良い。

 『タイム・スレッド』を当然聴いたであろうチック・コリアの胸の内は嫉妬でメラメラ? 小曽根真ゲイリー・バートンの次回作に期待度MAXであるが,チック・コリアゲイリー・バートンの次回作こそ,過去最高にエキサイティングな予感がしている。
 そう。小曽根真ゲイリー・バートンはラヴラヴである。チック・コリアよ,大いに嫉妬せよ!

  01. Fat Cat
  02. Stompin' at B.P.C.
  03. Lee's Party
  04. Sol Azteca
  05. Italpark
  06. Hearts in Langenhagen
  07. Popcorn Explosion
  08. Time Thread (for Bill Evans)
     Suite "One Long Day in France"
  09. Part I "Lyon in the Morning〜I hear A Trouble!"
  10. Part II "Cordon Bleu"
  11. Part III "Deux Petites Voitures Francaises〜The
     Concert"

  12. I hear a Rhapsody

(ヴァーヴ/VERVE 2013年発売/UCCJ-2112)
(☆SHM−CD仕様)
(ライナーノーツ/小曽根真,ゲイリー・バートン)

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小曽根 真 / ブレイクアウト5

BREAKOUT-1 『BREAKOUT』(以下『ブレイクアウト』)で小曽根真が『ブレイクアウト』した!
 文字通り従来の自分の殻を割って出てきた感じ。素晴らしい。小曽根真が“覚醒”した瞬間の記録である。

 一聴すると,小曽根真のきれいなピアノ・ソロが“さらり&とめどなく”流れていく。
 しかしこれは大変強靭な音である。強い意志力から発せられた一音一音がジャブのように効いてきてCD一枚を聴き終わる頃にはKO寸前。
 小曽根真の“オーケストレーション”の才能に圧倒されてしまう。

BREAKOUT-2 管理人の結論。『ブレイクアウト批評

 『ブレイクアウト』こそ,小曽根真の“最高傑作”である。
 ピアノ・ソロビッグ・バンド。似ても似つかぬ『ブレイクアウト』に,後の「ノー・ネーム・ホーセズ」の原型を見る。

  01. TEA UP
  02. DON'T SLICE IT !!
  03. WILD GOOSE CHASE
  04. LAKE THUN
  05. SPIN AROUND
  06. PURE THOUGHTS
  07. BLACK FOREST
  08. DOES YOUR DOG BITE?
  09. REMEMBER T.
  10. MY LITTLE DREAM
  11. THE DARK SHADOWS
  12. BULLET TRANE
  13. TIME FOR ROMANCE

(ヴァーヴ/VERVE 1994年発売/POCJ-1245)
(ライナーノーツ/成田正)

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小曽根 真 ザ・トリオ / ザ・トリオ4

THE TRIO-1 『THE TRIO』(以下『ザ・トリオ』)は,小曽根真が「初めて出逢ったのにずっと昔からその人と友達だった」と語る,ベーシスト北川潔ドラマークラレンス・ペンとによる“理想のピアノ・トリオ”のデビューCD

 卓越したテクニックを控え目に“ジャズ・ピアノの魂”を前面に押し出す小曽根真が熱い!
 これがあの小曽根真か,と思わせる“ナイスガイ・ジャズ・ピアニスト小曽根真の“新たなる挑戦”がここに始まった。

 ソロにバックに抜群のリズム感を持つ北川潔ベースがいい。手数も凄いが音を入れる場所が半端ないクラレンス・ペンドラミングも申し分ない。
 それなのに『ザ・トリオ』の中身は「ザ・トリオ VS ジョン・スコフィールド」である。

THE TRIO-2 いくら“理想のピアノ・トリオ”で固まったからといって,いきなりの対バン形式はないだろう。実際,ジョン・スコのアウトに「ザ・トリオ」が引きずられていく〜。

 結果,デビュー盤にして(デビュー盤だから?)「ザ・トリオ」一番の異色盤である。

  01. THE BEGINNING
  02. LAZY UNCLE
  03. FAIRLY DANCE
  04. ESPERANZA
  05. HOME
  06. TEA FOR THREE
  07. STINGER
  08. MY OLD BOOK
  09. HAPPY CAT
  10. BOON-CHA-CHA

(ヴァーヴ/VERVE 1997年発売/POCJ-1370)
(ライナーノーツ/小曽根真,児山紀芳)
★スイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】
★1997年度ジャズ・ディスク大賞【日本ジャズ賞】受賞

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小曽根 真 / パラダイス・ウィングス4

PARADISE WINGS-1 輝くようなピアノ・タッチと軽快なビートで,ジャズフュージョンボサノヴァファンクがシャッフルする『PARADISE WINGS』(以下『パラダイス・ウィングス』)だが,正直好みではない。

 『パラダイス・ウィングス』は,名盤スターライト』路線のMALTAプロデュース作であるが,MALTA自身の参加がなくなったことで『スターライト』で感じた“衝撃”と“まばゆさ”は薄くなり,イージーリスニング風の“耳馴染みの良さ”が鼻につく。

 小曽根真ビクター盤について語る際,2枚セットで語られることの多い『スターライト』と『パラダイス・ウィングス』であるが,管理人の中では“王道のスムーズ・ジャズ”を追求した『スターライト』と“オール・ジャンル・コンフュージョン”の『パラダイス・ウィングス』では全くの別物である。

PARADISE WINGS-2 『パラダイス・ウィングス』では【ホエン・アイ・フォール・イン・ラブ】だけをよく聴いています。
 
  01. BRILLIANT DAYS
  02. SPRING JOURNEY
  03. BRAZILLIAN CAFE
  04. PARADISE WINGS
  05. QUIET MOON (DEDICATED TO ANTONIO CARLOS
     JOBIM)

  06. MR. R.T.
  07. HOT CRUISING
  08. GENTLE DREAM
  09. WHEN I FALL IN LOVE
  10. LAST SUMMER

(ビクター/JVC 1991年発売/VICJ-57)

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小曽根 真 / スプリング・イズ・ヒア4

SPRING IS HERE-1 『SPRING IS HERE』(以下『スプリング・イズ・ヒア』)は,小曽根真初のスタンダード集。

 若き日の(CBS時代の)小曽根真は“控え目”な男であった。
 どの演奏も素晴らしい。好みである。しかし『スプリング・イズ・ヒア』では,まだまだ小曽根真本来の豊かな才能は開花しきれていない。
 ジョージ・ムラーツロイ・ヘインズという“熟練の”リズム隊に“持っていかれている”。

SPRING IS HERE-2 小曽根真の枠内に収まったアドリブは,冒険なしの安心感。
 『スプリング・イズ・ヒア』の主役はスタンダードのメロディー・ラインである。

  01. BEAUTIFUL LOVE
  02. SPRING IS HERE
  03. SOMEDAY MY PRINCE WILL COME
  04. ON THE STREET WHERE YOU LIVE
  05. THE NIGHT HAS A THOUSAND EYES
  06. MY ONE AND ONLY LOVE
  07. O' GRANDE AMORE
  08. TANGERINE

(CBSソニー/CBS/SONY 1987年発売/32DP 695)
(ライナーノーツ/ゲイリー・バートン)

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A BIG HAND FOR HANSHIN / レインボー・ロータス4

THE RAINBOW COLORED LOTUS-1 昨日,東日本大震災について初めてプチ記しました。皆さん思うことは同じです。「自分に何かできないか?」。それはジャズメンも同じです。

 かって阪神大震災の時に豪華ジャズメンによるチャリティCDが発売されました。それが『THE RAINBOW COLORED LOTUS』(以下『レインボー・ロータス』)です。

 「音楽家は音楽で」をスローガンに設立された「国際音楽家阪神大震災基金」によって制作された「A BIG HAND FOR HANSHI」名義による『レインボー・ロータス』には総勢60名以上のジャズメンが参加しました。

 管理人の2トップ=キース・ジャレットパット・メセニーをはじめ,ラルフ・タウナーゲイリー・ピーコックチャールス・ロイド小曽根真リッチー・バイラークデイブ・ホランドジャック・デジョネットミロスラフ・ヴィトウスロイ・ヘインズ藤原清登ミノ・シネルトニーニョ・オルタハービー・ハンコック他,どうですか? この日本ラヴな豪華メンバー。

 急遽発売ということで(当然ながら)新録の少ない未発表音源集の様相=貴重な演奏集=現実の記録。
 アルバムとしては統一感のない2枚組なので,正直,聴き疲れてしまう。被災者の方には元気になってから聴かせてあげたいと思った。
 ただし全曲は無理でも特に「DISC 1」のトラック1−7の連続攻撃は外れなし。

 キース・ジャレットの【ペイント・マイ・ハート・レッド】。これはキース・ジャレットの数ある傑作群の中でも突出する名演中の名演である。
 1994年のNHK「地球シンフォニー」という年越し番組のために演奏されたソロ・ピアノ。いや〜,やっぱりキース・ジャレットにはポップ畑の血が流れている。根っからのカントリー野郎ならではの“チャーミングな”小品である。悲しい。でも新年を念頭に作曲された希望を呼び起こすメロディーが美しい。この美メロを奏でる“ウィットに富む”ピアノの音色が心の奥底にまで響き渡る。

 【ペイント・マイ・ハート・レッド】は【イッツ・オール・イン・ザ・ゲーム】と並ぶ,管理人のキースソロ・ピアノの愛奏トラックである。本当に素晴らしいんだから。
 キース・ジャレット・ファンの中にも,正規アルバム未収録の【ペイント・マイ・ハート・レッド】を知らないやからが多数存在する。マジで聴いてみてほしい。

 ここでセラビーは宣言する! キース・ジャレットの魅力はインプロヴァイザーにあるのだが,キース・ジャレットの本質は「アメリカ人的“夢見るお花畑の”カントリー」である!

 パット・メセニーの【チェンジ・オブ・ハート】は『クエスチョン・アンド・アンサー』収録曲。ちょっと年代が古すぎやしませんか〜,と突っ込みたくなるものだが,この選曲「実にメセニーらしい」とも思ったものだ。
 
 デイブ・ホランドロイ・ヘインズの熱い熟年ビート! パット・メセニーの本質もキース・ジャレットと同様な「アメリカ人的“どこまでも地平線な”カントリー」が流れている。この朗々とした美メロに癒される。

 なお『レインボー・ロータス』収録の【チェンジ・オブ・ハート】には,原曲にライル・メイズシンセをオーヴァー・ダビングしたニュー・バージョンへとブラッシュ・アップされています。
 管理人が想像するに,この【チェンジ・オブ・ハート】でのライル・メイズシンセ・アレンジに触発されたのがきっかけとなり,チャーリー・ヘイデンとの『ミズーリの空高く』へと向かったのでは?

 しか〜し『レインボー・ロータス』のハイライトは,管理人の2トップ=キース・ジャレットパット・メセニーではない。小曽根真,その人である。

 小曽根真こそ日本人であり,神戸出身であり,一番の当事者である。そんないろんな思いで錯綜していたであろう彼の願いが【ノー・モア・ブルース】にぶつけられている。願いである。愛である。優しさである。
 小曽根真の最高傑作である『ブレイクアウト』直後の流れの新録音。マジで勇気が出る。元気が出る。これぞ「音楽家は音楽で」のスローガンを直球で表現した,最大振幅の陰影のソロ・ピアノ。楽しいのに感動で涙が止まらない。

THE RAINBOW COLORED LOTUS-2 その小曽根真が今回の震災についてコメントを発表しています。

1)小曽根真のHPより
「皆さん,皆さんのご家族,ご親戚の方はご無事でしょうか? とんでも無い事になってしまいました。
連絡がとれない方は本当にご心配でしょうが,無事である事を信じて祈り続けましょう。信じる力は本当に大きいです,その力を信じて一人でも多くの方のご無事を祈っています。
震源地の近く以外にお住まいの方も,相当の揺れがあった上にこれだけ余震が絶えず起こっているので,外出される時にはどうか呉々もお気をつけ下さい。
皆様のご無事を心から祈っています」。

2)JAZZJAPANのHPより
「被災地の皆さん,
今すぐにでも被災地に飛んで行って何かお役に立てればと
思っている方が日本全国にいらっしゃいます。
背中に担げる様なピアノがあれば,すぐに飛んで行って路上コンサートを開きたい!!
という大迷惑なピアニストもここに一人おります。
突然現れるでしょうから覚悟しておいてください!!
被災された皆様が一日も早く,まず日常を取り戻す事が出来ますことを
心からお祈りしています」。

 世界のジャズメンたちの中に『レインボー・ロータス』の続編制作の動きがある。内容のいかんに関わらずCDが発売されれば購入しようと思っている。

  DISC 1
  01. Paint My Heart Red
  02. Nardis
  03. Little Peace
  04. No More Blues
  05. Alone Together
  06. Forthcoming
  07. Change Of Heart
  08. Dance Of The Broken Doll
  09. Boy And Beauty
  10. Sweet Revenge

  DISC 2
  01. Mbatu Mbatu
  02. From Tom to Tom
  03. I Fall In Love Too Easily
  04. Mbanza Mquena
  05. Navigate (Set Your Course)
  06. Juju
  07. Passoa Quese Certa
  08. An Illusion In The Sound
  09. Naturally
  10. Nature's Collin' '95
  11. Requiem for Hansin

(ポリドール/POLYDOR 1995年発売/POCP-7070/1)
(ライナーノーツ/稲岡邦弥,オスカー・デリック・ブラウン,湯川れい子,ハービー・ハンコック,チャールス・ロイド,古賀賢治 1995年発売/POCP-7070/1)

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小曽根 真 / ウォーク・アローン4

WALK ALONE-1 小曽根真の夢だったという“ウィズ・ストリングス”の『WALK ALONE』(以下『ウォーク・アローン』)。
 管理人の持論である「ウィズ・ストリングスものは,若くしてやるべきではない」に『ウォーク・アローン』も残念ながら該当する。

 『ウォーク・アローン』での小曽根真は,しっとりと落ち着いた正統派の演奏であるが,どうも“こじんまりと”上手にまとまった感が拭えない。ウィズ・ストリングスのせっかくの長所が短所になってしまっている。
 やはり制約の多いウィズ・ストリングスものは,人生の“酸いも甘いも”を味わって来た者でなければ難しいと思っている。← 若輩者が何言っているんだか。

 『ウォーク・アローン』でも,主役であるはずのピアノ・トリオの演奏がボブ・フリードマン編曲のストリングスと馴染みすぎている。
 このアレンジなら,せっかくのビッグ・ネーム=小曽根真マーク・ジョンソンピーター・アースキンでなくても良かったのでは?

WALK ALONE-2 ただし,小曽根真ウィズ・ストリングスで,映画音楽を“狙った”のだとしたら『ウォーク・アローン』はとんでもない秀作であろう。

  01. Big Apple Pie
  02. Autumn in New York
  03. Walk alone
  04. Lost in the Village
  05. How long has this been going on ?
  06. Prelude (for Elenor)
  07. The Beginning of Love
  08. Cross Town Traffic
  09. Thinking back
  10. Dreams will rise again

(ビクター/JVC 1992年発売/VICJ-61557)
(ライナーノーツ/小曽根真)

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小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / WHERE DO WE GO FROM HERE?5

 『FIRST DECADE』の11曲目は【WHERE DO WE GO FROM HERE?】(以下【ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー・フロム・ヒア?】)。


 『トレジャー』でのマイケル・ブレッカーとの共演で名高い【ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー・フロム・ヒア?】こそ「ザ・トリオ」10周年の記念ソング! タイトル通り,これまでの10年とこれからの10年をつなぐ,3人だけの「ザ・トリオ」愛が溢れ出た名演である。

 【ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー・フロム・ヒア?】成功のキーマンは,ジェームス・ジーナスである。小曽根真ピアノクラレンス・ペンドラムも最高に素晴らしい。しかし,小曽根真が「前に出てくるタイプと根底から支えるタイプの中間」と称したジェームス・ジーナスベースが,その言葉通りの存在感! 打ってよし,つないでよしの“恐怖の2番打者”である。

 テーマでのピアノに“そっと寄り添う”ユニゾンもあれば,1分57秒からのベース・ソロが歌う歌う! ジェームス・ジーナスの立ち振る舞いが,名バラード=【ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー・フロム・ヒア?】の感動を何倍にも深めていく! 3人が美しいメロディに浸り酔いしれていく! 【ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー・フロム・ヒア?】は,感動を手で触り鼻で匂うことのできる名バラードである。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

小曽根 真 & 塩谷 哲 / デュエット4

DUET WITH SATORU SHIONOYA-1 『DUET WITH SATORU SHIONOYA』(以下『デュエット』)は,J−ジャズを代表する2人のピアニスト“お兄”小曽根真と“ソルト塩谷哲によるピアノ・デュオ名盤である。

 “ジャズ一筋”の小曽根真と,ラテン〜ポップス〜クラシックなどを背景に“ジャズも演っている”塩谷哲。そう。5歳の年齢差以上に2人の経歴には大きな開きがある。
 小曽根真塩谷哲は,ある意味,ジャズ・ファンが連想する“対極”の代表格であろう。熱心なジャズ・ファンであればある程,2人の立ち位置は“離れ離れで”ジャズ・ピアノの“対岸”で暮らしているかのようなイメージを持っていると思う。およそ世の終わりが到来しても共演しそうになかった『デュエット』のリリースに正直,戸惑いを覚えた。

 しかし『デュエット』の最初の一音を聴いて不安が完全に吹き飛んだ! この絶品の相性は何? 2人は天才という“共通項”で遠い昔から結ばれていたに違いない。そうとしか思えない見事な調和ぶりである。

 『デュエット』には,ピアノ・デュオに期待される連弾のくだりはない。
 予想通り?小曽根真塩谷哲のフレーズは全くシンクロしていない。それぞれが自分のスタイルを最後まで貫き通している。

 しかしそれでも音楽が混沌としていないのは,2人の天才が操る“オーケストレーション”に秘密がある。要はピアノの持つ特性を最大限に活用しているのだ。そう。小曽根真塩谷哲は,ピアノの持つ“最大音域の自由”という共通言語で会話している。
 例えるならこうだ。フランス人とブラジル人が英語を使って会話をする。話題が共通の趣味に関することなので,母国語の違いなど問題ではない。言葉の壁にはボディーランゲージがある。

 小曽根真塩谷哲の『デュエット』は,音楽の交歓である。音楽さえあれば2人の間に壁など存在しなくなる。いや,2人が“長年の連れ”に聴こえてくる。
 アプローチは異なれど,小曽根真塩谷哲の間には,共通する“音のモチーフ”が確実に存在している。

 『デュエット』で,小曽根真塩谷哲は“ピアノの義兄弟”の契り?を交わしている。
 “お兄”の小曽根ソルトを上手にリードすれば,すぐにソルトがタッグを組もうと歩み寄る。当の2人はどこまで登り詰められるかを,遊びのごとく感じ,楽しんでいる。一方がアドリブに走った時の,もう一方の伴奏がスリリング。アンサンブルにも様々なパターンが織り込まれている。

 切磋琢磨の繰り返しにより,互いのジャズ・ピアノ度が高まっている。そして時に2台のピアノが1台のピアノに“合体”する時の美しさ…。聴いてこれ程“面白い”ピアノ・デュオはそう多くない。これぞ“プロ中のプロの音遊び”であろう。

 『デュエット』のハイライトは,2人の息詰まるバトルではなく,相手の曲を自分のソロで演奏したトラックである。心からリスペクトする互いの名曲を,作曲した本人の目の前で演奏するのが,もう楽しくてしょうがない様子が音の表情に表われている。
 これらのトラックを聴くにつれ,普段はピアニストとしてもコンポーザーとしても良きライバルである2人が,互いにジャズメンとして最大の敬意を抱いていることが良く分かる。素晴らしい。

 なお,今回の『デュエット』は「小曽根真名義のユニバーサル盤」と「塩谷哲名義のビクター盤」の変則2枚同時リリース。レコード会社の壁を越えた“夢の共同プロジェクト”である。

 仮想2枚組みのCDは,内容からジャケット写真&ブックレットに至るまで『デュエット』の精神が貫かれた作りとなっている。
 選曲は2枚でクロスすることのない親切設計。2枚のCDジャケットを並べると1枚の絵になる芸術設計。2枚ともCDの3曲目に【ヴァルス】ラストに【ミスティ】を配し,チャンネルもレフトが小曽根,ライトがソルトと統一されたのが大殊勲!
 ただし,小曽根盤はSACDハイブリッド盤なのにソルト盤はCD音質なのだが…。

DUET WITH SATORU SHIONOYA-2 さて,小曽根盤とソルト盤の2枚の『デュエット』であるが,これは2枚組ではリリースできない。これが同じステージの音源とは思えないくらい個性が異なっている。

 小曽根盤は“インテリ”している。小曽根盤では“アーティスティックな”小曽根真塩谷哲が楽しめる。ピアノの動きに注意を集中すると,2人がクラシックの文法で,でもジャズの言語で会話していることがよ〜く分かる。

 最後に,管理人の結論=『デュエット批評

 名盤デュエット』成功の秘訣は,ライブ・レコーディングにある。『デュエット』は,小曽根真塩谷哲2人きりの『デュエット』に違いないのだが,実は隠された大勢の共演者が存在する。

 そう。ピアノ・デュオの極意を知るオーディエンスが,耳を澄ませば,時に聞き入り,時に拍手喝さいを送っている。その聴衆の反応が小曽根真塩谷哲アドリブをさえ導いている。完全なる“触媒役”を果たしている。
 仮に『デュエット』が,同じ選曲でスタジオで録音されたとしても,ここまでエキサイティングなピアノ・デュオとはならなかったことと思う。

 『デュエット』の真意は,演奏者と演奏者の『デュエット』であると同時に,演奏者と観客との『デュエット』でもあった。一心同体と化した2人のピアニストが観客と一体となって『デュエット』する。この“2重構造”が小曽根真塩谷哲の『デュエット』である。

  01. あこがれのリオデジャネイロ
  02. Cat Dance
  03. Valse
  04. Passage - Satoru Shionoya Solo
  05. Pray - Makoto Ozone Solo
  06. Something's Happening
  07. Heroes sin Nombre
  08. Misty

(ヴァーヴ/VERVE 2005年発売/UCGJ-7006)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/塩谷哲)

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小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / THE BLUE ZONE4

 『FIRST DECADE』の10曲目は【THE BLUE ZONE】(以下【ザ・ブルー・ゾーン】)。


 【ザ・ブルー・ゾーン】は,小曽根真の“揺れる”ローズ・ピアノジェームス・ジーナスエレクトリック・ベースの“絡み具合”が聴き所。

 小曽根真ローズ・ピアノが“ローズらしく鳴る”テーマのバックで,歯切れの良いベースが自由自在に歌いまくっている。難しいテーマを軽やかにドライブするのが“エレクトリック・トリオ”ならではの“味”である。
 2分11秒からの小曽根真アドリブが大充実なのは,ジェームス・ジーナスエレクトリック・ベースの“硬質なプッシュ”があってのこと。

 そんな2人の“蜜月の陰”に隠れていたクラレンス・ペンドラムがラストでスパークする! 5分27秒からの生ドラムが2人の操る“電子楽器”を一気に呑み込んでいく! ここに小曽根真“エレクトリック・トリオ”の疾走が気持ちいい。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Fender Rhodes
JAMES GENUS : Electric Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / CARAVAN4

 『FIRST DECADE』の9曲目は【CARAVAN】(以下【キャラバン】)。


 ジャズの定番【キャラバン】。耳馴染みのテーマとリズムの微妙な崩し。このタイム感に小曽根真のこだわりがある。

 1分50秒からの小曽根真ピアノ・ソロは“薄氷を踏む”かのような綱渡り! 緊張感溢れるアドリブが決まるごとに小曽根真が大胆になっていく。
 そうして迎える【キャラバン】最大の聴き所! 小曽根真が放つ,3分17秒からの低音“ブイブイ”のフレーズから連なるクラレンス・ペンドラム・ソロ! この2人の爆発するコンビネーションに「ザ・トリオ」の真骨頂を見た思いである。

 “野性的なリズムを刻む”ジェームス・ジーナスベースが最後に大暴れして終わるのが,小曽根流【キャラバン】の味である。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / BIENVENIDOS AL MUNDO5

 『FIRST DECADE』の2曲目は【BIENVENIDOS AL MUNDO】(以下【ビエンヴェニードス・アル・ムンド】)。


 【ビエンヴェニードス・アル・ムンド】は,小曽根流「トムとジェリー」 (「噂の刑事トミーとマツ」でも可)! ドタバタ劇の“追いかけっこ”を楽しめる。

 と言うのも,小曽根真の“ドライブ全開”のアドリブもあれば,童謡〜ジャズラテン〜バロックと目まぐるしく変化していく曲想! 何よりも“チャーミング”なテーマ! そう。【ビエンヴェニードス・アル・ムンド】は,小曽根真の“ユーモア”という個性が,ジャズピアノと見事にフィットした名演である。

 イントロから流れ出すテーマは,遠い昔に“きっとどこかで耳にした”童謡メロディ…。9秒や36秒のピアノのアタック音は,合図に合わせて“半身で振り返る”ピンク・パンサー!?
 主人の様子を“こそっと”伺う安堵感が,愛くるしいペットへの思いで溢れ出す。
 1分55秒からのピアノ・ソロと共に「トムとジェリー」の大登場! 一気に“追いかけっこ”開始となり,2分29秒からは第4コーナーを猛スピードで駆け抜けていく。

 【ビエンヴェニードス・アル・ムンド】は,小曽根真ピアノに“楽しくじゃれ合う”ジェームス・ジーナスクラレンス・ペンからの“愛情表現”! ムツゴロウ王国の世界観! “バロック風”ラテンジャズ・ビートが“たまらない”!

 いやぁ。この“爽快感”の体感者としては「アサヒ・黒生」のCMイメージ・ソングは【ビエンヴェニードス・アル・ムンド】の方が良かったのでは? と,酒場で勝手に論争を引き起こす毎日である。
  
THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / LA STANZA DELLE MERAVIGLIE - ANDANTE SCHERZANDO5

 『FIRST DECADE』の7曲目は【LA STANZA DELLE MERAVIGLIE SCHERZANDO】(以下【組曲「夜の子供部屋」第1楽章】)。


 作家の井上ひさしがタイトルをつけた【組曲「夜の子供部屋」第1楽章】は,小曽根真ザ・トリオとクラシックの弦楽四重奏とのコラボレーション!
 【組曲「夜の子供部屋」第1楽章】は,小曽根真が思い描く,ジャズとクラシックの“ユーモラスな融合”である。こんなに“メルヘンチックな”ジャズ・ピアノを聴かせてくれようとは,正直,デビュー当時の“テクニカルな”小曽根真からは想像できなかった。
 そう。【組曲「夜の子供部屋」第1楽章】は,ピアノ小僧=小曽根真の成長の証し。円熟に向かって音楽性が拡大している。

 予定調和を意図的に外した不協和音がアクセント! 実際は高度で難解な組曲なのかもしれない。
 しかしそんなことはどうでもいい。とにかく分かりやすい! 楽しい! 気持ちいい! そう。【組曲「夜の子供部屋」第1楽章】は,自由度100%の“子供の城”なのである。

 ここは2段ベッドの布団の中。親はもう寝付いたと思っている。枕元には宝箱。そ〜っと宝箱を開けてみる。「親には絶対内緒だよ」と,大好きな沙織ちゃんと約束した秘密の宝物が…。
 じゃらじゃらと箱の中身を出してみる。意味もなく元通りにしまってみる。3回繰り返した時,クスクスと笑い声が聞こえてきた。な〜んだ,全部バレテイタ。そう。【組曲「夜の子供部屋」第1楽章】は,自由度100%の“子供の城”なのである。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

STRING QUARTET
JESSE MILES : Violin
DANIEL CARLSON : Violin
MAX MANDEL : Viola
RUBIN KODHELI : Cello

小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / PANDORA3

 『FIRST DECADE』の6曲目は【PANDORA】(以下【パンドラ】)。


 【パンドラ】は“良くも悪くも”ブランフォード・マルサリス! ブランフォード・マルサリスソプラノ・サックス東儀秀樹と化している! そう。【パンドラ】は,小曽根真の考える“雅楽”である。

 管理人は正直【パンドラ】は駄作だと思っている。それゆえ『ファースト・ディケイド』にまさか選曲されるとは思わなかった。この選曲に戸惑った。なぜの嵐??
 そう思っている人はたぶん少ないのだろう。何と言っても【パンドラ】は,スイングジャーナル選定【ゴールドディスク】=『パンドラ』の看板トラックなのだから…。

 餅は餅屋。雅楽雅楽に任せたら良いのに…。この扱いでは,超正統派ジャズメン=ブランフォード・マルサリスが,勿体ない&かわいそうである。ジャズジャズの文脈でこそ輝く!
 小曽根さん,貴殿の頭の良さはみんな分かっていますよっ。安心して“普通の”ジャズ・ピアノを…。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

Special Guest
BRANFORD MARSALIS : Soprano Saxophone

小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / THREE THE HARD WAY4

 『FIRST DECADE』の4曲目は【THREE THE HARD WAY】(以下【スリー・ザ・ハード・ウェイ】)。


 【スリー・ザ・ハード・ウェイ】は,静かだが“高密度”のジャズ・ピアノが聴き所! 真夜中に間接照明と共に流れるジャズ・ピアノの“筆頭格”である。

 全編に漂う緊張感はジェームス・ジーナスベースにある。空間を振動させる重厚な一音一音が,濃密な闇夜を切り裂いていく。骨太なウッド・ベースが【スリー・ザ・ハード・ウェイ】の“硬質の魅力”と呼応している。

 前半のアコースティックなのにエレクトリックのような“細かく光り輝く”生ピアノが実に素晴らしい。この“豊かな残響音”は小曽根真のハイ・テクニックの成せる技!
 3分5秒の音と3分15秒の音触感の違いを確かめてみてほしい。きっと管理人の主張に同意いただけることと思う。

 3分57秒の“高音アタック”以降が,小曽根ドラマのハイライト! これぞ小曽根真ジャズ世界! 「ストレートに洗練された」といった一見矛盾した表現がピッタリ似合う,現代のピアノ・トリオの“息吹”を感じてしまう。
 そう。【スリー・ザ・ハード・ウェイ】は,小曽根真版,映画『氷の微笑』のサウンド・トラックである。このサウンド・トラックには,都会の良い意味での“冷たさ”が収められている。夜明けを待つまでの間,一人ひそかに楽しみたい逸品である。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / DRAEMON NO UTA3

 『FIRST DECADE』の8曲目は【DRAEMON NO UTA】(以下【ドラえもんの歌】)。


 小曽根真は,真剣にジャズと向き合う,J−ジャズの巨人である。しかしジャズを離れた「素」の彼は,実にユニークな男! 例えばJ−WAVEでのラジオ番組。「この人真面目にやっているのかなあ」が第一印象であった。饒舌なのはピアノだけではない。

 そんな小曽根真のユニークな一面を,言葉ではなくジャズを通して感じられるのが【ドラえもんの歌】。
 純粋に,歌を口ずさむこともできるが,このアレンジはかなり斬新。「こう来たかっ」で,ニヤケテしまう。
 ただしやりすぎかなぁ。【ドラえもんの歌】が,ジャズしているのは,おもしろいとは認めるが,このアレンジは好みではない。

 管理人の【ドラえもんの歌】への評価は,ライブで楽しむ“おまけ”のアンコール曲! それ以上でもそれ以下でもない。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / THREE WISHES5

 『FIRST DECADE』の3曲目は【THREE WISHES】(以下【スリー・ウィッシズ】)。


 【スリー・ウィッシズ】は,ジャズ・ピアニスト小曽根真が,ピアノではなく“サックスをいかに鳴らすか”をテーマに書き上げた,スリリングなグレート・ジャズ
 そして,ここまで見事に仕上げたことから推測すると,作曲時に単なる“サックス”ではなく“マイケル・ブレッカーテナー・サックス”を具体的にイメージした,と言い切ってもいい!

 【スリー・ウィッシズ】は,マイケル・ブレッカーカルテットの音である! 主役は間違いなく,マイケル・ブレッカーテナー・サックス! 1分48秒からの“熱唱”は,現代の「テナー・タイタン」そのものであろう。
 今回は裏方に回った小曽根真のサポートが実に素晴らしい。とても初共演とは思えない“絶妙な絡み具合”である。見事にマイケルの音色に“厚みと変化”を加えている。

 これには秘密がある。キーマン=ジェームス・ジーナスの存在である。そう。ジェームス・ジーナスは,元ブレッカー・ブラザーズベーシスト! 小曽根真の個性もマイケル・ブレッカーの個性も知り尽くしている“彼だからこそできた”見事な橋渡し!
 ベースで会話し,二人のアドリブを同じ方向にリードしている。
 
 最後にこれだけは言い添えておくが,小曽根真アドリブが凄い! 3分12秒からの“キレまくった”ピアノは,そうめったに聴けるものではない“上物”である。
 聴き初めは“テナーの大迫力”ばかりに耳が行く【スリー・ウィッシズ】であるが,聴き込むうちに小曽根真ピアノに惹かれるようになる。そう。自分の内で生じる「感動バロメーターの変化,好みの変化」を実感できるのが,たまらない! 快感! 次は,読者の皆さんも…。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

Special Guest
MICHAEL BRECKER : Tenor Saxophone

小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / AGUA DE LA MUSICA5

 『FIRST DECADE』の5曲目は【AGUA DE LA MUSICA】(以下【アグア・デ・ラ・ムジカ】)。


 【アグア・デ・ラ・ムジカ】の新録音バージョンは,繊細かつダイナミックな演奏で,聴き所が一層UPの増量中! これぞ「ザ・トリオ」の全て,と言い切っても過言ではない! いい!

 イントロから始まる,静かで“粒立ち”の良いプレイは,チック・コリアの世界に通じる緊張感。クラシック調のソロ・ピアノで。掴みはOK。“グっと”来る!
 北川潔ではない,ジェームス・ジーナス・バージョンの【アグア・デ・ラ・ムジカ】を感じるのが,1分33秒からの躍動感! この“しなやかな”連動感は,他のピアノ・トリオにはない「ザ・トリオ」オリジナルの“味”である。

 2分5秒からのジェームス・ジーナスベース・ソロも,叙情性を感じさせる“さすが”の出来で素晴らしい。
 4分10秒からの「ザ・トリオ」の象徴的“ヤマ場”が強烈! クラレンス・ペン“渾身の”ドラミングには(音楽素人であろうと)誰しも魅了されることであろう。全世界からの絶賛の嵐も至極当然&「お見事!」の一言に尽きる。
 ただし,ここで聴き逃してならないのは,その直前と直後の,小曽根真ピアノ・ソロである。ここでの盛り上がりなしに“例のヤマ場”は成立しない! “世界の小曽根”が超・最高!

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド / THE NEW BEGINNING5

 『FIRST DECADE』の1曲目は【THE NEW BEGINNING】(以下【ザ・ニュー・ビギニング】)。


 【ザ・ニュー・ビギニング】は「ザ・トリオ」のデビュー・トラック【ザ・ビギニング】の“焼き直し”。10年間の試行錯誤を重ねた結果“こんなになりました”的な,NEW【ザ・ビギニング】である。 

 余分なぜい肉が削ぎ落とされたシンプルな演奏に聴こえるが,リズム・セクションの反応は“より複雑に”進化している。これぞ“小曽根ワールド”の一つの完成形! 「ザ・トリオ」の金字塔である!
 と言うのは,3人各自のソロも進化しているが,3人のインタープレイが,実にグルーヴィー! 「THE TRIO」がピアノ・トリオとして完全に機能している。このメンバー間の“信頼感”や“絆”が10年を経て,揺るぎない強固なものへと成長したのだろう。
 そう。「THE TRIO」は完全に成熟しきった,現代の最高級ピアノトリオの一つ,と言い切っても過言ではないだろう。

 1分32秒からフィルインしてくる,小曽根真アドリブが実にダイナミック! ピアノという楽器を“鳴らしきる”低音〜高音のフルレンジは見事である。
 クラレンス・ペンは,手数の多さで叩ききるタイプのドラマーであるが【ザ・ニュー・ビギニング】での“間”の取り方,音の出し入れテクニックは,もう“芸術”の域に達している。
 ただしこれが“芸術”へと昇華するには,ピアノベースの名サポートが欠かせない。そう。【ザ・ニュー・ビギニング】のハイライトは,クラレンス・ペンの魅力を最大限に引き出した“大物黒子”2人の“いぶし銀”の活躍にこそある。

 ますます“磨き”がかかった【ザ・ビギニング】→【ザ・ニュー・ビギニング】! 次の10年後【ザ・ニュー・NEW・ビギニング】を早く聴いてみたい。

THE TRIO
MAKOTO OZONE : Piano
JAMES GENUS : Bass
CLARENCE PENN : Drums, Percussion

小曽根 真 ザ・トリオ / ファースト・ディケイド5

FIRST DECADE-1 近年のJ−ジャズ界におけるタレントの充実ぶりには目を見張るものがあるが,ジャズ・ピアニスト小曽根真こそ,J−ジャズ界のオピニオン・リーダー! “世界の小曽根”の称号で呼ばれるインテリジェンスな“ジャズ・エリート”が彼である。

 事実,小曽根真は,J−ジャズメン史上初のアメリカCBS・アーティスト〜ヴァーヴのインターナショナル・アーティストなのだから,当の昔に“世界の小曽根”だったわけだが,真に“世界の小曽根”として羽ばたいたのは,NYを拠点に全世界を駆け回るようになった99年以降のことだろう。日本国内のジャズ賞を総なめした「ザ・トリオ」は,ジャズの本場NYを見渡しても“頭一つ抜け出た”存在であった。

 「ザ・トリオ」は,小曽根真のオリジナル曲を演奏するピアノ・トリオである。
 そう。小曽根真は“トータル・ミュージシャン”。自分の頭で鳴り続ける音楽を「譜面に書きピアノで表現する」ジャズメンなのである。事実,小曽根真には,ピアノ・ソロの金字塔=『ブレイクアウト』が証しする“自己完結型”の才能を持つ。
 ジャズ・ピアニストとしての小曽根真も“ピーターソン派”と称されるだけあって“綺麗なドライブ”テクニックは折紙付き。バークリー首席卒業の“男性ピアニストらしからぬ”繊細で柔らかなタッチは超一流である。そう。『トレジャー』でゲイリー・バートンが証ししたように,小曽根真チック・コリアキース・ジャレットハービー・ハンコックらと肩を並べる,世界でも指折りのジャズ・ピアニストに違いない。

 裏方としても前に出ても“自己完結の天才”小曽根真が“相性の良さ”で選んだのが「ザ・トリオ」のメンバーである。ドラマークラレンス・ペンベーシストジェームス・ジーナスとは今や「家族同然」と公言している。
 そう。公私共に「以心伝心」の濃密なインタープレイが機能する「ザ・トリオ」が120%“小曽根真の音世界”を表現するかと思いきや…。

FIRST DECADE-2 これだからジャズはやめられない! 小曽根真が“一層深い自己表現”の目的で結成した「ザ・トリオ」は,予想に反して小曽根の“手足”とはならなかった。
 「ザ・トリオ」は「ザ・トリオ」であって,完全に小曽根真の手から“親離れ”した。オリジナルの個性を放っているのだ。

 『FIRST DECADE』(以下『ファースト・ディケイド』)を聴いてほしい。『ファースト・ディケイド』は「ザ・トリオ」10周年のベスト盤。7年もの濃密な時を過ごした「ザ・トリオ」の進化の記録である。
 『ファースト・ディケイド』(10週年)なのに7週年? そう。『ファースト・ディケイド』は,いつもの再編集ベスト盤ではない。「ザ・トリオ」の初代ベーシスト北川潔在籍時の楽曲を,現ベーシストジェームス・ジーナス・バージョンへと“差し替えた”ニュー・アレンジでの新録音が収録されているからだ。

 この新録音3曲にしびれてしまう。やはり年々「ザ・トリオ」のクオリティは上がっていたのだ。メイン・ライター=小曽根真の作曲も,クラレンス・ペンジェームス・ジーナスの特徴を意識したものが増えている。これぞ“小曽根真の音世界”を超えた“「ザ・トリオ」の音世界”である。

 管理人がこう書いて一番喜ぶのは,当の小曽根真本人だと思う。今や“世界の小曽根”が自ら進んで「ザ・トリオ」のサイドメン役を演じているのだ。そう。「ザ・トリオ」が,小曽根真の“ライフワーク”そのものである。

  01. The New Beginning
  02. Bienvenidos al Mundo
  03. Three Wishes
  04. Three the Hard Way
  05. Agua de la Musica
  06. Pandora
  07. La Stanza delle Meraviglie - Andante Scherzando
  08. Draemon no Uta
  09. Carava
  10. The Blue Zone
  11. Where Do We Go From Here?

(ヴァーヴ/VERVE 2006年発売/UCCJ-2051)
(初回プレス限定スペシャル・デジパック仕様[THE TRIOディスコグラフィー付])
(ライナーノーツ/小曽根真,ジェームス・ジーナス,クラレンス・ペン)

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小曽根 真 / フォーリング・イン・ラヴ,アゲイン5

FALLING IN LOVE, AGAIN-1 『FALLING IN LOVE,AGAIN』(以下『フォーリング・イン・ラヴ,アゲイン』)は“ジャズ・ピアニスト小曽根真が,ジャズをかなぐり捨て,一人のピアニストとしての自分と対峙したピアノ・ソロCD

 ジャズの鎧を外した小曽根真が,ポップスからクラシックまでジャンルを超えて自由に舞う!
 “アーティスト”小曽根真の最高傑作=『ブレイクアウト』から13年振りのピアノ・ソロは,想像できない大きなプレッシャーを感じながらの録音だったに違いない。思うに自分を無二することに時間が費やされたのはなかろうか?

 しかしそのプレッシャーを力に変えて,こんなにも美しいピアノ・ソロを響かせてくれるとは…。『フォーリング・イン・ラヴ,アゲイン』の魅力である“自由でフラットな空気感”に『ブレイクアウト』以上の意志の強さを感じてしまう。

 『フォーリング・イン・ラヴ,アゲイン』の聴き所は,小曽根真初のインプロヴィゼーションの5トラック! オルガンから出発した小曽根真ジャズ・ピアノと「恋に落ちている」! “ピアノマン”小曽根真は,生粋の“ジャズ・ピアニスト”であった。

FALLING IN LOVE, AGAIN-2 『フォーリング・イン・ラヴ,アゲイン』には,小曽根真盤には“当たり前の?”ライナーノーツが付属していない。代わりにカバー・ナンバーの歌詞が書かれてある。そう。小曽根真ピアノで歌詞を奏でている。

  01. (Just Like) Starting Over
  02. Improvisation #1
  03. What Might Have Been
  04. Martha, My Dear
  05. Improvisation #6
  06. Improvisation #3
  07. Story
  08. Turn Out The Stars
  09. Improvisation #4
  10. Enharmonie
  11. Laura's Dream
  12. Improvisation #5
  13. She

(ヴァーヴ/VERVE 2007年発売/UCCJ-2061)
★スイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】

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小曽根 真 ザ・トリオ / リアル4

REAL-1 元ブレッカー・ブラザーズジェームス・ジーナス。元ステップス・アヘッドクラレンス・ペン
 超一流のバカテク・メンバーを擁する「“電化”ザ・トリオ」のお披露目作=『REAL』(以下『リアル』)は,エレクトリック・ピアノエレクトリック・ベースの音が印象深いのが欠点か?

 アコースティック名演たちがローズの音色に霞んでいる。それ程の破壊力を持つ「“電化”ザ・トリオ」の登場に,最初はガッツ・ポーズした管理人だったが,CDを聴き込むにつけ違和感の方が大きくなる。う〜む?

 『リアル』で小曽根真が“ジャズしている”のは【セカンド・ソーツ】と【ブルース・オブ・オズ】の2曲のみ。後はコンテンポラリー・ジャズにカテゴライズされそうな“軽い”演奏が続いている。
 クールでカッコいい「電化・ザ・トリオ」も悪くないが,全体として標準的なジャズの枠内から抜け出せてはいない。

 “やんちゃ坊主”小曽根真が『リアル』の録音で夢中になったのは,ピアノ・トリオという“ジャズ”ではなくローズ・ピアノという“大人のおもちゃ”であった。

REAL-2 …と,ここまで駄盤のように書いてきた『リアル』であるが,実は小曽根真の中ではよく聴く部類の1枚である。
 シチュエーションは夜。友人たちとの酒のお供に『リアル』をどうぞ。

  01. Central Booking
  02. New Child Is on the Way
  03. The Blue Zone
  04. October Song
  05. Second Thoughts
  06. You're Not Alone
  07. Dance on the Beach
  08. Blues of Oz
  09. Dali
  10. Memories of Mom

(ヴァーヴ/VERVE 2005年発売/UCGJ-7005)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/小曽根真)

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小曽根 真 ザ・トリオ / 新世界4

NEW SPIRIT-1 『NEW SPIRIT』(以下『新世界』)は「ザ・トリオ」の『新世界』である。

 『新世界』は“ジャズの”小曽根真が“クラシックへ”と踏み込んだ『新世界』。「ザ・トリオ」が弦楽四重奏との共演で「セプテット」の世界へと向かった『新世界』なのである。

 「ザ・トリオ」の“頂点”である『ソー・メニー・カラーズ』を最後に『リボーン』『新世界』そして次作の『リアル』と「ザ・トリオ」のチャレンジが続く。
 この“異色三部作?”の中では『新世界』が最も振り幅が大きいと思いきや,実は最も「ザ・トリオ」本来の演奏に近い。

 クラシック+弦楽四重奏が“売り”の『新世界』であるが,これは“小曽根真の音世界”そのものである。
 そう。『新世界』は,アンチ・クラシック! 予定調和を意図的に外した不協和音が,ジャズとクラシックの“ユーモラスな融合”を生み出している。

NEW SPIRIT-2 とは言え,管理人の結論はこうである。『新世界』は,アンチ・ジャズであり,アンチ「ザ・トリオ」なのかもしれない。
 “小曽根真の音世界”は,未だ見ぬ『新世界』へと続いている。

  01-03. 組曲『夜の子供部屋』
   La Stanza delle Meraviglie
   a. 第1楽章 Andante Scherzando
   b. 第2楽章 Largo
   c. 第3楽章 Maestoso Con Fuoco
  04. Bolero
  05. Uno! Uno!
  06. Spring
  07. Caminos De Abrojos
  08. Forgotten Dream
  09. Cat Patrol

(ヴァーヴ/VERVE 2004年発売/UCGJ-7004)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/小曽根真,井上ひさし)

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小曽根 真 ザ・トリオ / リボーン4

REBORN-1 『REBORN』(以下『リボーン』)は「ザ・トリオ」の7枚目にして初のスタンダード集。
 「ザ・トリオ」の“独特の息吹”で,スタンダードが『リボーン』(『再生』の意)している。

 しかし「ザ・トリオ」の,新たなスタンダードの解釈は頭では理解できるが,イマイチ心に響かない。多分に『ソー・メニー・カラーズ』からの反動である。
 『リボーン』はいい演奏だとは思うが,何分“暗い”のだ。

 これには『リボーン』の“裏テーマ”である「反戦&平和」というイデオロギーが音楽に影響してのことであろう。某有名ジャズ批評家は(多くのジャズ・ジャイアントたちの破天荒な生涯を考慮しての保険なのであろうが)ジャズメンの私生活と音楽とは無関係と主張するが,管理人はそうは思わない。音楽として表現されるその音は,その音楽家の“内なる人”と密接に関係がある。

REBORN-2 『リボーン』には,傷心の小曽根真ピアノの音に出ている。しかし同時に「ザ・トリオ」の演奏で癒されていく。

 最後に残るは『リボーン』のハイライト=小曽根真の弟分=“ソルト塩谷哲の【プレイ】(【祈り】)である。

  01. Reborn
  02. Pennies from Heaven
  03. A Handful of Stars
  04. Caravan
  05. Miyako
  06. Laura
  07. DORAEMON no uta
  08. Pray
  09. Oceano
  10. On Green Dolphin Street
  11. Everything Happens to Me
  12. It's All Right with Me
  13. Reborn (Forever)

(ヴァーヴ/VERVE 2003年発売/UCCJ-2027)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/中西光雄,ザ・トリオ)

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小曽根 真 / トレジャー5

TREASURE-1 『TREASURE』(以下『トレジャー』)こそ“世界の小曽根”の面目躍如!
 『トレジャー』は,小曽根真を“世界の小曽根”と敬愛する世界のスーパー・スターたちとの豪華競演盤である。そう。『トレジャー』は共演ではなく競演である。

 一聴,小曽根真と親交の深い仲間たちとのコラボレーションCDに聴こえるが,聴き込むと『トレジャー』のニュアンスが変わってくる。
 そう。小曽根真を超一流と認めるがゆえ,超大物ゲストたちが本気でバトルをしかけている! 手加減なしで行ける所まで行こうとする“丁々発止”でやり合っている! それなのにこんなに収まりが良く仕上がっているところに“世界の小曽根”の実力を見た思いがする。

 あっ『トレジャー』は,1枚のCDとして聴き通すと“とっ散らかって”いますのでご注意を。
 それで『トレジャー』のハイライトは【SAMBA D’RIVERA】。「ザ・トリオ」の安定感がジョン・ヘンドリックスゲイリー・バートンチック・コリアマイケル・ブレッカーら“大物ゲスト”との競演以上に際立っている。

TREASURE-2 「ザ・トリオ」の最高傑作は『ソー・メニー・カラーズ』であるが,管理人の「ザ・トリオ」の愛聴盤は『トレジャー』なのである。

  01. Bienvenidos al Mundo
  02. My Lazy Uncle
  03. Tanglewood '63
  04. La Fiesta
  05. Three Wishes
  06. Only We Know
  07. Rainbow's End
  08. Samba D'Rivera
  09. Margaret
  10. Pandora
  11. Might As Well
  12. Where Do We Go From Here?

(ヴァーヴ/VERVE 2002年発売/UCCJ-2020)
(ライナーノーツ/小曽根真,ジョン・ヘンドリックス,ゲイリー・バートン,チック・コリア,マイケル・ブレッカー)
★スイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】

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小曽根 真 ザ・トリオ / ソー・メニー・カラーズ5

SO MANY COLORS-1 「今までで,ベストのアルバムができたよ」と小曽根真が得意気に語った『SO MANY COLORS』(以下『ソー・メニー・カラーズ』)こそ「ザ・トリオ」の最高傑作である。

 この音楽は正しく『ソー・メニー・カラーズ』と呼ぶにふさわしい。
 ジャズからクラシックへ,アメリカ・ヨーロッパからアジア・アフリカ・ラテンへと…。名ブレンダー・小曽根真は「色彩豊か+深み」の表現の豊穣期に入ったと思う。
 玄人受けするジャズ・ピアニストの枠を越え,一般に愛されるジャズ・ピアニストの域に登り詰めた。

 『パンドラ』から『ソー・メニー・カラーズ』への変化は,液晶テレビからプラズマテレビへと変化した時の“淡いベールが剥がされたかのような”感覚に近い。わずかであっても高次元での進化がもたらす異次元の音世界!
 【BIENVENIDOS AL MUNDO】にしても【天地創造】にしても,印象としては小曽根真らしくあったとしても,テーマの訴求力が俄然スケールアップして迫ってくる。

SO MANY COLORS-2 「アサヒ黒生」のTVCMタイアップから1年後の演奏だからか「ザ・トリオ」での演奏だからか【ウィー・アー・オール・アローン(トリオ・ヴァージョン)】の豊かな響きに耳ダンボ。

 『ソー・メニー・カラーズ』には小曽根真のアガペー愛が溢れている。

  01. Bienvenidos al Mundo
  02. The Outback
  03. Three The Hard Way
  04. Asian Dream
  05. Caprice in Town
  06. 天地創造 Creation
  07. Terra de Amor
  08. Un Dernier Miracle
  09. Brotherhood
  10. Something's Happening
  11. We're All Alone

(ヴァーヴ/VERVE 2001年発売/UCCJ-2010)
(デジパック仕様)
(ライナーノーツ/中川ヨウ)
★スイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】

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小曽根 真 / WIZARD OF OZONE 〜 小曽根 真ベスト・セレクション4

WIZARD OF OZONE-1 小曽根真本人出演=「アサヒ黒生」のTVCMタイアップ=【ウィー・アー・オール・アローン】の「ソロ・ピアノ・バージョン」目当てに購入した『WIZARD OF OZONE』(以下『WIZARD OF OZONE 〜 小曽根真ベスト・セレクション』)は,小曽根真本人選曲によるヴァーヴ移籍後初のベストCD

 【ウィー・アー・オール・アローン】の出来が素晴らしく,しばらくこのトラックばかりリピートして聴いていたものだが,ある時『WIZARD OF OZONE 〜 小曽根真ベスト・セレクション』を一枚リピートしてみると…。

WIZARD OF OZONE-2 『WIZARD OF OZONE 〜 小曽根真ベスト・セレクション』のライナーノーツで,小曽根真が「『これ,やっぱり俺だな』って感じる事の出来る“僕の誇りの子供達”」と語った通りの「THIS IS MAKOTO OZONE」なベストCD

  01. Black Forest
  02. Lullaby for Rabbit
  03. No Siesta
  04. Stinger
  05. Before I Was Born
  06. Don't Say "Monk"!
  07. Wild Goose Chase
  08. No Strings Attached
  09. Home
  10. Dear Oscar
  11. We're All Alone

(ヴァーヴ/VERVE 2000年発売/UCCV-2003)
(ライナーノーツ/小曽根真)

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小曽根 真 ザ・トリオ / パンドラ4

PANDORA-1 抜群のリズム感で「ザ・トリオ」を縁の下で支えてきた北川潔から小曽根真に「前に出てくるタイプと根底から支えるタイプの中間」と称されたジェームス・ジーナスへとベーシストが交代した“新生”「ザ・トリオ」の第1作=『PANDORA』(以下『パンドラ』)は「フィーチャリング・ジェームス・ジーナス」!
 ジェームス・ジーナスベース・プレイに多くのスペースを与えた楽曲群が並んでいる。

 NO。『パンドラ』は「フィーチャリング・クラレンス・ペン」! これまでになくクラレンス・ペン作曲の佳曲が演奏されている。

 NO。『パンドラ』は「フィーチャリング・ブランフォード・マルサリス! ゲスト参加のブランフォード・マルサリスが一吹きするとブランフォード・マルサリスのリーダーCDと呼べる濃厚な音世界が出現する。

PANDORA-2 NO。『パンドラ』は“やっぱり”「フィーチャリング・小曽根真」である。いつもより前面に出ることの少ない『パンドラ』なのに,いつも以上に小曽根真の存在感が増している。

 小曽根真は『パンドラ』で「ザ・トリオ」の真のバンマスとなった。

  01. You Never Tell Me Anything!
  02. Lullaby for Rabbit
  03. Reunion
  04. Sofi
  05. If I Had Known...
  06. Brazilian Sketch
  07. Pennillium
  08. Blessing the World
  09. Pandora
  10. Tiffany's Waltz
  11. Around the Corner

(ヴァーヴ/VERVE 2000年発売/POCJ-1490)
(ライナーノーツ/中川ヨウ)
★スイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】

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小曽根 真 ザ・トリオ / ノー・ストリングス・アタッチト5

NO STRINGS ATTACHED-1 『NO STRINGS ATTACHED』(以下『ノー・ストリングス・アタッチト』)は,文句なしに楽しめる!

 『ノー・ストリングス・アタッチト』は,小曽根真ファンにも,ジャズ・ピアノ・ファンにも,心置きなくお勧めできる“ごきげん”名盤である。
 『ノー・ストリングス・アタッチト』は,小曽根真“らしさ”が良い意味で消え「ザ・トリオ」“らしさ”が表出してきている。
 そう。「ザ・トリオ」結成4作目の『ノー・ストリングス・アタッチト』で,ついに“理想のトリオ”が完成の域に到達した。

NO STRINGS ATTACHED-2 ベース北川潔にも“やり遂げた”感があったのだろう。『ノー・ストリングス・アタッチト』を置き土産に,自身の活動に専念することとなる。

  01. Come Fly With Three
  02. Oriental Rag
  03. Agua de la Musica
  04. La Muerte del Angel
  05. Michel
  06. In The Wee Hours
  07. Kingdom of the Drum
  08. December Dream
  09. Why Not?
  10. Sincerity
  11. No Strings Attached

(ヴァーヴ/VERVE 1999年発売/POCJ-1450)
(ライナーノーツ/悠雅彦)

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小曽根 真 / スターライト5

STARLIGHT-1 『STARLIGHT』(以下『スターライト』)で聴こえる小曽根真デビッド・ベノアフィリップ・セス
 “王道のスムーズ・ジャズ”にメロメロのトロトロである。

 『スターライト』を聴くまでは小曽根真ジャズ・ピアニストと捉えていたが,小曽根真の溢れ出る才能は作編曲に顕著である。

 『スターライト』は“王道のスムーズ・ジャズ”なのに,永遠の名曲揃い。小曽根真シンセMALTAアルト・サックスが絡み合う至福のひと時。
 もうフュージョンしている小曽根真に出会えないのかと思うと残念でならない。小曽根真よ,フュージョンしたっていいじゃないか!

STARLIGHT-2 『スターライト』に『ブレイクアウト』から『フォーリング・イン・ラヴ,アゲイン』の流れは無理だよなぁ。

  01. STARLIGHT
  02. RIVERSIDE EXPRESSWAY
  03. NIGHT SPARK
  04. O3
  05. I LOVE TO BE FACE TO FACE
  06. SKY
  07. SPRING STREAM
  08. CHEGA DE SAUDADE
  09. MOONSTONE
  10. TENDERLY

(ビクター/JVC 1990年発売/VICJ-9)

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