アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

CD批評:チャーリー・パーカー

チャーリー・チャン / ジャズ・アット・マッセイ・ホール4

JAZZ AT MASSEY HALL, VOL.1-1 ビ・バップを創造し,牽引し,発展させてきた5人のビッグ・ネームが一堂に会したベリー・ベリー・スペシャル・ライブ盤が『JAZZ AT MASSEY HALL,VOL.1』(以下『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』)。

 その「栄光の5人」とは,トランペットディジー・ガレスピーピアノバド・パウエルベースチャールス・ミンガスドラムマックス・ローチアルト・サックスチャーリー・チャン
 えっ? チャーリー・チャン?のクレジットを2度見しましたか?

 そう。チャーリー・チャンとはチャーリー・パーカーのことである。この当時も?借金まみれの?チャーリー・パーカーは借金取りから印税が持って行かれないように偽名の別口座持ちで参戦したのだとか? 『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』のジャケット写真もアルト奏者1人だけが顔面カットされていますし…。
 偽名の真相はよく知りませんが『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』のアルト・サックスを聴けば,チャーリー・チャンチャーリー・パーカー本人であることは管理人が保証します。この音は紛れもないパーカー・フレーズで相違ありません。

 余談ですが,この音から演奏者を当てるという手法はピアノバド・パウエルには当てはまりません。こちらも事の真相はよく知りませんが,この夜のバド・パウエルは酒に酔っていたらしいのです。酒をひっかけてステージに上がることはバド・パウエルにとって特段珍しいことではないのでしょうが,う〜む。この日のバド・パウエルは明らかに不調。
 『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』で偽名を使っているのはチャーリー・パーカーではなくバド・パウエルではありませんか?

 余談の余談なのですが,こんな超ヘビー級の5人が集結したコンサートだというのに,客席はガ〜ラガラだったらしいのです。なぜなら同じ夜にボクシング・ヘビー級のタイトル・マッチが開かれたらしいのです。正真正銘のヘビー級にジャズ界の重鎮たちが5人がかりで完敗したというわけです。

 さらに余談の余談の余談なのですが,チャーリー・パーカーはこの日手ぶらで会場入りし,借り物の白いプラスチック製のアルト・サックスを吹いたとの逸話まであるのです。

JAZZ AT MASSEY HALL, VOL.1-2 う〜む。眉唾ものだ。事実『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』は,曲の頭が少し切れている。「栄光の5人」と呼ばれてはいても一人一人の力量は確実にピークを過ぎた凡庸さを感じ取ってしまう。

 そう。『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』は,聴いていて気になるところばかりな「迷盤」なのだが,ビ・バップには『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』のような「破天荒なアウトロー」スタイルが断然似合うから受け入れちゃう!

  01. PERDIDO
  02. SALT PEANUTS
  03. ALL THE THINGS YOU ARE/52ND STREET
     THEME

  04. WEE (ALLEN'S ALLEY)
  05. HOT HOUSE
  06. A NIGHT IN TUNISIA

(デビュー/DEBUT 1953年発売/VICJ-23062)
(ライナーノーツ/油井正一)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)

チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム / CHI CHI (ALTERNATE TAKE2)4

 『NOW’S THE TIME』の9曲目は【CHI CHI(ALTERNATE TAKE)】(以下【チ・チ(別テイク2)】)。


 【チ・チ(別テイク2)】は【チ・チ】と【チ・チ(別テイク)】での失敗箇所の録り直し。しかしこれが返り討ちにあおうとは…。

 テーマ部,9秒で早速ミスしたチャーリー・パーカーはすでにヤケクソだったのか? バードアドリブは【チ・チ】の3テイク中,最も劣る。しかし「もう録り直しはごめんだとばかりに」中盤からの演奏は3テイク中,最も光っている。

 チャーリー・パーカーの超絶な演奏に付き合わされた幸運なサイドメンの演奏も完璧である。
 やっぱりチャーリー・パーカーは“ビ・バップの父=【チ・チ】”である!

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
AL HAIG : Piano
PERCY HEATH : Bass
MAX ROACH : Drums

チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム / CHI CHI (ALTERNATE TAKE)4

 『NOW’S THE TIME』の8曲目は【CHI CHI(ALTERNATE TAKE)】(以下【チ・チ(別テイク)】)。


 【チ・チ(別テイク)】は【チ・チ】での失敗箇所の録り直し。しかしこれが返り討ちにあおうとは…。

 テーマの提示に続く,チャーリー・パーカーアドリブが実に素晴らしい! 事前に書き記されたかのような見事な構成のアルトソロが美しい。美しいと来ればアルトサックスの音色である。声が通る=抜けの良いアルトサックスである。

 その後【チ・チ】とは順番を変わっているが,アル・ヘイグピアノマックス・ローチドラムパーシー・ヒースベースと,全員のソロ回しまでは完璧だった。
 …が,エンディングのラストもラスト,2分37秒で微妙にチャーリー・パーカーアルトが上ずった瞬間「はい,録り直し〜」。

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
AL HAIG : Piano
PERCY HEATH : Bass
MAX ROACH : Drums

チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム / CHI CHI4

 『NOW’S THE TIME』の7曲目は【CHI CHI】(以下【チ・チ】)。


 【チ・チ】は,チャーリー・パーカーマックス・ローチの家の食卓の上で即興で書いたトラックである。この“端正な”ブルースを聴く限り,瞬間芸としてのアドリブも,きっちりとした作曲も両方いける,チャーリー・パーカーの“天才ぶり”に改めて舌を巻く。

 演奏も全く持って素晴らしい。テーマの提示に続いて,チャーリー・パーカーアルトサックスマックス・ローチドラムアル・ヘイグピアノパーシー・ヒースベースと,全員のソロ回しまでは完璧だった。
 …が,エンディングのラストもラスト,2分55秒で微妙にチャーリー・パーカーアルトが上ずった瞬間,別テイク地獄への道が開かれた。

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
AL HAIG : Piano
PERCY HEATH : Bass
MAX ROACH : Drums

チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム / COSMIC RAYS (ALTERNATE TAKE)4

 『NOW’S THE TIME』の6曲目は【COSMIC RAYS(ALTERNATE TAKE)】(以下【コズミック・レイズ(別テイク)】)。


 【コズミック・レイズ(別テイク)】も,本テイクとはガラリと雰囲気が変わっている。2度と同じ演奏はしない,チャーリー・パーカーゆえ,当然と言えば当然ではあるのだが…。

 さて,その第一原因は,チャーリー・パーカーの“弾き語り”にある。この趣きはまるでアメリカの伝統=カントリー&フォーク・シンガーである。
 勿論,必殺のパーカー・フレーズは度ジャズでありビ・バップである。しかしこの“ゆったり4ビート”にジャズらしさは感じない。パーカー・ショック発生までには油が(ビールが?)足りないようだ。

 例えば,1分17秒でのチャーリー・パーカーアドリブ終わりの覇気のなさ! 珍しく一瞬迷いがよぎったのだろうか? パーカーの体調の悪さが如実に記録されている。

 この“のほほん”パーカー節につられたのか,サイドメンのソロも凡庸でいただけない。これには第二原因としての,別テイクを重ねすぎた弊害があるのだが,それも“触媒”としてのパーカーの出来の悪さが録り直しを…。
 しかし,この没テイクの存在が,カルテット全体の演奏を左右する“天才”チャーリー・パーカーの“偉大さ”を逆に物語っている。

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
HANK JONES : Piano
TEDDY KOTICK : Bass
MAX ROACH : Drums

チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム / COSMIC RAYS4

 『NOW’S THE TIME』の5曲目は【COSMIC RAYS】(以下【コズミック・レイズ】)。


 ミディアム・ブルースの【コズミック・レイズ】は,珍しくサイドメンにスポットが当てられている。
 無論,聴き所はチャーリー・パーカーアルトソロが一番である。ジャズのルーツがブルースにあることが“良〜く分かる”アドリブ構成である。

 さて,サイドメン全員のアドリブが均等に楽しめる【コズミック・レイズ】の中にあって,管理人ならテディ・コティック
 理由は単純に,2分1秒から2分5秒までの“大音量”にある。ミキサーが故意に音量を上げたとしか思えないくらいの音圧で,ベースの重低音が迫ってくる。耳から脳に伝わるのとは別口で,女性じゃないのに“骨盤まで響き渡る”感覚が残る。

 これが真にテディ・コティックの“神技”であるとすれば,テディ・コティックの低評価は書き換えられねばならない! そう。“大御所”ハンク・ジョーンズよりも“ジャズ・ジャイアンツ”マックス・ローチよりもテディ・コティックの“大音量”が素晴らしい!
 …って,アドリブの話じゃないんかい? お後がよろしいようです。

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
HANK JONES : Piano
TEDDY KOTICK : Bass
MAX ROACH : Drums

チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム / KIM (ALTERNATE TAKE)4

 『NOW’S THE TIME』の4曲目は【KIM(ALTERNATE TAKE)】(以下【キム(別テイク)】)。


 【キム】も【キム(別テイク)】も,演奏時間はピッタリ3分1秒! 同じ演奏時間であるにもかかわらず,演奏内容は明らかに異なっている。これぞ,どんなに熱いアドリブを取ろうとも,ソロイストが“自分の時間”を意識している証拠であろう。

 チャーリー・パーカーに限らず,ハンク・ジョーンズテディ・コティックマックス・ローチの全員が,限られた制限時間内でアドリブの“起承転結”を組み立てる“バッパー”たちの才能に敬服させられてしまう。

 【キム】と【キム(別テイク)】を聴き比べてみると,テーマの扱い方が違っている。やっぱり基本「アドリブ一発!」のトラックに違いない。特に2分30秒から始まるチャーリー・パーカーアルトソロが最高である。

 ところで,タイトル=【キム】とは,チャーリー・パーカーの義理の娘の名前である。想像するに,キムちゃんとは,かなりのお転婆娘? はたまた“イケイケ”の渋谷ギャル系なのかも?
 見たことも会ったこともないのにトラックのイメージだけで語られるとは,当のキムちゃんがかわいそう? バードも,最愛の娘の名前を曲名にするのであれば,もっとキュートでラブリーなトラックにしてあげればよかったのにぃ?

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
HANK JONES : Piano
TEDDY KOTICK : Bass
MAX ROACH : Drums

チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム / KIM4

 『NOW’S THE TIME』の3曲目は【KIM】(以下【キム】)。


 【キム】は【アイ・ガット・リズム】 のコード進行に基づいて作られたそうだ。そう言われてみれば確かにそんな気がしないでもないが,言われなければ一生気付かなかった?
 そう。【キム】は,怒濤のアドリブ・ラッシュ! 正直【アイ・ガット・リズム】の名残などない,と言い切っても良い。

 チャーリー・パーカーは凄い! 最初から最後まで,ただアドリブを奏でるだけの演奏であろうが,ピアノ・トリオの演奏に合わせて自身のアドリブを組み立てている。
 例えば,マックス・ローチの躍動するドラミングの波に乗り,揺れるビートを“逆手に取ったメロディ”を被せていく! 正にカウンター・パンチにごとく効きまくる。それも「パーカー・フレーズ」でカウンターを放っている。大天才である!

 この機知に富んだアイディアを“芸術”として表現できるサックス・プレイヤーは,未だにチャーリー・パーカーだけであろう。管理人は心から“BIRD”を絶賛いたします!

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
HANK JONES : Piano
TEDDY KOTICK : Bass
MAX ROACH : Drums

チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム / LAIRD BAIRD5

 『NOW’S THE TIME』の2曲目は【LAIRD BAIRD】(以下【レアード・ベアード】)。


 【レアード・ベアード】は,韻を踏んだ曲名と同じく,韻を踏んだ演奏(語尾のキメ・フレーズの繰り返し)が素晴らしい。
 【レアード・ベアード】には“例の”高速アドリブに耳を這いつくばらせて聴かなくてもいい,和やかな雰囲気がある。おおらかで楽しい,チャーリー・パーカーの“クール”な演奏に,聴き手もリラックスさせられる。

 【レアード・ベアード】でのチャーリー・パーカーは,12小節のテーマ → 次の12小節でフェイク → 何だかうやむやなうちにアドリブ・パートに突入していくが,チャーリー・パーカーにしては珍しく,自分からは行かない。
 時折,思わず倍テンポになる瞬間もあるが,基本的に落ち着き払った,こぢんまりとまとまった印象である。

 そう。管理人は大袈裟かもしれないが,この【レアード・ベアード】を聴き込むにつれ,チャーリー・パーカーは人生の晩年の瞬間に“木鶏”の境地に達したのだと思うようになった。(“木鶏”とは,中国の故事「荘子」に収められている有名なお話です。関心のある方はご自分で調べてみてください。なるほど,ですよ)。

 自分では行かず,続く3人の短めのアドリブハンク・ジョーンズピアノ → テディ・コティックベース → マックス・ローチドラムに“鳴かせている”。平常心を身に着けた大巨人の圧倒的存在感! そう。「バード」は鳥になった後“木鶏”となった!

 読者の皆さんも,2分24秒からのラスト・テーマで「バード」=チャーリー・パーカーの“木鶏”ぶりを確認していただきたい。

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
HANK JONES : Piano
TEDDY KOTICK : Bass
MAX ROACH : Drums

チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム / THE SONG IS YOU5

 『NOW’S THE TIME』の1曲目は【THE SONG IS YOU】(以下【ザ・ソング・イズ・ユー】)。


 【ザ・ソング・イズ・ユー】は,あれよあれよという間に,人混みをかき分けて,一人遠くでニヤリと振り返る…。
 そんな?“身のこなしの軽い”チャーリー・パーカーが聴ける。俊敏な高速ドリブラー登場である。

 このスルスルと気持ちよく時間を先取りして“ノッカる様”は,チャーリー・パーカーにしか出来ない芸当! 【ザ・ソング・イズ・ユー】は歌ものゆえ,ここはサラッと吹ききっているが,微妙に外したノリがもろジャズである。

 とめどなく繰り出されるアドリブが実にナチュラル。恐らく頭で考える以前に勝手に指が動いてる。天才の証しである。
 イントロなし&アウトロなしの“ぶった切り”も,古き良き時代のビ・バップらしさを味わわせてくれる。

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
HANK JONES : Piano
TEDDY KOTICK : Bass
MAX ROACH : Drums

チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム / CONFIRMATION5

 『NOW’S THE TIME』の12曲目は【CONFIRMATION】(以下【コンファメイション】)。


 【コンファメイション】を聴き終えた後の“爽快感”が実に気持ちいい! ノリノリの“流ちょうな”アドリブは正に,チャーリー・パーカーの真骨頂&専売特許!

 さすがに現代のジャズ・ジャイアントたちの“洗練された”ジャズには“力負け”してしまうが,チャーリー・パーカーの“切れ味”は未来永劫・別格だ。
 簡単に言えば“パーカー節”なのだが“急発信&急停車”の連続で,凡人には危険キワマリナイ“命懸け”のドライブなのだが,天才は涼しい顔して,アルトサックスを意のままに操っていく。(辛い車酔いではなく)この音にいつも酔いしれてしまう。

 よく聴くと“熱演”であるはずなのに,印象としては“軽快&すがすがしさ”を感じてしまう。
 そう。キーワードは「透明感」だ! やはり,チャーリー・パーカーは“空高く舞う・BIRD”である。

 【コンファメイション】は,ノッケから最後まで一気に聴かせてくれる,チャーリー・パーカーにとっての“鼻歌”である。
 実は超絶技巧が求められる難曲なのだろうが,チャーリー・パーカーのプレイには,一生懸命さを感じない。“こんなのおちゃのこさいさい”とばかりに笑っている。楽々と歌っている。

 聴き所は180秒,つまり3分0秒の一曲丸ごとである。もう無心で“パーカー・フレーズ”に耳を這わせるしかあるまい。
 このレベルの名演になると読者の皆さんも,批評どころの“騒ぎ”ではなくなってしまうはずなのだから…。

CHARLIE PARKER : Alto Saxophone
AL HAIG : Piano
PERCY HEATH : Bass
MAX ROACH : Drums

チャーリー・パーカー / ナウズ・ザ・タイム5

NOW'S THE TIME-1 「弟子から師に入る」。このような“ことわざ”などないのだが,管理人にとってチャーリー・パーカーは「そう呼ばざるを得ない」存在である。

 渡辺貞夫を通してパーカー・フレーズに接していたので“本物のパーカー節”を初めて耳にした時,正直「なんだ,ナベサダじゃん」と思ってしまった。
 その後も大勢の“パーカー派”のアルト・サックスと接してきた。しかし人の第一印象とはそう簡単に変わらないもので“本家”チャーリー・パーカーが,それら“後発”の弟子たちとどうも“かぶって”聴こえてしまう。

 「ふ〜ん。チャーリー・パーカーか。これだけ大勢のアルト奏者に影響を与えるなんて,大したもんじゃん」。
 先のことわざシリーズで表現するならば「青は藍より出でて藍より青し」とでも思っていたのだろう。完全にチャーリー・パーカーなど過去の人,古臭いと見下していたのである。

 今,思い返すと正に“恐いもの知らず&若気の至り”でありまして…。あ〜恐ろしや。勘違いもはなはだしい。
 ここで全面的に否を認め,自分の良心の“うずき”を抑える意味でも,きっちり謝罪させて頂こうと思います。
 「全世界のチャーリー・パーカー・マニアの皆さま,ひいては全てのジャズ・ファンの皆さま“真打ち”チャーリー・パーカーを軽く見てしまいまして,誠に申し訳ございませんでした」。

 このように,世界の中心で,心の底から謝罪したくなったのは,意外や意外,超有名盤の『NOW’S THE TIME』(以下『ナウズ・ザ・タイム』)との出会いであった。

 意外や意外と述べたのは,実は“バードはサボイ。ヴァーヴは死に体”という世評を鵜呑みにしていたからだ。
 “チャーリー・パーカーはサボイとダイアル”と信じていた管理人は,今はオークションで売り払ってしまい,もう手元にないのだが『チャーリー・パーカー・オン・サボイ』のPC版(サボイの全音源をQUICKTIME化したもの)を,パソコン使用時のBGMとしていつも聴いていた。

 話は逸れるが,管理人のパソコン歴は「MS−DOS3.3」からなので,ハード・ソフト合わせると,もう二百万は優に投資している。あの時代はどんなに投資しても,現在の「ジュークボックス」機能など手に入れようがなかった。今の何とも恵まれた時代のユーザーに,あの時代のジャズ・ファンにとって唯一の選択肢であった『チャーリー・パーカー・オン・サボイ』PC版の有り難みが分かるだろうか? ブツブツ…。
  
 ダイアル盤は聴かなかったので,どちらにしても言い訳としては苦しいのだが,サボイを全曲制覇したことで,すっかりチャーリー・パーカーの“通”気取りでいたのだ。『ナウズ・ザ・タイム』が超有名盤であることは知っていながらも…。

NOW'S THE TIME-2 『ナウズ・ザ・タイム』を手にしたきっかけは,純粋な音楽への関心とは無関係である。興味は“音質”にのみあった。

 そもそもオーディオ・マニアでもある管理人が『チャーリー・パーカー・オン・サボイ』PC版を手にしたのには訳がある。それはチャーリー・パーカーCDは全てがモノラル録音だからである。ぶっちゃけ,音質にこれといった“差”などない。
 しかしどこかのジャズ雑誌に,チャーリー・パーカーの音質についての記事が有り「ヴァーヴが良い」と書かれていた。単純に,ただそれだけで“即買い”決定。どうせ買うなら有名盤ということで『ナウズ・ザ・タイム』に行き着いた。

 当然,最初は『ナウズ・ザ・タイム』の音質ばかりに注目していた。あの記事は本当だった。アルトサックスの“抜け”の良さに驚いた。それもそのはず,自宅のオーディオ・セットではなく,PCでパーカーを聴き込んでいたのだから…。

 この音の良さにつられていつしかヘヴィー・ローテーション。ついには“ミイラ取りがミイラになる”。そう。“パーカー中毒”が発症したのである。例のことわざシリーズで表現するならば「弟子は師の半芸に至らず」であった。
 チャーリー・パーカーアドリブの“大洪水”を初めて真正面から受け止めてしまった時の“衝撃”と言ったら…。
 「ショック,ショック,ショック,パーカー・ショ〜ック!」と,シブガキ隊の替え歌を1人で歌っていた記憶がある。

 やはり,どこの世界であっても,ある道を切り開き“草分け”となった人物は素晴らしい! 勿論,その道を模倣・追随し発展させた“師匠越え”の弟子たちも称賛に値するが,パイオニア,クリエーターには敵わない!
 “パーカー派”の師匠,またビ・バップの“創始者”でもあるチャーリー・パーカーが与えた影響は,アルトサックステナーサックスにとどまらず,ベースドラムにまで及んでいる。モダン・ジャズ半世紀の歴史を語る上で,絶対に避けて通れない“ジャズ・ジャイアント”なのである。

 そう。「弟子から師に入る」。きっと読者の皆さんも,それと気付くことなく“弟子を通して”チャーリー・パーカーの音楽を“聴かされている”はずなのである。

  01. THE SONG IS YOU
  02. LAIRD BAIRD
  03. KIM
  04. KIM (alternate take)
  05. COSMIC RAYS
  06. COSMIC RAYS (alternate take)
  07. CHI-CHI
  08. CHI-CHI (alternate take)
  09. CHI-CHI (alternate take)
  10. I REMEMBER YOU
  11. NOW'S THE TIME
  12. CONFIRMATION

(ヴァーヴ/VERVE 1953年発売/UCGU-7034)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(ライナーノーツ/ビル・サイモン,岡村融,オノ・セイゲン)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)
livedoor プロフィール
記事検索
Categories
Keith Jarrett Gallery

キース・ジャレット(真田馨子) おんがく日めくり(c) keiko sanada
Pat Metheny Gallery

パット・メセニー(野々口和仁)
(c) Kazuhito Nonoguchi
ジャズ・アフィリエイト
セラビー厳選CD

パリ・コンサートパリ・コンサート
キース・ジャレット

THE WAY UPTHE WAY UP
パット・メセニー・グループ

イン・ア・サイレント・ウェイイン・ア・サイレント・ウェイ
マイルス・デイビス

HEAVY WEATHERHEAVY WEATHER
ウェザー・リポート

BRAINCOOL STRUTTIN'
ソニー・クラーク

MINT JAMSMINT JAMS
カシオペア

HUMANHUMAN
T-スクェア

フル・ハウスフル・ハウス
ウェス・モンゴメリー

ザ・シーン・チェンジズザ・シーン・チェンジズ
バド・パウエル

セロニアス・モンク・トリオセロニアス・モンク・トリオ
セロニアス・モンク

枯葉枯葉
チェット・ベイカー

MOANIN'MOANIN'
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

BLOWIN' THE BLUES AWAYBLOWIN' THE BLUES AWAY
ホレス・シルヴァー

ウィントン・マルサリスの肖像ウイントン・マルサリスの肖像
ウイントン・マルサリス

メイティング・コールMATING CALL
タッド・ダメロン

Blu-spec CD ジャコ・パストリアスの肖像ジャコ・パストリアスの肖像
ジャコ・パストリアス

ザ・キング・イズ・ゴーンザ・キング・イズ・ゴーン
マーカス・ミラー

FIRST MEETINGファースト・ミーティング
テザード・ムーン

スペシャル・エディションSPECIAL EDITION
ジャック・デジョネット

ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリングYOU MUST BELIEVE IN SPRING
ビル・エヴァンス

STEP BY STEPSTEP BY STEP
ステップス

2424
DIMENSION

GANAESIAガネシア
渡辺香津美
カズミ・バンド

コンプリート・ピック・ヒッツ・ライヴPICK HITS
ジョン・スコフィールド

ニューポートの追想V.S.O.P.
ハービー・ハンコック

アス・スリーUS THREE
ホレス・パーラン

Manhattan StoryBLUE'S MOODS
ブルー・ミッチェル

AFRICAN PIANOOFF TO THE RACES
ドナルド・バード

AFRICAN PIANOAFRICAN PIANO
ダラー・ブランド

Manhattan StoryMANHATTAN STORY
アキコ・グレース

SPELLBOUNDSPELLBOUND
ジョー・サンプル

ランデヴーRENDEZ-VOUS
木住野佳子

RETURN TO FOREVERRETURN TO FOREVER
チック・コリア

BRAINBRAIN
上原ひろみ

イン・ラインIN LINE
ビル・フリゼール

ザ・サウンド・オブ・サマー・ランニングザ・サウンド・オブ・サマー・ランニング
マーク・ジョンソン

スインギン・マケドニアスインギン・マケドニア
ダスコ・ゴイコビッチ

タイム・スレッドTME THREAD
小曽根真 & ゲイリー・バートン

フルーツケーキFRUITCAKE
フルーツケーキ

THE DROPPERTHE DROPPER
メデスキ,マーチン&ウッド

Doin' SomethingDOIN' SOMETHING
ソウライヴ

SALT IISALT II
塩谷哲

Dance Your HeartDANCE YOUR HEART
Saya

地球は愛で浮かんでいる地球は愛で浮かんでいる
松永貴志
アンケートボードA

★当ブログについて望むことは?
アルバム単位で批評してほしい
同じ曲をテイク別に批評してほしい
多くのジャズメンを幅広く批評してほしい
一人のジャズメンを掘り下げて批評してほしい
超有名曲をもらさず批評してほしい
発売直後の新作を批評してほしい
初心者を意識したほんわかサイトにしてほしい
マニアを意識したニッチなサイトにしてほしい
オーディオについて批評してほしい



-Mini Vote-
アンケートボードB
How Much Is Your Blog Worth?

My blog is worth
$38,953.26

How much is your
blog worth?

最新コメント
Copyright (C) 2005-2017 アドリブログ All Rights Reserved.