CD批評:向谷 実
2008年06月05日
向谷 実 / ミノル・ランド / RECOLLECTION
『WELCOME TO THE MINORU’S LAND』の5曲目は【RECOLLECTION】(以下【リコレクション】)。
管理人にとって【リコレクション】はH2Oの【想い出がいっぱい】のようなもの。【リコレクション】を耳にすると,決まって“郷愁”の世界へと誘われる。
「古いアルバムの中に 隠れて 想い出がいっぱい 無邪気な笑顔の下の 日付けは はるかなメモリー♪」
そう。隠れていた,いや,胸の奥にしまいこんだはずの,あの甘酸っぱい想い出が“走馬燈”のごとく駆け巡る! 青春って,十代の恋って…。ああ…。
管理人にとって,想い出の“フラッシュバック”のBGMは,いつでも【リコレクション】なのである。
1分27秒からフェードインしてくるオーケストラ風のシンセ,そして“真打ち”1分50秒からの向谷実のプレイが胸を打つ! ここから先が泣き所の洪水。どんなに我慢に我慢を重ねても,3分23秒からのドラムの連打でダメ押しされてしまう。
3分51秒以降でかかるエコーの,なんときらびやかなことだろう。美しい。素敵なハッピーエンド!
【リコレクション】はキーボード・プレイヤー,向谷実の“少女マンガ”。畑違いの新人漫画家が描くロマンティックな音世界にどっぷりと浸ってみてください。読者の皆さんもきっと心打たれます。
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MINORU MUKAIYA : Keyboards, Piano
2007年06月23日
向谷 実 / ミノル・ランド / 1940
『WELCOME TO THE MINORU’S LAND』の9曲目は【1940】。
「向谷実と輝くオーケストラ」による“楽しい”ビッグ・バンドの熱演である。“ノリノリ”のピアノ・コンチェルト形式は,ピアノマン“至福の一時”であろう。ビッグ・バンドが一丸となって,ジャズ・ピアニスト=向谷実を盛り上げる!
これが向谷実の頭の中で鳴り響くビッグ・バンド・サウンド! 多種多様な楽器が次々にソロを披露する! カウント・ベイシーをイメージしたであろう「ワンノート・スタイル」で演奏される向谷実のピアノのリフが,リズム+間+コード進行の舵取り役! 「オール・アメリカン・リズム・セクション」ならぬ「オール・ムカイヤン・リズム・セクション」である。
登場する全てのソロイスト達のアドリブが素晴らしい! これはキーボード・プレイヤーだからこそできる“職人芸”である。いい仕事しているなぁ。
4分10秒からの「もう一回!」の大合唱は,生カシオペア・ライブでの録音! 管理人の声も含まれているのかなぁ。
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MINORU MUKAIYA : Keyboards, Piano

ミノル・ランド
2006年09月29日
向谷 実 / ミノル・ランド / ASIA
『WELCOME TO THE MINORU’S LAND』の2曲目は【ASIA】(以下【アジア】)。
キレの良いリズムとメロディアスなテーマが印象的な【アジア】は,たとえ西洋楽器のオンパレードであろうとも,もろ“アジア”っぽい。アジアの多様性と,世界でここだけにしか存在しない独自の空気感が,見事に音楽の中で混在している。
その特徴を醸し出すのが,全編を流れる高速鍵盤バッキング+ベース・ラインによるリズム感。【アジア】における打ち込みドラムは単なる“アクセント”である。
イントロの15秒間を聴くだけで,この管理人の主張は伝わると思う。高速な鍵盤の海をリズミカルなベースが駆け抜け,そこへビシバシとドラムが入ってくる。そして軽快で優雅なキーボードの主旋律が鳴り響く。ん〜気持ちいい。
こんな“一人時間差”のコンビネーションは,カシオペアでもなかなかお耳にかかることは少ない。名トラックであろう。
1分36秒から2分5秒までを“コマ切れ”に調理した2分58秒からの展開は,アジアの様々な場所を高速移動した感じがよく出ている。ただし“祭囃子”は“いかにもなやりすぎ”なのでは?
“祭囃子”なしでも十分「エキゾチック・ジャパン」はヒロミ郷。
いやいや『ASIAN DREAMER』は,新メンバーによる“焼き直し”ベスト盤!
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MINORU MUKAIYA : Keyboards, Piano

ミノル・ランド
2006年08月04日
向谷 実 / ミノル・ランド / PRELUDE
『WELCOME TO THE MINORU’S LAND』の1曲目は【PRELUDE】(以下【2つのピアノのためのプレリュード】)。
【2つのピアノのためのプレリュード】は,まだ幼き日の“向谷少年”の姿!
最初はピアノ教室に“いやいや”通いつつも,発表会で“エンターテイナー”の味を占め,以後“鼻高々”のピアノマン!
そう。ソロCDの幕開けは,向谷実の自分史&懐古趣味からスタートしている?
わずか56秒の“オードブル”として,自分の過去をさらけ出すとは,さすがは“本性丸出し”のソロCD。( ← 別に向谷さんの自分史は,何かを隠さなければならない程,汚点の多い人生,恥ずかしい人生ではありません。くれぐれも誤解なさらずに…。全ては管理人の妄想90%です。ダーク・タッチの紹介となってしまい,向谷さん,ゴメンナサイ )
【2つのピアノのためのプレリュード】は,上記コメントを連想させる“クラシック・タッチのキーボード”が聴き所。
弦楽器のように奏でられる,19秒から52秒までの連打は,まるで“琴”のような“和”の響きで満ちている。
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
MINORU MUKAIYA : Keyboards, Piano

ミノル・ランド
2006年08月03日
向谷 実 / ミノル・ランド
「トレイン・シュミレーター」による,ソロCD発売ラッシュ中の向谷実であるが,彼のソロCDは『WELCOME TO THE MINORU’S LAND』(以下『ミノル・ランド』)から始まった!すでに現在の向谷実を予感させるトラックもあって,大変興味深いのではあるが,一人多重録音による徹底した音楽へのこだわりは“鉄道おたく”を越えた“音楽おたく”そのものである。
CD全編・一貫して,これぞ向谷実! 個人的趣味丸出し,素・本性・地の丸出し,完全に自己満足の世界ではあるが,本来ソロCDなのだから誰にも遠慮はいらないはず。そう。ここまで“やり切る”のが至極当然。ゆえに出来には文句なし!
この“潔さ”そして“ハート・ウォーミング+陽気な音”が,カシオペア・ファンとしてはたまらなくうれしかった。
最近の向谷実の“突出ぶり”ははなはだしい。以前から音楽活動以外でも,例えばFM東京『ビート・カフェ』でDJやったり,NHKへの出演も多かったりと“正統派の話し手=司会屋実”としても活躍していたのだが,近年の向谷実のファン層が“キーボードおたく&MCおたく”以上に“鉄道おたく”で埋め尽くされてきたから,もう大変。今では旧友のよしみか『タモリ倶楽部』への出演も果たし,もはや向谷実を“カシオペアのキーボード・プレイヤー”と紹介する人の方が少なくなってしまったのでは?
そこで『ミノル・ランド』! このCDは,カシオペアの絶頂期にリリースされたこともあり,純粋に向谷実の“フュージョン愛”が感じられる。やはり彼の原点は“カシオペアのキーボード・プレイヤー”に違いない。
さて『ミノル・ランド』発売時のカシオペアは,しばらくバンド活動を休止して,各自のソロ活動真っ盛り! メンバー4人全員がソロCDを同時期に制作していた。管理人はメンバー全員のソロCDを購入し聴き比べてみたが,この『ミノル・ランド』が一番フュージョンからは遠いのだが,一番カシオペアの音に近かった。
それは向谷実のキーボードの“響き”が,カシオペア・サウンドの特徴となっていたのであろう。普段はギターかベースを耳で追っているつもりだったので,こんな感想を持つなんて,正直自分でも驚いてしまった。潜在意識の中では「カシオペア=向谷実」がインプットされていたのかもしれない。
この“意外な新発見”に気付いてからは,カシオペアの聴き方が変わったものである。向谷実はカシオペアの“司会担当”などではなく“彩り担当”だったのだ。
尤も,一人多重録音は音質的にはNGだ。管理人は後年,高音質なゴールドCDで『ミノル・ランド』を買い直してみたのだが,どうも“薄っぺらい”機械的な音が嫌いで,未だ真剣に聴き込む気にはならない。読者の皆さんにも“カシオペア流の響き”が勝負のゼネラル・オーディオ向きと割り切って聴いてもらいたい。
ところで,8/1,ついにカシオペアの29年に渡る活動に終止符が打たれた! “青春の1ページ”が終わった寂しさで一晩中涙に明け暮れてしまったのだが,近年の“スカスカ状態”を知る者としては,やがて来るこの日の覚悟はできていたのだろう。一晩泣き明かして迎えた“朝焼け”時には「やっぱりなぁ」と言う感想しか持ち合わせていなかった。
こうなったらこうなったで“災い転じて福となす”だ。野呂も向谷もガンガン,ソロCDでも作っておくれ!
(1985年録音/228E6015)


























