アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

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CD批評:レッド・ガーランド

レッド・ガーランド / グルーヴィー / HEY NOW5


 『GROOVY』の6曲目は【HEY NOW】(以下【ヘイ・ナウ】)。


 【ヘイ・ナウ】での,レッド・ガーランドピアノは最高に輝いている! このトラックにはホーン奏者は不要である。ただただ,レッド・ガーランドピアノに酔いしれるのみ。ガーランド一世一代の大名演である。

 イントロから繰り出されるピアノのアタック! ピアノが打楽器で良かった,と心から思う。
 ビブラフォンではなく(子供が叩く)木琴のような独特のタッチ。音が粒立ち飛び跳ねている。いや〜,超ご機嫌なブルースである。レッド・ガーランドが乗りに乗っている!

 やっぱりレッド・ガーランドは「パウエル派」であった。3分21秒での“にごり音”を聴き取ってほしい。ここに“隠し切れない”レッド・ガーランドの地が記録されている。
 「もう指が回りすぎて止まんねぇ」の「べらんめぇ調」のピアノ・タッチは“あの時代の”バド・パウエルと瓜二つ。パウエル降臨時のレッド・ガーランドは,もう手がつけられない。
 【ヘイ・ナウ】に充満している,ブルースブルースによる地獄の千本ノックをご堪能アレ!

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THE RED GARLAND TRIO
RED GARLAND : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
ARTHUR TAYLOR : Drums

レッド・ガーランド / グルーヴィー / WHAT CAN I SAY, DEAR4

アナログレコード

 『GROOVY』の5曲目は【WHAT CAN I SAY, DEAR】(以下【ホワット・キャン・アイ・セイ・ディア】)。


 【ホワット・キャン・アイ・セイ・ディア】での,小気味良さとスイング感が“ご機嫌”である。ついつい“指を鳴らして”リズム&カウントをとってしまう。

 軽いタッチのレッド・ガーランドピアノが実に心地良い。結構ガンガン弾いている。5分48秒から54秒までの両手での連打もある。盛り上がる。
 でも不思議と繰り返し聴いても全く疲れない。それどころか俄然元気が出てくる! 内面の疲れを吹き飛ばしてくれる!
 そう。【ホワット・キャン・アイ・セイ・ディア】は,レッド・ガーランドのエクササイズ! 疲れの溜まった休日は,部屋で静かに“癒し系”ジャズフュージョンに浸ってはいけない。疲れは身体を動かしながらとるものだ。爽やかに汗を流してこそ“リフレッシュ”なのである。

 …と,部屋でカウチポテトな管理人。【ホワット・キャン・アイ・セイ・ディア】で,指を鳴らし,首を振り,全身を揺らしながらプチ・ダイエットに励んでおります。はい。

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THE RED GARLAND TRIO
RED GARLAND : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
ARTHUR TAYLOR : Drums


グルーヴィー
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レッド・ガーランド / グルーヴィー / WILLOW WEEP FOR ME4

アナログレコード

 『GROOVY』の4曲目は【WILLOW WEEP FOR ME】(以下【柳よ泣いておくれ】)。


 【柳よ泣いておくれ】の判断が難しい。このトラックの“裏”題名は【柳よ】ではなく【ジャズ批評家よ泣いておくれ】である。

 【柳よ泣いておくれ】は“ブルース・フィーリング”溢れる正真正銘の名演である。有名スタンダード・ナンバーでもある。ましてや『GROOVY』は超名盤! 多くのジャズ・ファンが愛聴しているはずである。
 このように,真っ先に票が伸びる条件が整っているはずなのに【柳よ泣いておくれ】の名演として,レッド・ガーランドの『GROOVY』を挙げるジャズ批評家は皆無である。かく言う管理人もその中の一人。

 なぜか? ここが【ジャズ批評家よ泣いておくれ】の肝である。ズバリ,3でも5でもなく,オール4の演奏なのである。
 重さも軽さも,明るさも暗さも,激しさも優しさも…。そう。全てがあると言えばあるのだが,総じて印象が薄い。バランスが整いすぎている。しっかり聴き込めば味があるのだが,そこまで聴き込もうとも思わせない。「三日で飽きる美人顔」であろう。

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RED GARLAND : Piano
PAUL CHAMBERS : Bass
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レッド・ガーランド / グルーヴィー / WILL YOU STILL BE MINE?4

アナログレコード

 『GROOVY』の3曲目は【WILL YOU STILL BE MINE?】(以下【ウィル・ユー・スティル・ビー・マイン?】)。


 【ウィル・ユー・スティル・ビー・マイン?】における,レッド・ガーランド名演には舌を巻く。これぞ“パウエル派”を完全に消化しきった「ザ・レッド・ガーランド」のオリジナリティ!

 例の“連続コロコロ”が“パウエルばり”の超高速で炸裂する! 一人で表と裏メロの二役をこなし,なおかつスイングしている。
 それなのに不思議とハード・バップ特有の重苦しさは感じられないのである。これこそレッド・ガーランドの“巧みの業”!

 51秒からの前半のピアノ・ソロがレインボー! 3分2秒からの後半のピアノ・ソロがスコール!( ← 意味不明でしょうが,こう表現するのが最適でしょう。自信あります。)

 ハード・バップ好きには,スゴ技を“サラリ”と聴かせてしまうところが,逆に物足りなく感じるのかもしれないが,管理人にはこの程度の“重さ”が丁度良い。
 これ以上バド・パウエルに“肉薄”してしまうと,おいそれとガーランドに手出しできなくなってしまう。
 そう。レッド・ガーランドには悪いが,いつまでも横綱=バド・パウエルの“露払い”でいてほしいと思っている。

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RED GARLAND : Piano
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レッド・ガーランド / グルーヴィー / GONE AGAIN5

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 『GROOVY』の2曲目は【GONE AGAIN】(以下【ゴーン・アゲイン】)。


 【ゴーン・アゲイン】は,お涙頂戴の一歩手前=しっとり系のバラード。この雰囲気がハマル。何より3人の“歌心溢れる”アドリブが素晴らしい。

 レッド・ガーランドアドリブは,聴衆抜きに“自分の郷愁の世界”に一人没頭している感がある。
 このテーマの微妙な変化に気付いてほしい。イントロから始まる,いわゆる“崩しのない”前半の特徴が“無情”だとすれば,後半のそれはいかにも“情緒不安定”。曲の美しさに“クラクラ&フラフラ”。もう惚れてしまっている。
 演奏が進むにつれ“高揚感タップリ”で,ジャズらしくなる。4分10秒以降のピアノには“揺らぎ”があるし,4分43秒以降のフレーズには,ジョン・ルイスが入っている。5分44秒からは,バド・パウエルさえ入っている。感極まっている!

 2分1秒からのポール・チェンバースベース・ソロは,地を這うように重く,力強いのであるが,2分32秒からのフレーズは完全な“むせび泣き”である。そう。ポール・チェンバースも完全に一人“悦に入っている”。

 どうやら【ゴーン・アゲイン】の成功は,まとめ役に回った,アート・テイラーの“手腕”が大きいと言えよう。やはりソロイストには「叩きすぎない」ドラマーがピッタリである。

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レッド・ガーランド / グルーヴィー / C JAM BLUES5

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 『GROOVY』の1曲目は【C JAM BLUES】(以下【C ジャム・ブルース】)。


 イエーイ,イッツ,グルーヴィー! 【C ジャム・ブルース】が流れ出すと,思わずそう叫びたくなる。必死で叫ぶのを我慢しようとも,勝手に身体が反応してしまう。この強烈なノリは最高のスイング! ジャズはこれだからやめられない。

 【C ジャム・ブルース】の中に“ピアニストレッド・ガーランドの魅力全てが垣間見えている。
 “コロコロ”と流れる右手のアドリブ。軽やかにキメまくる必殺のフレーズがメチャ気持ちいい。4−2の裏を刻みまくる左手のバッキングは,ベースドラムと見事に絡みつき,トリオでの演奏とは思えない,大迫力のビートを生み出している。
 ドラムレッド・ガーランドの“狙い通り”フィリー・ジョーではなくアート・テイラーで大正解だろう。

 イントロから続くCの12小節を小気味よいテンポで料理していく! プロのジャズメンであれば,こんなのお茶の子さいさい,なのだろうが,ここはもう“ガーランドの世界”。ため息ものである。

 テーマ終わりから“怒濤のアドリブ・ラッシュ”が続くが,これが心地よくて何度繰り返し聴いても疲れない。個人的には1分29秒から2分48秒までの“連続コロコロ”をこよなく愛する。
 5分10秒,16秒,22秒,28秒のバッキングがカッコイイ。このパートだけなら管理人でも(勿論誰でも)出来そうなので,代わりに弾かせてもらいたかったなぁ。 ← おっと,こんなこと書いてるから“トウシロウ”に軽く見られてしまうんですかね?

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レッド・ガーランド / グルーヴィー5

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 “ジャズ通”もマニアの域に差し掛かると,気分はすっかり“ジャズ批評家”! いっぱしにダメ出しなんぞしたくなる。
 しかし不用意なダメ出しにはご注意を! 特に初心者にありがちなのが,ジャズ雑誌の“丸かじり”! 一瞬で,ジャズをなんにも分かっていない“トウシロウ”として見下されてしまいます。
 そう。別にジャズ批評に正解も不正解もないのだから,どうせ批評するのなら(これが一番難しいのであるが)その人自身が感じた“オリジナルの言葉”で正々堂々と批評すればいい,と思っている。たとえそれが管理人とは正反対の意見であろうと一向に構わない。本音トークである限り,ジャズへの見識を深める貴重な機会だと考えるからだ。
 管理人も好・不評に係わらず“自分の言葉で語る”ことだけを肝に銘じ,早25年。ハッピー・ジャズ批評・ライフである。

 さて,そんな“他人の意見丸飲み”なダメ出しも,批評した当人がマニアから“侮られる”だけなら,かわいいもの。“身から出たサビ”で落ち着きもするが,みんながみんなジャズ・ジャーナリズムに乗せられて,ダメ出しを連呼するとなると…。おおこわ。“嘘から出たまこと”になってしまう。名盤が駄盤にさえなってしまう。
 そんなジャズメンの実例がある。“ピンボケ・トウシロウ”たちから,謂われのないダメ出しを喰らい続けて,いつのまにか世間の評価を落としてしまったのが,ピアノの“重鎮”レッド・ガーランドではなかろうか?

 レッド・ガーランドの経歴は真にまばゆい。なんと言っても,あのマイルス・バンド出身のピアニストなのである。にもかかわらず,なぜこんなにもレッド・ガーランドへの評価が低いのだろう? 
 それはレッド・ガーランドの持つ“分かりやすさ”にあるのかもしれない。“難解なものを評価し分かりやすいものは貶める”とする,日本人にありがちな世評である。
 もちろんマニアでないと楽しめないジャズも存在する。しかしそれとこれとは話は別。ジャズメンの評価とは切り離して考えるべきであろう。あくまでもそっちがそうくるのなら,こちらにも考えがある。( ← おいおい勝手に対決かよ )

 真に実力のある人の話って,分かりやすいものですよね? 専門用語の羅列なしでも一発で理解できちゃうような…。単純に「分かりやすい=子供向け=レベルの低さ」と履き違えられては困ります。
 それでもご理解頂けぬ読者には『GROOVY』(以下『グルーヴィー』)を一枚! 『グルーヴィー』は,そんなジャズの“分かりやすい解説書”である。やはり世間では“佳作”扱いのことが多いのですが…。

 『グルーヴィー』は確かに初心者にも分かりやすい。“パウエル派”と呼ばれているにもかかわらず,レッド・ガーランドの演奏には,派手さはないし,今となってはオーソドックスな演奏だ。これには「シングルトーン+ブロックコード」と言う,レッド・ガーランド独特の演奏手法が影響している。
 加えて,レッド・ガーランドジャズを“噛み砕いて”語ってくれる。つまり十分に“要約”された“手数の少ない”アドリブなので,耳慣れない初心者でも“楽に”アドリブを追いかけることが出来る。この明快でシンプルなフレーズの連発も“ピンボケ・トウシロウ”増大の一因なのであろう。

 しかしこの絶妙のノリ,スイング感,グルーヴ感はどうだ! ピアノ・トリオでこんなにJAZZYなCDって,実はそんなにお目にかかることなどできやしないのに…。
 全て承知でやっぱりダメ出しするのなら,それはそれで結構。結果,ジャズ雑誌と“純粋に”同じ感想を持つ場合も多いことだろうし…。そう。ジャズ批評に正解も不正解もないのだから…。

 『グルーヴィー』は誰が聴いても,どこからどう聴いても100%ジャズ! 大勢のジャズ・ファンへ門戸を開いた超名盤! 世評の低さは気にとめず,ジャケットでの宣言通り“GO RED GO”である!
 管理人はあくまでも,ピアノの“重鎮”レッド・ガーランドを“一流ジャズメン”として支持してまいります。マニアな読者には分かって頂けるものと信じながら…。

(1956,1957年録音/VICJ-5072)

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