アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

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CD批評:セロニアス・モンク

セロニアス・モンク / ソロ・モンク / INTROSPECTION5

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 『SOLO MONK』の13曲目は【INTROSPECTION】(以下【イントロスペクション】)。


 【イントロスペクション】は“伸るか反るか”の大勝負である。当然,モンクは伸っている! いや,反っている? これは「ドリフのズッコケ」であろう。

 【イントロスペクション】のメロディ・ラインに,メジャーとマイナーの波が交互に押し寄せ,最後はメジャーが勝つ! そう。決定的に明るいのだが内省的なモンクの暗さが,いい感じのアクセント。
 今にも演奏をやめて“小躍り”を始めるセロニアス・モンクの映像が脳裏をかすめる。そのモンクがズッコケた! 爆笑映像に続いて映し出される聴衆全員の満面の笑顔!
 そう。悲しくとも,本当は泣き叫びたくとも,人生なんて【イントロスペクション】! “伸るか反るか”の大勝負!
 「一日一歩 三日で三歩 三歩歩いて二歩下がる♪ 人生はワンツーパンチ あなたがつけた足跡にゃ 綺麗な花が咲くでしょう♪」

 さぁ,読者の皆さんもセロニアス・モンクと一緒に「阿波踊り」しましょ? セロニアス・モンクと一緒に「ヒゲダンス」OR「のりピー音頭」を踊りましょ? セロニアス・モンクと一緒に「マハラジャ&ジュリアナ」へ行きましょうよっ?

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / THESE FOOLISH THINGS(REMIND ME OF YOU)4

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 『SOLO MONK』の12曲目は【THESE FOOLISH THINGS(REMIND ME OF YOU)】(以下【ジーズ・フーリッシュ・シングス(リマインド・ミー・オブ・ユー)】)。


 【ジーズ・フーリッシュ・シングス(リマインド・ミー・オブ・ユー)】は,過去の栄光を思い出の品々に重ね合わせる「愚か者」を歌ったスタンダードであるが,この名曲をセロニアス・モンクピアノで“高らかに笑い飛ばす”!
 セロニアス・モンクの手にかかれば,ピアノが1台あれば十分。歌詞など必要ない。いや,歌詞以上に雄弁に語り尽くしている。

 ダイナミックなピアノ・フォルテが説得力を増し加える。時折混じる流ちょうな連打が“馬鹿馬鹿しさ”を表現する。切なさなど微塵も感じさせない“空元気の明るさ”が逆説的に深い悲しみを表現している。悲しみが後から後から襲ってくる。

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / ASK ME NOW5

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 『SOLO MONK』の11曲目は【ASK ME NOW】(以下【アスク・ミー・ナウ】)。


 【アスク・ミー・ナウ】こそ,セロニアス・モンクの目指す「ソロ・ピアノの完成形」ではなかろうか? 最近特にその思いが強くなってきた。
 今にも大合唱が聞こえてきそうなメロディ&スイング! 徐々にオクターブが上がってくる感じが実にHOT! よくぞ一人でここまで表現できた!
 そう。【アスク・ミー・ナウ】こそ,ジャズの魅力が完璧に網羅された,セロニアス・モンクの決定的名演なのである。

 【アスク・ミー・ナウ】は,理屈抜きに身体で感じるべきジャズだと思う。ゆえに何分何秒批評など無意味であろう。
 【アスク・ミー・ナウ】に関しては,ヘッドホンで聴くのをやめた。理由は簡単。【アスク・ミー・ナウ】は,聴き込むトラックではなく,歌って楽しむトラックなのだから…。
 その日の気分によって変化する「タモリのハナモゲラ風鼻歌」で歌ってしまう。いや,正確には思わず声が出てしまうのだ。これが実に楽しい。

 誰が言ったか「ジャズ好きの終着駅はセロニアス・モンク」であるらしい。最近そう思うようになってきた。

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / I SHOULD CARE4

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 『SOLO MONK』の10曲目は【I SHOULD CARE】(以下【アイ・シュッド・ケア】)。


 【アイ・シュッド・ケア】には,ジャズ“ソロ”ピアニストセロニアス・モンクが詰まっている! キーワードは“響き”である。

 遅咲きのジャズ・ジャイアント=セロニアス・モンクが,売れないピアニスト時代,一日中一人自宅でピアノの“響き”を研究していたエピソードは余りにも有名であるが,ブレイク後も空き時間にはピアノの練習に明け暮れていたことは,余り語られていないように思う。
 【アイ・シュッド・ケア】は,そんなブレイク後も“響き”の研究者たらんとしたセロニアス・モンクの研究成果が披露されている。

 例えば,51秒からの1分4秒までのメリハリある展開を聴いてみてほしい。「スローなタッチと激しいタッチ」! 一音弾くにも何百通りのアプローチを試みたに違いない。超有名スタンダードを一人噛みしめるように弾いている。しかし次の瞬間,鍵盤を強烈に叩きつけている。やっぱり“響き”である。

 【アイ・シュッド・ケア】の名演で明らかなように,ジャズ“ソロ”ピアニストセロニアス・モンクピアノの音は,独自の理論と練習によって,西洋音楽では絶対に越えられない「ベルリンの壁」を越えている。「ブレイクスルー」の瞬間である。

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / MONK'S POINT4

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 『SOLO MONK』の9曲目は【MONK’S POINT】(以下【モンクス・ポイント】)。


 【モンクス・ポイント】は,演奏中のセロニアス・モンクの“絵”が浮かんできそうなトラック。独特のメロディを“唸り声付で”力強いピアノのタッチで時間差攻撃! 典型的な「モンクス・ミュージック」全開である。

 テーマ部は有名だし,所謂,解説不要の“王道”なので,分かる人なら聴かなくても分かるはず…。
 そこで今回は恥を忍んで?「聴かなくても分かった」マニアックな読者の皆さんへのお願いです。管理人の長年の疑問に答えてくださる方はいませんか?

 ◎問題です。56秒,1分12秒で,かすかに聴こえるバックの音は何? いつも誰かがドアをノックしたのかと間違えてしまう程の,クリアーなノック音! セロニアス・モンク批評の本筋から,はるか3000万光年もかけ離れた,この疑問を解決するためだけに何度聴き返したことか?
 おかげ様で,ピアノに打楽器的要素を背負い込ませた偉人=セロニアス・モンクの“真髄”を体感できた。そう。不協和音と打楽器的タッチ! 【モンクス・ポイント】は,典型的な「モンクス・ミュージック」である。管理人は“強く”そう思う。

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / EVERYTHING HAPPEN TO ME3

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 『SOLO MONK』の8曲目は【EVERYTHING HAPPENS TO ME】(以下【エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー】)。


 【エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー】は『SOLO MONK』の売りである,明るさが“仇”と出た,唯一の例外。ここはセロニアス・モンクお得意の,内省的な“暗さ”が欲しかった。悔やまれる。

 2分36秒の前と後でのオクターブの相違! 管理人は勿論,後半の“深く沈み込んだ”トーンが好みである。
 なんだか前半は“声変わり前”の少年の悲しみであって,キンキンした感じが残っているが,後半の悲しみには“変声期後”の大人の男が,口では黙し“心で泣き叫ぶ”情感がこもっている。

 と,述べてはみたが,セロニアス・モンクにしては,珍しく振幅の少ない“淡々と”メロディーを紡ぎ出したかのような肌触りである。
 大甘バラードの【エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー】も,冷徹な“プロの目”で見つめたら,結果こうなるのかもしれないが…。理解に苦しみ,やはり悔やまれる。

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / I HADN'T ANYONE TILL YOU4

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 『SOLO MONK』の7曲目は【I HADN’T ANYONE TILL YOU】(以下【アイ・ハドント・エニワン・ティル・ユー】)。


 初めて【アイ・ハドント・エニワン・ティル・ユー】を聴いた時の印象は「保育園の先生が伴奏するピアノ」。セロニアス・モンク先生が「せーの」と掛け声をかけて,園児にピアノと一緒に歌うようにと促してくれる。大変リズミカルな“伴奏”である。
 イントロの5秒間のフレーズが決定的であるのだが,その後もビュンビュン,ピアノが飛び跳ねていく! 園児たちの楽しい大合唱が聴こえてきそう?

 ただし繰り返し聴き込んでいくと,伴奏は伴奏でもこれは「ただの伴奏ではない」ことに気付かされる。セロニアス・モンクにしては珍しく“大熱演”なのである。
 園児に,自由に,好きなように歌わせておきながらも,確実にジャズピアノが大合唱をリードし,コントロールしている。こんな【アイ・ハドント・エニワン・ティル・ユー】は,聴いたことがない。
 ふと,モンクス・ミュージックこそ世界一,と思わせてくれる“隠れ”名演である。

 あっ,こんな批評になったのは,セロニアス・モンク自身の歌声が録音されているからでしょうね。早くも1分13秒過ぎから,ノイズから浮き出る“鼻歌”が聴こえてきます。
 完全に自分の世界に没入したセロニアス・モンク大先生。ラストでバド・パウエルと化す,2分59秒からの“キメ”がズバリ「キマッターッ」で,超カッコイイ!

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / I'M CONFESSIN'(THAT I LOVE YOU)4

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 『SOLO MONK』の6曲目は【I’M CONFESSIN’(THAT I LOVE YOU)】(以下【アイム・コンフェッシン(ザット・アイ・ラヴ・ユー)】)。


 ジャズスタンダードである【アイム・コンフェッシン(ザット・アイ・ラヴ・ユー)】が,セロニアス・モンクの“個性”で塗り固められている。
 38秒から56秒までを聴いてみてほしい。真面目なのか不真面目なのか,上手なのか下手なのか,このセロニアス・モンク特有の“両極端のタッチ”が同居している。

 セロニアス・モンクが“天才”であるのは,音を繰り出すタイミングである。両極端を行き来する“音のイリュージョン”と言ったら大袈裟? このピアノ・タッチは一発でセロニアス・モンクと識別できる,完全なるオリジナリティ!
 名だたる【アイム・コンフェッシン(ザット・アイ・ラヴ・ユー)】の名演の中でも“指折り”の出来であろう。

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / RUBY, MY DEAR5

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 『SOLO MONK』の5曲目は【RUBY, MY DEAR】(以下【ルビー・マイ・ディア】)。


 反論承知で大袈裟に言えば【ルビー・マイ・ディア】こそ,セロニアス・モンクの代表作!
 【ルビー・マイ・ディア】を聴いて,セロニアス・モンクの良さが分からなければ,少なくとも何か引っ掛かるものを感じなければ,恐らく,以後その人とセロニアス・モンクとの相性は悪いままで終わると思う。

 なぜか? それは単純に【ルビー・マイ・ディア】が,モンクの自作曲&ソロ演奏だから…。良くも悪くも「モンクス・ミュージック」の全貌が投影されている!

 管理人もこのトラックと出会うまでは,モンクの良さなど分からなかった。ハッキリ言って“大嫌い”だった。
 幸い,ずいぶん遠回りをしたが,数年後にこのトラックと出会い“敗者復活戦”を経てモンク・ファンの仲間入りを果たした。

 切々と自分の世界を歌い上げるセロニアス・モンクピアノが美しい。タッチが明瞭でダイナミックゆえ,これがバラード・ナンバーだとは,当初管理人も全く気が付かなかった。全体の印象としては熱い,熱演だと思う。

 個人的には4分44秒を過ぎてから,レイコンマ何秒かづつテンポが速くなる。バラードにおけるセロニアス・モンクの内面の激情がそうさせたように感じられて,実に感慨深い。
 ピンポイントで5分6秒から12秒までの,モンクの“気持ちの高ぶり,先走り,ほとばしり”を読者の皆さんにも是非感じ取っていただけたら…。

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / NORTH OF THE SUNSET4

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 『SOLO MONK』の4曲目は【NORTH OF THE SUNSET】(以下【ノース・オブ・ザ・サンセット】)。


 【ノース・オブ・ザ・サンセット】は,セロニアス・モンクの“音・遊び”である。
 セロニアス・モンクは“不遇の時代”にピアノの響きを,来る日も来る日も,一人自室で研究していたと言う。
 管理人は,そんなセロニアス・モンクの実験結果が【ノース・オブ・ザ・サンセット】に色濃く出ている,と思っている。

 このメチャ自由な奔放さ! “飛び跳ねた”感じのアタック音はセロニアス・モンクピアノを“おもちゃ”として楽しんだ足跡!
 そう。遊びまくって,ピアノの超・おもしろい鳴り方をモンクは一人,アトリエで見つけたのだ。

 イントロの“行ったり来たり”にやられてしまう。やっと歩き出したかと思うと,すぐにまた寄り道してしまう。まるでジャッキー・チェンの“酔拳”! 意識がはっきりした状態での“千鳥足”! これぞ“ザ・ユニーク”の決定版である。

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / SWEET AND LOVELY4

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 『SOLO MONK』の3曲目は【SWEET AND LOVELY】(以下【スウィート・アンド・ラヴリー】)。


 【スウィート・アンド・ラヴリー】は,アップテンポ+メロディアス=明るいはずなのに,どことなく暗い。二重人格のように「裏と表」「陰と陽」が同時に交錯している。

 イントロからいきなり上機嫌で入ってくるものの,17秒から24秒のフレーズで,すぐさま腰を折られてしまう。出だしから2度同じ事を繰り返されるのだから,リスナーが情緒不安定になってしまうのも,致し方ないであろう。
 そう。一気に頂上まで上ってしまいたいのだが,なんだか足下を一歩一歩確認しながらでないと足を踏み外しそうで恐い。そんな感じ。← いいんですよ〜。どうせ管理人以外には分からないんだから…。

 ただでさえ“調子外れ”のセロニアス・モンクピアノが,この見事な“ズッコケ”と相まってたまらない。聴き終わっても,ず〜っと耳から離れない。しかも幸か不幸か“落ちる”アドリブばかりを“ヘヴィー・ローテ”してしまう。
 モンク中毒者にとってはカタルシス! そうでなければ拒絶反応! セロニアス・モンクの世界を受け入れられるか“リトマス試験紙”的トラックの代表格であろう。

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / I SURRENDER, DEAR5

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 『SOLO MONK』の2曲目は【I SURRENDER, DEAR】(以下【アイ・サレンダー・ディア】)。


 セロニアス・モンクの【アイ・サレンダー・ディア】には,ソロ・ピアノによる2つの録音が残されている。一方は名盤『BRILLIANT CORNERS』に収録されている。

 8年もの歳月を経て,リメイクされた【アイ・サレンダー・ディア】。ここをどう批評するか? ジャズ批評家の“腕の見せ所”であろう。と,意気込んではみたが,管理人には??
 第一印象としては,ほとんど同じだった。悔しいのでそれぞれを続けて聴き込んでみる。あった。見つかった。ほっとした〜。

 『BRILLIANT CORNERS』の方が,華やか! 演奏時間が後者と比べて1分39秒長いのだが,それでもリラックスして聴き通せる。
 『SOLO MONK』の方は,ピアノのトーンが暗い! しかも振幅の差が激しくなっている。思わず耳をそばだてようと構えてしまう。リラックスとはほど遠いテンション。
 こうして聴くと8年の違いは案外大きい。でもそんな“重箱の隅をつつく”聴き方なんてナンセンス。ジャズは“楽しく”聴くものなのだ。よってこの話題はお蔵入り…?
 以下は『SOLO MONK』の【アイ・サレンダー・ディア】“限定”での聴き所のご紹介。

 【アイ・サレンダー・ディア】は,セロニアス・モンクのお気に入りだけあって,骨のある楽曲である。
 聴けば聴くほど“味のでる”聴き所満載のトラック。聴き込んでいると「あっ,ここが。おっ,ここも」で,記事にならない。

 リズム良し。ハーモニー良し。強弱のつけかた良し。
 特に3分5秒からの“うわずった感じ”がたまらない。分かるかなぁ…。ズバリ! モンク好きなら分かるはず!

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク / DINAH4

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 『SOLO MONK』の1曲目は【DINAH】(以下【ダイナ】)。


 【ダイナ】でのセロニアス・モンクは“あか抜け”た印象。単純に「明るい」「ノー天気」というのとは訳が違う。
 例のモンク“くささ”が“いい感じ”なあんばいなのである。

 【ダイナ】と言えば,左手の芸術“ストライド奏法”。全編に渡る「ズン・チャ、ズン・チャ」のリズムがチョー気持ちいい! この影響でセロニアス・モンク特有の“間”や“崩し”が薄められ,ちょうどいい感じの味付けなのである。口の中でフワーっと,あるいはパット広がる“おいしさ”。これこそ右手によるアドリブ

 1分20秒から52秒までのリズム感あふれる“はじけた”プレイに,セロニアス・モンクの高いジャズ・センスが感じ取れる。

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セロニアス・モンク / ソロ・モンク5

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 正直,管理人はソロ・ピアノが好きではなかった。『SOLO MONK』(以下『ソロ・モンク』)と出会うまでは…。

 ジャズの本質はインプロヴィゼーションにあり,曲の構成は決まっていても,その場その場で,その瞬間に“最善”と感じたフレーズが自由に飛び交いあう。
 そこで“インタープレイ”! 当初そのジャズメンが考えてもいなかったフレーズが,互いにプレイし“切磋琢磨”し合ううちに,なにかの拍子で飛び出てくる! 名演と呼ばれるものの中には,当のジャズメン自身が“俺の中にこんなフレーズが眠っていたのか?”と驚いている節さえある。
 そう。深い井戸の泉から良いものだけを汲みだしてくれる。これぞインスパイア=インタープレイの醍醐味!  
 ゆえに,管理人はピアノに限らず,自己完結のソロ・アルバムには,その“共演の妙”という楽しみが奪われた気がして,なかなか触手が伸びないのだ。

 ただし真の天才は違う。真の天才は,誰の手を借りるまでもなく,自分の頭の中に完成された“GOOD MUSIC”が鳴っていると言う。そうであればそれを忠実に表現しさえすれば良いのだ。
 それを見事に証明して見せたのが,ご存じ“天才”セロニアス・モンクの『ソロ・モンク』である。

 セロニアス・モンクソロ・ピアノ・アルバムは全部で4枚あり,その全てが秀作に違いないが,管理人は『ソロ・モンク』が一番好きだ! 正に“モンクス・ミュージック”の完成形! ソロ・ピアノ嫌いの特効薬! スタンダードの解釈に時折垣間見せる“アンニュイな”モンクを心より愛している。

(1964,1965年録音/228E6015)

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