CD批評:伊東 たけし

2007年12月19日

伊東 たけし / T.K. / COLOUR OF LIFE4

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 『T.K.』の8曲目は【COLOUR OF LIFE】(以下【カラー・オブ・ライフ】)。


 【カラー・オブ・ライフ】は,おしゃれでダンサブルなジャズファンク! ただし大方のジャズ・ファンからは拒絶されること間違いなし! 【カラー・オブ・ライフ】で,伊東たけしサックスを吹く意味があるのだろうか?

 無理を承知で“意味はある”と思いたい。一箇所だけ,伊東たけし・ファンなら“歓喜できる”聴き所がある。【カラー・オブ・ライフ】は“捨て曲”などではない。喰わず嫌いは損をする。
 ズバリ,2分44秒から3分12秒までのモールス信号的,同じフレーズの繰り返し! その中に一つとして同じフレーズは存在しない。
 伊東たけし・ファンなら,微妙なアーチキュレーションの変化を聴き分けることができるはず? フェイクすることはないが,全部きれいに弾き分けている。ジャズ・サックス・プレイヤー=伊東たけしを感じることができる。それにしても出番が少ないよなぁ。

 なお余談であるが『T.K.』の全8トラックの中で,唯一【カラー・オブ・ライフ】だけでベースが使われている。やっぱりベースは重要だよなぁ。ファンクグルーヴ

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

TAKESHI ITOH : Alto Sax
PHILIPPE SAISSE : Keyboards, Synthesizers and Programming
CARL JAMES : Bass
DON ALIAS : Percussion
CURTIS KING : Lead Vocals
LANI GROVES : Additional Vocal
LANI GROVES, LISA FISCHER and CURTIS KING : Background Vocals

T.K.
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2007年09月27日

伊東 たけし / T.K. / BOUNCE BACK4

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 『T.K.』の7曲目は【BOUNCE BACK】(以下【バウンス・バック】)。


 【バウンス・バック】は,デヴィッド・フランクの好みが色濃く表われた“クールな打ち込み系ファンク”である。
 ここでも主役は男女ツイン・ボーカルであって,伊東たけしは最後尾で“ポツポツ”とアルト・サックスを鳴らしている。 

 これ程バカにされたリーダー(伊東たけし)もそうはいないと思われるが,与えられたわずか10秒程の出番で,自分を大アピール!
 2分38秒からのアルト・ソロ一発! これはいい! 仮に,発奮した伊東たけしを引き出すのがデヴィッド・フランク一流の“狙い”であったとすれば大成功である。
 ウェザー・リポートで,ウェイン・ショーターを自由に操った,ジョー・ザビヌルのように…。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

TAKESHI ITOH : Alto Sax
DAVID FRANK : Keyboards, Synthesizers, Drum Machine and Programming
IRA SIEGEL : Guitar
DEBBIE COOPER and RICK BRENNAN : Lead Vocals
DEBBIE COOPER, RICK BRENNAN, LISA FISHER and MIC MURPHY : Background Vocals

T.K.
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2007年07月19日

伊東 たけし / T.K. / ALWAYS TOGETHER4

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 『T.K.』の6曲目は【ALWAYS TOGETHER】(以下【オールウェイズ・トゥギャザー】)。


 【オールウェイズ・トゥギャザー】は“懐かしい”感じのラブ・バラード。その昔,LFでやっていた日立「ミュージック・イン」で流れていそうなトラックである。← これで分かる人っているのかな? 正解は,スティービー・ワンダーなどのモータウン&ブラック・コンテンポラリーがよく流れる,AMラジオでは珍しい「ザ・音楽番組」でした。

 元来,ザ・システムデヴィッド・フランクの“デジタルな”グルーヴは,アップテンポよりもミディアム〜スロー・ナンバーで輝きを増す。その手法をそのまま取り入れた【オールウェイズ・トゥギャザー】ゆえ,エレクトリック・ファンクになって当然のはずが,伊東たけしのエレクトリック“封印”の影響ゆえに,ブラック・ファンクへと変貌を遂げる。

 男女ツイン・ボーカルに負けじと,3人目のボーカリスト=伊東たけしアルト・サックスで“歌っている”。伊東たけしのワン・ホーンは,二人のボーカリストを主役から追いやる,完璧な出来であるが,ここはエレクトリック・ファンクリリコンの投入が正解だったのでは? あっ,リリコンファンクには向かないかっ。

 CD発売当時は「ザ・システム」の“一世風靡”黄金時代。斬新すぎる最新のサウンドであったが,今,聴き直すと正直古臭い。そう。日立「ミュージック・イン」向けである。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

TAKESHI ITOH : Alto Sax
DAVID FRANK : Keyboards, Synthesizers, Drum Machine and Programming
IRA SIEGEL : Guitar
CRAB ROBINSON and DEBBIE COOPER : Lead Vocals

T.K.
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2007年05月16日

伊東 たけし / T.K. / PLACEBO4

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 『T.K.』の5曲目は【PLACEBO】(以下【プラシーボ】)。


 【プラシーボ】の聴き所は,フィリップ・セスの「バランス感覚」!
 誰かが傑出することはないが,全てがB級かと言うととんでもない。全てのプレイヤーの良いところが“つまみ喰い”できてしまう。言わば「幕の内弁当」的な一曲!

 印象的なリズムはフィリップ・セスドン・アライアスが創り出す生+電化のグルーヴ! ここにメロディー・ラインが絡み合う。
 普段なら聞き流してしまうボーカルシンセも【プラシーボ】には必要不可欠! 全て揃って「幕の内弁当」の完成である。

 伊東たけしは,このトラックで垣間見せるフィリップ・セスの非凡な才能に期待したのだろう。伊東たけしアルト・サックスが輝いている!
 バックに回ってもシンセを引っ張るハイ・トーン! アドリブ・タイムは2パターン。1分33秒からのブローと1分59秒からの伸びやかなソロとでは趣が異なるが,どちらも際立った存在感で,どことなくデヴィッド・サンボーンを彷彿させてくれる。 ← お世辞抜きに「賛辞」を送ります。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

TAKESHI ITOH : Alto Sax
PHILIPPE SAISSE : Keyboards, Synthesizers and Programming
DON ALIAS : Percussion
LANI GROVES : Lead Vocal
CURTIS KING and RANDY FREDRIX : Additional Vocals
LANI GROVES and LISA FISCHER : Background Vocals

T.K.
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2007年02月18日

伊東 たけし / T.K. / UPTOWN SATURDAY NIGHT3

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 『T.K.』の4曲目は【UPTOWN SATURDAY NIGHT】(以下【アップタウン・サタディ・ナイト】)。


 【アップタウン・サタディ・ナイト】は,ゴスペルチックでもありモータウン的でもある,ブラック・コンテンポラリー。
 印象的なリズムに“あえて乗らない”ことで,伊東たけしの“粘っこい”フレージングがフューチャーされている。

 ダイナミックなボーカルと躍動するシンセ群の中にあって,ジャズ系・アルト・サックスだからこそ奏でられる,2分45秒からのフレーズがインパクト!
 「黒」と出会ったことで,伊東たけしの特徴である“日本人的・演歌魂?”が自然に表現されている。
 これが“狙い”であれば計算通りの快演なのだろうが,ザ・システムが構築した,NY流の音造りからは,結果オーライの感が漂っている。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

TAKESHI ITOH : Alto Sax
DAVID FRANK : Keyboards, Synthesizers, Drum Machine and Programming
IRA SIEGEL : Guitar
JIMMIE TUNNEL : Lead Vocals
LISA FISHER, YOLANDA LEE, MIC MURPHY and JIMMIE TUNNEL : Background Vocals

T.K.
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2005年09月23日

伊東 たけし / T.K. / THIS IS THE NIGHT4

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 『T.K.』の3曲目は【THIS IS THE NIGHT】(以下【ディス・イズ・ザ・ナイト】)。


 【ディス・イズ・ザ・ナイト】は,男女ツイン・ボーカルによるラブ・バラード。この曲調と伊東たけしアルト・サックスは“意外”と相性が良い。伊東たけしの“絞り出す感じ”のサックス・プレイが,恋愛の“感情表現”としては,ハマッテいる。
 
 イントロや間奏で聴こえるアルト・サックスは,間違いなく“ディス・イズ・ザTK”! 伊東ファンとしては,この“テイスト”さえ感じさせてくれれば,それ以上,何を要求すると言うのだろう。

 2分31秒からの,サビに“かぶせながら”入ってくるアルト・ソロには大満足! 【ディス・イズ・ザ・ナイト】での伊東たけしは,恐らくザ・スクェアでは“禁句?”のフレーズを繰り出しており,これこそソロCDを制作する“意味があった”と言うものだ。
 “ジャズメン”伊東たけしを少しは味わえたかなぁ。

 ただし,この点は繰り返し強調しておくが“意外と良い”のであって“間違っても”管理人の好みではない。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

TAKESHI ITOH : Alto Sax
PHILIPPE SAISSE : Keyboards, Synthesizers, Drum Machine and Programming
DON ALIAS : Percussion
MARC COHN and LANI GROVES : Lead Vocals
LANI GROVES, LISA FISHER and CURTIS KING : Background Vocals

T.K.
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2005年09月22日

伊東 たけし / T.K. / FAMOUS3

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 『T.K.』の2曲目は【FAMOUS】(以下【フェイマス】)。


 【フェイマス】は1988年の住友金属,TVCFイメージ・ソングとしてブラウン管に流れたので(←表現が古い?)聞き覚えのある方も多いのでは?
 管理人もバックで流れていたこのメロディよりも,崖の上でアルト・サックスを“吹き鳴らす”伊東たけしの映像の方が印象に残っている。

 【フェイマス】での,伊東たけしのプレイは完璧である。伊東たけし特有の“くすんだ”音色と“TK節”も全開である。
 しかし彼のその魅力がストレートに伝わってこない。なぜか? ビートがダンサブルで,いかんせん“タテノリ”なのである。

 例えばイントロからのテーマ36秒間と,後半2分53秒以降の盛り上がり部分を聴いてほしい。主役は明らかに打込みである。タテノリに負けた伊東たけしサックスは,悲しいかな,サイドメン的な音がする。

 とは言え【フェイマス】は伊東たけしライブでの18番! トラック自体に不足はない。伊東たけしには,フロントを立てる“良いバックと良いアレンジで”末永くプレイしてほしいと思う。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

TAKESHI ITOH : Alto Sax
PHILIPPE SAISSE : Keyboards, Synthesizers and Programming
DON ALIAS : Percussion
RANDY FREDRIX : Lead Vocal
LANI GROVES : Radio Broadcast
LANI GROVES, LISA FISCHER and CURTIS KING : Background Vocals
Guitar Samples Courtesty of NICKY MOROCH

T.K.
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2005年09月21日

伊東 たけし / T.K. / COWBELL3

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 『T.K.』の1曲目は【COWBELL】(以下【カウベル】)。


 【カウベル】はディスコ・ナンバーであって“フュージョン”とは呼び難い。打込みとサックスとでは8:2。これではアドリブどころではない。
 伊東たけしの唯一の見せ場が1分46秒から始まるが,音がこもっている。フュージョンサックスさえも忘れてしまったのだろうか?

 良くできたダンス・ミュージックをお探しであれば一聴の価値もあるのだろうが…。
 我が耳を疑い何度もチャレンジしてみたが,その度に表情が曇ってしまった。「可愛さ余って憎さ百倍」とはこのことだ。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

TAKESHI ITOH : Alto Sax
DAVID FRANK : Keyboards, Synthesizers, Drum Machine and Programming
JEFF LORBER : Piano and Synthesizer solo

T.K.
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2005年09月20日

伊東 たけし / T.K.3

アナログレコード

 “Tetsuya Komuro”ではない,もう一人のT.K.“たけ”こと,伊東たけし
 伊東たけしの3枚目のソロCDは,タイトルもズバリ『T.K.』。

 伊東たけしに限らず,J−フュージョンの人気グループのメンバーは必ずと言って良い程,ソロCDを制作する。音楽界には一般人の知らない“法則”とか“公式”とか呼ばれるものが存在するのだ。
 別にグッド・ミュージックが多数制作されるのは大歓迎なのだから,ここで深く突っ込んで“その公式を解明する”とか意気込むつもりはさらさらない。しかし気になるのが“人気グループのメンバー”というキーワードだ。
 
 人気グループであれば,それなりにCDであれライブであれ,発表の場は多いはずである。なのに,なぜソロCDなのだろう?
 答えは各個人によって異なり,それこそ多種多様にあるのだろう。でも,そのグループのファンなら純粋に“グループの成長”に力を傾けてほしい,と願うのが人情と言うものではなかろうか?

 さて,伊東たけしである。彼こそスターだ! J−フュージョンのある意味“顔”である。
 伊東たけし“主演”「SUNTORY WHITE」の例のCMで,ザ・スクェアを,そしてJ−フュージョンを一気にメジャーへと押し上げた! 乱暴な言い方だが“もう伊東さんのご自由に。どうぞ好きなことを好きなだけ”の域にいる。
 あっ,そうか。だからソロCDなのね。自己完結のノリツッコミ。チャンチャン!

 さてさて,ここからは真面目に?『T.K.』について語ってみよう。このCDの音は当時のザ・スクェアとは全く異質だ。
 本当に,伊東たけしがソロとして“やりたい放題”やったのであろう。ザ・スクェアの延長線上を期待していた管理人も,他の多くのファンと同様,すっかり“肩すかし”を食わされた口である。

 しかし伊東たけし本人も,気付かずして“肩すかし”を食らっているように思えてしまう。
 そう。“超辛口”で申し訳ないが『T.K.』は,伊東たけしを“踏み台”にした,プロデューサー=ドッペルギャンガー2人のための“実験作”に仕上がっているのではなかろうか?
 つまり『T.K.』は,伊東たけしのレッテルが貼られた,実質“ドッペルギャンガーを聴くための”CDに聴こえてならないのだ。前作『ELSEVEN』もドッペルギャンガーのプロデュースだったが,前作の何倍にもドッペルギャンガーのパワーが増幅されている。

 『T.K.』での伊東たけしは全く目立っていない。アピールできていない。
 彼自慢のアルト・サックスが,バックに“負けている”。完全にドッペルギャンガーの音の中に“埋もれて”いる。聴き応えを感じない駄作である。 ← 伊東さんを,熱烈に愛するがゆえの“愛のムチ”です。伊東さん,伊東たけしファンの皆さん,気に障ったかもしれませんが,どうかお許しを。

(1988年録音/32DH5129)

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