アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

CD批評:ジョニー・グリフィン

ジョニー・グリフィン / ザ・リトル・ジャイアント / VENUS AND THE MOON4

アナログレコード

 『THE LITTLE GIANT』の6曲目は【VENUS AND THE MOON】(以下【ヴィーナスと月】)。


 このトラックは【ヴィーナスと月】とは名ばかりの“真昼の”一大セッションである。分厚いハーモニーと跳ねるビートが火花を散らしている→花火→夜→【ヴィーナスと月】。なるほどねぇ。

 管理人は【ヴィーナスと月】では,3人の演奏ばかりを追ってしまう。
 主役は,イントロから一人快調にウォーキングするサム・ジョーンズベース。3管ブラス・セクションを従えテーマを構築してはアウトする。リズムを刻みながらも,メロディとの計算された“外しっぷり”が素晴らしい!
 準主役は,一人“フェイク”するブルー・ミッチェルトランペット。例えば29秒と53秒で“あっちの世界”へ飛んでいくのだが,このロケット・スタートが半端ない!
 名脇役は,一人ダイナミック・ドライブするウイントン・ケリーピアノ。4分51秒からのアドリブでは,もう指がなるなる。スイングして止まらない!

 しかし【ヴィーナスと月】の真の聴き所は,この全てを,真っ昼間から「一杯やりながら」演奏しているかのようなリラックス! 読者の皆さんにも「一杯やりながら」楽しんでもらえれば…。 

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
 
JOHNNY GRIFFIN SEXTET
JOHNNY GRIFFIN : Tenor Sax
BLUE MITCHELL : Trumpet
JULIAN PRIESTER : Trombone
WYNTON KELLY : Piano
SAM JONES : Bass
ALBERT HEATH : Drums


ザ・リトル・ジャイアント
ランキングを見てみよう!

ジョニー・グリフィン / ザ・リトル・ジャイアント / PLAYMATES4

アナログレコード

 『THE LITTLE GIANT』の5曲目は【PLAYMATES】(以下【プレイメイツ】)。


 【プレイメイツ】と聞けば,某男性誌の“爽やかお色気”を連想してしまうが,このトラックも基本線同様の畑違い? そう。ジョニー・グリフィンと演奏仲間の“明るく爽やかなスインギー”! 男臭さの充満するスイング・セッションである。

 あのジョニー・グリフィンが飛び跳ねている! ジョニー・グリフィンのアクロバティックなリラックス・テナーは,ブルー・ミッチェルトランペットジュリアン・ブリスタートロンボーンの“お膳立て”があってこそ! 2人の絶妙な“合いの手”に,ジョニー・グリフィンが(レコーディング中であることも忘れて?)ただただ乗せられていく!

 特筆すべきは,3分16秒からのウイントン・ケリーの抜群のリズム感! 他のメンバーを“おちょくる”ピアノが“ウサギ跳び”でスイングする! 好きだ〜。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
 
JOHNNY GRIFFIN SEXTET
JOHNNY GRIFFIN : Tenor Sax
BLUE MITCHELL : Trumpet
JULIAN PRIESTER : Trombone
WYNTON KELLY : Piano
SAM JONES : Bass
ALBERT HEATH : Drums


ザ・リトル・ジャイアント
ランキングを見てみよう!

ジョニー・グリフィン / ザ・リトル・ジャイアント / 63RD STREET THEME4

アナログレコード

 『THE LITTLE GIANT』の4曲目は【63RD STREET THEME】(以下【63丁目のテーマ】)。


 チャーリー・パーカーバド・パウエルの名演で知られる【52丁目のテーマ】とは“似ても似つかぬ”【63丁目のテーマ】。高速アドリブで全速力で駆け抜ける【52丁目】を曲がった先にある【63丁目】には“ゆったりムード”が流れている。

 ジョニー・グリフィンの【63丁目のテーマ】は“チャルメラ”である。そう。このトラックが流れ出すと,皆【63丁目】のジャズ・クラブへと足を運ぶ。そんなジャズの街=NYの風情で溢れている。

 ジョニー・グリフィンの,こんなにリラックスした演奏はそう聴けるものではない。それだけでも“お宝”ナンバー。
 ウイントン・ケリーの,こんなにブルージィな演奏もそう聴けるものではない。やっぱり“お宝”ナンバー。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
 
JOHNNY GRIFFIN SEXTET
JOHNNY GRIFFIN : Tenor Sax
BLUE MITCHELL : Trumpet
JULIAN PRIESTER : Trombone
WYNTON KELLY : Piano
SAM JONES : Bass
ALBERT HEATH : Drums


ザ・リトル・ジャイアント
ランキングを見てみよう!

ジョニー・グリフィン / ザ・リトル・ジャイアント / LONLY ONE4

アナログレコード

 『THE LITTLE GIANT』の3曲目は【LONLY ONE】(以下【ロンリー・ワン】)。


 【ロンリー・ワン】は『THE LITTLE GIANT』唯一のワン・ホーン&テナー・トリオ。そこへ持ってきてこの楽曲だ。
 このトラックだけ明らかに異質であり,完全に浮いている。

 その要因が“拍子外れ”のマイナー・メロディ。27秒からのジョニー・グリフィンの重〜い掛け声と共に,アルバート・ヒースドラムが動き出す。“不気味な雰囲気”のリズムが鳴り続く。
 さて,このリズムにばかり気を取られてしまうのだが,1分26秒からはいつも通り“声を張った”ジョニー・グリフィンがいる。
 ジョニー・グリフィンも,ソニー・ロリンズと同系統のソロイストであり,バックに余り左右されない。“我が道を行く”タイプの特徴が良く出ている。

 あっ,そうそう。この重苦しいテーマに似合わず,2分17秒から20秒まで“残念!”で多用されるメジャー所が入っていて,クスッと笑える。細かいですが,お聴き逃しなく!

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から

JOHNNY GRIFFIN : Tenor Sax
SAM JONES : Bass
ALBERT HEATH : Drums


ザ・リトル・ジャイアント
ランキングを見てみよう!

ジョニー・グリフィン / ザ・リトル・ジャイアント / THE MESSAGE5

アナログレコード

 『THE LITTLE GIANT』の2曲目は【THE MESSAGE】(以下【ザ・メッセージ】)。


 いや〜,名演です。この音! 音! 【ザ・メッセージ】には“ハードバップ”とか“ファンキー”と呼ばれた,ジャズに一番勢いがあった“時代の熱気”が見事に収められている。
 セクステットの分厚さを超えた“ビッグ・バンド”のような音が鳴っている。「リバーサイド」的録音が見事にハマッタ好例だ。

 ジャズ好きなら,テーマでのユニゾンを聴かされて盛り上がらないはずはない! そうでなければウソだ。
 口火を切るのはジョニー・グリフィン! テーマを挟んだ2つのテナー・ソロがバリバリだ。特に後半立ち上がりの1分31秒が好みである。
 ブルー・ミッチェルトランペットが後半一気にまくり上げ,ジュリアン・プリースタートロンボーンはバックのアンサンブルを押しのける!
 ウィントン・ケリーピアノは,それまでの3人のソロを受けた構成で,彼のセンスの良さを感じずにはいられない。並のピアニストでは絶対こうはいかなかったはずだ。

 音楽は間違いなく特Aクラスものであるが,限りなくB級のニオイを感じてしまうのは管理人だけだろうか? ジョニー・グリフィンについて語るつもりなら,一度は必ず聴いていただきたい。
 【ザ・メッセージ】にこそ,ジョニー・グリフィンの“味”がたっぷり染みこんでいると思っている。
 
CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
 
JOHNNY GRIFFIN SEXTET
JOHNNY GRIFFIN : Tenor Sax
BLUE MITCHELL : Trumpet
JULIAN PRIESTER : Trombone
WYNTON KELLY : Piano
SAM JONES : Bass
ALBERT HEATH : Drums


ザ・リトル・ジャイアント
ランキングを見てみよう!

ジョニー・グリフィン / ザ・リトル・ジャイアント / OLIVE REFRACTIONS4

アナログレコード

 『THE LITTLE GIANT』の1曲目は【OLIVE REFRACTIONS】(以下【オリーブ・リフラクションズ】)。


 【オリーブ・リフラクションズ】こそセクステットの魅力満開! ジョニー・グリフィンの出来については,ソロはもとより全員で奏でるテーマの“吹きっぷり”だけで大満足!
 アレンジのせいかもしれないが“気合いの一発”はこちらの血管が浮き出てきそうでゾクゾクする。

 サイドメンの質も高い。1分11秒から始まるブルー・ミッチェルトランペットが相当熱い。
 ウイントン・ケリーもそうだ。独特のリズム感に定評のあるウイントン・ケリーだが,3分10秒から始まるピアノ・ソロの“歯切れの良さ”は格別である。

CD視聴(試聴)・購入はジャケット写真から
 
JOHNNY GRIFFIN SEXTET
JOHNNY GRIFFIN : Tenor Sax
BLUE MITCHELL : Trumpet
JULIAN PRIESTER : Trombone
WYNTON KELLY : Piano
SAM JONES : Bass
ALBERT HEATH : Drums


ザ・リトル・ジャイアント
ランキングを見てみよう!

ジョニー・グリフィン / ザ・リトル・ジャイアント4

アナログレコード

 ソロ・ピアノに始まって,デュオ,トリオ…。ジャズは小編成ものの人気が高い。それはプレイヤー各人の自由度が高く,より個性を発揮しやすいからなのだろう。
 しかし真に味あるジャズメンであれば,たとえ大編成の中でプレイしたとしても,その“魂の叫び”は埋没することなく,きっちりと光り輝くものである。逆に言えば,ジャズメンの個性を発揮しやすいのは小編成よりも大編成の方であると言える。
 大編成の中で,アンサンブルを崩すことなく“自分の音”を表現できないのであれば,ソロイストとして大成するのは難しい。言わば大編成というフォーマットはジャズメンの個性を計る“試金石”なのである。

 『THE LITTLE GIANT』(以下『ザ・リトル・ジャイアント』)は,ジョニー・グリフィンのセクステット編成が楽しめる。
 今回はフロントにテナー・サックストランペットトロンボーンの3管が並んでいる。普段,小編成のジャズばかり聴いている人には新鮮に聴こえるのではないだろうか? 3ホーンは正に圧巻&ド迫力! ジャズの楽しい聴き方の一つとしてお奨めできる。
 さて,ここでなぜセクステットについて触れたのか? それこそ,ジョニー・グリフィンの個性を“味わう”のに最適と思えるからである。

 『ザ・リトル・ジャイアント』というCDタイトルは,ジョニー・グリフィンのニック・ネームでもある。そう。ジョニー・グリフィンと言えば「ハード・ブローイング・テナー」が代名詞!
 ジョニー・グリフィンの個性は相当抜きん出ていて,ハード・ブローだけを取り上げれば,あのソニー・ロリンズも,ジョン・コルトレーンさえも寄せ付けない,超強烈の圧勝だ!
 しかし,管理人が思うジョニー・グリフィンの個性,本質とはジョニー・グリフィン自身のテンションの高さではない。“周囲をハイ・テンションへ取り込むテナー”。これである。

 『ザ・リトル・ジャイアント』でも「ハード・ブローイング・テナー」の熱演が,セクステットのテンションを上げている。全員ノリにノッテいる。この“確信犯”の働きを聴き分けることさえできるなら,セクステットの豪華な共演,豪華なジャズを心から楽しむことができるだろう。

(1959年録音/VICJ-2206)

ランキングを見てみよう!
livedoor プロフィール
記事検索
Categories
Keith Jarrett Gallery

キース・ジャレット(真田馨子) おんがく日めくり(c) keiko sanada
Pat Metheny Gallery

パット・メセニー(野々口和仁)
(c) Kazuhito Nonoguchi
ジャズ・アフィリエイト
セラビー厳選CD

パリ・コンサートパリ・コンサート
キース・ジャレット

THE WAY UPTHE WAY UP
パット・メセニー・グループ

イン・ア・サイレント・ウェイイン・ア・サイレント・ウェイ
マイルス・デイビス

HEAVY WEATHERHEAVY WEATHER
ウェザー・リポート

BRAINCOOL STRUTTIN'
ソニー・クラーク

MINT JAMSMINT JAMS
カシオペア

HUMANHUMAN
T-スクェア

フル・ハウスフル・ハウス
ウェス・モンゴメリー

ザ・シーン・チェンジズザ・シーン・チェンジズ
バド・パウエル

セロニアス・モンク・トリオセロニアス・モンク・トリオ
セロニアス・モンク

枯葉枯葉
チェット・ベイカー

MOANIN'MOANIN'
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

BLOWIN' THE BLUES AWAYBLOWIN' THE BLUES AWAY
ホレス・シルヴァー

ウィントン・マルサリスの肖像ウイントン・マルサリスの肖像
ウイントン・マルサリス

メイティング・コールMATING CALL
タッド・ダメロン

Blu-spec CD ジャコ・パストリアスの肖像ジャコ・パストリアスの肖像
ジャコ・パストリアス

ザ・キング・イズ・ゴーンザ・キング・イズ・ゴーン
マーカス・ミラー

FIRST MEETINGファースト・ミーティング
テザード・ムーン

スペシャル・エディションSPECIAL EDITION
ジャック・デジョネット

ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリングYOU MUST BELIEVE IN SPRING
ビル・エヴァンス

STEP BY STEPSTEP BY STEP
ステップス

2424
DIMENSION

GANAESIAガネシア
渡辺香津美
カズミ・バンド

コンプリート・ピック・ヒッツ・ライヴPICK HITS
ジョン・スコフィールド

ニューポートの追想V.S.O.P.
ハービー・ハンコック

アス・スリーUS THREE
ホレス・パーラン

Manhattan StoryBLUE'S MOODS
ブルー・ミッチェル

AFRICAN PIANOOFF TO THE RACES
ドナルド・バード

AFRICAN PIANOAFRICAN PIANO
ダラー・ブランド

Manhattan StoryMANHATTAN STORY
アキコ・グレース

SPELLBOUNDSPELLBOUND
ジョー・サンプル

ランデヴーRENDEZ-VOUS
木住野佳子

RETURN TO FOREVERRETURN TO FOREVER
チック・コリア

BRAINBRAIN
上原ひろみ

イン・ラインIN LINE
ビル・フリゼール

ザ・サウンド・オブ・サマー・ランニングザ・サウンド・オブ・サマー・ランニング
マーク・ジョンソン

スインギン・マケドニアスインギン・マケドニア
ダスコ・ゴイコビッチ

タイム・スレッドTME THREAD
小曽根真 & ゲイリー・バートン

フルーツケーキFRUITCAKE
フルーツケーキ

THE DROPPERTHE DROPPER
メデスキ,マーチン&ウッド

Doin' SomethingDOIN' SOMETHING
ソウライヴ

SALT IISALT II
塩谷哲

Dance Your HeartDANCE YOUR HEART
Saya

地球は愛で浮かんでいる地球は愛で浮かんでいる
松永貴志
アンケートボードA

★当ブログについて望むことは?
アルバム単位で批評してほしい
同じ曲をテイク別に批評してほしい
多くのジャズメンを幅広く批評してほしい
一人のジャズメンを掘り下げて批評してほしい
超有名曲をもらさず批評してほしい
発売直後の新作を批評してほしい
初心者を意識したほんわかサイトにしてほしい
マニアを意識したニッチなサイトにしてほしい
オーディオについて批評してほしい



-Mini Vote-
アンケートボードB
How Much Is Your Blog Worth?

My blog is worth
$38,953.26

How much is your
blog worth?

最新コメント
Copyright (C) 2005-2017 アドリブログ All Rights Reserved.