アドリブログ 〜JAZZ/FUSION批評〜

ジャズ/フュージョン批評ブログ ALBUM REVIEW, TRACK REVIEW and more

CD批評:THE SQUARE (T-SQUARE)

T−スクェア / インプレッシブ4

IMPRESSIVE-1 『NEW−S』との間に『T−SQUARE LIVE “FAREWELL & WELCOME”』『REFRESHEST』と企画盤を2枚挿まれた。
 本田雅人の第2弾として“期待値MAX”だった『IMPRESSIVE』(以下『インプレッシブ』)は普通。

 F−1の新テーマ曲【FACES】は【TRURH】をも凌駕した安藤まさひろギターがキター! キレキレで最高にカッコイイ。
 【DANDELION HILL】は,お花畑なメルヘンチックが“THIS IS 和泉ワールド”。
 そう。本田雅人作の「メガリス・ショック」アゲインは3曲とも不発弾(【BROKEN PROMISE】はたまに爆発する)。

 【FACES】と【DANDELION HILL】の大名曲以外で現役で聴き続けているのは「バルセロナオリンピック・JOC公式イメージソング」の【RISE】が,あの夏の初の一人暮らしを思い出させてくれるくらいかな?
 暑くて暑くてロフト生活を辞め,1Fに下りてクーラー・ガンガンの中,ニュース番組のBGMとして流れる【RISE】を羽毛布団の中で毎日聞いていたことを思い出します。

 思い出す繋がりでいくと,なぜか『インプレッシブ』のジャケット・デザインが変更されました。「4色かわいい系」から「バルセロナ〜水泳〜岩崎恭子」のイメージか?

IMPRESSIVE-2 『インプレッシブ』と来れば,本田雅人派からは必ず声が挙がる【TRAFFIC JAM】収録。しかし管理人は当時はスルー。
 管理人が【TRAFFIC JAM】を“再評価”したのは,本田雅人のソロCDWHAT IS FUSION』を聴いてからでした。今でもやっぱり【TRAFFIC JAM】は『WHAT IS FUSION』ヴァージョンに限ります。

  01. FACES
  02. 11月の雨
  03. RISE
  04. MAC'S BACK
  05. Broken Promise
  06. Dandelion Hill
  07. Traffic Jam
  08. AMARANTH
  09. 待ちぼうけの午後

(ソニー/SONY 1992年発売/SRCL2370)

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T−スクェア アンド フレンズ / リフレッシェスト4

REFRESHEST-1 『REFRESHEST』(以下『リフレッシェスト』)は,タイトル通りのリアレンジ企画盤。

 伊東時代の名曲が本田仕様で大胆にリアレンジ。「T−スクェア アンド フレンズ」名義が表わすように,演奏は豪華で分厚いゲスト・ミュージシャン入り。

 単純に伊東たけし本田雅人の違いを楽しみに購入したのだが,フロントの違い以上にサウンド・イメージの変化が印象に残る。

REFRESHEST-2 『リフレッシェスト』は,伊東たけしから本田雅人へではなく,ザ・スクェアから“新生”T−スクェアになりました,が要点です。

  01. CHASER
  02. MIDNIGHT LOVER
  03. A FEEL DEEP INSIDE
  04. THE NUMBER
  05. WRAPPED AROUND YOUR SOUL
  06. TEXAS KID
  07. ハワイへ行きたい
  08. IT'S MAGIC
  09. TRAVELERS
  10. SABANA HOTEL

(ソニー/SONY 1991年発売/SRCL2247)

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T−スクェア / T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”5

T-SQUARE LIVE “FAREWELL & WELCOME”-1 『T−SQUARE LIVE “FAREWELL & WELCOME”』(以下『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』)は,T−スクェアの初代フロント=伊東たけしから,2代目=本田雅人へと“たすきを繋ぐ”言わば“歓送迎会”的なライブ
( ちなみに,フロントの“歓送迎会”ライブは,T−スクェアの恒例? 2代目=本田雅人から3代目=宮崎隆睦への交代の際にも『FAREWELL & WELCOME LIVE 1998』と同じタイトルで行なわれています )

 イレギュラー覚悟で述べると『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』のハイライトは,ズバリ,本編よりもおまけ。【JAPANESE SOUL BROTHERS】での須藤満ベース・ソロである。

 『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』は,伊東たけし本田雅人の“豪華共演”を堪能するのが,本来の楽しみであろう。勿論それは後述する『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』のハイライト3に違いない。
 しかし,管理人は『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』を買ってからというもの,ずっと「ボーナス8cmCDシングル」(DISC 2)の【JAPANESE SOUL BROTHERS】を,それも1分19秒から6分58秒までの須藤満ベース・ソロばかりを聴いていた。これぞ本編収録漏れの“暴れっぷり”の極みである。

 もはや聴きすぎて“普通の”ベース・ソロのような錯覚に陥ることもあるのだが,この須藤満ベース・ソロが圧巻! そうめったにお耳にかかれない“悶絶ものの”パフォーマンスが最高に素晴らしい!
 田中豊雪といい須藤満といい,スクェアベーシストは何故にここまでカッコイイ? スクェアライブ終わりには,決まってベースの練習を始めたくなる衝動に襲われたものである。

 須藤満の“緩急自在の”ベース・テクニックが炸裂している。いや,もう“ベースマン魂”そのものである。チョッパーの名手でありながら,敢えてフィンガーで押してくる辺りが“ドツボ”である。
 伊東たけし本田雅人を出し抜いて須藤満があの夜のヒーロー。『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』は,最初の一音から最後の一音までが須藤満の“スパーク”への誘い水であった。

 須藤満アドリブが耳タコになると,次に女性の歓声が耳タコに。的確な歓声=完璧な合いの手に(特に3分54秒と5分6秒と6分14秒)こちらもつられて乗せられてしまう。あの歓声がなければ【JAPANESE SOUL BROTHERS】もあそこまで盛り上がらない!

 須藤満+女性の歓声が耳コピできるようになったなら,最後の耳タコは則竹裕之ドラムに尽きる! 須藤満チョッパーベースが,どんなに“暴れ回ろう”とも常に則竹裕之T−スクェアドラムが観客の注意をステージから離さない。

 この須藤満則竹裕之のリズム隊の名コンビは,もはやジンサクにひけをとっていない黄金のリズム隊へと仕上がっている。
 思うに須藤満則竹裕之組は,桜井哲夫神保彰よりも“遠くで”互いに感じあっている。“密な一体感”のジンサクとは異なり,須藤満の“特攻”を許す則竹裕之の“内助の功”な雰囲気がある。この表現,分かるかなぁ〜。

 『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』2番目のハイライトは,これぞライブ録音的な音造りにある。観客の声や拍手が効果的にミックスされており,もう自分もその場にいるような臨場感! ステージと客席の“距離の近さ”が熱狂度を増している!

 通常,ジャズマンは演奏を通して観客とコミュニケーションするのだろうが,T−スクェアはアイドル・バンド! 客席からポンポン声援が上がる。この“親しみやすさ”が時に観客を演者に変える。T−スクェアが明らかに,客席のパワーに影響されている。

 キース・ジャレットライブの前説で観客に説教する逸話は有名である。説教の要旨は客に向かって「一生懸命に聴け」である。
 キース・ジャレットが言いたいのは「ライブとは会場にいる全員で作り上げるもの」。正論である。『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』を聴くにつれ,キース・ジャレットの主張がよ〜く理解できる。
 あの夜の観客は誰もがT−スクェアの7人目のメンバーであった(←サッカーのサポーター風)。観客の名演盤ここにあり〜!

T-SQUARE LIVE “FAREWELL & WELCOME”-2 『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』のハイライト3は“やっぱり”伊東たけし本田雅人の“豪華共演”!

 伊東たけし本田雅人の音のぶつかり合いを聴いて初めて感じた個性の違い。
 2人を野球の投手に例えれば,伊東たけしはナックル・ボーラー。剛球ではないが「こんな軌道ありえない」的で見逃し三振を喰らってしまう。
 一方の本田雅人は本格派の万能派。松坂やダルビッシュのような変化球も一級品な基本直球型。輪郭の整ったフレージングはそのどれもがスケールの大きい“これぞ大器”の音そのもの。球筋が分かっていても凄すぎて空振り三振を喰らってしまう。

 そう。『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』の真実とは,伊東たけし本田雅人の“夢の投げ合い”。T−スクェア初のオールスター戦であった。

 最後に『T−スクェア・ライブ “フェアウェル・アンド・ウェルカム”』のセット・リスト!?

 【IT’S MAGIC】が伊東たけしのワン・ホーン。【LITTLE LEAGUE STAR】が本田雅人のワン・ホーン。
 【LICKIN’ IT】は,先攻が伊東たけしの後攻が本田雅人。【BIG CITY】は,先攻が本田雅人の後攻が伊東たけし。白熱のアルト・バトルは引き分けです。
 アンコールの【LITTLE MERMAID】は,特にフロントの2人をプッシュするではなく原曲通りに6人で演奏。EWIのパートを2人で,時に分け合い,時にユニンゾンする。ただしラストのEWI・ソロは“競演”ではなく楽しく“共演”しています。握手に拍手です。

  DISC 1
  01. IT'S MAGIC
  02. LICKIN' IT
  03. BIG CITY
  04. LITTLE LEAGUE STAR
  05. LITTLE MERMAID

  DISC 2
  01. JAPANESE SOUL BROTHERS

(ソニー/SONY 1991年発売/CRCL2027-8)
★【初回生産限定盤】ボーナス8cmCDシングル付 CD2枚組/DUOケース仕様

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T−スクェア / ニュース5

NEW-S-1 『ハイパー・サックス・プレイヤー,本田雅人加入。ヴァージョン・アップしたニュー・サウンド』!
 このCD帯を見て初めて,T−スクェアのフロントが本田雅人へ交代したことを知った。

 T−スクェアは伝統的に?メンバーの出入りが激しいバンド。しかしT−スクェアの,いや,J−フュージョン界の“顔”であった伊東たけしの脱退にはさすがに落胆を覚えた。「またか」ではなく「まさか」のビッグニュースであったのだ。

 ちょうどカシオペアジンサクに生じた内部分裂の傷が癒えたばかりだったのに…。またしても管理人の青春が,一つの時代が終わった瞬間であった。
 …が,まだのりピーととろりんがいるではないか!っと思ったのもつかの間,管理人を癒してくれたのはのりピーでもとろりんでもなく“新生”T−スクェアの音=本田雅人の音・音・音! 本田雅人の“ハイパー・サックス”が,管理人の不安な気持ちを一息で吹き飛ばしてくれたのだ。

 とにかく『NEW−S』(以下『ニュース』)は,1曲目の【MEGALITH】に尽きる!
 誰が言ったか「メガリス・ショック」! このインパクトはT−スクェア史上最強である!
 とにかくカッコイイ。音にしびれるとはこのことである。超テクニカルでアグレッシブな演奏力のプレッシャーに,思わず後退りする感じ!? チック・コリア・エレクトリック・バンドの日本初ヴァージョン!? 過去のハードな名演PRIME】【TRUTH】【ARCADIA】とも別物。これまでのスクェアでは感じなかった“異次元の”カッコ良さ! (どうしてかなぁ)どこか“イモっぽい青年然”としていたスクェアがついに“シティ系”へと大変身! 徹底的に都会的センスで固められている。

 世のサックス・ファンは皆,本田雅人なら抱かれてもよい?( ←たしか,伊東たけしの擁護者たちによって,新加入の本田雅人はジャニーズ系だと「ルックスの良さ」を揶揄されていました。そこしか攻撃できる箇所がなかった? 今となってはバカバカしい話ですが,物語るは当時の伊東人気の凄まじさ! )

 そう。【MEGALITH】で,スクェアが“新生”スクェアとなった。
 『WAVE』でのザ・スクェアT−スクェアへの改名は表面上の変化にすぎない。【MEGALITH】が起こした「メガリス・ショック」こそ,T−スクェアの真の転換点。「その時歴史が動いた」のだ(←NHK風)。

 メンバー全員が“バカテク”の持ち主であるスクェアだが,バンドの基本として“必然性のないバカテク”を披露することは決してない。売りはどこまでも楽曲の良さ! この“志の高さ”がマーカス・ミラーに通じる好感度UP。

 しか〜し『ハイパー・サックス・プレイヤー,本田雅人加入。ヴァージョン・アップしたニュー・サウンド』のコピー通り,本田雅人の目指す“ハイパー・サックスな音造り”の構図は必然的にテクニカルにならざるを得ない。
 指を攣らせながらも,必死で本田雅人に追随しようとする他の4人。そう。ビッグ・バンド・アンサンブルで鍛え上げられた本田雅人サウンドは120%の演奏力が求められるのだ。

 そう。「メガリス・ショック」を経て,T−スクェアの演奏がレベルアップしている。もともと「伝説の5人」として完璧に出来上がっていたところへ“激薬”本田雅人の投入。躍動感溢れるフレージングがいけどもいけど加速する。
 【MEGALITH】の凝りに凝ったアレンジは生演奏には不向きである。「せーの」で録ってドラム以外は何度も録り直し。そりょそうなるわなぁ。

 とりわけスクェア・サウンドの変化の特徴がソプラノ・サックスの活用にある。
 本田雅人の写真を見ると手にはいつでもアルト・サックス(今でも本田雅人のジャケ写の友はアルト・サックスです)。本田雅人がマルチリード・プレイヤーだとは知らなかった。伊東たけしの後釜なのだから本田雅人アルト吹きだと疑わなかった。
 聴けば聴く程,本田雅人株が急上昇! こんなアルト・サックス聴いたことなどない〜! 後日,本田雅人ソプラノ吹きであることを知って,な〜んだ,だったのだが,その時は既に本田雅人=天才の公式がすり込まれた後の祭り。ただし本田雅人=天才の公式は訂正する必要はないだろう。
 そう。本田雅人ソプラノ・サックスが“新生”スクェアのトーンである。

NEW-S-2 さて,そんな「メガリス・ショック」な『ニュース』であったが,管理人が『ニュース』を聴きたく思うのはいつも【MEGALITH】以上に【WHEN I THINK OF YOU】である。

 『ニュース』での本田雅人の演奏はテクニカル全開で実に素晴らしい。1曲目から9曲目までは「メガリス・ショック」を“引きずっている”自分がどこかにいた。
 しかし『ニュース』の最後で辿り着く【WHEN I THINK OF YOU】に本田雅人の“全て”を聴いた思いがした。

 伊東たけしアルト・サックスは“味”があった。ちょっとくすんで苦味ある伊東たけし特有の“味”である。
 【HEARTS】【FORGOTTEN SAGA】のバラードは“伊東たけしあってこそ”の名演であった。
 そんな伊東たけしへの断ち切れない思いが交差する中流れ出した【WHEN I THINK OF YOU】。イントロの和泉宏隆ピアノのトーンに,バッチリハマル,本田雅人アルト・サックスが泣いていた。情感が込められ過ぎている。く〜っ。

 やはり,本田雅人なら抱かれてもよい? これマジでハートを鷲掴み状態。こんなに豪快に吹き上げているのにロマンティック本田雅人アルト・サックスと一緒に幾晩泣いたことだろう。もはや真打=本田雅人アルト・サックス登場前に,和泉宏隆ピアノが鳴り出した時点で涙腺が…。
 この時,管理人は2●歳。現在4●歳の管理人は『ニュース』をCDトレイにセットしただけで泣けてしまう。もはや病気である。

 本田雅人作【MEGALITH】で幕が開け,本田雅人作【WHEN I THINK OF YOU】で幕が閉じる“フィーチャリング本田雅人”な“新生”スクェア
 タイトルの『NEW−S』は『NEW SQUARE』だから『NEW−S』なのだとさ。T−スクェアが10歳は若返りましたとさ。

  01. MEGALITH
  02. ガーティの夢
  03. 真夏のためいき
  04. LITTLE LEAGUE STAR
  05. YOUR RESTLESS EYES
  06. MIDNIGHT CIRCLE
  07. THE SUMMER OF '68
  08. NAB THAT CHAP!!
  09. ROMANTIC CITY
  10. WHEN I THINK OF YOU

(CBSソニー/CBS/SONY 1991年発売/CSCL1691)
★【初回生産限定盤】ロゴ付き専用プラ・ケース仕様

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T−スクェア / ナチュラル − U.S.ヴァージョン4

NATURAL - U.S.VERSION-1 ザ・スクェアの“ネームバリュー”を捨ててまで,アメリカでのブレイクを目指したT−スクェアCBSソニーが,本腰を入れてLA録音したのが『NATURAL』(以下『ナチュラル』)である。

 「郷に入っては郷に従え」!? 『ナチュラル』には“アメリカンナイズド”されたT−スクェアの5人がいる。
 “アメリカンナイズド”されたT−スクェアの最大要因は,全米NO.1のスムーズ・ジャズ・バンド=ザ・リッピントンズラス・フリーマンの“プロデュース力”に尽きる。

 ザ・リッピントンズの,いや,スムーズ・ジャズ界の“心臓”と讃えられるラス・フリーマン・プロデュースは安藤まさひろ発信のリクエスト。
 そう。安藤まさひろの“真の野望”は“スクェアリッピントンズ化”であった。
 
 『WORDLESS ANTHOLOGY 』のライナーノーツ安藤まさひろが公言しているが,そもそも安藤まさひろは,ザ・リッピントンズT−スクェアの音楽性を思い重ねている節がある。
 そう。誤解覚悟で述べると,T−スクェア→日本のザ・リッピントンズ→世界のT−スクェア。この図式が安藤まさひろの思い描いた,T−スクェアのアメリカ進出の真実である。『TRUTH』の成功の味に酔いしれたんだろうな〜。売れたかったんだろうな〜。安藤さんはエロイからな〜。

 もう少々誤解覚悟で述べると『ナチュラル』は“安藤まさひろの復権”のためにあった。
 『R・E・S・O・R・T』から始まった“スクェア和泉化”が大ヒット。スクェアの2枚看板=“ロックな安藤メロディ”と“和泉バラード”のパートナーシップも『TRUTH』まではバランスが保たれていたのだが…。

 全ては『YES, NO。』であった。『YES, NO。』で発揮された和泉宏隆の才能大爆発。『YES, NO。』で安藤まさひろ和泉宏隆の抜群のコンビネーションに“力関係”が生じてしまった。
 例えるなら,これはジャズ・メッセンジャーズにおけるアート・ブレイキーホレス・シルヴァーホレス・シルヴァーの才能が発揮されればされるほどアート・ブレイキーの影響力が弱まっていく。
 まぁ,安藤まさひろはそれでも笑っていたはず。そう。安藤さんはエロイから(全てをエロで片付けてしまってすみません)。

 そこで安藤まさひろ“憧れの”ザ・リッピントンズ! ザ・リッピントンズ安藤まさひろと同じギタリストラス・フリーマン率いるフュージョン・バンド。正式なバンド名は「ザ・リッピントンズ・フィーチャリング・ラス・フリーマン」。
 そう。言わば,ザ・リッピントンズラス・フリーマンの“ワンマン・バンド”。ねっ,安藤まさひろの“羨望の眼差し”も理解できるでしょ?

 振り返れば“安藤まさひろの復権”の予兆はあった。『WAVE』を安藤目線で聴き直してみてほしい。
 11曲中8曲が安藤まさひろ作。【MORNING STAR】や【HARD−BOILED】のアレンジは安藤まさひろギターを聴くためのものであろう。
 まっ『WAVE』『ナチュラル』で復権を果たした安藤の“天下”も,本田雅人が加入する『NEW−S』までであるのだが…。

 さて,そんな安藤まさひろ“ご指名”のラス・フリーマン・プロデュースは『ナチュラル』の全10曲中4曲。しかしラス・フリーマンは真の天才。『ナチュラル』の他の6曲までもが“ラス・フリーマンナイズド?”されている。
 『ナチュラル』は聴きようによってはザ・リッピントンズのようである。『ナチュラル』はアメリカン・フュージョンである。そう。T−スクェアスムーズ・ジャズに“かぶれ”てしまっている。
 うーむ。この辺りがスクェア・ファンの間で『ナチュラル』がイマイチ人気薄の原因なのでしょう。ザ・リッピントンズが大好きな管理人は『ナチュラル』も大好物で〜す!

 『ナチュラル』の特徴は『ナチュラル』なだけにナチュラルグルーヴ
 でもでも聴き込ば聴き込む程,とんでもなく緻密な音造りのスタジオ・ワークの“跡”がクッキリ。例えば,シンクロした音を左右に若干ずらすとかEWIを3回重ねるとか…。
 ラス・フリーマンの“漆塗りのように何層にも重ね塗られたオーヴァー・ダビング“の妙技は“ハイセンスの神業”である。
 5人の演奏が“キラキラと”エフェクトされている。とりわけ印象深いのは則竹裕之の“空間を支配する”ドラミングである。拍の空間でのハイハットがスリリングに響く。スプラッシュ・シンバルのサスティンまでもが計算されている。しかし“人間の演奏臭さ”にこだわっている。これぞ“匠の音造り”のお手本であろう。

 この分厚い音造りのせいなのか,ミディアム・テンポの連続のせいなのか『ナチュラル』は“秋”している。
 運動会や文化祭のカッコツケ・ヒーローの【CONTROL】。残暑から秋晴れの【DAISY FIELD】。そして大泣きの【WHITE MANE】と【LAST RAINDROPS】は“秋深し”である。あまりにも美しいメロディーに心が震えます。

 ギンギンにハードな『WAVE』とメガリス・ショックの『NEW−S』に挟まれた,全体的に地味な印象の『ナチュラル』であるが,最高級の完成度を誇るスムーズ・ジャズ名盤。個人的にはもう1枚,良質で上質な“T−スクェアスムーズ・ジャズ”を聴いてみたいと思う今日この頃です。

NATURAL - U.S.VERSION-2 さて「タイトでクリアー! 全米でリリースされた『ナチュラル』のアナザー・ワールド・サウンド!」の帯コピーよろしく,全米リリース用に異なるミックスが施された『ナチュラル』のスペシャル・ミニ・アルバムが『NATURAL − U.S.VERSION』(以下『ナチュラル − U.S.ヴァージョン』)。

 アナウンス通りの「タイトでクリアー!」な感じに仕上がっちゃってます。音の厚みが気に入っていたので,このリミックスは日本人には(管理人には)不発では?
 なぜに曲数もタイトに搾られた全6曲の意味不明(おまけに収録時間も短め)。【CONTROL】と【DAISY FIELD】の名曲が,ラス・フリーマンが共作していないだけの理由でカットされたのも意味不明。この選曲は日本人には(管理人には)不発では?

 日本人にもアメリカ人にも不発だった『ナチュラル − U.S.ヴァージョン』。でもそれでいいんです。『ナチュラル − U.S.ヴァージョン』は『MEGALITH』の“撒き餌”だったから。
 『MEGALITH』は,既に全米発売された『TRUTH』と『ナチュラル − U.S.ヴァージョン』を除く『YES, NO。』『WAVE』『NEW−S』からの選曲盤。
 しか〜し『MEGALITH』は,アメリカ以外の全世界20ヶ国以上でヒット。アメリカは厳し〜い。“スクェアリッピントンズ化”は厳し〜い。

PS 【RADIO STAR】は「オリジナル・ヴァージョン」「ボーナス8cmCDシングルヴァージョン」と来て,今回の「ナチュラル − U.S.ヴァージョン」がベスト・テイクです。

  01. LABYRINTH OF LOVE
  02. WIND SONG
  03. WHITE MANE
  04. RADIO STAR
  05. SNOWBIRD
  06. LAST RAINDROPS

(CBSソニー/CBS/SONY 1990年発売/CSCL1487)
★【日本用完全限定盤】

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T−スクェア / ナチュラル4

NATURAL-1 ザ・スクェアの“ネームバリュー”を捨ててまで,アメリカでのブレイクを目指したT−スクェアCBSソニーが,本腰を入れてLA録音したのが『NATURAL』(以下『ナチュラル』)である。

 「郷に入っては郷に従え」!? 『ナチュラル』には“アメリカンナイズド”されたT−スクェアの5人がいる。
 “アメリカンナイズド”されたT−スクェアの最大要因は,全米NO.1のスムーズ・ジャズ・バンド=ザ・リッピントンズラス・フリーマンの“プロデュース力”に尽きる。

 ザ・リッピントンズの,いや,スムーズ・ジャズ界の“心臓”と讃えられるラス・フリーマン・プロデュースは安藤まさひろ発信のリクエスト。
 そう。安藤まさひろの“真の野望”は“スクェアリッピントンズ化”であった。
 
 『WORDLESS ANTHOLOGY 』のライナーノーツ安藤まさひろが公言しているが,そもそも安藤まさひろは,ザ・リッピントンズT−スクェアの音楽性を思い重ねている節がある。
 そう。誤解覚悟で述べると,T−スクェア→日本のザ・リッピントンズ→世界のT−スクェア。この図式が安藤まさひろの思い描いた,T−スクェアのアメリカ進出の真実である。『TRUTH』の成功の味に酔いしれたんだろうな〜。売れたかったんだろうな〜。安藤さんはエロイからな〜。

 もう少々誤解覚悟で述べると『ナチュラル』は“安藤まさひろの復権”のためにあった。
 『R・E・S・O・R・T』から始まった“スクェア和泉化”が大ヒット。スクェアの2枚看板=“ロックな安藤メロディ”と“和泉バラード”のパートナーシップも『TRUTH』まではバランスが保たれていたのだが…。

 全ては『YES, NO。』であった。『YES, NO。』で発揮された和泉宏隆の才能大爆発。『YES, NO。』で安藤まさひろ和泉宏隆の抜群のコンビネーションに“力関係”が生じてしまった。
 例えるなら,これはジャズ・メッセンジャーズにおけるアート・ブレイキーホレス・シルヴァーホレス・シルヴァーの才能が発揮されればされるほどアート・ブレイキーの影響力が弱まっていく。
 まぁ,安藤まさひろはそれでも笑っていたはず。そう。安藤さんはエロイから(全てをエロで片付けてしまってすみません)。

 そこで安藤まさひろ“憧れの”ザ・リッピントンズ! ザ・リッピントンズ安藤まさひろと同じギタリストラス・フリーマン率いるフュージョン・バンド。正式なバンド名は「ザ・リッピントンズ・フィーチャリング・ラス・フリーマン」。 そう。言わば,ザ・リッピントンズラス・フリーマンの“ワンマン・バンド”。ねっ,安藤まさひろの“羨望の眼差し”も理解できるでしょ?

 振り返れば“安藤まさひろの復権”の予兆はあった。『WAVE』を安藤目線で聴き直してみてほしい。
 11曲中8曲が安藤まさひろ作。【MORNING STAR】や【HARD−BOILED】のアレンジは安藤まさひろギターを聴くためのものであろう。
 まっ『WAVE』『ナチュラル』で復権を果たした安藤の“天下”も,本田雅人が加入する『NEW−S』までであるのだが…。

 さて,そんな安藤まさひろ“ご指名”のラス・フリーマン・プロデュースは『ナチュラル』の全10曲中4曲。しかしラス・フリーマンは真の天才。『ナチュラル』の他の6曲までもが“ラス・フリーマンナイズド?”されている。
 『ナチュラル』は聴きようによってはザ・リッピントンズのようである。『ナチュラル』はアメリカン・フュージョンである。そう。T−スクェアスムーズ・ジャズに“かぶれ”てしまっている。
 うーむ。この辺りがスクェア・ファンの間で『ナチュラル』がイマイチ人気薄の原因なのでしょう。ザ・リッピントンズが大好きな管理人は『ナチュラル』も大好物で〜す!

NATURAL-2 『ナチュラル』の特徴は『ナチュラル』なだけにナチュラルグルーヴ
 でもでも聴き込ば聴き込む程,とんでもなく緻密な音造りのスタジオ・ワークの“跡”がクッキリ。例えば,シンクロした音を左右に若干ずらすとかEWIを3回重ねるとか…。
 ラス・フリーマンの“漆塗りのように何層にも重ね塗られたオーヴァー・ダビング“の妙技は“ハイセンスの神業”である。
 5人の演奏が“キラキラと”エフェクトされている。とりわけ印象深いのは則竹裕之の“空間を支配する”ドラミングである。拍の空間でのハイハットがスリリングに響く。スプラッシュ・シンバルのサスティンまでもが計算されている。しかし“人間の演奏臭さ”にこだわっている。これぞ“匠の音造り”のお手本であろう。

 この分厚い音造りのせいなのか,ミディアム・テンポの連続のせいなのか『ナチュラル』は“秋”している。
 運動会や文化祭のカッコツケ・ヒーローの【CONTROL】。残暑から秋晴れの【DAISY FIELD】。そして大泣きの【WHITE MANE】と【LAST RAINDROPS】は“秋深し”である。あまりにも美しいメロディーに心が震えます。

 ギンギンにハードな『WAVE』とメガリス・ショックの『NEW−S』に挟まれた,全体的に地味な印象の『ナチュラル』であるが,最高級の完成度を誇るスムーズ・ジャズ名盤。個人的にはもう1枚,良質で上質な“T−スクェアスムーズ・ジャズ”を聴いてみたいと思う今日この頃です。

PS ボーナス8cmCDシングル収録の【RADIO STAR】=須藤満チョッパー・ベースフィーチャリング・リミックス。超カッコイイ,レア音源です。

  01. CONTROL
  02. DAISY FIELD
  03. WIND SONG
  04. WHITE MANE
  05. HAPPY SONG
  06. SNOWBIRD
  07. LABYRINTH OF LOVE
  08. UP TOWN
  09. RADIO STAR
  10. LAST RAINDROPS

  01. RADIO STAR
  02. GO FOR IT

(CBSソニー/CBS/SONY 1990年発売/CSCL1121-2)
(ボーナス8cmCDシングル付 CD2枚組)
★【初回生産限定盤】4面ダブル・デジパック仕様

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T−スクェア / ウェーブ5

WAVE-1 『TRUTH』の大ヒットは,望むと望まざるとに関わらず,ザ・スクェアを根底から大きく変えてしまった。

 『TRUTH』は“売れ線狙い”の大傑作であったが,ザ・スクェアのオリジナリティは基本的に普遍である。それで『TRUTH』の大ヒットによって,自分たちの“スクェア・サウンド”に絶対の自信を抱いたことだろう。

 J−フュージョンでは,ザ・スクェアだけが持つ貴重な『TRUTH』での成功体験。成功した者でなければ見ることのできない景色をザ・スクェアの5人だけが目撃できた。

 『TRUTH』の大ヒットを受けて,伊東たけしは3枚目のソロCDT.K.』を,和泉宏隆は初のソロCDAMOSHE』をリリース。
 伊東たけし和泉宏隆の“『TRUTH』後の景色”が非常に興味深い。“新たなアプローチ”の連続は“スクェア・メンバー”の誇りから来る自信の裏付けを感じさせられた(なんだか“スクェア・メンバー”が“SMAPメンバー”みたいな紹介ですねっ)。

 一方,ザ・スクェアのリーダー=安藤まさひろは『TRUTH』での成功体験を,ソロCDではなく,更なるバンドの発展へとフィードバック!
 安藤まさひろの目標の1つが,ザ・スクェアの“海外(アメリカ)進出”であった。かつては“遥か彼方の夢”だったものが,現実に手を伸ばせばそこにある。
 事実『TRUTH』は全米でも発売済。LAでのヒロシマ(アメリカで人気のフュージョン・バンド)との共演ライブが大成功。『YES, NO。』のツアーでは,なんとツアー・バスでの全米横断ライブまで敢行した。

 ここで安藤まさひろの次なる一手に驚いた。なんとバンド名の変更である。ザ・スクェアからT−スクェアへ…。

 本来,バンド名が変わるって,結婚して嫁いで姓が変わるぐらいの大事件だと思うのだが,かつて和泉宏隆がバンド名の変更について「THE」から「」へと「HE」がとれて臭くなくなった,と茶化していたぐらい当の本人たちは“アッケラカーン”? 

 改名の発端は「THE SQUAREザ・スクェア)」という同名のバンドがすでにアメリカに存在していたというのが理由なのだが,新バンド名=「T SQUAREティー・スクェア)」の「」というネーミングには
 THE」という従来のバンド名の短縮形。
TOKYO」という“日本の”フュージョン・バンドをアピールする意味合い。
T型定規」という数学的で理知的なイメージ。
 …という“後付のトリプル・ミーニング”がメンバー・スタッフ・ミーティングで決定したとのこと。結構安直なネーミング?

 アメリカ進出という安藤まさひろの“野望”をかなえる,ザ・スクェアT−スクェア改名後の第一弾が『WAVE』(以下『ウェーブ』)である。

 ズバリ言おう。『ウェーブ』こそ,ザ・スクェア時代の総決算にしてT−スクェアの総決算! 『ウェーブ』には,すでに日本でTOPを獲り,これからアメリカでもTOPを窺うにふさわしい“スクェアの王道サウンド”の貫禄を感じさせる。

 “スクェアの王道サウンド”の貫禄を例えるなら,チャーリー・パーカー
 その昔,ビ・バップの金字塔=『ジャズ・アット・マッセイ・ホール』で,チャーリー・パーカーチャーリー・チャン名義で録音した。しかし,あのアルト・サックスの音色は“唯一無二”。印税を借金取りに持っていかれないようにするためのチャーリー・チャン名義だったらしいが,正体即バレである。
 同様に“スクェアの王道サウンド”が鳴り出せば,T−スクェアを名乗ろうが“唯一無二”のザ・スクェアの正体即バレである。

 そう。バンド名が変わろうが,アメリカを意識しようが,やってることは従来通りのスクェア・サウンド。「伝説の5人」と讃えられる,安藤まさひろ伊東たけし和泉宏隆則竹裕之須藤満=“唯一無二”のザ・スクェアの音なのである。

 NO! 『ウェーブ』こそ,ザ・スクェア時代の総決算にしてT−スクェアの総決算! バンド名が変わっただけなのに,まるで別バンドのように感じさせる瞬間がある。

 ザ・スクェアT−スクェアのニュアンスの違いを例えるなら,勝田一樹に代表される多名義なジャズメン!
 DIMENSIONアルト・サックス・プレイヤー=勝田一樹は,芸名として勝田かず樹へ変更したが,3つ目の名前としてソロプロジェクトでの活動は「JAFROSAX(ジャフロサックス)」名義を使い分けている。

 ザ・スクェアT−スクェアへの変更は,勝田一樹勝田かず樹のように思えて,実は勝田一樹JAFROSAXに近かったりする。
 そう。T−スクェアとしての真新しい音造り。バンド名の変更が「伝説の5人」のジャズメン魂にまで影響を及ぼした節がある。

 その核となったのが則竹裕之須藤満のリズム隊のフィーチャリングである。この『ウェーブ』から,則竹裕之須藤満の生み出すグルーヴが,単なるバンドのリズム・セクションの枠を超え,T−スクェアの音造りに深く関わり始めた。

 『R・E・S・O・R・T』から『YES, NO。』までのスクェアは,和泉宏隆の音世界を5人で追求するフュージョン・バンドであった。
 和泉宏隆キーボードが全体像を描き,そこに安藤まさひろギター伊東たけしアルト・サックスが“スクェア風”の華やかな彩りを添えていた。そう。ザ・スクェアのリズム隊はキーボードを除いたベースドラムの本来3人組の実質2人体制。

WAVE-2 しかし『ウェーブ』での則竹裕之須藤満の役割は異なる。存在感を増している。いや,もはやスクェアに“なくてはならない存在感”を確立している。

 その昔のピーター・アースキンが,実力でウェザー・リポートの“レギュラー”ドラマーの椅子を奪ったように,則竹裕之須藤満もそれぞれ“レギュラー”ドラマー,“レギュラー”ベーシストの椅子を掴んでみせた。
 則竹裕之須藤満こそ,それまで移り変わりの激しかったスクェアにあって,何と14年もの間(T−スクェアのバンド形態が解消されなければ,その後のずっと継続したであろう)“レギュラー”を務めたのだ。

 その理由は則竹裕之須藤満の持つバカテクだけではない。スクェア・カラーのサウンド・メイクの能力の高さにある。サウンド・メイクで成長できたのはスクェアに対して抱く2人の愛情の表われだと思う。
 この意味で『ウェーブ』こそ,則竹裕之須藤満の“原点”であり,T−スクェアの“原点”であろう。

 さて,管理人の結論=『ウェーブ批評
 『ウェーブ』は,アメリカを意識した“ギンギンに攻める”ハードなスクェア・サウンドの名盤中の名盤である。

 『ウェーブ』の至る所にスクェアの隠そうにも隠せない“地”がポロリ。T−スクェアは世界のどこで演奏しても“J−フュージョン丸出し”のバンドなのでした。

  01. MORNING STAR
  02. LOVE FOR SPY
  03. JEALOUSY
  04. YOUR CHRISTMAS
  05. ROUTE 405
  06. DOOBA WOOBA!!
  07. BIG CITY
  08. STILL I LOVE YOU
  09. HARD-BOILED
  10. ARCADIA
  11. RACHAEL

(CBSソニー/CBS/SONY 1989年発売/32DH5218)
★【初回生産限定盤】オールカラー36P別冊写真集付

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ザ・スクェア / イエス,ノー。5

YES, NO.-1 『YES, NO。』(以下『イエス,ノー。』)こそ,スクェア史上最高に“おしゃれな”CDである。

 スクェア・ファンと『イエス,ノー。』について語り合うと,かなりの高確率で『イエス,ノー。』から伊東たけしEWI(通称イーウイ:AKAI製エレクトリック・ウインド・インストゥルメント・シンセサイザー)を使用し始めた話がでる。

 しか〜し『イエス,ノー。』での伊東たけしの聴き所はアルト・サックスである。
 和泉宏隆のハイセンスなキーボードブラス伊東たけしアルト・サックスがバッチリハマる。

YES, NO.-2 “メロウでワクワクな”【DANS SA CHAMBRE】を聴いていると“モノトーンにおしゃれして”外出したくなります。外出したら口チャックですが,家では【GO FOR IT】と【MISS YOU】はサビでタイトルをコールしていま〜す。

  01. DANS SA CHAMBRE
  02. GO FOR IT
  03. MISS YOU
  04. EL MIRAGE
  05. SHADOW
  06. MR. MELLOW
  07. KISS
  08. PAPILLON
  09. CRISIS
  10. CATCHER IN THE RYE

(CBSソニー/CBS/SONY 1988年発売/32DH5001)

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ザ・スクェア / スポーツ4

S・P・O・R・T・S-1 一聴して「あっ,スクェアが変わったな」と感じた『S・P・O・R・T・S』(以下『スポーツ』)。

 理由は「打ち込み系」の導入にある。田中豊雪則竹裕之のリズム隊は『スポーツ』が最初で最後であるが,エレクトリック・ベースと生ドラムにリズム・マシーンの重ね録りで人為的に計算加工されたリズムが分厚い。
 サイケでエッジのトンガリが強烈な安藤まさひろギター・ソロが相当来ている。

S・P・O・R・T・S-2 “凝りに凝りまくった”当時の最先端フュージョンが続く中での【宝島】にニッコリです。 
 【宝島】をこよなく愛するスクェア・ファンは全員管理人のお友達です。

  01. LOVE IS IN MY SIGHT
  02. LOVE ALL
  03. HIT AND RUN
  04. LEAVE ME ALONE
  05. OVERHEAD KICK
  06. DROP GOAL
  07. 宝島
  08. CAMEL LAND
  09. PASSAGE OF CLOUDS

(CBSソニー/CBS/SONY 1986年発売/32DH354)

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ザ・スクェア / リゾート5

R・E・S・O・R・T-1 バンド結成30年。安藤まさひろ伊東たけしを別にしてスクェアには重要人物が3人いる。
 ベース田中豊雪キーボード和泉宏隆アルト・サックス本田雅人である。

 このうち田中豊雪は『マジック』で,本田雅人は『ニュース』で,それぞれ“鮮烈のデビュー”を飾ったと言っていい。
 一方,和泉宏隆は『脚線美の誘惑』でスクェアへ加入したのだが『脚線美の誘惑』の一押しが久米大作の【チェンジ・ユア・マインド】だったこともあり,どうしても久米大作の“後釜兼代役”を強く意識させられたものだ。

 まぁ,プレッシャーという点では,ザ・スクェアの顔=伊東たけしの後釜でる本田雅人の比ではない。しかし本田雅人アルト・サックスである。インパクトあるフロント楽器の存在感は『ニュース』(もっと言えば1曲目の【MEGALITH】)だけで一発OK。
 その点,キーボード・プレイヤーとして裏方でスクェアを支え続けた和泉宏隆の“才能の爆発”を知らしめるには10TH『R・E・S・O・R・T』(以下『リゾート』)を待たねばならない。『リゾート』で起きた“奇跡”は和泉宏隆“抜き”に語ることなどできやしない!

 『リゾート』は【ハワイへ行きたい】とタイトルに念を込める程に入れ込んでいた,安藤まさひろ“念願の”ハワイ録音にしてザ・スクェア初の海外録音作。
 ファンの間でよく語られるのが『リゾート』=ハワイの音だが,管理的には『リゾート』=フィーチャリング和泉宏隆の音である。

 マイルス・バンドの音は,その全てがマイルス・デイビスであるように『リゾート』の音は,その全てが和泉宏隆である。和泉宏隆のハイセンスなアレンジ能力が炸裂しまくっている。

 この『リゾート』における“スクェア和泉化”はスクェアの歴史における重要な転換点である。
 音楽監督=和泉宏隆のサウンドをベースに,安藤まさひろ伊東たけし田中豊雪長谷部徹の4人が“スクェア・サウンド”へと着色していく! しかも和泉宏隆のアイディア以上の鮮やかさで着色していく! これぞ,歌えるメロディを緻密にアレンジされた音使いで広げるオーケストレーション!

 そう。コンポーザーが誰であろうとバンド全員が“スクェア・サウンド”のイメージを共有しコンポーザーの意図した以上のカラーを施す! これぞ『トゥルース』へと通ずるザ・スクェア“勝利の方程式”の完成形である。
 『リゾート』で姿を現した,フィーチャリング和泉宏隆の“スクェア・サウンド”は正直“神がかっていた”としか表現できない。ブレイクスルーしたイマジネーションの世界が『リゾート』に色濃い。

 『リゾート』における“スクェア和泉化”は楽曲面でも大きな成果をもたらした。そう。スクェアの2枚看板=“ロックな安藤メロディ”と“和泉バラード”の確立である。

 『リゾート』のオープニングが【オーメンズ・オブ・ラヴ】でラストが“和泉バラード”名曲中の名曲【フォーゴトゥン・サガ】の和泉宏隆作。中盤を締めるが【チャンス】と“ロックな安藤メロディ”の【プライム】が安藤まさひろ作。
 この“両雄揃い踏み”が,安藤まさひろをよりロックへと向かわせ和泉宏隆をよりバラードへと向かわせる。この分業制(専業制ではない!)の確立が『トゥルース』での【トゥルース】と【トワイライト・イン・アッパー・ウェスト】のドロップ・アウトへの一本道。

 『リゾート』が“これ以外には考えられない完璧な出来のシンセサイザー”でイントロが始まる“黄金パターン”の走り。そう。和泉宏隆ザ・スクェアの“最初の奇跡”の記録である。

PS 有名リゾート地で聴くスクェアの『リゾート』は最高なんだろうなぁ。 ← 未だ海外リゾート未体験。御宿や三浦海岸で聞いた『リゾート』はサザンや山下達郎よりも良かったです。待ってろよ,青い海,青い空,白い砂浜とマリン・スポーツ。絶対ハワイで聞いてやる〜。絶対モルディブで聞いてやる〜。ああ〜。

  01. OMENS OF LOVE
  02. FEEL ALRIGHT
  03. CHANCES
  04. STIMULATOR
  05. WE'LL NEVER HAVE A TROUBLE
  06. IN THE GRID
  07. MERYLU
  08. PRIME
  09. FORGOTTEN SAGA

(CBSソニー/CBS/SONY 1985年発売/32DH194)
(スリムケース仕様)

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ザ・スクェア / スターズ・アンド・ザ・ムーン4

STARS AND THE MOON-1 海風(神風)パンチラの『ラッキー・サマー・レディー』と純白ビキニ・ギャルの『メイク・ミー・ア・スター』。そう。ザ・スクェアと来れば“夏”である。
 ザ・スクェアは,その後も『リゾート』『スポーツ』での競泳,波乗り『ウェーブ』と“夏CD”を作り続けている。
 9TH『STARS AND THE MOON』(以下『スターズ・アンド・ザ・ムーン』)を除いては…。

 『スターズ・アンド・ザ・ムーン』は,ザ・スクェア初の“冬CD”。要するに「夏から冬」→「昼から夜」→「動から静」→「メジャー調からマイナー調へ」。これが『スターズ・アンド・ザ・ムーン』のコンセプトである。

 この突然の変化は一過性のもの。読者の皆さんにもあるでしょう。ほら「いろんな私を見て」的欲求の発散が…。
 『アドヴェンチャー』の大ヒットによりメディアへの露出が激増したザ・スクェア。その紹介のされ方は決まって,フュージョン・バンドお決まりの“明るく爽やかな元気ハツラツ系”。それは全てその通りなのだが,フュージョン・ミュージックは特定の型にはめられることを嫌う。
 『スターズ・アンド・ザ・ムーン』は『アドヴェンチャー』大ヒットの反動作ではなかろうか?

 反動作と書いてはみたが,これは無意識の感情の発露ではなく狙いに狙ってのもの。これはきっと思いつきではない。
 管理人がそう思ったのは【いとしのうなじ】の存在である。【いとしのうなじ】は『脚線美の誘惑』で脱退したキーボード・プレイヤー久米大作の作で,実際に【マジック】のライブで新作として演奏されていた(らしいのです。あるファン談)。
 そう。【いとしのうなじ】は,ザ・スクェア数年来の持ち歌。ザ・スクェアはずっと【いとしのうなじ】の発表時期を温めていた。以前から“冬CD”のコンセプトは温められていたのだ。
 やるな,安藤まさひろ安藤まさひろは“策士”であった。

 ただしキャッチーな【いとしのうなじ】が“冬CD”のコンセプトとどうつながるかは説明できません。『スターズ・アンド・ザ・ムーン』のために温めていたわけではなくたまたま収録されただけ? これって妄想? 外れてる?

 “冬CD”『スターズ・アンド・ザ・ムーン』の真骨頂は【いとしのうなじ】【OVERNIGHT SENSATION】のツー・トップを支える,ミディアム・テンポで“地味系”の佳作6曲。とりわけ伊東たけしアルト・サックスの語り口がいい。
( ちなみに【OVERNIGHT SENSATION】は,TBS系「音楽の旅はるか供廚離董璽浙福こちらも旅つながりで『アドヴェンチャー』は【TRAVELERS】の後遺症有り )。

 思うに『スターズ・アンド・ザ・ムーン』は,アルト・サックス奏者=伊東たけしのためにある。
 サントリー・ホワイトのTVCMで,伊東たけしリリコンのイメージが広く浸透した。これはこれでいいことなのだが,その後の伊東たけしの歩み=ソロCDを聴いていくと,伊東たけしアルト・サックス一本で生きている。
 そう。ここにも『アドヴェンチャー』の反動の痕跡。伊東たけしのメイン楽器はリリコンではなく“アルト伊東”なのである。

 濃密な伊東たけしアルト・サックスが,ザ・スクェアを月夜の音世界へと誘っていく。
 『スターズ・アンド・ザ・ムーン』は,内から外への響きではない。下から上への響きである。向かっているのは星と月。月まで届き反響した音が天から優しく降って来る。正しく冬の夜空の透明感。月夜の光が心の奥底までも照らしてくれる。こんなにもアダルトなザ・スクェアは前例がない。いい。

STARS AND THE MOON-2 2001年発売の「DSDマスタリングシリーズ」で最初に買ったのが『スターズ・アンド・ザ・ムーン』だった。理由は伊東たけしアルト・サックスを高音質で聴こうと思ったから。

 ザ・スクェア名盤群の中で,管理人的に伊東たけしアルト・サックスと言えば『スターズ・アンド・ザ・ムーン』が最右翼。買い直して良かったと思った。
 伊東たけしアルト・サックスが高音質だったので,未入手の4枚+1枚(『ラッキー・サマー・レディー』『ミッドナイト・ラヴァー』『メイク・ミー・ア・スター』『ロックーン』と半額セールで投売りされていた『スウィート・アンド・ジェントル』)も買い揃えようと思った。
 それくらい『スターズ・アンド・ザ・ムーン』には,なぜだろう,惹かれてしまう。きっかけは覚えているのだが…。

 ここまで硬派に書いてきましたが,皆さんどうもすみません。
 ぶっちゃけ管理人にとっての『スターズ・アンド・ザ・ムーン』は【いとしのうなじ】がテーマ曲だったフジテレビの寺田理恵子。寺田理恵子のカワユサはアイドル以上でした。ちゃんちゃん。

  01. いとしのうなじ
  02. Maybe I'm Wrong
  03. Cry For The Moon
  04. Mistral
  05. Destination
  06. Overnight Sensation
  07. Mist Of Time
  08. 遠雷

(CBSソニー/CBS/SONY 1984年発売/VRCL2109)
★【初回生産限定盤】ミニLP紙ジャケット仕様

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ザ・スクェア / ライト・アップ − ベスト・セレクション5

LIGHT UP(BEST SELECTION)-1 ザ・スクェア初のベスト・アルバムである『LIGHT UP(BEST SELECTION)』(以下『ライト・アップ − ベスト・セレクション』)こそ,初期スクェアの宝庫。

 「スクェアの1期」は“ほんわか系なのに斜に構える”仙波清彦パーカッションに尽きる。“歌心ある混沌セッション”が堪能できる。

 管理人より全世界のスクェア・ファンの皆さんへ声を大にしてこれだけは伝えたい。オリジナル・アルバム未収録の【トゥー・ヤング・トゥ・ラブ】は必聴トラック。【トゥー・ヤング・トゥ・ラブ】を聴き逃してはザ・スクェアは語れません。

※ 『LIGHT UP(BEST SELECTION)批評ジャケット写真はミュージック・カセット・テープ版です。

  01. A FEEL DEEP INSIDE
  02. SHOW DANCE
  03. MIDNIGHT LOVER
  04. CHANGE YOUR MIND
  05. BANANA
  06. MR.COCO'S ONE
  07. TOO YOUNG TO LOVE
  08. IT'S MAGIC
  09. HEARTS

(CBSソニー/CBS/SONY 1983年発売/20KH1323)

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ザ・スクェア / うち水にRAINBOW5

うち水にRAINBOW-1 管理人の中では前作『脚線美の誘惑』と『うち水にRAINBOW』が2枚で1枚の1セット。

 『うち水にRAINBOW』は,以前からバック・バンド等で関係の深かった松任谷由実が,楽曲提供(【黄昏で見えない】)&タイトリング&ジャケットデザインまでをアルバム・コーディネーターとして参加。
 “歌もの路線”と決別したはずなのに,以前にも増して伊東たけしの“歌うアルト”にユーミン・プロデュースの影響を感じてしまう。

 “メロディー・メーカー・安藤まさひろ”の「インストだからこそ歌えるメロディ・ライン」の名曲群に,和泉宏隆のオーケストレーションなカラーリングと田中豊雪のパフォーマンスがベスト・マッチング。

 ザ・スクェア特有の,フュージョン・バンドでありながら,歌えるメロディを重要視するスタイルは『うち水にRAINBOW』で完成したと思う。
 世間でヒットしなかったことだけが惜しまれる『うち水にRAINBOW』は,全曲名曲の名盤である。

※ 『うち水にRAINBOW批評ジャケット写真はミュージック・カセット・テープ版です。

  01. HELLO GOODBYE
  02. 君はハリケーン
  03. SABANA HOTEL
  04. STINGRAY
  05. HANK & CLIFF
  06. 黄昏で見えない
  07. From 03 To 06 (Receivers)
  08. カピオラニの通り雨
  09. BARBARIAN
  10. HELLO GOODBYE (Reprise)

(CBSソニー/CBS/SONY 1983年発売/28KH1312)
(ライナーノーツ/松任谷由実)

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ザ・スクェア / マジック5

MAGIC-1 「ヒップ(←ジャケット写真参照)でポップでテクノでディスコな」ザ・スクェアが『MAGIC』(以下『マジック』)。

 当時はこの手のフュージョンが大好きで『マジック』をザ・スクェアの代表作としてお奨めしていたのだが,振り返れば『マジック』は,王道のスクェア・サウンドからは最も遠い異色盤。
 代表作が最も“ザ・スクェアっぽくない”のはどうかと思い,最近ではゲテモノの位置に置いています。

 【マジック】のベーシストが永遠に田中豊雪であるようにボーカリストマリーンよりキャサリーンです。

※ 『MAGIC批評ジャケット写真はミュージック・カセット・テープ版です。

  01. IT'S MAGIC
  02. CHOU CHOW
  03. I'LL NEVER FORGET YOU
  04. LITTLE MERMAID
  05. LARISA
  06. CHASE
  07. SUNSHINE SUNSHINE
  08. WANDERING SOLDIER
  09. I LUV U
  10. かわいいテクノ

(CBSソニー/CBS/SONY 1981年発売/20KH1459)
(ライナーノーツ/山口弘滋)

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ザ・スクェア / ロックーン5

ROCKOON-1 『メイク・ミー・ア・スター』でのグループ・サウンズ風に手ごたえを感じた安藤まさひろが“歌もの路線”に取り組んだ『ROCKOON』(以下『ロックーン』)。

 (管理人の遠い記憶が確かならば)安藤まさひろが目指していたのは『ロックーン』のタイトルよろしくTOTOに代表される“AOR系フュージョン”。

 だが出来上がりは,やっぱりグループ・サウンズ風の「WE ARE THE SQUARE」。洗練途上のオシャレ感が漂っている(スクェアが真のオシャレ系になったのは『YES, NO。』以降のこと)。

 7人編成の大所帯となったザ・スクェアの“混沌の個性派セッション”の味が滲み出ている。そう。ザ・スクェア名義の真髄は,バンドではなくセッション・グループである。

 さて,管理人は歌詞ではなく楽器だからこそ伝えられる歌があると思っている。ジャズフュージョンは,感動を与える点で決してロックに負けてはいない。
 ハイライトの【TOMORROW’S AFFAIR】と【GOOD NIGHT】は鼻水が止まらない程に泣けるし【BANANA】を聴いたら多少の悩みなど飛んでいってしまう。

ROCKOON-2 『ロックーン』以上の名盤はたくさんあるが,管理人にとって『ロックーン』以上に“ザ・スクェアっぽさ”を感じるCDも他にはない。
 『ロックーン』に,他のどのアルバムとも異なる「特別の愛着」を覚える。

  01. ROCKOON
  02. REALLY LOVE
  03. TOMORROW'S AFFAIR
  04. BANANA
  05. THE WAY I FEEL
  06. LITTLE POP SUGAR
  07. COME BACK
  08. IT'S HAPPENING AGAIN
  09. GOOD NIGHT

(CBSソニー/CBS/SONY 1980年発売/VRCL2104)
(ライナーノーツ/松任谷由実)
★【初回生産限定盤】ミニLP紙ジャケット仕様

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ザ・スクェア / メイク・ミー・ア・スター4

MAKE ME A STAR-1 『ラッキー・サマー・レディー』『ミッドナイト・ラヴァー』『MAKE ME A STAR』(以下『メイク・ミー・ア・スター』)『ロックーン』の4枚が“一緒くた”の「スクェアの1期」。
 要するに「スクェアの1期」は“ほんわか系なのに斜に構える”仙波清彦パーカッションに尽きる。

 『メイク・ミー・ア・スター』の特徴は,往年のグループ・サウンズ風。このグループ・サウンズ風=『メイク・ミー・ア・スター』で得られた成果が,安藤まさひろを『ロックーン』『マジック』での“歌もの路線”へと突き動かした理由だと思う。

 自然体の実験段階,やりたいことを後先考えずに形にしてきた試行錯誤中のザ・スクェアが,バンドとしての個性を固めてきたのが『メイク・ミー・ア・スター』の真実である。

 ザ・スクェアの個性とは“歌心ある音遊び”である。
 ザ・スクェアとは“稀代のメロディー・メーカー”安藤まさひろの世界を容認し追随し,それでもメンバーの個性を強く感じる“J−POP系フュージョン・バンド”である。

MAKE ME A STAR-2 『メイク・ミー・ア・スター』のシンボルマークであるエロス÷お色気ジャケットの第2弾=巨乳で純白のビキニ・ギャルの駆け足と共にザ・スクェアがついにはじけ出した。

  01. MR.COCO'S ONE
  02. MAKE ME A STAR
  03. LIFE IS A MUSIC
  04. STIFF NAILS
  05. LOVE FOREVER
  06. I WILL SING A LULLABY
  07. TEXAS KID

(CBSソニー/CBS/SONY 1979年発売/VRCL2103)
(ライナーノーツ/岩浪洋三)
★【初回生産限定盤】ミニLP紙ジャケット仕様

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ザ・スクェア / ミッドナイト・ラヴァー4

MIDNIGHT LOVER-1  『ラッキー・サマー・レディー』『MIDNIGHT LOVER』(以下『ミッドナイト・ラヴァー』)『メイク・ミー・ア・スター』『ロックーン』の4枚が“一緒くた”の「スクェアの1期」。
 要するに「スクェアの1期」は“ほんわか系なのに斜に構える”仙波清彦パーカッションに尽きる。

 『ラッキー・サマー・レディー』の録音から,わずか3ヶ月後に録音された2nd『ミッドナイト・ラヴァー』。
 【ミッドナイト・ラヴァー】がアダルトなバラード・ナンバーのせいだろうか,この短期間でスケール・アップしたザ・スクェアの“ユーモラスなオリジナリティ”が素晴らしい。

MIDNIGHT LOVER-2 『ミッドナイト・ラヴァー』は「ダイレクト・カッティング」録音盤。テクニシャン揃いのザ・スクェアだからできた芸当であろうが,これが予想以上の副産物を産み落としている。
 一発勝負のライブ感が“若者特有の躍動感”を伝えると共に,冷静なスタジオ・ワークが“背伸びした時代の最先端”を押し出した感が“不良ではないいきがり風トンガリ”でほほ笑ましい。

  01. LICKIN' IT
  02. WRAPPED AROUND YOUR SOUL
  03. SHOW DANCE
  04. TAKE THE LONG ROAD
  05. MIDNIGHT LOVER
  06. THIS SONG

(CBSソニー/CBS/SONY 1978年発売/VRCL2102)
(ライナーノーツ/上田力)
★【初回生産限定盤】ミニLP紙ジャケット仕様

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ザ・スクェア / ラッキー・サマー・レディー4

LUCKY SUMMER LADY-1 正直に語ろう。“スクェア命”を公言する管理人であるが,かつて,スクェア・ファンにあるまじき,スクェアへの理解と愛情が決定的に欠落している暗黒時代が存在していた。

 『LUCKY SUMMER LADY』(以下『ラッキー・サマー・レディー』)『MIDNIGHT LOVER』『MAKE ME A STAR』『ROCKOON』の4枚,安藤まさひろが『WORDLESS ANTHOLOGY』シリーズで「スクェアの1期」と分類した上記4枚は,2001年発売の「DSDマスタリングシリーズ」で初購入。遅れてどうもすみません。

 “スクェア命”の管理人が,なぜ20年以上も未購入で放置してきたのか? 以下の苦しい言い訳は管理人とザ・スクェアの出会いから語らねばなるまい。

 そもそも管理人がザ・スクェアと出会ったのは,ザ・スクェアのライバル=カシオペアつながり。
 すでにカシオペアがブレイク中。人気が出てうれしい反面,淋しさも感じるファン心理だったのか,フュージョン・ファンの友人と密かに「世間がまだ知らないバンドを応援しよう」がきっかけだった。その2人きりの作戦会議で名前が挙がったのが友人一押しのザ・スクェア
 この時点でザ・スクェアを知らなかった管理人は,急いでレコード屋へ向かい,まずはベスト盤=『LIGHT UP(BEST SELECTION)』(以下『ライト・アップ − ベスト・セレクション』)をGETしたきた(昔懐かしいミュージック・カセット・テープ版)。

 この『ライト・アップ − ベスト・セレクション』が名盤だった。なにせ現在でも所有し,今でもたまに聴いているぐらい(今日もこの記事を書きながら聴いています)。今でも聴く理由はオリジナル・アルバム未収録の【トゥー・ヤング・トゥ・ラブ】が大好きだからです。フルートベースの“絡み具合”が最高なのです。お〜っと,脱線注意。

 そう。『ライト・アップ − ベスト・セレクション』のせいで「スクェアの1期」の4枚が,頭の中で“一緒くた”なのです。
 もう『ライト・アップ − ベスト・セレクション』=「スクェアの1期」のイメージが構築されて崩れない。いやっ,崩したくない。それで20年以上も未購入で放置(いくらなんでも未聴ではないですよ。レンタル屋さんで借りていました)。
 スクェア・ファンの読者の皆さん。こんなんで“スクェア命”を公言してしまい,申し訳ございませんでした。現在では(企画盤で未入手が数枚ありますが)オリジナル盤完璧コンプリート済ですので“スクェア命”を公言してもいいですよね?

LUCKY SUMMER LADY-2 久しぶりに聴く,全曲通しの『ラッキー・サマー・レディー』である。1曲目が『ライト・アップ』と同じ【ア・フィール・ディープ・インサイド】なので安心であった。続くは【ラッキー・サマー・レディー】。コーラスはキーボード宮城純子だったでしょ? 来るは来るはの全曲制覇。なあ〜んだ,全部知ってるじゃん!

 そんなこんなで『ラッキー・サマー・レディー』の購入は,管理人の“スクェア命”の暗黒時代を補強してくれた。うれしい。
 でももっとうれしいのは念願のエロジャケ所有。こんな淑女がはいているパンティとは? からのパンモロが素晴らしい。
 『ラッキー・サマー・レディー』を知っていると『T COME BACK』の裏ジャケが何倍も楽しめます。

  01. A FEEL DEEP INSIDE
  02. LUCKY SUMMER LADY
  03. THE NUMBER
  04. FUTURE FLY
  05. I WON'T LAST A DAY WITHOUT YOU
  06. BEFORE IT'S GONE TOO FAR

(CBSソニー/CBS/SONY 1978年発売/VRCL2101)
(ライナーノーツ/野口久光)
★【初回生産限定盤】ミニLP紙ジャケット仕様

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T−スクェア / グルーヴ・グローブ / IN A SWEET TRAP4

 『GROOVE GLOBE』の10曲目は【IN A SWEET TRAP】。


 【IN A SWEET TRAP】は,50秒間のガッツン・イントロ! 残りは“無敵の”伊東バラードという2部構成。何とも不思議な雰囲気のトラックである。

 イントロの雨音に被さってくる“ドラマティック”なリズム隊+“スリリング”なキーボード
 これは幻想的な宇宙空間? それとも世紀末的な地殻変動? 地球の誕生または破滅のどちらをイメージするかは,読者の皆さんの判断に委ねたい。

 安藤まさひろ河野啓三に“誘導された”伊東たけしアルト・サックスが鳴り響く。
 これは“無の境地”! 一切の雑念を払い捨て感情を抑えた,伊東たけしの“クール”な世界が咲きほこる!

 【IN A SWEET TRAP】の展開力は“見事”である。壮大なテーマを持つ“スケール感”。上手に表現できないのがもどかしいが,聴き手に何かを感じさせてくれる。

T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic and Electric Guitars
TAKESHI ITOH : Alto and Soprano Sax, EWI, Flute

Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass

T−スクェア / グルーヴ・グローブ / MIRACLE CITY4

 『GROOVE GLOBE』の9曲目は【MIRACLE CITY】。


 【MIRACLE CITY】は,T−スクェア“お得意の”CITY系! フュージョン好きなら“泣いて歓ぶ”定番ソング! 上質で洗練されたメロディ+盛り上がりのサビ+最強リズムが「コレッ,コレを待ってたんだ〜」と叫ばせる!

 【MIRACLE CITY】は,T−スクェアがJ−フュージョンのトップ・グループであることの動かぬ証し!河野啓三の計算通りに,全てがキッチリハマッテいるのだろう。絶妙のバランス感覚が働いている。やはり“超一流の総合力”は伊達ではない。

 最高のユニゾンに最高のアドリブ! とりわけ“安藤まさひろで始まり伊東たけしで終わる”短くとも印象的なメンバー全員のソロ回しに“萌えまくる”!
 全員個別に“褒めちぎりたい”完璧なソロであるが,3分24秒からの森岡克司のパフォーマンスが群を抜く! これはナルチョの【THE BASS GREETINGS】の短縮版!
 これ位の長さでないと,今のT−スクェアは持ちこたえられない。森岡克司に破壊されてしまう。

 T−スクェアと言う“宝石箱”に,上手に森岡克司をはめ込んだ,河野啓三の音楽センスが輝きを放っている!
 ひいては河野啓三の実力を認めて自由にやらせる,リーダー・安藤まさひろの“懐の深さ”こそ,称賛させられるべきであろう。そう。老舗の伝統には力がある!

T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic and Electric Guitars
TAKESHI ITOH : Alto and Soprano Sax, EWI, Flute

Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass

T−スクェア / グルーヴ・グローブ / DON'T TELL ME A TRUTH4

 『GROOVE GLOBE』の8曲目は【DON’T TELL ME A TRUTH】。


 【DON’T TELL ME A TRUTH】は,要所要所でスタッカートが入ってくる,スパニッシュ・フレーバー。安藤まさひろギターもフラメンコしている。
 しかし,どことなく懐かしい。まるで初期スクェアを聴いているかのようだ。

 なぜだろう? この音はハッタリ為しに2004年版! テクニックもテクノロジーも初期スクェアの比ではないはずなのに…。
 そうか。マイケル河合の存在である! プロデュサー兼パーカッショニストとして参加したマイケル河合は,ザ・スクェアの初代ドラマー! どおりでスパニッシュよりも初期スクェアの音がするわけである。

 しかし,スペインや郷愁に思いを馳せるだけが【DON’T TELL ME A TRUTH】の聴き所ではない。
 2分47秒からのギターとのユニゾンを振り切り“自己主張”するベース! 耳を疑う森岡克司のスゴテクに衝撃! この“うねりを感じさせる早弾き”は,リチャード・ボナ級! グレート!
 悪いことは言いません。拝啓 森岡克司様,早く独立してください。ソロになったら応援しますので…。

T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic and Electric Guitars
TAKESHI ITOH : Alto and Soprano Sax, EWI, Flute

Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass

Additional Musician
MICHAEL S. KAWAI : Percussion

T−スクェア / グルーヴ・グローブ / MOON4

 『GROOVE GLOBE』の7曲目は【MOON】。


 【MOON】は,アンプラグドの魅力をフューチャーした名演である。このロマンティックな曲想を生かし切るには,やはりアンプラグドなのであろう。

 冒頭からメインテーマを奏でるユニゾンとソロのバランスが絶妙である。しかもユニゾンの組み合わせも“入れ替わり立ち替わり”本当はじっくりと1人1人のプレイに耳を傾けたいところなのだが,途中で,どこかの“夢の世界”へと連れ去られてしまう。
 それ程“幻想的”な音世界! さすがは河野啓三! 現T−SQUAREの“音楽総指揮官”に任命されただけのことはある。

 やはり聴き所はユニゾンの美しさにあると思うのだが,繰り返し聴き込み“トリップ”するのを我慢できるようになると,各人のソロにも心奪われるようになる。
 1分32秒からの伊東たけしアルト・サックス,2分36秒からの安藤まさひろアコースティック・ギターは“いつも通り”素晴らしい。
 しかし現T−SQUARE“らしさ”を感じさせてくれるのは,3分8秒からの河野啓三のピアノ・ソロ! シンセをバックに大人のアドリブを決めてくれる。
 続く森岡克司フレットレス・ベースはそうでもないが,ソロ上がりの河野啓三とのユニゾンがいい! そう。森岡克司は自由よりも“抑制の美”がよく似合うベーシストなのである。

T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic and Electric Guitars
TAKESHI ITOH : Alto and Soprano Sax, EWI, Flute

Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass

T−スクェア / グルーヴ・グローブ / CAPE VERDE4

 『GROOVE GLOBE』の6曲目は【CAPE VERDE】。


 【CAPE VERDE】は,メイン・テーマの曲調にフルートの使用が相まって“ポップなライト・フュージュン”と言った趣。約20年前の初期「ザ・スクェア」のサウンドに接している気分になる。

 しかしメンバー各自の“アドリブ・タイム”の時間になると,一気に最新の「T−スクェア」サウンドに舞い戻ってくる!
 1分57秒から始まる,森岡克司ベース・ソロがハイライト! スクェアのバンド・カラーにはそぐわない森岡克司であるが,このソロ・パフォーマンスには“賛辞”を送りたい。この手のスラップ&超早弾きのベーシストは当代希有。スゴイの一言!
 2分34秒からの安藤まさひろギター・ソロはエッジが効いたロック・ギター。完全に森岡克司に影響されてしまっている。
 森岡ベースに“触発”されたのは安藤だけではない。3分11秒からの伊東たけしフルート・ソロが,なぜか激しい。4分19秒からの河野啓三キーボード・ソロも“ザ・鮮烈”である。

 バリバリのソロが続いただけに,後半のメイン・テーマへの移行で“腰砕け”。良い演奏なのだが“ほんわか”に戻ったとたんに“ふぬけ”に思えてしまう。ウーン。

T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic and Electric Guitars
TAKESHI ITOH : Alto and Soprano Sax, EWI, Flute

Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass

Additional Musician
MICHAEL S. KAWAI : Percussion

T−スクェア / グルーヴ・グローブ / PEACEMAKER4

 『GROOVE GLOBE』の5曲目は【PEACEMAKER】。


 【PEACEMAKER】は,メロディアス! ただし以前の“カラフルさ”はない。「と・き・め・く」ほどの歓びまでは感じない。
 “メロディメーカー・安藤まさひろ”も,少しマンネリ化してきたのかなぁ…。

 伊東たけしEWIは小気味よい。安藤まさひろのエレキ・ギターもリズムにリードに大忙し。他のサポート・メンバーも“芯”のある演奏で2人を支えている。このチームワークはお見事である!
 しかし,一見,盛り上がっているようでいて,このテンションには無理がある。確かにスクェア“特有の味”はするものの,管理人が愛する“自然発生的なフュージョンのノリ”ではない。そう。新しい音楽を創造する時に覚える感動が【PEACEMAKER】には薄いかなぁ…。

 唯一の“光”は則竹裕之ドラミングである。中盤の3分7秒からの大叩きで“吠えているな”と感じていたら,終盤4分11秒からは,伊東たけしアドリブに“噛みついていく”!
 このコラボだけは“自然発生的なフュージョンのノリ”で「と・き・め・き」を感じさせる。

T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic and Electric Guitars
TAKESHI ITOH : Alto and Soprano Sax, EWI, Flute

Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass

T−スクェア / グルーヴ・グローブ / JUNGLE FEVER4

 『GROOVE GLOBE』の4曲目は【JUNGLE FEVER】。


 【JUNGLE FEVER】が放つ空気感は,どことなくRTF? ヘッド・ハンターズ? その昔,NHK−FM『クロスオーバー・イレブン』で流れていた,フュージョンのスーパー・グループの“香り”が漂っている。

 じっくり聴くと“スクェア”以外の何者でもないのであるが,安藤まさひろエレキ・ギター伊東たけしフルートの組み合わせが,今時の耳に“新鮮”でもあり,なぜか“懐かしく”もある。
 この“郷愁感”こそ伊東たけしの“巧みの技”! ギターの後ろで“優しく”音を合わせていく。“笛吹き”フルートの魅力を生かしたハーモニー・センスにグッときてしまう。
 サビでのユニゾン全体がいいのだが,ピンポイントで2分20秒と4分21秒から始まる“締めの一吹き”。この音は“スクェア”という次元を越えた“フュージョン”の魅力である。

 それにしても【JUNGLE FEVER】での則竹裕之ドラミングは,かなりタイトでジャズ的だ。ガラッと雰囲気を変えたもんだ。

T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic and Electric Guitars
TAKESHI ITOH : Alto and Soprano Sax, EWI, Flute

Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass

Additional Musician
MICHAEL S. KAWAI : Percussion

T−スクェア / グルーヴ・グローブ / FUTURE MAZE4

 『GROOVE GLOBE』の3曲目は【FUTURE MAZE】。


 【FUTURE MAZE】からは,かなりの斬新さを感じる。例えばメイン・テーマの選択である。
 16秒以降に繰り返されるテーマ,後半の盛り上がりを支配している。40秒以降に出てくるテーマ△主体なら耳あたりはかなり良いはずなのだが…。
 4分38秒から流れ出す伊東たけしのソロもテーマヾ鵑蝓これは1分38秒からのベース・ソロの流れを受けてのことだろうが,何とももったいない。

 このテーマ,任呂覆テーマ△鬟瓮ぅ鵑冒択するという判断は以前のT−スクェアには見られなかったことだと思う。
 キャッチーな方をあえて曲のアクセントとして用いる手法こそ【FUTURE MAZE】で花咲かせた,T−スクェアの新境地なのだろう。きっとそうだろう。いや,そうであっほしい。そうであってくれ。そうでないと困る〜。

T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic and Electric Guitars
TAKESHI ITOH : Alto and Soprano Sax, EWI, Flute

Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass

T−スクェア / グルーヴ・グローブ / I'M IN YOU4

 『GROOVE GLOBE』の2曲目は【I’M IN YOU】。


 【I’M IN YOU】は,アコースティックなミディアム・バラード。
 ギターサックスピアノがバランス良くリードを取りあい,またサポートしあっている。T−スクェアというバンドとしての“暖かみある”表現が成功したと言えよう。

 メインは伊東たけしアルト・サックスなのだが,管理人はアルト・サックスの後ろで聴こえる,地味なフレージングに心奪わてしまう。
 例えば,1分32秒から53秒までのベースと3分47秒からのギターアルト・サックスの突出を中和する,見事なアクセントである。
 ただし逆に言えば,バラードとしては少々インパクトに欠けている。どうも小手先で“はぐらかされた”かのような…。

T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic and Electric Guitars
TAKESHI ITOH : Alto and Soprano Sax, EWI, Flute

Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass

Additional Musician
MICHAEL S. KAWAI : Percussion

T−スクェア / グルーヴ・グローブ / DREAM WEAVER4

 『GROOVE GLOBE』の1曲目は【DREAM WEAVER】。


 【DREAM WEAVER】からは,いわゆるスクェア“らしさ”を残しつつも,どことなく“大人になった”印象を受けてしまう。
 一気にはじけることもなく“淡々と”“粛々と”しかし確実に盛り上がっていく。“クール”な肌触りのする,実際は“ハード”な演奏なのだ。
 これはメンバー各自の音の整合性,バランスが“より洗練された”結果なのだろう。T−スクェアはバンドとしてまだまだ進歩し続けている。

 【DREAM WEAVER】にガツンとやられるのは,2分19秒からのギター・ソロが始まってから。何度も注意深く聴き返してみたが,やはりこのパートの前後で曲想が変化している。
 個人的には当然後半! ユニゾンの決まり具合が大好きだ。
 ただし以前ほどの爆発力はない。“クール・ビューティー”を愛する大人のフュージョン

T-SQUARE
MASAHIRO ANDOH : Acoustic and Electric Guitars
TAKESHI ITOH : Alto and Soprano Sax, EWI, Flute

Support Musicians
HIROYUKI NORITAKE : Drums
KEIZOH KAWANO : Keyboards, Acoustic Piano
KATSUJI MORIOKA : Bass

Additional Musician
MICHAEL S. KAWAI : Percussion

T−スクェア / グルーヴ・グローブ4

GROOVE GLOBE-1 F1と聞くと読者の皆さんは何を連想するだろうか? 恐らく多くの人は「HONDA」であり「TOYOTA」であり,セナ,シューマッハ,佐藤琢磨かもしれない。
 しかしフュージョン・ファンであるならば,間違いなく“T−スクェア&『TRUTH』”であろう。あのテーマ・ソングは,紛れもなくJ−フュージョン最大のヒット曲である。

 さて,当時のことを思い返すと,複雑な心境にあったことを思い出す。ずっと応援してきたバンドが,やっと売れて良かった,と思う反面,周囲がこぞってT−スクェアを称賛している。まるで手のひらを返したかのように…。
 「T−スクェアは『TRUTH』だけのバンドじゃないぞ〜。おまえら真のスクェアの姿を見てやってくれ〜」。そう叫びたかった! インディーズ時代からメジャーになるまで,あるバンドを追いかけた経験がある人なら共感いただけることと思う。

 そして今,管理人はまたもこう叫びたい! 「T−スクェアは『TRUTH』だけのバンドじゃないぞ〜。おまえら真のスクェアの姿を見てやってくれ〜」。
 そう。T−スクェアは一発屋などではないのである。

 そこで『GROOVE GLOBE』(以下『グルーヴ・グローブ』)。『グルーヴ・グローブ』には正直,管理人も驚かされた。
 デビュー当時からT−スクェアザ・スクェア)にはポップな印象を持っている。キャッチーなメロディーが良質な演奏で楽しめる。そんなイメージ。
 しかし『グルーヴ・グローブ』では完全に,以前のスクェア“らしさ”が消えている。最初に違和感を感じたのである。

 よくよく聴き返してみる。安藤まさひろの地蔵ギター,復帰した伊東たけしのくすんだサックスの味は以前と何も変わらない。
 新サポートメンバー,森岡君の加入か? 確かに新しいスタイルのベーシストがバンドに変化をもたらしている。でも違う。ん〜。そうだ,曲調が違うのだ。

GROOVE GLOBE-2 『グルーヴ・グローブ』で感じた変化の本質は安藤まさひろの“新たなチャレンジ”であろう。バンドとして森岡克司ベース・プレイを売り出したいのではなかろうか?

 確かに森岡克司は斬新なベーシストで,安藤まさひろが目をつけた気持ちも良く分かる。
 だが森岡克司のカラーが今までのスクェア・サウンドにマッチするかどうかは,かなり疑問だ。管理人には今後のスクェアの存続をも左右する“大博打”に思えてならない。

 さて,ここで切ったハンドルを次回作でも継続するのか? それとも以前の曲調に戻すのか?
 『グルーヴ・グローブ』は“今現在の”T−スクェアを知る上での問題作! 個人的にはまだ耳が慣れず好きではない。

  01. DREAM WEAVER
  02. I'M IN YOU
  03. FUTURE MAZE
  04. JUNGLE FEVER
  05. PEACEMAKER
  06. CAPE VERDE
  07. MOON
  08. DON'T TELL ME A TRUTH
  09. MIRACLE CITY
  10. IN A SWEET TRAP

(ヴィレッジ/VILLAGE 2004年発売/VRCL-10002)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
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