管理人にとって板橋文夫は「近くて遠い」存在である。
その「近い」の真意とは,板橋文夫は管理人の愛する片山広明の盟友であり,板橋文夫は渡辺貞夫,日野皓正,森山威男のレギュラー・ピアニストの歴任者。エルヴィン・ジョーンズとも共演している“世界の板橋文夫”その人である。
事実,板橋文夫の演奏は,FM東京系「渡辺貞夫・マイ・ディア・ライフ」のスタジオ・ライブで良く耳にしていた。学生の頃,身近に感じたジャズ・ピアニストの一人であった。
その「遠い」の真意とは,板橋文夫のソロ・アルバムを3枚聴いてみたが,管理人の抱く板橋文夫のイメージとズレがある。どうにも良さが分からない。板橋文夫のソロ・アルバムの場合,そのビッグなネーム・バリューだけで「聴かされている感じ」がする。
板橋文夫の演奏なのだから悪いはずがない。そう説得されている感じがする。何回聴いても出来は上々と認めるが,肝心の面白さが分からない。
例えば『THE MIX DYNAMITE YU』(以下『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』)なんかは,購入後すぐに聴かなくなった1枚である。
『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』を聴き始めると「あっ,この曲だ」と思い出すのだが,1カ月もすると「あのアルバムってどんな曲が入ってたっけ?」と思い出すことができない。印象に残る演奏は片山広明をフィーチャリングした【DAH DAH DAH】と【KANPYOO】の2曲だけ。それってつまりは板橋文夫ではなく片山広明のおかげさま。
ズバリ『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』は駄盤評価なのだが,共演者として片山広明,井野信義,小山彰太が入っているし,渡辺貞夫,日野皓正,森山威男のお耳にかかった板橋文夫をバッサリと切り捨てる勇気は出ない。
何なんだろうねぇ。個人的に上手くハマラない感じの音楽で,とにかくサイドメンとして美メロを弾いている時の板橋文夫っぽさが薄いんだよなぁ。究極=美しくない。
ちょっと泥っぽい,俗っぽい感じのフリー・ジャズが「凛とした」板橋文夫のピアノには似合わない。
『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』の失敗は「あれもこれも欲張りすぎ」で「詰め込みすぎ」たせいだと思う。こねくり回した手垢のせいで,肝心の美しいピアノが濁っている。
今夜の『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』批評で,管理人と板橋文夫との距離がもっと広がったかなぁ。しばらく手を出すのは控えておこう。板橋文夫の他のソロ・アルバムを買うのは手持ちの3枚を消化できるようになってからにしておこう。
全国の板橋文夫ファンの皆さん,こんなにも耳の貧しい管理人に板橋文夫の御指南を!
01. DAH DAH DAH
02. KAMINARIMON
03. GORI GORI '95
04. YOU!
05. TASOGARE
06. TUKI-NO-WA
07. KANPYOO
08. 21
09. GOSPEL '94
10. HOME AGAIN, ONCE AGAIN
FUMIO ITABASHI : Piano
HIROAKI KATAYAMA : Tenor Saxophone, Baritone Saxophone
ETSUKO TAKEZAWA : 17,13 Strings Koto, Shamisen
NOBUYOSHI INO : Bass
SHOTA KOYAMA : Drums
ルカ15章 いなくなった息子の例え
DIMENSION 『MY RULE』
その「近い」の真意とは,板橋文夫は管理人の愛する片山広明の盟友であり,板橋文夫は渡辺貞夫,日野皓正,森山威男のレギュラー・ピアニストの歴任者。エルヴィン・ジョーンズとも共演している“世界の板橋文夫”その人である。
事実,板橋文夫の演奏は,FM東京系「渡辺貞夫・マイ・ディア・ライフ」のスタジオ・ライブで良く耳にしていた。学生の頃,身近に感じたジャズ・ピアニストの一人であった。
その「遠い」の真意とは,板橋文夫のソロ・アルバムを3枚聴いてみたが,管理人の抱く板橋文夫のイメージとズレがある。どうにも良さが分からない。板橋文夫のソロ・アルバムの場合,そのビッグなネーム・バリューだけで「聴かされている感じ」がする。
板橋文夫の演奏なのだから悪いはずがない。そう説得されている感じがする。何回聴いても出来は上々と認めるが,肝心の面白さが分からない。
例えば『THE MIX DYNAMITE YU』(以下『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』)なんかは,購入後すぐに聴かなくなった1枚である。
『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』を聴き始めると「あっ,この曲だ」と思い出すのだが,1カ月もすると「あのアルバムってどんな曲が入ってたっけ?」と思い出すことができない。印象に残る演奏は片山広明をフィーチャリングした【DAH DAH DAH】と【KANPYOO】の2曲だけ。それってつまりは板橋文夫ではなく片山広明のおかげさま。
ズバリ『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』は駄盤評価なのだが,共演者として片山広明,井野信義,小山彰太が入っているし,渡辺貞夫,日野皓正,森山威男のお耳にかかった板橋文夫をバッサリと切り捨てる勇気は出ない。
何なんだろうねぇ。個人的に上手くハマラない感じの音楽で,とにかくサイドメンとして美メロを弾いている時の板橋文夫っぽさが薄いんだよなぁ。究極=美しくない。
ちょっと泥っぽい,俗っぽい感じのフリー・ジャズが「凛とした」板橋文夫のピアノには似合わない。
『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』の失敗は「あれもこれも欲張りすぎ」で「詰め込みすぎ」たせいだと思う。こねくり回した手垢のせいで,肝心の美しいピアノが濁っている。
今夜の『ザ・ミックス・ダイナマイト 游』批評で,管理人と板橋文夫との距離がもっと広がったかなぁ。しばらく手を出すのは控えておこう。板橋文夫の他のソロ・アルバムを買うのは手持ちの3枚を消化できるようになってからにしておこう。
全国の板橋文夫ファンの皆さん,こんなにも耳の貧しい管理人に板橋文夫の御指南を!
01. DAH DAH DAH
02. KAMINARIMON
03. GORI GORI '95
04. YOU!
05. TASOGARE
06. TUKI-NO-WA
07. KANPYOO
08. 21
09. GOSPEL '94
10. HOME AGAIN, ONCE AGAIN
FUMIO ITABASHI : Piano
HIROAKI KATAYAMA : Tenor Saxophone, Baritone Saxophone
ETSUKO TAKEZAWA : 17,13 Strings Koto, Shamisen
NOBUYOSHI INO : Bass
SHOTA KOYAMA : Drums
(オーマガトキ/OMAGATOKI 1995年発売/SC-7110)
(ライナーノーツ/村上寛)
(ライナーノーツ/村上寛)
ルカ15章 いなくなった息子の例え
DIMENSION 『MY RULE』