A・KA・RI-1 『A・SO・BO』『I・BU・KI』に続く三文字シリーズ三部作の完結編が『A・KA・RI』。

 先日の「CASIOPEA 3rd 2018 A・KA・RI LIVE TOUR」のMCで野呂一生が語っていたが,この三部作,1作目の『A・SO・BO』を作っている時は全然そんなこと考えていなかったらしいが『I・BU・KI』辺りから「これは行けるかな」になって,知らないうちに三部作となっていたという。メンバーの皆さんは「あっ,そうなんだ」みたいな感じだったそうだ。

 つまり三文字シリーズとは後付であった。ただし三部作の完結編『A・KA・RI』だけは『A・SO・BO』と『I・BU・KI』を意識して作られたということになる。ストーリーなき帳尻合わせは非常に大変な作業であったことだろう。

 しか〜し,そんな困難をいとも簡単にクリアしてしまうのが野呂一生の“天才”であり「カシオペア・サード」の“円熟”である。
 『A・KA・RI』から響く,ヴァリエーションに富んだ美しい楽曲,個々の卓越した演奏能力にバンドとしての絶妙なアンサンブルと表現力が“カシオペア印”のど真ん中。
 うんうん。『A・KA・RI』を聴けば『A・SO・BO』と『I・BU・KI』との共通項が“浮かび上がって”聴こえてくる。

 『A・KA・RI』のハイライトは「カシオペア・サード」初の試み=ラスト2曲の【LAST DANCE】と【FLOWER OF LIFE】にある。
 【LAST DANCE】は6/8拍子で遊んでいる。【FLOWER OF LIFE】はディスコで遊んでいる。
 そう。「リズムで遊ぶ」が『A・SO・BO』であり「初の試み」が『I・BU・KI』である。だから「リズムで遊ぶ」+「初の試み」=『A・KA・RI』が誕生したのだ。

 大高清美の【URBAN STARS】なんかは,もろカシオペアのDNAなのだが,大高清美以外には考えつかないカシオペアのニュー・スタンダード・ナンバーだと思う。このリフが頭の中でループして離れない。
 鳴瀬喜博の【Ui Uiz U Uiz Us】はPOPでウキウキなカシオペア版の「TRIX」である。

 ズバリ『A・KA・RI』最大の魅力は「カシオペア・サード」の持つ「バンド力」だと思う。
 カシオペアというバンドは野呂一生のバンドである。しかし同時にメンバー全員が主役として輝けるバンドでもあるのだ。

A・KA・RI-2 『A・KA・RI』で三文字シリーズ三部作の完結を迎えた「カシオペア・サード」。ここでブーイング承知でカシオペアの次なるステージをリクエストする。
 それは『TA・MA・TE・BOX』の続編である。

 正直『A・SO・BO』『I・BU・KI』『A・KA・RI』の「カシオペア・サード」に『TA・MA・TE・BOX』を聴いた時のあの興奮を感じない。

 これって管理人だけなのかもしれない。新作を聴く度にバンド・アンサンブルもテクニックも向上していることは認めるのにやぶさかでない。でも管理人がカシオペアに求めているのは安定・安心ではないドキドキ・ワクワクなのだ。
 もはや『TA・MA・TE・BOX』を越えてくることなんて「ないものねだり」なのだろうか? 『A・KA・RI』がいいアルバムであるだけに余計に『TA・MA・TE・BOX』の新鮮味が恋しくなってしまいました。

PS 『A・KA・RI』は「LIVEが先でCDが後」になったカシオペアの初パターン。だからリスニングルームで聴く『A・KA・RI』は,第一印象よりも大人しく聴こえてしまいます。だから『A・KA・RI』に新鮮味を感じるのが【URBAN STARS】【Ui Uiz U Uiz Us】【LAST DANCE】【FLOWER OF LIFE】の4曲だけなの? オープナーの【TSU・BA・SA】が良い曲だったら良かったのになぁ。

  01. TSU・BA・SA
  02. MISSIONS
  03. I'LL BE RIGHT THERE
  04. URBAN STARS
  05. LIGHTS IN THE HEART
  06. Ui Uiz U Uiz Us
  07. GROUND FEELINGS
  08. MAGIC TOUCH
  09. ETHNIC STREET
  10. LAST DANCE
  11. FLOWER OF LIFE

(ハッツ・アンリミテッド/HATS UNLIMITED 2018年発売/HUCD-10263)
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