STRAIGHT UP-1 ジョシュア・レッドマンが“神童”であればエリック・アレキサンダーは“新星”である。
 ジョシュア・レッドマンにはカリスマ性を感じるが,エリック・アレキサンダーには「期待の新人」を強く感じる。

 管理人がそう思うのは多分に,エリック・アレキサンダーデビューCDSTRAIGHT UP』(以下『ストレイト・アップ』)での実にフレッシュな第一印象のイメージが大きい。

 ハロルド・メイバーンピアノ・トリオをバックに,元気ハツラツなテナーサックスが疾走している。エリック・アレキサンダーの太く力強いトーン,豊かなメロディ・ラインがこぼれている。ブローが熱い。バラードは繊細でよく鳴っている。
 とにかく過去のサックス奏者と比べると何もかにもが違っているように感じる。新感覚に襲われた。

 エリック・アレキサンダーはイノベーターではない。エリック・アレキサンダーテナーサックスには,ソニー・ロリンズジョン・コルトレーンソニー・スティットジョー・ヘンダーソンスタンリー・タレンタインジョージ・コールマンからの影響が感じられる。
 にも関わらず,それ以上に勢いを感じる。己の目指す音楽に突き進む“気概”のようなものが先に来ている。これは相当に手強い。

 そう。エリック・アレキサンダーは,伝統に対する知識と愛情を持ち,開かれた感覚を持ち演奏する。
 エリック・アレキサンダーは,その耳で聞き,その心が感じたものを確信をもって,流ちょうに,成熟した音で,スイングしながら,本物のメロディー感覚を奏でる完璧主義者なのであろう。

STRAIGHT UP-2 管理人の結論。『ストレイト・アップ批評

 『ストレイト・アップ』は雰囲気で聴いていては楽しめない。エリック・アレキサンダーアドリブを紡いでいく過程を聴き楽しむアルバムである。
 情熱的なフレージングに茶目っ気たっぷりなエリック・アレキサンダーのユーモアを聴き逃すな!

  01. Straight up
  02. What are you doing the rest of your life
  03. Be my love
  04. Blues waltz
  05. Laura
  06. An Oscar for Tredwell
  07. End of a love affair
  08. Love is a many splendored thing

(デルマーク/DELMARK 1993年発売/PVCP-8164)
(ライナーノーツ/藤原孝弘,ローラ・ロウズナー)

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