LET IT RIDE…-1 アラン・エヴァンスと来ればFUNKYなドラミングが代名詞。その真骨頂とはソウライヴでありアラン・エヴァンストリオであり,つまりはオルガン・ジャズである。

 何故にオルガン・ジャズばかりなのか?と言う問いに対して,アラン・エヴァンス自身は「オルガン・ジャズが得意だから」と答えている。
 これがアラン・エヴァンスの本音なのかもしれないが,管理人に言わせれば「ご謙遜を」である。

 なぜならば,アラン・エヴァンスにはソウライヴからニール・エヴァンスサム・キニンジャーをゲストで迎えた,非オルガン・ジャズの1stソロLET IT RIDE…』(以下『レット・イット・ライド』)があるのだから…。

 そう。『レット・イット・ライド』こそが,アラン・エヴァンスの頭の中のファンキー・ジャズ
 “得意の”オルガン・ジャズもあるのだがオルガン以上にギターベースサックスの上物が目立っている。同じくファンキー・ジャズでありながら,オルガン抜きの“アンビエントでダークな曲想”が主張する。

 FUNKYなドラムに,全くそれっぽくないテーマ・メロディーを付けて,一つの新しいブラック・ミュージックの音世界を醸し出している。アングラ系の現代のジャズ・ファンクのハイセンスである。

LET IT RIDE…-2 管理人の結論。『レット・イット・ライド批評

 『レット・イット・ライド』は,いつになく深い味わいのファンク・アルバム。スローで重厚感がある「古き良きファンク」が味わえる。
 跳ねるリズムと全体的に漂うワウな感じがとても心地よい。

 ソウライヴを聴いて暴れまくった後は『レット・イット・ライド』でしっとりエロスを味わいたい。

  01. Do It Again
  02. Break It Down
  03. Let It Ride
  04. Are You With Me
  05. Hot n' Greezy
  06. Uh Ha
  07. To The World
  08. What People Say
  09. Low Down Low
  10. Do It Again (outro)

(ヴィレッジ・アゲイン/VILLAGE AGAIN 2004年発売/VIA-0025)
(ライナーノーツ/松永誠一郎)

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