MERKABA-1 『MERKABA』(以下『マカバ』)でのオルガン・ジャズソウライヴでは表現できない。
マカバ』のような“電化オルガン”はアラン・エヴァンストリオでないと表現することができない。

 『マカバ』でアラン・エヴァンスは,ソウライヴは“COOLなジャズ・ファンク”。アラン・エヴァンストリオは“混沌のファンク・ロック”と音造りを明確に区別してきたように思う。

 『マカバ』は「スペース・ファンク」を名乗るまさかのコンセプト・アルバム。ここまで見事に“電化オルガン”されるとスピリチュアルでカオスっぽい仕上り。深いリバーブのギターのリフがオルガン・ジャズの魅力を,そしてアラン・エヴァンストリオ特有のオルガン・ジャズを引きたてている。

 恐らくはソウライヴの大ファンであったとしても『マカバ』を聴いて,アラン・エヴァンスGROOVEを言い当てることは難しいのではなかろうか?
 事実,アラン・エヴァンス自身の言葉によると,そもそも『マカバ』は全くのプライベート録音であって,日の目を見ることなど想定外の音源だそうである。

 そう。アラン・エヴァンストリオGROOVEとは,ソウライヴから派生したオルガン・ジャズではなく,アラン・エヴァンスがゼロから温めてきた“電化オルガン”のGROOVEなのである。

MERKABA-2 管理人の結論。『マカバ批評

 アラン・エヴァンスがロケットの如く発射するFUNKYなドラミングダニー・メイヤーの無重力のギター・リフ,ボウ・サッサーのスモーキーでコズミックな“電化オルガン”が爪痕を残しスペーシーに響いている。

 『マカバ』→「スペース・ファンク」→アラン・エヴァンス“電化オルガントリオ

  01. THOR
  02. GONE
  03. LIFE IS HARDER TO LIVE
  04. COSMIC HAZEL DUST
  05. WHO DARE KNOCK
  06. THEY CALL ME VELVET
  07. HAVE YOU SEEN HIM
  08. HOTCAKES MELTDOWN
  09. BISCUITS
  10. GIVIN' TO YOU

(Pヴァイン/P-VINE 2013年発売/PCD-17615)
(☆直輸入盤仕様 デジパック仕様)
(ライナーノーツ/松永誠一郎)

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