THE ORCHESTRION PROJECT-1 「世界一の音楽バカ」であるパット・メセニーが,その「音楽バカ人生」のありったけの経験と情熱を注入して作り上げた“一世一代の音楽プロジェクト”『ORCHESTRION』(以下『オーケストリオン』)についての情報が徐々に入ってきた。

 管理人なりに要約すると『オーケストリオン』とは,19世紀末から20世紀初頭にかけて興ったアイディアを,現代のテクノロジーを使って機能させ,作曲,即興演奏,パフォーマンスのための自由な新しいプラットフォームを生み出そうとする“機械仕掛けの”新プロジェクト

 具体的には『オーケストリオン』の完成に必要と思える楽器群を,まず職人にオーダーし「発明」された楽器の個性を理解し,役割を与えて長所を引き出す楽曲を制作しプログラミングを組んで自動演奏させる。その「オーケストリオニクス」のアンサンブルの上に“即興で”パット・メセニージャズ・ギターを重ねていく…。

 そんな『オーケストリオン』を期待を抱いて聴いてみた。大変気に入った。そうしたら“猛烈に”『オーケストリオン』の映像を見てみたいと思うようになった。
 そ・ん・な・管理人の願いを叶えてくれたのがDVDTHE ORCHESTRION PROJECT』(以下『オーケストリオン・プロジェクト』)!

 『オーケストリオン・プロジェクト』の元ネタとは,CDオーケストリオン』の延べ120回以上のフォロー・ツアーの“最終公演”としてのスタジオ・ライブ
 果たして,その感想とは画面に映る大掛かりな機材のセットの中に,1人,パット・メセニーがぽつり。ええっ,そうだったの,って感じのパット・メセニーの“独演会”!
 何しろパット・メセニーの共演者は「オーケストリオン楽器軍団」だけなのだから,カメラがどこから抜いても無表情。見ているうちに白けてしまう。こんなことなら見なければ良かった。もっと凄いものが出て来ると期待していたので個人的には残念な結果であった。

 これぞ悪い意味での「百聞は一見に如かず」。現代はアイドルや女優のピンナップも加工修正ばかりだそうだが,生の「オーケストリオン軍団」に少々幻滅。動く「オーケストリオン軍団」に正直ガッカリ。夢はブラウン管の中だけで見るものなのだ〜!

 神保彰の「ワンマン・オーケストラ」はCDよりDVDの方が断然いいが,パット・メセニーの「ワンマン・オーケストラ」はDVDよりCDの方が断然いい。
 つまり,これって,パット・メセニーの「ワンマン・オーケストラ」は「未だ未完成」と言う事実。末恐ろしや〜っ。

THE ORCHESTRION PROJECT-2 そんな中,DVDオーケストリオン・プロジェクト』の「優位性」を書くとすれば“マルチ・プレイヤー”パット・メセニーの最高のパフォーマンスについてであろう。

 ギター・テクニックを見ているだけでも「お口あんぐり」状態なのだが,フット・ペダルで「オーケストリオン」を自在に操る“マルチ・プレイヤー”パット・メセニーの優雅な姿が神々しい。ますます“我らが”パット・メセニーが,ファンの手の届かない場所へと離れていったようで,うれしいやら悲しいやら…。

 冷静沈着に「疑似」インプロビゼーションを披露するパット・メセニーのモチベーションとは如何ばかり。「ワンマン・オーケストラ」の楽しさの絶頂はレコーディング時だったのか!?
 楽器がズラリと並べられた『オーケストリオン』のジャケット写真を“オカズ”として,あれこれ想像しているリスナーの楽しみの絶頂はCDを聴いている時間にある!?

 真に楽しそうに演奏しているかどうかの判断材料は「映像」にではなく「音」にある。管理人が『オーケストリオン・プロジェクト』から学んだ教訓である。

  DISC ONE
  01. UNITY VILLAGE
    THE ORCHESTRION SUITE
  02. - ORCHESTRION
  03. - ENTRY POINT
  04. - EXPANSION
  05. - SOUL SEARCH
  06. - SPIRIT OF THE AIR
  07. SUENO CON MEXICO
  08. IMPROVISATION #2
  09. STRANGER IN TOWN

  BONUS SONGS
  01. IMPROVISATION #1
  02. 80/81 - BROADWAY BLUES
  03. TELL HER YOU SAW ME
  04. ANTONIA

  DISC TWO / SPECIAL FEATURES
  01. MAKING OF THE ORCHESTRION PROJECT
  02. INTERVIEW WITH PAT METHENY
  03. ORIGINAL EPK
  04. STUDIO SESSIONS:ORCHESTRION
  05. STUDIO SESSIONS:EXPANSION

    PAT METHENY : Guitar, Robotic Angeli Guitar, Orchestronics
             ( Piano, Marimba, Vibraphone,
             Orchestra Bells, Basses, Guitarbots,
             Percussion, Cymbals, Drums, Blown Bottles,
             And Other Custom-Fabrivated Acoustic
             Mechanical Instruments )


(ワーナーミュージック・ジャパン/EAGLE VISION 2012年発売/WPBR-90721/2)
(ライナーノーツ/パット・メセニー,石沢弘治)
(DVD2枚組)

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