AZURE-1 天野清継と来れば,何と言っても『AZURE』(以下『アズール』)であろう。デビュー作にして【AZURE〜POLOVETSIAN DANCE FROM OPERA“PRICE IGOR”】で,いきなりのTVCMタイアップ曲獲得(いつものJTのジャズメン・シリーズ)。

 しかし,長い目で見れば『アズール』の大ヒットは天野清継にとってプラスではなくマイナスに働いたのかもしれない。
 そう。『アズール』で聞こえる天野清継エレキギターは,天野清継に対するジャズギタリスト,あるいはクラシック・ギタリストとしての一般的なイメージとは必ずしも一致しないのだから…。

 ズバリ『アズール』の聴き所は,天野清継ギター国府弘子ピアノで織り成すコラボレーション!
 もしや天野清継国府弘子の「相性の良さ」はパット・メセニーライル・メイズの「音世界」? 互いをサポートしながらも自分も生きるコラボレーション!

 天野清継の本質は“コンテンポラリーなギタリスト”。天野清継ギターソロは,難解で静かに唸る場面はない。分かりやすく本当にキャッチーなフレーズの連綿である。
 『アズール』における【AZURE〜POLOVETSIAN DANCE FROM OPERA“PRICE IGOR”】の存在が異色であって,残り10トラックはフュージョンギタリストのそれである!

 『アズール』バンド?の基本編成は,天野清継エレキギター国府弘子ピアノドン・グルーシンシンセサイザーゲイリー・ハービックサックスグレッグ・リーチョッパー・ベース外山明ドラムアレックス・アクーニャパーカッション

 そう。『アズール』とは,極上のフュージョン。あの時代であれば差し詰めスムーズ・ジャズと呼ばれるべきアルバムであって,ジャズやクラシックにカテゴライズされる要素は皆無である。
 【AZURE〜POLOVETSIAN DANCE FROM OPERA“PRICE IGOR”】での「静」の天野清継も素晴らしいのだが「動」の天野清継こそが素晴らしい!

AZURE-2 話のついでながら管理人は『アズール』を通して国府弘子ピアノに出会った。リーダー作も悪くはないが,サイドメンとしての国府弘子は「無敵艦隊」である。
 国府弘子は売れなきゃ良かったのにぃ。もっとサイドメンとしてピアノを弾いてほしかったのにぃ。

 その意味で『アズール』は“優しさだけが売りではない”本当の天野清継と本当の国府弘子を知るためのアルバムである。
 生涯背負っていくであろう天野清継=“クラシック系アコースティックギタリスト”の虚構のイメージは天野清継を“あの【アズール】の人”にしてしまうには余りにも惜しい。

  01. AZURE〜Polovetsian Dance from Opera“Prince Igor”
  02. MT. HOOD
  03. SO LONG
  04. OKINAWA
  05. FOOT STEPS
  06. PACIFIC OCEAN SUITE
  07. PEACE AND LOVE
  08. WINTER SONG
  09. DANCE DON FOR AMO
  10. FLAG STAFF
  11. EL TORO

(ビクター/JVC 1991年発売/VICJ-90)

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