小沼ようすけの新作が届けられる度に,管理人はいつでも『NU JAZZ』の“残像”を追い続けていたように思える。
だから小沼ようすけのジャズ・ギターが,どれ程進歩しようとも「まだまだだ」と引っ掛かってばかりいた。どうしても,心のどこかで忘れられない“初恋のような”『NU JAZZ』の“残像”と闘っていたように思う。
もう『NU JAZZ』を超えるアルバムは登場しない。そう自分であきらめてしまっていた。そう覚悟を決めていた。
しかし,本当にうれしい限りである。「THIS IS YOSUKE ONUMA」の大看板=『NU JAZZ』の“呪縛”からついに解放される時がきた。
そう。3年間振りのオリジナルCD『JAM KA』こそ,ずっと待ち設けていた小沼ようすけの“新・最高傑作”である。
こう書くと『JAM KA』で突然,大変身してしまったように思えるかもしれないが,そうではなく『JAM KA』は前作『BEAUTIFUL DAY』の延長線上に位置している。
同じ“SURF・JAZZ”にして『BEAUTIFUL DAY』と『JAM KA』の違いは『BEAUTIFUL DAY』が葉山なら『JAM KA』はカリブ海。つまりは遊びと生活感の違いである。
『JAM KA』における小沼ようすけの“SURF・JAZZ”が海臭いし土臭い。この感じは海と共に生活しているがゆえにリラックス。作り物にはだせない土着ならではのオーガニック。緊張もあるが余裕もある。
大きな窓を開けっ放しにして,ソファーに座って,海の景色をゆっくり眺めている。時々風が入って来てカーテンを揺らし,雨が海に落ちる様子を何気なく見ている。そんなゆったりした気持ちにさせてくれる。
『JAM KA』は「ジャムの波乗り」。次から次へと押し寄せては消えてゆく「GROOVEの波」をしっかりと捉え続けるジャズ・ギター。
小沼ようすけは,ジャム特有の「山と谷」を見極める。「谷」にあって,次に起こるであろう展開を先読みしてはエッジを立てて「山」を呼び込んでいく。この「谷から山へ」と向かう音楽曲線がパイプラインでありマニューバーであろう。
小沼ようすけがオルガン・ジャズを超えていく。『JAM KA』では,波に乗ることだけではなく,波を作り出すことが出来ている。
音楽的に無風状態にある時は決して走ろうとはしない。ここぞ,という瞬間に湧き立つエネルギーが,シンプルなアプローチなのにダイナミズムを放っている。
『JAM KA』で『BEAUTIFUL DAY』が消化され『NU JAZZ』が昇華された。小沼ようすけの第二章が始まった。
01. Rain Drops
02. Seascape
03. Friend and Lover
04. A Bird on the Cloudy Sky
05. Fun Ka
06. Deep
07. Jam Ka
08. Flyway
09. Esan
10. Moun Ka Heley
11. Gradation Part 1
12. Gradation Part 2
13. Chiaramonti
だから小沼ようすけのジャズ・ギターが,どれ程進歩しようとも「まだまだだ」と引っ掛かってばかりいた。どうしても,心のどこかで忘れられない“初恋のような”『NU JAZZ』の“残像”と闘っていたように思う。
もう『NU JAZZ』を超えるアルバムは登場しない。そう自分であきらめてしまっていた。そう覚悟を決めていた。
しかし,本当にうれしい限りである。「THIS IS YOSUKE ONUMA」の大看板=『NU JAZZ』の“呪縛”からついに解放される時がきた。
そう。3年間振りのオリジナルCD『JAM KA』こそ,ずっと待ち設けていた小沼ようすけの“新・最高傑作”である。
こう書くと『JAM KA』で突然,大変身してしまったように思えるかもしれないが,そうではなく『JAM KA』は前作『BEAUTIFUL DAY』の延長線上に位置している。
同じ“SURF・JAZZ”にして『BEAUTIFUL DAY』と『JAM KA』の違いは『BEAUTIFUL DAY』が葉山なら『JAM KA』はカリブ海。つまりは遊びと生活感の違いである。
『JAM KA』における小沼ようすけの“SURF・JAZZ”が海臭いし土臭い。この感じは海と共に生活しているがゆえにリラックス。作り物にはだせない土着ならではのオーガニック。緊張もあるが余裕もある。
大きな窓を開けっ放しにして,ソファーに座って,海の景色をゆっくり眺めている。時々風が入って来てカーテンを揺らし,雨が海に落ちる様子を何気なく見ている。そんなゆったりした気持ちにさせてくれる。
『JAM KA』は「ジャムの波乗り」。次から次へと押し寄せては消えてゆく「GROOVEの波」をしっかりと捉え続けるジャズ・ギター。
小沼ようすけは,ジャム特有の「山と谷」を見極める。「谷」にあって,次に起こるであろう展開を先読みしてはエッジを立てて「山」を呼び込んでいく。この「谷から山へ」と向かう音楽曲線がパイプラインでありマニューバーであろう。
小沼ようすけがオルガン・ジャズを超えていく。『JAM KA』では,波に乗ることだけではなく,波を作り出すことが出来ている。
音楽的に無風状態にある時は決して走ろうとはしない。ここぞ,という瞬間に湧き立つエネルギーが,シンプルなアプローチなのにダイナミズムを放っている。
『JAM KA』で『BEAUTIFUL DAY』が消化され『NU JAZZ』が昇華された。小沼ようすけの第二章が始まった。
01. Rain Drops
02. Seascape
03. Friend and Lover
04. A Bird on the Cloudy Sky
05. Fun Ka
06. Deep
07. Jam Ka
08. Flyway
09. Esan
10. Moun Ka Heley
11. Gradation Part 1
12. Gradation Part 2
13. Chiaramonti
(ソニー・ミュージック/SONY 2010年発売/SICP-10111)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)
(☆SACDハイブリッド盤仕様)