MOLTO CANTABILE-1 「なんでこうなるのっ」! 毎回ちーたんの新作を聴く度にそう思ってきたのだが,クラシックをも“山中千尋ジャズ”の素材として取り込んでしまう『MOLTO CANTABILE』(以下『モルト・カンタービレ』)での超絶アレンジに舌を巻く。

 ピアノトリオを聴いてのこんな経験は久々。聴きながら「うわ〜っ」て言葉を発したのは「e.s.t.」以来かも…。恐らく管理人レベルのジャズ歴30年以上のマニアであっても「椅子に黙って座っていられない」のでは? それくらいの「打ち上げ花火級」のジャズ・ピアノだと思う。ただし,第一印象は…。

 そう。正直『モルト・カンタービレ』を一聴した時の“想像を超えてしまった”感に“思考停止”してしまったのだが『モルト・カンタービレ』を繰り返し聴いていると,徐々に山中千尋の手の内が見えてきて衝撃度が沈下した。
 当然,ちーたんの全てを理解できたというわけではありません。『モルト・カンタービレ』の全てを理解できたというわけではありません。ただ自分なりに“掟破りの超絶アレンジ”の裏側にある法則が働いているのが見えてきたに過ぎません。「なんでこうなるのっ」!にも理由が隠されていたのでした。

 ゆえに山中千尋史上最高の“振り幅”『モルト・カンタービレ』の評価は普通。一聴オーバー・アレンジに聴こえるが真にオーバー・アレンジなのは『MADRIGAL』収録の【TAKE FIVE】や『FOREVER BEGINS』収録の【CHEROKEE】などであろう。

 そう。管理人が山中千尋に求めるは,クラシックをジャズに料理するのではなく,ジャズジャズに,ジャズ山中千尋流に料理した音楽なのである。
 振り幅の小さい範囲で大きく振れる山中千尋こそが最高なのである。

MOLTO CANTABILE-2 管理人の結論。『モルト・カンタービレ批評

 『モルト・カンタービレ』はクラシックも聞くジャズ・ファン向き,あるいはジャズも聞くクラシック・ファン向きであって,山中千尋ファンとしては,想定の範囲内での「なんでこうなるのっ」!的なアルバムである。

   CD
  01. No.1 in C major "Prelude" from Eight Concert Etudes
     for piano Op.40

  02. Rondo Alla Turca
  03. Hanon Twist
  04. The Fight Song for the Man Called "Napoleon"
  05. Cantabile
  06. Liebestraume No.3
  07. Apres un reve
  08. Flight of the Bumblebee
  09. Fur Elise
  10. Improvisation No.15 En Ut Mineur "Hommage a Edith
     Piaf"


   DVD
  01. No.1 in C major "Prelude" from Eight Concert Etudes
     for piano Op.40

  02. Fur Elise
  03. The Fight Song for the Man Called "Napoleon"

(ヴァーヴ/VERVE 2013年発売/UCCJ-9128)
★【初回限定盤】 SHM−CD+DVD

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