CHICKENSHACK V-1 『CHICKENSHACK 』の感想は一言。「何とも勿体ない」でおしまいである。
 『CHICKENSHACK 』インスト・ナンバーは全トラック極上である。これだけの音を持っているのに,なぜこのタイミングで歌ものなのだろう?

 スクェア伊東たけしサックスを押し出すために,売れていた歌ものを止めた。チキンシャックも,もっと山岸潤史ギターに歌わせればいいのに…。もっともっと土岐英史サックスに歌わせればいいのに…。

 そう思わずにはいられない程『CHICKENSHACK 』は歌ものとインストとの出来の差が甚だしい。特にアップ・ナンバーに不必要なボーカルがダビングされている。これさえなければギターで盛り上げるはずなのに…。だから山岸潤史ギターソロが少なすぎるってばぁ。

 しかし,これが全てチキンシャックの計算だったのであろう。
 後発のフュージョン・バンド=チキンシャックとしては,オーソドックスなフュージョンを演っても受けない&売れないということを『CHICKENSHACK』『CHICKENSHACK 』『CHICKENSHACK 』『CHICKENSHACK 』の前4作で体験した。

 ゆえに『CHICKENSHACK 』では,フュージョンという枠を越えてきた。舵を切ったは山岸潤史お得意のファンク&ソウル系である。完全なるブラコン路線。う〜む。
 チキンシャックのもう一つの選択肢=土岐英史お得意のジャズ系に舵を切っていたならば…。
 メロウなバラード・ナンバーにおける土岐英史の“ゾクゾクする色気”を耳にするたびに,チキンシャック土岐英史ではなく“ジャズ・サックス・プレイヤー”土岐英史への欲求が高まってくる。

CHICKENSHACK V-2 「チキンシャックフィーチャリング土岐英史」への渇望。この欲望が(ほんの少しであっても)満たされていればチキンシャックにハマったかもしれなかったのになぁ。でも後発の宿命ゆえジャズ系も選択できなかったんだろうなぁ。

  01. FROM TOKYO WITH LOVE
  02. I REMEMBER YOU
  03. IT'S YOU
  04. GODZILLA ON MY PILLOW
  05. CHICKEN REPORT
  06. I DON'T WANNA BE ALONE
  07. NOON CREW
  08. NOW OR NEVER
  09. BROTHER SUNSHINE
  10. STILL AT TEMPS

(メルダック/MELDAC 1989年発売/MED-63)

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