AMOSHE-1 当時はまだザ・スクェア在籍中でバリバリの中心メンバーであった“キーボードの”和泉宏隆ファーストソロCDが『AMOSHE』(以下『アムシー』)。

 青春の思い出は知らず知らずのうちに美化されるもので?『アムシー』での和泉宏隆は“キーボードの”和泉宏隆だったと記憶していましたが,今聴き直せば『アムシー』では“ピアノの”和泉宏隆だった。
 今思えば,和泉さんは「初めからアコースティックな人」だったんだなぁ。まぁ,それ位にギャップを感じてしまった。
 ここ数カ月間聴き直すまでは『アムシー』での和泉宏隆の演奏に“ピアニスト”としての印象は持ち合わせていなかった。

 この「虚像のリアリズム」という事実が『アムシー』の立ち位置を明確に表わしているように感じるようになった。
 そう。和泉宏隆ピアノはほとんど目立っていない。しかし“ピアノを弾かずして”王道の和泉サウンドを鳴らしている。これこそが「和泉サウンド」の真骨頂なのであろう。

 そう。「和泉サウンド」の真骨頂を感じさせる『アムシー』は,ギター鳥山雄司ドラム神保彰と組んだピラミッドに近いメンバー構成でザ・スクェアに近いフュージョンの“バンド・サウンド”を聴かせる,フュージョン人間=和泉宏隆の代表作である。

 だ・か・ら&や・っ・ぱ・り和泉さんってばぁ。和泉さんはソロ活動ではなくバンドなんだってばぁ。和泉さんの書く名曲を和泉さんの音楽を理解している仲間内で演奏する。これが超カッコエエんだってばぁ。
 だ・か・ら&や・っ・ぱ・り和泉さんってばぁ。和泉さんはジャズの人ではなくてフュージョンの人なんだってばぁ。

AMOSHE-2 管理人の結論。『アムシー批評

 大名盤みたいに書いてきた『アムシー批評であるのだが,今の耳で冷静に聴き込んでみると,冒頭の青春の思い出が実像の3割増しだったのかなぁ。イマイチ,オオゥ,と叫べませんでした。勝手にガッカリ→勝手に失望。

 読者の皆さ〜ん。『アムシー』に過剰な大名盤を期待してはなりません。『アムシー』は星4つ半レベルな名盤です。耳馴染みの良いメロディをカッチリしたハイ・テクニックで見事にパッケージングされています。

  01. DOUBLE RAINBOW
  02. BLUE FOREST
  03. RESOLUTE
  04. EXPLORER
  05. RIVER
  06. PIER 7
  07. BLOW WIND BLOW
  08. SOUL TRIP
  09. IN THE ARMS OF MORPHEUS

(CBSソニー/CBS/SONY 1988年発売/CSCL1689)

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