上原ひろみが再び始めたニュー・ピアノ・トリオ。
ベースのトニー・グレイ,ドラムのマーティン・ヴァリホラと組んだピアノ・トリオは行き着くとこまで行き着いた。それゆえの解散に残念ではあったが納得できた。
キース・ジャレットが“あの”アメリカン・カルテットを惜しげもなく解散させた時のように…。
だから上原ひろみが再び違うメンバーでピアノ・トリオを始めたことに驚いたりはしない。ただし,このベーシストとドラマーである。上原ひろみの人選に“ニヤリ”としたものだ。
ベースのアンソニー・ジャクソンとドラムのサイモン・フィリップス。そう。ジャズ/フュージョン・シーンの“スーパー・セッション・ベーシスト”と,現代のハイテクニック・ドラマーの憧れ“手数王”であった。
管理人はてっきり,2011年型の新ピアノ・トリオは,超大物に「胸を借りるつもりで」始めたものと思っていた。
トニー・グレイとマーティン・ヴァリホラとの「二等辺三角形」なピアノ・トリオ・アゲインにならないための楔として「正三角形」のピアノ・トリオを目指しての超大物の起用だと思っていた。
なんてったって上原ひろみの新ピアノ・トリオの名称は「THE TRIO PROJECT」であり,別名「FEATURING ANTHONY JACKSON AND SIMON PHILLIPS」を名乗っているのだから…。
「上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト フィーチャリング・アンソニー・ジャクソン & サイモン・フィリップス」のデビューCD=『VOICE』(以下『ヴォイス』)を聴くまでは…。
「THE TRIO PROJECT」における上原ひろみの“はしゃぎっぷり”が素晴らしい。本人の公言通り,ますますピアノが上手くなっている。この上手い=テクニックではなく,上手い=楽器表現の意。ピアノに“大仰”に語らせる達人の域。「平均律の呪縛」から解き放たれた上原ひろみのピアノが「最大音域の自由」を手に入れている。一皮も二皮も剥けた“アーティスト”上原ひろみの誕生である。
上原ひろみのハイ・テンションを支えた要因こそが,どんなに煽ろうとも決してブレないアンソニー・ジャクソンの安定感であり,強烈なプッショのサイモン・フィリップスの存在にある。
上原ひろみの“猛プッシュ”を方や「受け止め」方や「跳ね返す」。そう。『ヴォイス』の真髄とは「THE TRIO PROJECT」の真髄とは「音のラリー」にあると思う。
どんなにスマッシュを打ち込んでも必ず拾われてしまう。時には強烈なスマッシュが打ち返されてくる。その様子に観客も大興奮する。そんな満員のアットホームな会場でアクロバティックにプレーする3人の喜びは計り知れない快感であろう。
あれっ,よ〜く見るとコート上は1対2。左のコートには上原ひろみがシングルス。右側のコートにはアンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスのダブルス。
そう。「上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト フィーチャリング・アンソニー・ジャクソン & サイモン・フィリップス」=上原ひろみ主導のピアノ・トリオ。完全に上原ひろみが仕切っている&押している。またしても上原ひろみを頂点とする「二等辺三角形」なピアノ・トリオがスタートした。
『ヴォイス』は『スパイラル』を越えきれていない。ただしアンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスがこれで終わるはずがない。トニー・グレイもマーティン・ヴァリホラも『ブレイン』どの共演があっての『スパイラル』だったわけだし…。そう簡単に超大物に終わってもらっては困るのだ〜。
いつの日か訪れる上原ひろみの(仮想)骨折の日。その日に「トニー・グレイ+マーティン・ヴァリホラ」組との初代ピアノ・トリオが「THE TRIO PROJECT」の手によって落城する!
PS 上原ひろみの【VOICE】と山中千尋の【WHAT A DIFFRENCE A DAY MADE】を聴き比べてみてください。きっと「興味深い」と感じるはずです。「ヘェ〜」な答えは『ヴォイス』のトラック批評をカミング・スーン!
01. Voice
02. Flashback
03. Now or Never
04. Temptation
05. Labyrinth
06. Desire
07. Haze
08. Delusion
09. Beethoven's Piano Sonata No. 8, Pathetique
ベースのトニー・グレイ,ドラムのマーティン・ヴァリホラと組んだピアノ・トリオは行き着くとこまで行き着いた。それゆえの解散に残念ではあったが納得できた。
キース・ジャレットが“あの”アメリカン・カルテットを惜しげもなく解散させた時のように…。
だから上原ひろみが再び違うメンバーでピアノ・トリオを始めたことに驚いたりはしない。ただし,このベーシストとドラマーである。上原ひろみの人選に“ニヤリ”としたものだ。
ベースのアンソニー・ジャクソンとドラムのサイモン・フィリップス。そう。ジャズ/フュージョン・シーンの“スーパー・セッション・ベーシスト”と,現代のハイテクニック・ドラマーの憧れ“手数王”であった。
管理人はてっきり,2011年型の新ピアノ・トリオは,超大物に「胸を借りるつもりで」始めたものと思っていた。
トニー・グレイとマーティン・ヴァリホラとの「二等辺三角形」なピアノ・トリオ・アゲインにならないための楔として「正三角形」のピアノ・トリオを目指しての超大物の起用だと思っていた。
なんてったって上原ひろみの新ピアノ・トリオの名称は「THE TRIO PROJECT」であり,別名「FEATURING ANTHONY JACKSON AND SIMON PHILLIPS」を名乗っているのだから…。
「上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト フィーチャリング・アンソニー・ジャクソン & サイモン・フィリップス」のデビューCD=『VOICE』(以下『ヴォイス』)を聴くまでは…。
「THE TRIO PROJECT」における上原ひろみの“はしゃぎっぷり”が素晴らしい。本人の公言通り,ますますピアノが上手くなっている。この上手い=テクニックではなく,上手い=楽器表現の意。ピアノに“大仰”に語らせる達人の域。「平均律の呪縛」から解き放たれた上原ひろみのピアノが「最大音域の自由」を手に入れている。一皮も二皮も剥けた“アーティスト”上原ひろみの誕生である。
上原ひろみのハイ・テンションを支えた要因こそが,どんなに煽ろうとも決してブレないアンソニー・ジャクソンの安定感であり,強烈なプッショのサイモン・フィリップスの存在にある。
上原ひろみの“猛プッシュ”を方や「受け止め」方や「跳ね返す」。そう。『ヴォイス』の真髄とは「THE TRIO PROJECT」の真髄とは「音のラリー」にあると思う。
どんなにスマッシュを打ち込んでも必ず拾われてしまう。時には強烈なスマッシュが打ち返されてくる。その様子に観客も大興奮する。そんな満員のアットホームな会場でアクロバティックにプレーする3人の喜びは計り知れない快感であろう。
あれっ,よ〜く見るとコート上は1対2。左のコートには上原ひろみがシングルス。右側のコートにはアンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスのダブルス。
そう。「上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト フィーチャリング・アンソニー・ジャクソン & サイモン・フィリップス」=上原ひろみ主導のピアノ・トリオ。完全に上原ひろみが仕切っている&押している。またしても上原ひろみを頂点とする「二等辺三角形」なピアノ・トリオがスタートした。
『ヴォイス』は『スパイラル』を越えきれていない。ただしアンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスがこれで終わるはずがない。トニー・グレイもマーティン・ヴァリホラも『ブレイン』どの共演があっての『スパイラル』だったわけだし…。そう簡単に超大物に終わってもらっては困るのだ〜。
いつの日か訪れる上原ひろみの(仮想)骨折の日。その日に「トニー・グレイ+マーティン・ヴァリホラ」組との初代ピアノ・トリオが「THE TRIO PROJECT」の手によって落城する!
PS 上原ひろみの【VOICE】と山中千尋の【WHAT A DIFFRENCE A DAY MADE】を聴き比べてみてください。きっと「興味深い」と感じるはずです。「ヘェ〜」な答えは『ヴォイス』のトラック批評をカミング・スーン!
01. Voice
02. Flashback
03. Now or Never
04. Temptation
05. Labyrinth
06. Desire
07. Haze
08. Delusion
09. Beethoven's Piano Sonata No. 8, Pathetique
(テラーク/TELARC 2011年発売/UCCT-9015)
(☆直輸入盤仕様 ライナーノーツ/上原ひろみ,棚橋和博)
★【初回限定盤】 CD+DVD
★ボーナスDVD:各メンバーのインタビュー映像【メイキング・オブ・ヴォイス】+【ナウ・オア・ネヴァー】のスタジオ・ライヴ映像収録
★豪華スリップ・ケース仕様
★8Pブックレット
(☆直輸入盤仕様 ライナーノーツ/上原ひろみ,棚橋和博)
★【初回限定盤】 CD+DVD
★ボーナスDVD:各メンバーのインタビュー映像【メイキング・オブ・ヴォイス】+【ナウ・オア・ネヴァー】のスタジオ・ライヴ映像収録
★豪華スリップ・ケース仕様
★8Pブックレット
コメント一覧 (2)
あの大御所二人が、上原ひろみとどう絡んでくるのか!?
結果はボクの期待を遙かに超え、更には次元を越えて、音の洪水に酔いしれる毎日でした。
それにしても、彼女は何処まで突き進むのであろうか・・ボクの中では今、一番のジャズピアニストです(チータンごめんなさい)
この作品での3人の掛け合いは、息つく暇もないと言うか、まさにバトルロイヤルであり、時には変則的なイリミネーションマッチであり、時には大御所二人がリング外でリング上には彼女一人であり?
ホント、プロレス観戦的な興奮と同じ物を感じました。
そうそう、「スパイラル」も名盤でしたね!個人的な好みでは、ボクもスパイラルの方が好きかな・・
今回のニュートリオ、来年もアルバムが出ると嬉しいな♪
上原ひろみのニュー・ピアノ・トリオ。凄いです。大御所を迎えてもひろみ嬢はひろみ嬢でした。一体どこまで登り詰めるのでしょうね!
「結果はボクの期待を遙かに超え、更には次元を越えて、音の洪水に酔いしれる毎日でした。彼女は何処まで突き進むのであろうか・・ボクの中では今、一番のジャズピアニストです(チータンごめんなさい) 」のクワガッタンさんのコメント通りです。 私からもチータンごめんなさい。上原ひろみと山中千尋は違うタイプなので「2人とも好き」は許されrのです?
クワガッタンさんの『ヴォイス』批評=「バトル・ロワイヤルの変則的なイリミネーションマッチのプロレス観戦的な興奮」評に“クスッ”ときましたよ。言い得て妙です。ホントです。
新作『MOVE』がかなり来ています!! ピアノ大爆発ですよっ。