MUSICAL MOMENTS-1 祝☆大西順子リターンズ! 祝☆大西順子・完全復活! 実に11年振りの新作『MUSICAL MOMENTS』(以下『楽興の時』)なのである。

 …が,管理人的には11年振りではなく14年振りなのです。そう。つい先日,大西順子「引退ツアー」の予習のために購入した次第です。

 それはなぜか? 大西順子の引退以来,ライバル=木住野佳子に寝返ったのが大きいのだが,それ以上に恐さがあった。手に取るのを躊躇した。勇気が出なかった。
 管理人のジャズ・ライフに“君臨していた”大西順子との思い出の日々。美しい思い出は綺麗なままで保存したい…。

 先に結論を記す。『楽興の時』は“心配無用の”大名盤であった。これは凄い。やはり「大西順子大西順子」であった。
 11年振りに感じる大西順子の個性は健在。11年という歳月を一音でタイム・トリップ。“あの感じ”をすぐに思い出してしまった。

 ん〜,でもちょっと違うかな〜。『楽興の時』には,ところどころに管理人の“知らない”大西順子が混じっている。アタックの強さもニュアンスが違うように感じたりする。何だか「取っ付き難い」インテリな大西順子を感じたりする。

 そんな瞬間に『楽興の時』を聴く意味があるのだろう。大西順子が時間をかけて“練り上げた”ジャズが鳴っているのだ。
 事実『楽興の時』は聴き込むにつれ,新しい皮が見えてくる。剥いても剥いても新境地。初めは難解に思えた大西順子のオリジナル3曲が素晴らしい。真に「自由」を手に入れた大西順子ジャズ・ピアノが骨太にドライブしている。身体の芯から“ゾクゾクする”興奮ものの名演だと思う。

 オリジナル以上に効いているのがエリック・ドルフィの3曲。かつて大西順子は自身のキャリアを,デューク・エリントンセロニアス・モンクオーネット・コールマンで始めていたが,今回の「再デビュー」に選んだのがエリック・ドルフィである。
 エリック・ドルフィの“あの感じを”大西順子がドンピシャリ! エリック・ドルフィ,改めていいと思いました。

 90年代の大西順子を知らなくとも楽しめる=NEW大西順子。『楽興の時』はそんな内容です。
 一方,ブルーノート東京でのライブを収めたボーナス・トラック=【SO LONG ERIC〜MOOD INDIGO〜DO NOTHIN’TILL YOU HEAR FROM ME】は,90年代の大西順子大好き人間のためのもの。大西順子ソロ・ピアノ=【煙が目にしみる】からの流れがこれまたいいんだよなぁ。

 と・に・か・く・『楽興の時』は大西順子の最高峰。聴き流すことを許さないジャズ・ピアノ。「引退ツアー」参戦後もヘビロするとは不惑である。
 要するに大西順子は引退中もジャズ・ピアノから離れてはいなかった。ブランクなどはなかった。(大西順子が言うところの)「研究者」として前進していた。その成果が『楽興の時』に詰め込まれていると思う。十二単のような“艶やかな”ジャズ・ピアノ

MUSICAL MOMENTS-2 さて,明日,大西順子さんがジャズ・ピアニスト=プレイヤーとして引退されます。
 明日の夜は一人自宅で「大西順子を楽しむ会」を開きます。熱く,でも静かに「拝聴して」過ごしたいと思っています。大西順子の全ディスコグラフィいけるかな?

 未来永劫,大西順子の新作が発表されないのはジャズ界にとって,いいや,音楽業界全体にとっての大損失。残念無念でなりませんが,管理人には取って置きの楽しみが眠っているので幸せです。まだ『バロック』聴いてないもんね〜。

  01. HAT AND BEARD
  02. I GOTTA RIGHT TO SING THE BLUES
  03. BACK IN THE DAYS
  04. BITTERSWEET
  05. ILL WIND
  06. MUSICAL MOMENTS
  07. SOMETHIG SWEET, SOMETHING TENDER
  08. G.W.
  09. SMOKE GETS IN YOUR EYES
  10. SO LONG ERIC〜MOOD INDIGO〜DO NOTHIN'
     TILL YOU HEAR FROM ME


(サムシンエルス/SOMETHIN'ELSE 2009年発売/TOCJ-68085)

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