GOOD TIME FOR LOVE-1 「自分の気に入ったいい音と,いい物があれば人生は最高! 溢れる想いをメロディーに託し,メロウな作品や軽快なサウンドにナベサダサックスが舞う! 多数の日米コンボが参加した,渡辺貞夫のロマンチック・セイリング!」。

 『GOOD TIME FOR LOVE』(以下『グッド・タイム・フォー・ラヴ』)は,上記CD帯のコピー正しく,ナベサダ史上最多人数の共演者の揃い踏み。それなのに“ファジーな”自由空間でリラックス。好き勝手に好きな音を思い思いに重ねた感じ。
 この『グッド・タイム・フォー・ラヴ』の個性の秘訣にセルフ・プロデューサー=渡辺貞夫の存在がある。

 “ジャズ・サックス・プレイヤー”渡辺貞夫が気持ち良くアルト・サックスを奏でられるメンバー。そうであれば過去の実績も国籍も年齢も関係ない。
 ギターアール“チナ”スミスラドクリフ“ドギー”ブライアン土方隆行ジェフ・ミロノフボビー・ブルーム松木恒秀キーボードアンセル・コリンズ 野力奏一ロブ・マウンジーオナージ・アラン・ガムスベースバートラム“ランチー”マクリーン渡辺建ウィル・リービクター・ベイリー高水健司ドラムカールトン“サンタ”デイビス山木秀雄クリス・パーカープージー・ベル村上秀一パーカッションジミー・クリフシュー・エヴァンスミノ・シネルテナー・サックス渕野繁雄トロンボーン西山健治コーラスイヴらの面々をトラック毎に“適材適所”。
 思う存分「ナベサダフュージョン」が楽しめる。

 そう。『グッド・タイム・フォー・ラヴ』の真実は“ジャマイカ・テイストな”『マイシャ』の続編。ストレート・ア・ヘッドジャズCD2作『PARKER’S MOOD』と『TOKYO DATING』を飛び越えて,ポップでHAPPYな演奏路線に舞い戻ってきた。

 『グッド・タイム・フォー・ラヴ』の幸福感を高めるのがタイトル・トラック【GOOD TIME FOR LOVE】。「珈琲は音楽」UCCレギュラー・コーヒーのCM曲。
 あのCMを見て以降,コーヒーを飲む時には【GOOD TIME FOR LOVE】が頭の中で流れ続ける。「気分だね,僕のコーヒー」の名ゼリフと共に日焼けした渡辺貞夫の顔が同時にフラッシュバック。この現象が数年間は続くのだから何千日も【GOOD TIME FOR LOVE】を聞いたことになるのかも?

 ジャズとコーヒーの幸福な関係と来ればジャズ喫茶であろうが,管理人には【GOOD TIME FOR LOVE】がストライク。
 あっ,ちょっとこれは失言です。管理人も「ジャズ+コーヒー=ジャズ喫茶」が勝利の方程式と思います。はい。

GOOD TIME FOR LOVE-2 だから『グッド・タイム・フォー・ラヴ』を聞くと「ナベサダフュージョン」だけでなく,コーヒーの“豊かな香り”を感じる。くつろぎのリラックス・タイムの始まり始まり〜。

 2曲目はこちらも資生堂ブラバスの「マイ・ディア・ライフ」内のCM曲=【LOVE BIRDS WHISPER IN MY EAR】がいい。3曲目はスーパー・ベーシストにしてスーパー・ボーカリストウィル・リー主役の【WHEN WE MAKE A HOME】がいい。この時点でもう腰が重くなる。座席から,オーディオの前から離れなくなる。これぞ渡辺貞夫流“金縛り”。

 渡辺貞夫の“金縛り”から解放されるのは40分48秒後。『グッド・タイム・フォー・ラヴ』が8トラックで良かった。解放後の開放感がMAX。こんなにポップでHAPPYな演奏は『マイシャ』と『グッド・タイム・フォー・ラヴ』以外にそう多くはありません。

  01. GOOD TIME FOR LOVE
  02. LOVE BIRDS WHISPER IN MY EAR
  03. WHEN WE MAKE A HOME
  04. STEP OUT ON THE STREET
  05. I LOVE TO SAY YOUR NAME
  06. POGO
  07. ALL THE WAY
  08. LOVING YOU IS EASY

(エレクトラ/ELEKTRA 1986年発売/32XD-428)

人気ブログランキング − 音楽(ジャズ)