TOKYO DATING-1 ライブ盤=『パーカーズ・ムード』と同メンバーによる,同じくストレート・アヘッドなスタジオ録音盤。それが『TOKYO DATING』(以下『トーキョー・デイティング』)である。

 一般には『パーカーズ・ムード』と『トーキョー・デイティング』は姉妹盤であるが,管理人的には受け入れられない。同じメンバー,同じ音楽路線,しかも2日後の演奏なのに,ここまで違うものなのか?
 ズバリ,アンチ姉妹盤の根拠はナベサダの演奏である。ナベサダアルト・サックスが“軽い”のだ。

 『パーカーズ・ムード』と『トーキョー・デイティング』で“世界のナベサダ”と共演するのは,ジェームス・ウィリアムスピアノチャーネット・モフェットベースジェフ・ワッツドラム
 そう。当時“売り出し中”のNYの精鋭たちとの“世代間”セッションナベサダも年齢差など意識できないくらいの圧倒的な3人の演奏力。ナベサダが「最近の若手は凄い!」と“眼を白黒させながら”必死に先頭を突っ走っている。

 しかし,ナベサダアルト・サックスが“軽い”。若手に乗せられすぎたのか? あるいは張り切りすぎてしまったのか? “世界のナベサダ”の威厳を感じない。どちらかと言うとチャーネット・モフェットの“ぶっとい”ベースの方に貫禄を感じてしまう。

 この『パーカーズ・ムード』と『トーキョー・デイティング』の“差”はライブゆえの気迫の“差”なのだろう。重鎮らしい『パーカーズ・ムード』のアルト・サックスが『トーキョー・デイティング』の“軽い”アルト・サックスよりも100倍良い。

TOKYO DATING-2 最後にワーナーさんへの感謝と苦言を。

 ずっと廃盤となっていたエレクトラ時代の渡辺貞夫を再発していただき感謝いたします。ただし残念ながら『トーキョー・デイティング』はテープの音移りが激しいです。お目当ての【LOVE SONG】があれでは…。何とかもう一頑張りしてきれいに除去できなかったものかと…。
 真面目に『トーキョー・デイティング』の音移りがなかったら全作揃えるつもりでしたのに…。

  01. TOKYO DATING
  02. ECHO
  03. NIGHT PIECE
  04. HIP WALK
  05. PAGLIACCI
  06. A CHILD IS BORN
  07. DINDI
  08. SONG OF THE JET
  09. LOVE SONG

(エレクトラ/ELEKTRA 1985年発売/WPCL-10643)

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