OYATSU 2 ENSOKU-1 『おやつ』でアコースティックギターの魔力に取り憑かれた香津美“少年”が,アコースティックギター片手に遠足へ出かけた際の道中記。それが『おやつ◆ ̄鸞』の真髄である。

 遠足の目的地はアジア遠足のパートナーはアジアの民族楽器奏者。そう。『おやつ◆ ̄鸞』のテーマは「東方見聞録」な演奏ツアー。このスケールの大きさは「遠足」というより「遠征」な感じである。

 『おやつ』をレコーディングして渡辺香津美自身で感じた結果であろうが『おやつ◆ ̄鸞』では『おやつ』以上に渡辺香津美ギター・ソロの出番が減少。
 しかし,アコースティックギターソロのインパクトでは『おやつ◆ ̄鸞』が『おやつ』を上回っている。

 【ダニー・ボーイ】改め【ロンドンデリの歌】と【早春賦】で感じるアコースティックギターのダイナミックレンジの広さ。そして【マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ】と【ブルー・イン・グリーン】で感じるアコースティックギターのイマジネイティブな表現力。
 前作『おやつ』は“生々しすぎる”生音で録音されていたが『おやつ◆ ̄鸞』ではマイクの距離がちょうどいい。心地良い響きなのに凝視にも耐えられる。

 このアコースティックギターの特徴を生かしきったアレンジ,技巧,録音の3拍子が合わさって『おやつ◆ ̄鸞』は渡辺香津美アコースティックギターソロ“印”!

 ただし『おやつ◆ ̄鸞』のハイライトは【サヒール】。渡辺香津美のオリジナルにして想像するに「バングラしている」。まるで目の前でバングラの民族舞踏会が開かれているかのよう。妖艶で神秘的,そして一部の狂いもない音世界。これは凄いぞ〜。

OYATSU 2 ENSOKU-2 管理人の結論。『おやつ◆ ̄鸞批評

 『おやつ◆ ̄鸞』での収穫は,上述したアコースティックギターソロ“印”以上に「東方見聞録」であろう。渡辺香津美の興味が『おやつ◆ ̄鸞』以降,俄然カテゴリー6を越えてきた。
 渡辺香津美の音楽は,アコースティックエレクトリックの垣根を越え,ジャズフュージョンの枠内をも越えてきた。
 もはやジャズ・ギターの範疇で批評などできやしない。

 そう。『おやつ◆ ̄鸞』で渡辺香津美が“マルチ”ギター・プレイヤーの能書きを襲名した!

  01. Londonderry Air
  02. SAHIR
  03. My One And Only Love
  04. Island
  05. Han-Bon-Do
  06. 彩蝶追月
  07. 早春賦
  08. もつけ
  09. モスラの歌
  10. Blue In Green
  11. 月の美しゃ
  12. こきりこ節
  13. As Time Goes By〜亀の恩返し

(ポリドール/DOMO 1995年発売/POCJ-1312)
(ライナーノーツ/渡辺香津美)

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