RESONANCE VOX-1 管理人は「レゾナンス・ヴォックス」自らのバンド名を冠した3rd『RESONANCE VOX』を聴いて,渡辺香津美にバンドのギタリストを求めるのはやめることにした。求めても無理なものは無理なのである。

 渡辺香津美の進む道は得意の“セッションギタリスト”方面。渡辺香津美には「孤高のギタリスト」が似合うのであり,渡辺香津美和田アキラ野呂一生安藤まさひろにはなれないことが分かったのだ。

 誤解しないでほしい。『RESONANCE VOX』で展開されるフュージョン・ミュージックは最高レベルである。『RESONANCE VOX』は「レゾナンス・ヴォックス」としての3作目。ついにこなれたバンド・サウンドが展開されている。
 そう。『RESONANCE VOX』は一聴するとポップで聴きやすい。次の瞬間何が起こるか分からなかった『PANDORA』や多数のアイディアが具現化された『0−X−0』と比較すると,じっくりと腰を据えて耳を傾けられる安心感がある。

 しかし,だからこそ大いに物足りない。これが渡辺香津美自慢のバンド・サウンドなのかと。渡辺香津美がリクエストしたメンバー3人を擁してもピリッとしない。これが新バンドの到達点だったのかと。苦しい。+αが感じられない。
 事実『RESONANCE VOX』が「レゾナンス・ヴォックス」のスタジオ録音最終作。+1のライブ盤『自業自得』が自業自得。お祭りライブを最後に「レゾナンス・ヴォックス」は散ってしまった。

 原因がある。理由がある。渡辺香津美は日本一の“超絶テクニック系”ギタリストである。ゆえに自らの技巧に溺れてしまった。いや,プロとしてとことんテクニックを追求してしまった。そう。ここが落とし穴。つまり「リスナー不在でリスナー無視な」“音楽の大家”を目指してしまった。

 『RESONANCE VOX』のシンプルで無駄や遊びのない計算しつくされた音世界。遊びとか,無駄とか,余分な贅肉とか,装飾とか,音楽の骨格以外の要素が全部削ぎ落としされた「無骨でストイック剥き出しの音」。この音造りはまるでアスリートのようである。
 そう。『RESONANCE VOX』の4人が,夢中になって,ただただ高くジャンプする。どこまで自分たちの理想に近づけるかを実験している。「この音造りについてこれるヤツだけついてくればいい。ついてこれないヤツは置いて行く〜」。

 そう。「レゾナンス・ヴォックス」は渡辺香津美の玄人路線。流行やリスナーに媚びない“無骨なフュージョン”大展開。鼻からバンド・サウンドなど目指してはいない。目指すは“音楽の大家”なのだから…。
 渡辺香津美に“連れ回された”バガボン鈴木東原力哉八尋知洋は最高にエキサイティングしたことだろう。

RESONANCE VOX-2 管理人の結論。『RESONANCE VOX批評

 『RESONANCE VOX』は渡辺香津美の“究極”フュージョン。『RESONANCE VOX』が渡辺香津美フュージョンの限界。
 『RESONANCE VOX』の真髄は「種も仕掛けも一切ない」高度なフュージョン。野性を知性でコントロールすると,アンチ・バンドなセッション集団=「レゾナンス・ヴォックス」へと行き着いたのだった。

 そういう訳で次は『おやつ』『おやつ◆ ̄鸞』でのアコースティックギターソロへと一直線。もうフュージョン・バンドは腹一杯のゲップですよね,香津美さん?

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  07. Glory's Stomp
  08. On The Beach
  09. Iron Claw
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