FALL ON THE AVENUE-1 『THE SEPTEMBER WIND』の大ヒットは松岡直也に苦渋の決断を迫った。ウィシングの活動休止である。
 理由はウィシングの各メンバーが売れっ子となりコンボとしてのスケジュール調整が難しくなったから。

 こうしてソロとなった松岡直也の再出発作がサルサの本場=NY録音である『FALL ON THE AVENUE』(以下『見知らぬ街で』)である。
 オマー・ハキムディーン・ブラウンフュージョン勢。ジェリー・ゴンザレスニッキー・マレロレイ・バレットラテン勢が入り混じる「異文化コミューニケーション」大セッション
 単純にラテン勢+フュージョン勢=ラテン・フュージョンになってはいない。ウィシングとも異なっている。そう。これぞ「ニュー・松岡直也サウンド」の誕生である。

 躍動感みなぎるリズムの上を“哀愁のメロディー”が飛翔する松岡直也ならではの音世界。“どことなく土臭くてどことなく都会的な”ラテン・フュージョンに『FALL ON THE AVENUE』&『見知らぬ街で』のタイトルがドンピシャリ。「異文化コミューニケーション」大セッションが「ニュー・松岡直也サウンド」のキーワードでまとまっている。怒涛の美メロ・ラッシュが素晴らしい。

FALL ON THE AVENUE-2 さて,管理人にとっての『見知らぬ街で』は高音質盤のイメージである。
 管理人の昔の松岡直也・コレクションは『THE SEPTEMBER WIND』『A FAREWELL TO THE SEASHORE』『WELCOME』がカセット・テープで『見知らぬ街で』のみLP

 アナログ・レコードで聴く『見知らぬ街で』の高音質が未だに忘れられません。ドラムティンバレスコンガラテンパーカッションの音圧が高いため,針圧が軽いとトーン・アームが弾き飛ばされていました。ゆえに今回の再発CDの音質には少々閉口気味。青春の感動が2割薄。

  01. TOUCH THE NEW YORK PINK
  02. A SONG ON THE WIND (REMEMBER ME)
  03. FALL ON THE AVENUE
  04. MIRAGE
  05. LIGHT OF LOVE
  06. TIME AFTER TIME

(アーント/ANT 1982年発売/ANT-9)
(ライナーノーツ/瀬戸由紀男)

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