REJUVENATION-1 プリズムにとって最も重要なアルバムが『マザーアース』。ここは動かせないが『マザーアース』と同等に,いや『マザーアース』以上に重要なのが『REJUVENATION』(以下『リジューヴァネーション』)である。

 そう。『マザーアース』が,プリズムのアンチ・コーマシャリズムへのターニング・ポイントであったとすれば『リジューヴァネーション』は,プリズムのバンド・スタイルのターニング・ポイント。
 『リジューヴァネーション』の“完成された”音造りを聴いて“ジャズ系”ギター・トリオ路線継続の意思表示! もう,ニヤケ顔が止まりませ〜ん。

 とは言え『リジューヴァネーション』は「環境3部作」の第2作。『リジューヴァネーション』のテーマは光合成。そう。プリズムプリズムたる由縁と真剣に向き合っている。
 『マザーアース』が「シック・プリズム」の大名盤なら『リジューヴァネーション』は「カラフル・プリズム」の大名盤である。
 この両者の微妙なトーンの相違にコンセプト・アルバムの制作意義が認められる。

 両者の微妙なトーン違いの原因はズバリ,和田アキラギター・シンセ炸裂にある。
 アラン・ホールズワースな“プログレ・ギタリスト和田アキラに,パット・メセニー渡辺香津美な“ジャズギタリスト和田アキラがブレンドされている。綺麗でゴージャスな音色に騙されてしまいそうな,和田アキラギター・シンセは前衛である。ヒーリング系なメロディに騙されてしまいそうな,和田アキラギター・シンセジャズである。和田アキラの異様なテンションに圧倒されてしまう。

 『リジューヴァネーション』には,和田アキラからのメッセージが込められているのだと思う。反戦である。
 時代は湾岸戦争真っ只中。ドンパチの真っ只中にめくるめくバロック調変拍子の【BLUE, GREEN&RED】。和田アキラギターが【SELLIN’ OUT】【IDEOGRAM】では凶器ともなれば【LONGIN’ FOR HOME】【A PLANT’S WISH】では絆創膏ともなる。

 『リジューヴァネーション』には,渡辺建からのメッセージが込められているのだと思う。歌である。
 時代は湾岸戦争真っ只中。ドンパチの真っ只中にめくるめくバロック調変拍子の【BLUE, GREEN&RED】。【DAWAN 〜MOTHER EARTH 供】【BLACK WING】でのリード・ボーカルプリズムの個性を感じる。しかしボーカル以上に歌うは渡辺建フレットレス・ベース
 和田アキラギターが“完全にイッテイル”状態で流れ出す,真にメロディアスなフレットレス・ベースは「日本のジャコ・パストリアス」降臨の瞬間である。

 『リジューヴァネーション』には,木村万作からのメッセージが込められているのだと思う。自己の確立である。
 時代は湾岸戦争真っ只中。ドンパチの真っ只中にめくるめくバロック調変拍子の【BLUE, GREEN&RED】。『リジューヴァネーション』でプリズムは,和田アキラ渡辺建の双頭ユニットから真にギター・トリオへ変貌したと思っている。この有り得ないリズムでのインタープレイに,平常な日本でそれぞれの何かと闘っているジャズメン魂を想起してしまう。

REJUVENATION-2 そう。『リジューヴァネーション』には,プリズムからのメッセージが込められている。追憶が奏でる生命の音である。
 反戦&反バブル。都会で暮らしていると,自分も自然の一部だという事実は,単なるロジックにすぎなくなる。プリズムの3人は心臓の鼓動に耳を澄ませ“ジャズ系”ギター・トリオならではの音楽を奏で始める。

 「七色のリズムと七色のメロディー」。これがプリズムという「ジャズフュージョン・バンド」の真髄である。

  01. DAWN 〜Mother Earth II〜
  02. SELLIN' OUT
  03. IDEOGRAM
  04. LONGIN' FOR HOME
  05. SUMER
  06. BLUE, GREEN&RED
  07. A PLANT'S WISH
  08. BLACK WINGS

(バンダイ/BANDAI 1991年発売/BCCA-11)

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