NINE STORIES-1 T−スクェアは「フュージョン・バンド」ではなく「ポップ・インストゥルメンタル・バンド」。
 その真価が見事に発揮されたのが,37TH『NINE STORIES』(以下『ナイン・ストーリーズ』)。「想像の世界へ誘(いざな)う,9つの物語(ストーリー)」に,T−スクェアの“ポップな”音楽性が詰め込まれている。

 バカテクな演奏は完璧である。しかしそんなのモーマンタイ。『ナイン・ストーリーズ』から聴こえてくるのは,お決まりのフュージョンとは一線を画した「音絵巻」。音以上に映像が脳裏に浮かんでくる。随所に計算された構築美が散りばめられている。

 『ナイン・ストーリーズ』で感じる(T−スクェアとしての)「仕掛けの質と量」が半端ない。この感覚は過去のどの時代のスクェアとも異なる「河野坂東時代」特有の音。
 明るいメジャー調の“薄味”へと『時間旅行』にガッカリさせられた分まで『ナイン・ストーリーズ』で仕上げてきています。

 安藤正容のルーツがビートルズなら,河野啓三坂東慧のルーツは“ポップな”T−スクェア。そう。河野啓三坂東慧安藤メロディー和泉バラードを聞いて育ってきた。
 河野啓三坂東慧の身体には,根っからのスクェア・サウンドが流れている。バラエティに富んだ9曲の楽曲群なのに,誰がどう作曲しても“もろ”スクェアにしか聴こえない。でもこれがいい。これでいい。『ナイン・ストーリーズ』がいいのだ。

 『ナイン・ストーリーズ』の特徴は,スクェア初の全曲フルメンバー・アレンジにある。
 これまでT−スクェアのレコーディングはコンポーザー主導。コンポーザーがデモの時点でアレンジまで作り込んでおり,レコーディング本番でも他のメンバーに注文を出す。
 しかし『ナイン・ストーリーズ』では,コンポーザー主導は廃止。いっせーので全員でアイディアを出し合いアレンジした。老練の2人と若手の2人。しかし若手は老練による叩き上げ。共通の同じ土壌を持つからこそ,どんな花が咲き出ようとも「スクェア・カラー」に染まるのだ〜。

 …と,ここまで書いたが『ナイン・ストーリーズ』の発売日は明日。フラゲです。まだ3回聴いたにすぎません。これから評価が変化するかもしれません。ここまで書けたのはSONYの試聴サイトでのヘヴィ・ローテーションの賜物です?

 試聴時には,高速の【LITTLE MERMAID】っぽく聴こえた【A 〜FOR THE ROOKIES〜】ですが,フルで通して聴くと河野色が強い。【RONDO】っぽくて大好きです(なぜか伊東たけし作なのですが)。

NINE STORIES-2 そういうことで宇宙最速?『ナイン・ストーリーズ批評

 かなり良質なスクェア・サウンドが鳴っています。ポップ押しでは1,2を争う大名盤の誕生でしょう。スクェア伝統の「仕掛け」が随所に登場しますので,この面白さを堪能するためには,和泉時代,本田時代だけでなく松本時代にも耳を通されることをお奨めいたします。

 さて,最後に「購入者特典用応募ハガキ」について一言。
 『宝曲2(仮)』に収録して欲しい曲募集!!の【アンケート】。なにい〜。『宝曲2』今秋発売だと〜。これは絶対に外せない。
 読者の皆さんは,どの曲をリクエストしましたか? 管理人は,散々迷いましたが【いとしのうなじ】と書きました。書いてしまいました。理由はごまんとありますが突っ込まんといてや〜。

  01. A Little Big Life
  02. はやぶさ 〜The Great Journey:奇跡の帰還〜
  03. PRANKSTER
  04. ATLANTIS
  05. A・I・TA・KU・TE
  06. Night Games
  07. サンデー・キッチン
  08. For The Love Unborn
  09. A 〜for the rookies〜

(ヴィレッジ/VILLAGE 2011年発売/VRCL-10103)
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