SEVENTH DIMENSION-1 異例の3ヶ月連続アルバム・リリース=通称「月刊ディメンション」の第二弾『SEVENTH DIMENSION』は“ギンギン”のインプロフュージョン
 「超絶技巧集団」のレッテル正しく,とにかく激しく,しかしいつものクール・テイストで弾きまくっている。

 このように書いてしまうと高速ユニゾン大炸裂と思いきや,それだけではない。ファンクブルースの文脈でのアドリブの連発であり,3人のソロ・パートの譜面割りが初期DIMENSIONでは一番の長尺である。これがいい。
 青木智仁ベース・ソロと石川雅春ドラム・ソロも“ちょいちょい”挟んでくる。起承転結のあるアドリブからの更なる“崩し”が超カッコイイ。

 このアドリブの連鎖反応=アドリブのバトン・タッチで曲が進行しているかのように思わせておいて,最後にきっちりまとめ上げる構築美は,基本ジャズ・ロック小野塚晃濃度が高めである。

 勝田一樹メロディに乗った【PARABLE】&青木智仁石川雅春ビートに乗った【PARALLEL WORKS】で“仕掛ける”増崎孝司ギター・ソロが,いつ聴いても“鳥肌モノ”である。

 さて,長らく『SIXTH DIMENSION “LIVE”』への“ベスト盤的な世評”と『SEVENTH DIMENSION』での“ハイ・テクニック主義”に隠され,惑わされてしまっていたが『SEVENTH DIMENSION』のメロディ・ラインは『SECOND DIMENSION』から『FIFTH DIMENSION』までの流れを受けた「近未来フュージョンユニット」期の,真に一つの到達点だと思う。

SEVENTH DIMENSION-2 そう。初期DIMENSIONの集大成は『SIXTH DIMENSION “LIVE”』ではなく『SEVENTH DIMENSION』だと思う。

 【BIRD ISLAND】でのジャズ・アプローチと【LEGGY】でのクラブ・ジャズ・アプローチ。そして異色のキラー・チューン=クルセイダーズの【KEEP THAT SAME OLD FEELING】でのダンサブルを置き土産に「近未来フュージョンユニット」期は終了。

 『EIGHTH DIMENSION』から,DIMENSIONの十八番“円熟のクラッシュ・アンド・ビルド”期へと突入していく~。

  01. Cricket Smoker
  02. Double Vision
  03. Grey Jazz
  04. Bird Island
  05. Parable
  06. Parallel Words
  07. Leggy
  08. T.A Jingle
  09. Keep That Same Old Feeling

(BMGルームス/BMG ROOMS 1996年発売/BMCR-7005)

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