管理人はしばし“ジャズ・ピアニスト”Sayaの本質を勘違いしていた。
管理人がSayaにハマッタきっかけとなった思い出の『UNITY』(以下『ユニティ』)。『ユニティ』は名盤である。スイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】受賞作である。『ユニティ』の出来は「折り紙つき」なのである。マジで愛聴したものだった。
『ユニティ』は,Sayaお得意のR&B“ブラック全開な”ソウル・ジャズCD!
ドラムンベースである。【マーシー・マーシー・マーシー】&【ファンキー・ミラクル】である。ダイアナ・ロス,スティーヴィー・ワンダー,ロバータ・フラックである。どうだ。これでどうなんだ〜!
『ユニティ』は,Sayaのデビュー当時,乱立していた女性ジャズ・ピアニスト界へ“殴り込み”の一枚となった。
管理人は“名刺代わり”の『ユニティ』こそがSayaの本質だとずっと思っていた。
なにせSayaは“黒人音楽の総帥”ネヴィル・ブラザーズ出身。グルーヴ・ミュージックには人一倍敏感なはずである。3作目にしてついに来た。そう思っていた。
しかし『ユニティ』の中に“素顔の”Sayaはいない。まぁ,綺麗にお化粧したSaya本人もいるにはいるが『ユニティ』でのSayaは,売れ線狙いのレコード会社に作り上げられた“虚像”のSayaだったのだ。
Sayaの全ディスコグラフィを眺めていくと『ユニティ』の異質ぶりが際立っている。
例えば『ユニティ』の“ドッキドキな”ジャケット写真。昼間は“VENUS”しているSayaの“夜の顔”を見たようなジャケット写真。お嬢様の大変身はジャズとエロの蜜月の法則。レコード会社に“ぱっくり”背中を開けられて…。
『SIMPLE POEM』『DANCE YOUR HEART』での「正統派ピアノ・トリオ」路線と『BEAUTIFUL DAY』『BLOOM』『TIMELESS』での「URBAN CONTEMPORARY JAZZ」路線。そして『UNITY』『TWILIGHT』でのR&Bなコマーシャル路線。
『ユニティ』の売り=“コマーシャル仕掛け”なソウル・ジャズ・グルーヴ!
しかし『ユニティ』でのSayaは,売りであるリズムを,グルーヴを深追いしていない。Sayaが(自分の意思で)深追いするは,美しいアドリブなのである。
マーク・ウィリアムズのベースとデゾーン・クレイボーンのドラムが跳ねる中,Sayaはひたすらきれいにまとめている。そう。Sayaは“BEAUTY大好き”ジャズ・ピアニスト。つまりはメロディ重視である。
リズム重視の『ユニティ』にあって,Sayaのジャズ・ピアノが「ファンクの美メロ」を綴っていく。
Sayaのピアノは“クリスタル・タッチ”。しかし線は細くない。簡単には折れそうもない。芯の固いしっかりした音色を奏でている。どんなにリズムが跳ねようとも,瑞々しさを失わず,それでいて豊かな体験を映し込んだジャズ・ピアノが実にメロディアス。
ベースとドラムが暴れることで,Sayaの“メロディアスな”ジャズ・ピアノが映える映える。そう。この対比のテクニックはインタープレイを特意とする,エヴァンス派の“セオリー”である。
ただし『ユニティ』でのコントラストは「水を得た魚」になり得ていない。Sayaは基本“淡水魚”である。← 意味深トーク!?
勿論『ユニティ』での“売れ線”ジャズ・ピアノ路線も悪ではない。
そう。レコード会社の意向が働かなければ名盤『ユニティ』が生まれることはなかったし,斉藤栄弥=美人=美しいジャズ・ピアノが定着することもなかったと思う。
しかし悲しいかな。『ユニティ』のSayaは“虚像”のSaya。ずっと仮面をつけ続けるわけにはいかない。
問題は「第二の『ユニティ』」への圧力である。もっと元ネヴィル・ブラザーズっぽく弾け。それから肌を露出しろ…。
このレコード会社とのすれ違いが,現在の活動休止の原因なのでは? Sayaには「第二の『ユニティ』」を忘れて,本当に納得のいくCDだけを作ってほしい。結果,再びインディーズからの出発でもいい。「CLUB☆SAYA」のメンバー全員,Sayaさんの新作が届くことを祈り続けています。
PS 悪く書いてしまった『ユニティ』ですが,それはSayaの本質がゆがめられて伝えられることへの「やっかみ」です。『ユニティ』を単品で評価できれば文句なしの名盤です。でもSaya入門者の1枚目は『DANCE YOUR HEART』でお願いしま〜す。
01. UNITY
02. MERCY MERCY MERCY
03. DO YOU KNOW WHERE YOU'RE GOING TO
04. IN MY LIFE
05. RIBBON IN THE SKY
06. ETUDE OP.10 NO.3
07. CORCOVADO
08. BAG LADY
09. CROSSWIND
10. FEEL LIKE MAKING LOVE
11. SOMETHING
12. FUNKY MIRACLE
管理人がSayaにハマッタきっかけとなった思い出の『UNITY』(以下『ユニティ』)。『ユニティ』は名盤である。スイングジャーナル誌選定【ゴールドディスク】受賞作である。『ユニティ』の出来は「折り紙つき」なのである。マジで愛聴したものだった。
『ユニティ』は,Sayaお得意のR&B“ブラック全開な”ソウル・ジャズCD!
ドラムンベースである。【マーシー・マーシー・マーシー】&【ファンキー・ミラクル】である。ダイアナ・ロス,スティーヴィー・ワンダー,ロバータ・フラックである。どうだ。これでどうなんだ〜!
『ユニティ』は,Sayaのデビュー当時,乱立していた女性ジャズ・ピアニスト界へ“殴り込み”の一枚となった。
管理人は“名刺代わり”の『ユニティ』こそがSayaの本質だとずっと思っていた。
なにせSayaは“黒人音楽の総帥”ネヴィル・ブラザーズ出身。グルーヴ・ミュージックには人一倍敏感なはずである。3作目にしてついに来た。そう思っていた。
しかし『ユニティ』の中に“素顔の”Sayaはいない。まぁ,綺麗にお化粧したSaya本人もいるにはいるが『ユニティ』でのSayaは,売れ線狙いのレコード会社に作り上げられた“虚像”のSayaだったのだ。
Sayaの全ディスコグラフィを眺めていくと『ユニティ』の異質ぶりが際立っている。
例えば『ユニティ』の“ドッキドキな”ジャケット写真。昼間は“VENUS”しているSayaの“夜の顔”を見たようなジャケット写真。お嬢様の大変身はジャズとエロの蜜月の法則。レコード会社に“ぱっくり”背中を開けられて…。
『SIMPLE POEM』『DANCE YOUR HEART』での「正統派ピアノ・トリオ」路線と『BEAUTIFUL DAY』『BLOOM』『TIMELESS』での「URBAN CONTEMPORARY JAZZ」路線。そして『UNITY』『TWILIGHT』でのR&Bなコマーシャル路線。
『ユニティ』の売り=“コマーシャル仕掛け”なソウル・ジャズ・グルーヴ!
しかし『ユニティ』でのSayaは,売りであるリズムを,グルーヴを深追いしていない。Sayaが(自分の意思で)深追いするは,美しいアドリブなのである。
マーク・ウィリアムズのベースとデゾーン・クレイボーンのドラムが跳ねる中,Sayaはひたすらきれいにまとめている。そう。Sayaは“BEAUTY大好き”ジャズ・ピアニスト。つまりはメロディ重視である。
リズム重視の『ユニティ』にあって,Sayaのジャズ・ピアノが「ファンクの美メロ」を綴っていく。
Sayaのピアノは“クリスタル・タッチ”。しかし線は細くない。簡単には折れそうもない。芯の固いしっかりした音色を奏でている。どんなにリズムが跳ねようとも,瑞々しさを失わず,それでいて豊かな体験を映し込んだジャズ・ピアノが実にメロディアス。
ベースとドラムが暴れることで,Sayaの“メロディアスな”ジャズ・ピアノが映える映える。そう。この対比のテクニックはインタープレイを特意とする,エヴァンス派の“セオリー”である。
ただし『ユニティ』でのコントラストは「水を得た魚」になり得ていない。Sayaは基本“淡水魚”である。← 意味深トーク!?
勿論『ユニティ』での“売れ線”ジャズ・ピアノ路線も悪ではない。
そう。レコード会社の意向が働かなければ名盤『ユニティ』が生まれることはなかったし,斉藤栄弥=美人=美しいジャズ・ピアノが定着することもなかったと思う。
しかし悲しいかな。『ユニティ』のSayaは“虚像”のSaya。ずっと仮面をつけ続けるわけにはいかない。
問題は「第二の『ユニティ』」への圧力である。もっと元ネヴィル・ブラザーズっぽく弾け。それから肌を露出しろ…。
このレコード会社とのすれ違いが,現在の活動休止の原因なのでは? Sayaには「第二の『ユニティ』」を忘れて,本当に納得のいくCDだけを作ってほしい。結果,再びインディーズからの出発でもいい。「CLUB☆SAYA」のメンバー全員,Sayaさんの新作が届くことを祈り続けています。
PS 悪く書いてしまった『ユニティ』ですが,それはSayaの本質がゆがめられて伝えられることへの「やっかみ」です。『ユニティ』を単品で評価できれば文句なしの名盤です。でもSaya入門者の1枚目は『DANCE YOUR HEART』でお願いしま〜す。
01. UNITY
02. MERCY MERCY MERCY
03. DO YOU KNOW WHERE YOU'RE GOING TO
04. IN MY LIFE
05. RIBBON IN THE SKY
06. ETUDE OP.10 NO.3
07. CORCOVADO
08. BAG LADY
09. CROSSWIND
10. FEEL LIKE MAKING LOVE
11. SOMETHING
12. FUNKY MIRACLE
(ポニーキャニオン/LEAFAGE JAZZ 2002年発売/PCCY-30048)
(ライナーノーツ/佐藤英輔)
(ライナーノーツ/佐藤英輔)
コメント一覧 (4)
このジャケット写真は柔肌というよりロック娘が印象的です。エレキ・ギターかき鳴らしのリード・ギタリスト然しているように見えませんか?
木住野佳子といいSayaといい,エヴァンス派の女性ピアニストにはどうしてロック娘が多いのでしょうねぇ。
Sayaさんはセラビーさんのお気に入りのピアニストなんですよね。
過去の選評を拝見して、その事がひしひしと伝わってきます♪
アーティストの音楽性と、商業主義のレコード会社とのジレンマというのは必ずあるんですよね・・
それに嫌気がさして、独立レーベルを立ち上げたり、小さなインディーズからリリースされる方も、いますからね(^^)
このアルバムは聴いたことがないので、よく分からないのですが、実は今日、Sayaさんの「ビューティフルディ」を買って聴いてみました。とても音色が優しくて、癒されるピアノですね(^^) セラビーさんが好きになる気持ちが分かるような気がします。実を言うと、アウトレットで新品が550円!だったので、思わず手が伸びてしまいました(^^ゞ
先日はチキンジョージへのお誘いありがとうございました。とても嬉しかったのですが、何分、遠方というのと仕事の折り合いが付かず、残念ながら行けそうにないんですよ(^^;
お誘いして頂いたお気持ちだけで充分ありがたいです♪
『ビューティフルディ』GET! 新品550円とは掘り出し物でしたね。
『ビューティフルディ』が好みです。フェンダー・ローズなんて“フュージョン大好き”mususuさんにも気に入っていただけるものと信じています。mususuさんの「CLUB☆SAYA」(私設応援団)のメンバー入りも近いと勝手に思いました。
J−JAZZの若手女性ピアニストのお気に入りは,上原ひろみと山中千尋の世界のツー・トップも好きですが,好みは断然Sayaとアキコ・グレースです。なぜにSayaとアキコ・グレースがブレイクしないのかが理解できません。はい。すみません。
さて,チキン・ジョージの件,ご検討いただきありがとうございました。また来年以降チャンスはあります。是非一度ライブへ出かけましょうねっ。
もう試験終わりましたか? 風の少年さんのブログ更新も楽しみに待っています。
最近D7000を買いにお店に行ってD700に魂を抜かれてしまい,また初めから悩み出しました。来週はF4で撮影旅行に出かけます。写真談義もまたお願いしま〜す。